住宅購入を検討する場合、物件と予算どちらを先に決めたほうが良い?
人生の中で一番高い買い物と言われるマイホームですが、住宅購入の検討を始める際、なんとなく住宅の外装や間取りなど希望を考えた上で、住宅展示場などに出かけて見る方も多いかと思いますが、希望と予算が噛み合わず、希望する住宅に出会えないことも多くあります。今回は、住宅を購入する場合における購入検討手順を考えてみます。
家計の収支を把握することから始める
住宅を購入検討する段階として、多くの方は子供が生まれた、結婚した、購入予算が確保できたなど、人生の節目の出来事から将来を見据えて購入検討をする方は多いです。
ただ、人生の節目は出費も多くなりがちで、平常時の家計の収支を把握することが難しい時期でもあります。住宅購入はローンを利用して購入する場合、毎月決められた返済額を金利と合わせて払っていく必要があります。
そのため、人生の節目など多くの出費が発生する時期ではなく、生活が平常通りとなり、普段の家計の収支が把握しやすく、時間に余裕ができたときに検討することをおすすめします。
住宅ローンを利用する場合は、毎月返済が必要となりますので、家計の収支を把握し、現状の収入を支出から、毎月いくらまでなら返済が可能であるかを把握した上で、次項の購入予算の検討を進めていきます。
もちろん、住宅ローン返済額だけではなく、万が一の時のための貯蓄を蓄えられることを前提に毎月の返済可能額を考えることが重要です。
住宅購入は物件を決める前に予算を決める
住宅購入を検討しはじめる場合、夢が膨らみ、希望の外装や間取りなどを想像してわくわくする方も多いかと思います。その感覚で、住宅展示場などに出かけて、希望が膨らむことで物件を先に決めてしまう方も多いのが現状です。
もちろん、希望する物件が毎月余裕を持って返済できる物件であればよいですが、最初はあれもこれも希望が多くなりやすく、結果として予算に比べて高額な物件であることも多いです。
無理して高額な物件を購入した場合、他の支出を削減する必要が出てくることに加え、収入が減少した場合に、返済ができなくなる可能性も考えられます。そのため、前述の通り、はじめに家計の収支を把握しておき、収支を前提に毎月いくらまでなら返済できるのかを算出した上で、購入予算額を決めます。
住宅ローンの審査においては、返済比率は30%以下であることを目安に融資可否の判断が行われます。返済が大きくなると審査にも影響を及ぼすことにもなりますので、事前に住宅ローンシミュレーションサイトなどを活用してみるものおすすめです。
例えば、現在の家計の収支から毎月7万円までなら返済ができそうであるとすると、通常の35年間返済を考慮すると、金利なども考慮して3,000万円程度の購入予算として考えることができます。
もちろん、返済条件などによっても購入予算は変わりますので、返済方法も合わせて検討することも重要です。
住宅購入以外に将来的に必要となる費用も加味すること
住宅購入予算を決める場合、単純に収支から返済可能額を算出するだけではなく、住宅購入以外に将来的に必要となるであろう費用も加味した上で予算を決めることが重要です。
例えば、お子様がいらっしゃる場合は、教育費も必要なります。また、自動車を買い換える可能性がある場合は自動車購入費用、ご自身の老後資金、購入した住宅の改装費用など、住宅購入後も多額の資金が必要となる状況は多く発生します。
特に、お子様の教育費についても1,000万円から3,000万円とほぼ住宅購入と同等の額が必要となります。合わせて住宅の返済額と合わせて、教育費を確保するための予算も同時に検討しておくのも良いでしょう。住宅ローンの返済と教育費の両立については、2020年7月14日に詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
購入可能な予算の範囲内で物件を絞り込んで候補を決める
最終的に物件を決める場合は、毎月の収支や将来的に必要となる費用を考慮した上で算出した購入予算を元に、物件を絞り込んで候補を決めます。
物件を絞り込むことができますので、予算を決めずに漠然と住宅の見学を行うのと比べると、効率的に物件を見て回ることができますし、物件を決めるのも多くの時間を費やす必要もなくなります。
一方で、どうしても譲れない部分があるが、購入予算に満たないという場合については、購入を延期し頭金をある程度ためた上で、再度購入検討を行なうことをおすすめします。
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