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住宅ローン控除の還付金はいくら?計算方法を3ステップで解説

住宅を買うとき、多くの方が住宅ローンを利用します。20年から35年という長い返済がはじまるわけですが、その負担をやわらげてくれるのが住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)です。 住宅ローン控除は、毎年の住宅ローン残高に応じた金額が、所得税(引ききれない分は一部が翌年の住民税)から差し引かれる制度です。うまく使えば、10年以上にわたって数十万円〜数百万円の差になります。 ただ、この制度は数年おきに内容が見直されています。「残高の1%が10年間」と覚えている方も多いのですが、現在の控除率は0.7%、控除期間は最大13年です。ここでは、いまのルールにもとづいた還付金の計算方法を、3つのステップに分けてやさしく解説します。

還付金は3つのステップで計算できる

計算の考え方はとてもシンプルです。順番に見ていきましょう。 【ステップ1】その年の年末ローン残高と「借入限度額」の、小さいほうを選ぶ まず基準になるのが、その年の12月31日時点で残っている住宅ローンの残高です。ただし、いくら残高が大きくても無制限に控除できるわけではありません。住宅の省エネ性能ごとに「借入限度額」が決められており、残高がそれを超える場合は借入限度額のほうが基準になります。 たとえばZEH水準省エネ住宅を新築した方(借入限度額3,500万円)で、年末残高が4,000万円あったとしても、計算に使うのは3,500万円です。 【ステップ2】控除率0.7%をかける ステップ1で決まった金額に、控除率0.7%(=0.007)をかけます。年末残高3,000万円で借入限度額の範囲内なら、次のようになります。
30,000,000円 × 0.7% = 210,000円 → その年の控除額は21万円
年末ローン残高ごとの住宅ローン控除額を示した棒グラフ
借入限度額の範囲内である場合の金額です。実際に戻る額は、その年に納めた所得税額が上限になります
残高は毎年減っていきますから、控除される金額も年々少しずつ減っていきます。これは制度の仕組み上、当然のことです。 【ステップ3】その年に納めた所得税と比べる ここが最後のポイントであり、初めての方がいちばん誤解しやすいところです。住宅ローン控除は「納めた税金が戻ってくる」制度なので、そもそも納めた税額を超えて戻ってくることはありません。 ステップ2で計算した控除額が21万円でも、その年に納めた所得税が15万円しかなければ、所得税から戻るのは15万円までです。 ただし、引ききれなかった分は、翌年度の個人住民税から差し引くことができます。住民税から控除できる金額には上限があり、前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円)までとされています。「所得税が少ないから、まったく恩恵がない」というわけではないのです。

住宅の種類で「借入限度額」と「控除期間」が変わる

現在の住宅ローン控除は、住宅の省エネ性能によって優遇の大きさに差をつける設計になっています。2026年(令和8年)1月1日から2030年(令和12年)12月31日までに入居する場合、おおよそ次のとおりです。
住宅の区分借入限度額(カッコ内は子育て世帯・若者夫婦世帯)控除期間
新築/長期優良住宅・低炭素住宅4,500万円(5,000万円)13年
新築/ZEH水準省エネ住宅3,500万円(4,500万円)13年
新築/省エネ基準適合住宅2,000万円(3,000万円)13年
既存(中古)/長期優良・低炭素・ZEH水準3,500万円(4,500万円)13年
既存(中古)/省エネ基準適合住宅2,000万円(3,000万円)13年
既存(中古)/その他住宅2,000万円10年
「子育て世帯」とは19歳未満の扶養親族がいる世帯、「若者夫婦世帯」とは夫婦のどちらかが40歳未満の世帯を指します。なお、新築の「省エネ基準適合住宅」は、2028年(令和10年)以降に建築確認を受けるものは適用対象外とされています(登記簿上の建築日が2028年6月30日までのものは適用対象)。着工が先になりそうな方は、早めに施工会社と確認しておきましょう。

住宅ローン控除を受けられるのはどんな人?

