住宅ローンで注意することとは? 〜「毎月の返済は家賃並み」「自己資金ゼロ」は本当?〜
一戸建てやマンションの購入を検討する時には、いくつかのクリアすべきハードルがあります。
そのハードルとして真っ先に思い浮かぶのが、「住宅ローン」という方も多いかと思います。
「家賃並みの返済で購入可能」とか、「自己資金ゼロで購入可能」という広告を見かけ、それなら自分でも購入できると考えます。本当に「購入可能」なのでしょうか。
今回は、住宅ローンと自己資金、毎月の返済について分かりやすく解説していきます。
新築マンションの購入、どのような費用が掛かるの?
まず、新築マンションを購入する際の様々な諸費用を列記します。
1.所有権保存登記費用
(建物のうち購入する区分の所有権を登記する費用 ※区分=部屋)
2.抵当権設定登記費用(不動産を住宅ローンの担保とする登記の費用)
3.住宅ローンの保証料、手数料、特約条件(優遇金利などの特別条件)の手数料
4.修繕積立一時金(共有部分を修繕する費用のうち、新築購入者が払う費用)
5.印紙代(購入契約書やローン契約書に必要)
6.火災・地震保険料
などが一般的な費用です。これらは住宅ローンに含められないのが原則ですので、自己資金から支払うことになります。
ちなみに「諸費用ローン」というローン商品を利用することにより「自己資金ゼロ」が可能になる場合があります。
「オーバーローン」の枠組み
但し、この諸費用ローンは事実上「オーバーローン」の枠組みであると言えます。
どういう事かと言いますと、新築不動産の価格には売主会社側の利益も含まれているため、不動産の実質的な価値は販売価格の70〜80%程度となります。
加えて諸費用ローン(販売価格の3〜7%)を組むとなれば、実質価値を25%〜35%超過(オーバー)してローンを借りることになるのです。
それがどういう影響をもたらすかと言うと、売却する際にローン残高が多くなってしまい、相場の価格で売りに出せず、「売りたくても売れない」という悪循環が生じることになるのです。
可能な限り、売却をも見据えた資金計画を組むようにしましょう。
またこの他にも、引越費用や新規に購入する家財道具、一部税金など、購入費用以外の支出があることも覚えておきましょう。
「毎月の返済が家賃並みなら、今と変わらない生活ということ?」
確かに住宅ローンの返済だけであれば、その通りかも知れません。
しかし、マンションの場合は、管理費、修繕積立金、駐車場使用料(1台分)、別途駐車場費用、毎年の固定資産税・・・などがランニングコストとして必要になってくるのです。
このように、現実的には「家賃並みの返済で購入可能」や「自己資金ゼロで購入可能」とならないケースもあるのだということがお分かり頂けたと思います。
次回から、一戸建て購入のケースや、物件選びのポイントなどに触れて行きたいと思います。
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