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リノベーションマンションとは?中古購入の費用と住宅ローンの借り方

リノベーションマンションとは、中古マンションの室内を、間取りや設備から作り直した住まいのことです。住宅事業者がリノベーションを済ませた物件を買う方法と、中古マンションを買ってから自分で工事を頼む方法の2つがあります。

新築より価格を抑えやすく、駅に近い立地も選びやすいことから人気があります。国土交通省の調査では、三大都市圏の購入資金の平均は中古マンションが3,321万円、新築の分譲マンションが6,443万円でした。費用の考え方と住宅ローンの借り方まで、はじめての人向けに説明します。

リノベーション済み物件と、中古を買ってから工事する方法の違い

リフォームとリノベーションという言葉に、法律上の決まった定義はありません。使い分けは業者によっても違いますが、おおまかには次のように考えれば十分です。

  • リフォーム:古くなった設備や内装を、もとの状態に近づける工事(キッチンの交換、壁紙の張り替えなど)
  • リノベーション:間取りや使い方そのものを変えて、もとの状態より価値や性能を高める工事

リノベーションマンションを手に入れる方法は2つあります。手間の少なさを取るか、間取りの自由さを取るかで向き不向きが分かれます。

項目 リノベーション済みの物件を買う 中古を買ってから自分でリノベーションする
間取りの自由さ 完成済みなので選べない 建物の条件の範囲で自由に決められる
完成した部屋を見てから買えるか 見て決められる 工事が終わるまで仕上がりは図面と見本で判断
入居までの期間 引き渡し後すぐ住める 設計と工事の期間が加わる
住宅ローン 物件価格を住宅ローンで借りる 購入費と工事費をまとめて借りられる商品を選ぶ必要がある
そのほかの費用 工事費は物件価格に含まれる 今の住まいに住めない場合は仮住まいの家賃と2回分の引っ越し代

リフォームとの違いと、それぞれで使えるローンはリフォームとリノベーションの違いの記事で紹介しています。

新築より中古マンションが選ばれる理由は立地と価格

駅に近い新築マンションは販売価格が高く、交通の便を重視する人には手が届かないこともあります。中古なら、同じ駅の近くでも新築より安く買える物件が見つかりやすくなります。

国土交通省の令和7年度住宅市場動向調査(2024年4月〜2025年3月に住み替えた世帯が対象・三大都市圏)では、購入資金の平均は中古マンションが3,321万円、新築の分譲マンションが6,443万円でした。

ただ、売り出されている部屋の間取りは、多くの人の暮らし方を想定して作られています。値段が手ごろでも、家族の暮らし方に合わなければ、住んでから不便を感じることがあります。そこで、安く買った中古を自分たちに合う間取りに変えるという選び方が出てきました。

スケルトンリノベーションなら間取りから作り直せる

スケルトンリノベーションとは、建物の骨組み(構造体)だけを残して室内をいったん空にし、間取りを一から作り直す工事のことです。フルリノベーションとも呼ばれます。

築年数がたった中古マンションは、駅に近くても手ごろな価格で買えることがあります。こうした部屋を安く買って中を作り直せば、新築に近い住み心地の部屋にできます。

マンションは共同住宅なので、一戸建てのように住む人の判断だけで建て替えることはできません。リノベーションは自分の部屋の中だけで行えるので、建物全体に手を入れなくても住まいを新しくできます。

マンションで変えられるのは専有部分だけ

はじめての人がいちばんつまずくのがここです。マンションは、自分のものである専有部分と、住民みんなのものである共用部分に分かれていて、共用部分は自分の判断では変えられません。

部位 一般的な扱い 知っておきたいこと
間仕切り壁・内装・床 専有部分(変えやすい) 床材の遮音性能を管理規約で指定していることが多い
キッチン・浴室・トイレの位置 専有部分(条件つきで変えられる) 排水管の勾配を確保できるかどうかで決まる
窓サッシ・玄関ドア(外側)・バルコニー 共用部分(原則変えられない) 内窓の追加など、認められる方法があるかは管理規約次第
構造上必要な壁・柱・梁 共用部分(撤去できない) 壁式構造のマンションは、抜けない壁が多い傾向
電気の容量・パイプスペース 建物の設計に左右される 希望の設備が使えるか事前に確認が必要

どこまで変えられるかは、建物の構造と管理規約によって物件ごとに違います。希望の間取りがあるなら、購入を決める前にリノベーション会社に現地を見てもらってください。契約後に「その壁は抜けません」と分かると、計画を大きく立て直さなければなりません。

業者選びや築年数でつまずいた例はリノベーションで失敗する原因の記事が参考になります。

中古マンションのリノベーション費用は物件価格・工事費・諸費用の合計で考える

リノベーションの費用は、工事の範囲で大きく変わります。水回りの交換や壁紙・床の張り替えだけなら比較的小さく済みますが、間取りから作り直すスケルトンリノベーションでは、配管や電気配線も入れ替えるため費用が大きくなります。