条件は、大きく次の5つです。以前のルールから変わっている項目があるので、順に確認してください。
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上あること。ほとんどの方はこれをクリアします。ただし、繰上返済で返済期間が10年未満になると、その後は控除を受けられなくなる点に注意が必要です。
  • 床面積が40㎡以上であること(合計所得金額が1,000万円を超える方、および子育て世帯等への上乗せ措置を使う方は50㎡以上)。かつては一律50㎡以上でしたが、コンパクトな住宅にも使えるよう緩和されました。
  • 店舗などとの併用住宅の場合、床面積の2分の1以上が居住用であること。自宅として使っていれば、通常は問題ありません。
  • 引き渡しまたは工事完了から6か月以内に入居し、その年の12月31日まで住み続けていること。
  • 合計所得金額が2,000万円以下であること。以前は3,000万円以下でしたが、現在は2,000万円以下に引き下げられています。
このほか中古住宅では、生計を一にする親族など特別な関係にある人からの取得ではないこと贈与による取得ではないことも条件になります。「親から家を安く譲ってもらう」といったケースは対象外になりやすいので、事前に確認しておきましょう。

中古住宅の築年数の条件は緩和されています

中古住宅について、「耐火建築物は築25年以内、木造などは築20年以内」という条件を覚えている方がいるかもしれません。この築年数の要件は、すでに緩和されています。 現在は、1982年(昭和57年)1月1日以後に建築された住宅であれば、築年数にかかわらず対象になります。これは新耐震基準にもとづく区分です。1982年1月1日以前に建築された住宅の場合は、確定申告のときに耐震基準適合証明書・建設住宅性能評価書の写し・既存住宅売買瑕疵担保責任保険の付保証明書のいずれかを提出することで、控除を受けられます。 古い物件を検討している場合は、「証明書が取得できるかどうか」を契約前に不動産会社へ確認することが大切です。引き渡し後では間に合わないことがあります。

初めての方がつまずきやすいポイント

Q. 手続きをしなくても自動で戻ってきますか? A. いいえ。入居した年の分は、自分で確定申告をする必要があります。会社員の方は、2年目以降は勤務先の年末調整で手続きできます。1年目の申告を忘れると受け取れないので、入居した翌年の申告期間は必ず意識しておきましょう。 Q. 共働きで2人ともローンを組んでいます。それぞれ受けられますか? A. ペアローンや連帯債務など、それぞれが債務者として住宅ローンを負担している場合は、各自の残高に応じて控除を受けられます。ただし持分や負担割合の考え方があるため、申告前に税務署や税理士に確認すると確実です。 Q. 繰上返済すると損になりますか? A. 一概には言えません。繰上返済すると残高が減るので控除額も減りますが、そのぶん利息の支払いも減ります。ただし、返済期間が10年未満になると控除そのものが受けられなくなるため、期間短縮型の繰上返済をするときは要注意です。 Q. 途中で転勤して住まなくなったら? A. 原則として、住まなくなった年以降は控除を受けられません。ただし単身赴任で家族が住み続けている場合など、扱いが変わるケースがあります。該当しそうな方は税務署に相談してください。

まとめ

住宅ローン控除の還付金は、「年末残高(または借入限度額)× 0.7%」を、その年に納めた所得税と比べる——この考え方さえ押さえておけば、おおよその金額はご自身で見当をつけられます。控除期間は最大13年、中古の「その他住宅」は10年です。 制度は数年ごとに見直されるため、ネット上には古いルール(控除率1%・10年間・床面積50㎡以上・所得3,000万円以下など)の解説も残っています。数字を見かけたら、それがいつの時点のものかを確かめる習慣をつけておくと安心です。 なお、控除額はローン残高で決まるので、繰上返済のタイミングは控除にも影響します。この点では、一部繰上返済の手数料が0円で、1円から何度でも返済できるSBI新生銀行のような銀行だと、控除期間中は無理に返さず、状況を見ながら計画を立て直しやすいという利点があります。金利だけでなく、こうした返済のしやすさもあわせて比べてみてください。 税制の要件・金額は改正されることがあります。最新の内容は国土交通省・国税庁の公式サイトでご確認ください。

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