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住宅ローン借り換えの初期費用はいくら?内訳と抑え方をやさしく解説

住宅ローンを返している途中で、「借り換えたほうが返済がラクになるのでは?」と考えることがあります。実際そのとおりになるケースはあるのですが、判断を分けるのが初期費用です。ここを見ないまま金利だけで比べると、「借り換えたのに、かえって損をした」ということが起こります。 この記事では、借り換えのときにどんな費用が、いくらくらいかかるのかを費目ごとに整理し、そのうえで抑えるためにできることをご紹介します。難しい言葉はそのつど解説しますので、はじめての方もご安心ください。

借り換えの費用は「新しく借りるときとほぼ同じ」です

最初に、なぜ費用がかかるのかを押さえておきましょう。 借り換えは、新しい銀行から借りたお金で、いまの銀行に一括返済する手続きです。つまり住宅ローンをもう一度組み直しているわけですから、新規で借りたときと同じような費用が、あらためて発生します。お金そのものは銀行の間で動くので、ご自身が現金を運ぶ必要はありませんが、手続きにかかる費用は別途必要になる、というわけです。

費用の内訳を一覧で確かめましょう

借り換えでかかる主な費用は、次のとおりです。
費目金額の目安ひとこと
融資事務手数料借入額×2.20%(税込)の定率型が主流。定額型もありいちばん金額が大きくなりやすい費目
保証料商品による(0円のものもある/金利上乗せ型もある)保証会社を使う商品でかかる
抵当権の抹消登記登録免許税は不動産1個につき1,000円土地と建物なら合計2,000円
抵当権の設定登記登録免許税は借入額の0.4%借り換えでは軽減措置が使えません(後述)
司法書士報酬数万円〜10万円程度(事務所による)登記の手続きを代行してもらう費用
印紙税借入額1,000万円超5,000万円以下で2万円電子契約なら不要になる場合があります
全額繰上返済(完済)手数料0円〜数万円いまの銀行に支払う費用
このほか、団体信用生命保険(団信)に上乗せ保障を付ける場合は金利が上がることもあります。「金利」と「一度きりの費用」は別物なので、分けて考えてください。

いちばん大きいのは事務手数料。まず「型」を見てください

費用の中で最も金額が大きくなりやすいのが、融資事務手数料です。ここには大きく2つのタイプがあります。
  • 定率型……借入額×2.20%(税込)など、借りる金額に比例するタイプ。いまの主流です
  • 定額型……借入額にかかわらず一定額のタイプ。金融機関によって金額はさまざまです
借入額が増えるほど定率型の事務手数料が比例して増えることを示す棒グラフ
定率型は借入額に比例します。借入額が小さいときは、定額型のほうが安く収まることもあります。
図のとおり、定率型は借入額が大きくなるほど手数料も増えます。借り換えでは残っている残高ぶんを借り直すので、残高が大きい方ほど、この費目の重みが増すということです。 逆に、残高がそれほど多くない方や、残りの返済期間が短い方は、定額型のほうが総額を抑えられることがあります。ただし、定額型の商品は金利がやや高めに設定されていることもあるため、「手数料+利息」の合計で比べるのが正解です。手数料の型だけを見て決めないでください。

見落としがちな登記費用——借り換えでは軽減が使えません

ここは、多くの方が知らずに損をしがちなところです。 借り換えでは、いまの銀行の抵当権を消して(抹消)、新しい銀行の抵当権を付け直す(設定)という登記の手続きが必要になります。それぞれに登録免許税がかかります。
  • 抵当権の抹消……不動産1個につき1,000円。土地と建物の2個なら2,000円です
  • 抵当権の設定……原則として借入額の0.4%
マイホームを買うときには、住宅取得資金の借り入れに対する軽減措置(租税特別措置法第75条)があり、抵当権設定の税率は0.4%から0.1%に下がります。ところが、この軽減は「住宅を新築・取得するための借り入れ」に対するもので、登記も「新築または取得後1年以内」に受けることが条件とされています(国税庁)。 つまり、すでに住んでいる住宅のローンを借り換える場合、この軽減は使えません。原則どおり0.4%と考えておいてください。たとえば2,000万円を借り換えるなら、設定分の登録免許税だけで8万円になります。「買ったときは安かったのに」と驚かないよう、あらかじめ計算に入れておきましょう。

※軽減措置そのものの適用期限は2027年3月31日までです(国税庁)。制度は改正されることがありますので、実際の手続きの前に最新の内容をご確認ください。

印紙税は「電子契約」でゼロにできることがあります

住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)は、印紙税法でいう第1号文書にあたり、契約金額に応じた印紙税がかかります。国税庁の印紙税額一覧によると、次のとおりです。
  • 500万円超〜1,000万円以下……1万円
  • 1,000万円超〜5,000万円以下……2万円
  • 5,000万円超〜1億円以下……6万円
なお、不動産の譲渡契約書や建設工事の請負契約書には税額の軽減措置がありますが、消費貸借契約書(住宅ローンの契約書)は軽減の対象ではありません。 そのうえで知っておきたいのが、印紙税がかかるのは「紙の文書」を作成した場合だということです。そのため、電子契約に対応している金融機関を選べば、この印紙代がかからずに済むことがあります(別途、電子契約の利用手数料がかかる場合もあります)。数万円の差になりますので、申し込みの前に「電子契約に対応しているか」を確認してみてください。