参考までに、同じ国土交通省の調査では、今の住まいをリフォームした世帯のリフォーム資金の平均は170万円でした。部分的な工事も含んだ平均なので、間取りを変える工事の目安にはなりません。工事費の目安は、物件を決める前にリノベーション会社から見積もりを取ると分かります。

資金計画では、次の費用を最初から合計して考えます。

  • 物件価格
  • リノベーションの工事費と設計費
  • 購入時の諸費用(仲介手数料・登記費用・ローンの事務手数料など)
  • 工事中の仮住まいの家賃と、2回分の引っ越し代
  • 入居後の管理費・修繕積立金

修繕積立金は、安ければ得とは限りません。積立金が少なすぎると、将来の大規模修繕で一時金を求められたり、大きく値上げされたりすることがあります。長期修繕計画があるか、積立金の残高は足りているかを、重要事項に係る調査報告書などで確認してください。

購入費とリノベーション費用は住宅ローン1本にまとめられることがある

中古マンションの購入費を住宅ローンで、工事費を別のリフォームローンで借りる方法もあります。ただ、一般にリフォームローンは住宅ローンより金利が高く、返済期間も短めです。

購入費とリノベーション費用をまとめて1本の住宅ローンで借りれば、金利の低い住宅ローンで工事費もまかなえます。多くの金融機関が扱っていますが、借りられる上限額や、工事の見積書を出すタイミングは金融機関ごとに違います。物件を探し始める前に、まとめて借りられるかを相談しておくと計画を立てやすくなります。

【フラット35】リノベなら当初5年間の金利が下がる

全期間固定金利の【フラット35】には、中古住宅向けの【フラット35】リノベがあります。中古住宅の購入とあわせて一定の要件を満たすリフォームをすると、【フラット35】の借入金利が一定期間引き下げられる制度です。

住宅金融支援機構の【フラット35】リノベのページによると、引き下げは金利Aプランが当初5年間年1.0%、金利Bプランが当初5年間年0.5%です(2026年10月時点)。買い方によって、次の2つのタイプがあります。

  • リフォーム一体タイプ:中古住宅を買ってから自分でリフォームする場合(このタイプを扱う金融機関に申し込む)
  • 買取再販タイプ:住宅事業者がリフォームした中古住宅を買う場合(すべての【フラット35】取扱金融機関で申し込める)

利用するには、【フラット35】の技術基準に加えて、一定の要件を満たすリフォームと、中古住宅の維持保全に関する措置が必要です。中古住宅を買うときに使う制度なので、新築や借り換えには使えません。

築年数が古い中古マンションでも住宅ローン控除は使える

中古住宅(既存住宅)でも、要件を満たせば住宅ローン控除の対象になります。住宅ローン控除とは、年末のローン残高の0.7%を、所得税などから差し引ける制度です。

中古住宅の場合は、昭和57年(1982年)1月1日以後に建てられた住宅であることが条件の一つです。それより前に建てられた住宅でも、取得前2年以内に耐震基準に合うと証明されたものなどは対象になります。

令和8年度の税制改正で、制度は2030年12月31日までの入居分まで延長されました。2026年に入居する場合、省エネ性能の高い中古住宅は控除期間が13年、その他の中古住宅は10年です。

借入限度額などは国税庁の中古住宅の住宅借入金等特別控除のページで確認できます。リノベーション物件で控除を受けるときの注意はリノベーション物件購入のポイントの記事で紹介しています。

リノベーションマンションを買うまでの6つのステップ

やることが多そうに見えますが、順番どおりに進めれば大丈夫です。

  1. 総額の上限を決める(物件価格・工事費・諸費用をセットで考える)
  2. 住宅ローンの事前審査を受ける(購入費と工事費をまとめて借りたいなら、この段階で相談する)
  3. 物件を探す(管理の状況・修繕積立金の残高・大規模修繕の履歴も確認する)
  4. 気になる物件はリノベーション会社と一緒に見る(希望の間取りができるかを購入前に判断する)
  5. 工事の見積もりを取り、住宅ローンの本審査へ進む
  6. 購入・工事・引き渡し

とくに大事なのは1と4です。工事費を後回しにすると、物件に予算を使いすぎて希望の工事ができなくなります。

築年数のたった物件では、建物の構造や築年数に応じて、借りられる期間の上限を設けている金融機関もあります。基準は金融機関ごとに違い、公表されていないこともあるので、物件を決める前に返済期間の条件を聞いておいてください。

まとめ:価格を抑えつつ自分たちに合う住まいをつくる

リノベーションマンションは、駅に近い立地と自分たちに合った間取りを、新築より抑えた予算で両立しやすい選び方です。服をサイズ直しして着るように、骨組みは生かして中身を自分たちに合わせる、と考えるとイメージしやすいかもしれません。

その代わり、共用部分は変えられないこと、工事費や仮住まいの費用が別にかかること、住宅ローンの条件が新築と違うことも知っておく必要があります。まずは物件価格・工事費・諸費用を足した総額でいくらまで出せるかを決めるところから始めてください。

金利や条件は月ごとに変わるので、申し込む前に各金融機関のページで最新の内容を確かめてください。

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