費用を抑えるための5つの工夫

ここまでの内容をふまえて、実際にできることをまとめます。
  1. 手数料の「型」を自分の残高に合わせて選ぶ……残高が小さい・残期間が短いなら定額型が有利なことも。ただし金利との合計で判断します
  2. 電子契約に対応した金融機関を選ぶ……印紙税(1,000万円超なら2万円)を節約できることがあります
  3. 保証料0円の商品を候補に入れる……保証料の有無は商品によって大きく違います
  4. いまの銀行の完済手数料を先に調べる……インターネットバンキングからの手続きなら無料、という金融機関もあります。窓口と手続き方法で金額が違うことがあるので、事前に確認を
  5. キャンペーンの適用条件を確認する……手数料の割引や現金プレゼントを実施していることがあります。条件・期間・申請の要否は必ず公式のキャンペーンページで確かめてください
なお、諸費用を借入額に含められる商品もあります。手元の現金を減らさずに済む一方で、借入額が増えるぶん利息も増え、住宅ローン控除の対象となる金額にも影響することがあります(借り換え後の借入額が直前の残高を上回る場合は、決められた計算式であん分されます/国税庁 No.1233)。手元資金と相談して決めてください。

「残高1,000万円以上」という目安の読み方

借り換えの目安として、昔から「金利差1%以上・残高1,000万円以上・残り期間10年以上」という3条件がよく挙げられます。この記事の元になった考え方も同じで、費用を払っても取り戻せるだけの効果があるか、という発想です。 ただし、これはあくまで語呂のよい目安です。実際には、事務手数料が定率型か定額型か、保証料がかかるかどうか、電子契約が使えるかどうかで、必要な費用は数十万円単位で変わります。3条件に届かなくても効果が出ることもあれば、届いていても費用に負けることもある——最後はご自身の数字で確かめる、と覚えておいてください。

費用を回収できるか、こうやって確かめます

手順はシンプルです。次の順番で計算してみてください。
  1. いまの条件を書き出す……返済予定表を見て、適用金利・残高・残りの返済期間・今後の総返済額を確認します
  2. 借り換え後の総返済額を出す……候補の金融機関のシミュレーションで、同じ残期間の総返済額を計算します
  3. 差額(=減らせる利息)を求める……①−②です
  4. 費用の合計と比べる……この記事の内訳表にそって、事務手数料・登記費用・印紙税・完済手数料を足します
  5. ③が④を十分に上回るかを見る……上回っていれば、借り換えの効果が残ります
多くの金融機関が、借り換え専用のシミュレーションを公開しています。諸費用を入力できるタイプを選ぶと、より実態に近い結果が出ます。

費用まわりで、よくつまずくところ

Q. 費用はいつ、どうやって払うのですか?
A. 多くの場合、借り換えを実行する日(融資実行日)に、借入額から差し引くか、指定口座から引き落とす形で精算します。手元から現金で用意する必要があるかどうかは、金融機関に確認してください。

Q. 抵当権の抹消は自分でできますか?
A. 制度上は可能ですが、借り換えでは「いまの抵当権を消す」と「新しい抵当権を付ける」を同じ日に確実に行う必要があるため、実務上は金融機関が指定する司法書士にまとめて依頼するのが一般的です。報酬を惜しんで手続きが滞ると、かえって面倒なことになります。

Q. 審査に落ちたら、費用は取られてしまいますか?
A. 融資が実行されなければ、事務手数料や登記費用は原則としてかかりません。ただし、物件の調査費用など一部の実費が必要になる場合があります。申し込みの前に、どの時点から費用が発生するのかを確認しておくと安心です。

Q. 保証料は返ってきますか?
A. 一括前払い型の保証料を払っている場合、繰上返済(完済)によって未経過分が戻ってくることがあります。戻り保証料は費用を打ち消してくれる要素になるので、いまの銀行に「借り換えで完済した場合の戻り額」を確認してみてください。金利上乗せ型の場合は返ってくるものがありません。

Q. 変動金利と固定金利、どちらに借り換えるべきですか?
A. 費用の話とは別に、ここは考え方の問題です。返済額が変わらない安心を優先するなら固定金利型、当面の負担を抑えたいなら変動金利型が向きます。全期間固定の代表格である【フラット35】は、2026年8月資金受取分で年3.290%(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き/住宅金融支援機構)と、変動金利より高い水準です。金利タイプを変えると当面の返済額が増えることもある点は、あらかじめ理解しておいてください。

おわりに——比べるのは「金利」ではなく「総額」です

借り換えを検討するときは、つい表示金利の低さに目が行きます。けれども実際に手元に残る効果を決めるのは、金利・事務手数料・保証料・登記費用・印紙税をすべて足した「総額」です。 候補を2〜3社に絞ったら、同じ条件でこの総額を並べてみてください。それだけで、判断はぐっとはっきりします。費用のかたちが分かりやすい商品として、たとえばSBI新生銀行のように保証料が0円で、一部繰上返済手数料もかからず、一般団信の保険料上乗せもないタイプもあります。ネットでの手続きと店舗での相談を両方選べるので、費用の内訳を人に確かめながら進めたい方にも向いているでしょう。 手数料も金利も見直されることがあります。実際に比較するときは、必ず各金融機関の公式サイトで最新の条件をご確認ください。

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