- 公開日: 2026.08.30
- ゼロから学ぶ住宅ローン
カードローンと住宅ローンの違い|金利・使い道・審査をやさしく比較

まずは、2つのローンの役割の違いから
細かい話に入る前に、大づかみに整理してしまいます。| 比べる観点 | 住宅ローン | カードローン |
|---|---|---|
| お金の使い道 | 住宅の購入・新築・増改築などに限定 | 原則自由(事業資金を除く場合が多い) |
| 担保 | 購入する住宅と土地に抵当権を設定 | 不要(無担保・保証人不要が一般的) |
| 金利の水準 | 低い(年1%前後〜3%台が中心) | 高い(年1%台〜14%台が中心) |
| 借りられる金額 | 数千万円規模 | 数十万円〜数百万円の限度額 |
| 借り方 | 契約時にまとめて1回 | 限度額の範囲で何度でも |
| 審査にかかる時間 | 事前審査+本審査で数週間 | 短時間で結果が出るものもある |
| 返済期間 | 最長35年(商品により50年も) | 短期の利用が前提 |
住宅ローンの金利が低いのは、担保と使い道があるから
「なぜ住宅ローンだけこんなに金利が低いの?」と不思議に思ったことはありませんか。理由は、貸す側から見たときのリスクの小ささにあります。 住宅ローンでは、購入する住宅と土地に抵当権という権利が設定されます。もし返済が続けられなくなったとき、金融機関はその不動産を売却して貸したお金を回収できる、という仕組みです。回収の見込みが立つぶん、低い金利で貸すことができます。【用語ミニ解説】抵当権
借りたお金の担保として、不動産に付ける権利のことです。抵当権が付いている間も、その家に住み続けることはできますし、名義もご自身のままです。ただし金融機関に無断で売ってしまうことはできません(売るときは、売却代金でローンを完済して抵当権を消すのが基本です)。
カードローンの金利が高いのは、便利さの裏返し
一方のカードローンは、担保も保証人も要りません。審査で決まった限度額の範囲であれば、ATMやアプリからいつでも必要なぶんだけ借りられます。インターネットからなら申し込みは24時間受け付けており、その日のうちに借りられる商品もあります。 この手軽さは大きな魅力ですが、担保がない=貸す側のリスクが高いぶん、金利は住宅ローンよりずっと高く設定されています。銀行のカードローンで年1%台〜14%台、消費者金融のカードローンでは年18%前後が上限というのが一般的な水準です(上限は利息制限法で、元本10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%と定められています)。 たとえば同じ100万円を借りても、年1.0%と年14.0%では利息の重さがまるで違います。カードローンは「短期間で返しきる前提の商品」と考えて、日常のちょっとした資金繰りに限って使うのが本来の姿です。頭金や諸費用をカードローンで用意するのは避けてください
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。 「頭金が少し足りないから、カードローンで補って住宅ローンを申し込もう」——一見うまい方法に見えますが、これはおすすめできません。理由は2つあります。①住宅ローンの審査で不利になります。
金融機関は、住宅ローンの審査で「年収に対して、年間の返済額がどのくらいか」という返済負担率を見ます。このとき、カードローン・自動車ローン・奨学金・クレジットカードのリボ払いなど、ほかの借入もすべて合算されます。カードローンの残高があるだけで借入可能額が下がり、場合によっては審査に通らないこともあります。しかも、借入の状況は個人信用情報機関に登録されているため、申告しなくても金融機関には分かります。
②返済がいきなり二重になります。
住宅ローンの返済が始まった月から、金利の高いカードローンの返済も並行して続くことになります。家計にとっていちばんきつい立ち上がりの時期に、負担を自分から増やしてしまう形です。
「年収の3倍まで」は昔の目安です
住宅ローンの借入額について、「年収の3倍まで」「5倍まで」といった話を聞いたことがあるかもしれません。実際のところ、いまの水準はどうなっているのでしょうか。 住宅金融支援機構が公表した2025年度【フラット35】利用者調査(2026年7月24日公表・借換えを除く35,553件を集計)によると、全国平均は次のとおりです。- 平均世帯年収……715.9万円
- 年収倍率(住宅の所要資金 ÷ 世帯年収)……6.6倍
- 手持金(いわゆる頭金)……平均551.2万円=所要資金の13.1%
- 総返済負担率(毎月の返済額 ÷ 世帯月収)……22.8%

用語ミニ解説:総量規制ってなんですか?
カードローンを調べていると必ず出てくるのが「総量規制」という言葉です。これは貸金業法で定められたルールで、貸金業者からの借入総額を、原則として年収の3分の1までに制限するというものです。年収300万円の方なら、貸金業者からの借入は合計100万円までが上限になります(日本貸金業協会)。 ここで押さえておきたいのが、対象になるのは「貸金業者」からの借入だけという点です。消費者金融やクレジットカード会社のキャッシングは対象ですが、銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫は貸金業者にあたらないため、総量規制の対象外とされています。銀行のカードローンや住宅ローンが対象にならないのはこのためです。 ただし、「対象外=いくらでも借りられる」ではありません。銀行も業界の自主的な取り組みとして、年収に対する上限を設けるなど独自の基準で審査しています。そして繰り返しになりますが、カードローンの借入は住宅ローンの審査でしっかり見られます。こんなときどうする?(読者の悩みから)
Q. すでにカードローンを使っています。住宅ローンは組めませんか?
A. 使っているだけで必ず組めなくなるわけではありませんが、不利にはたらくのは確かです。可能であれば住宅ローンを申し込む前に完済し、カード自体も解約して契約を終えておくのが安心です。限度額が残っているだけで、いつでも借りられる枠として審査に影響することがあります。
Q. 使っていないカードローンの契約が残っています。放っておいて大丈夫ですか?
A. 残高がゼロでも、利用限度額が「借りられる枠」として審査で考慮されることがあります。使う予定がないなら、申し込みの前に解約しておくとすっきりします。
Q. 引っ越し費用や家具の購入費も住宅ローンに含められますか?
A. 金融機関や商品によります。諸費用まで含めて借りられる商品もありますが、対象になる費用の範囲は決まっています。「足りないぶんをカードローンで」と考える前に、まず借入先に相談してください。
Q. 借入額はどうやって決めればいいですか?
A. 「いくらまで借りられるか」ではなく、「毎月いくらまでなら無理なく返せるか」から逆算するのが基本です。教育費や車の買い替え、修繕費といった将来の出費も、あらかじめ書き出しておきましょう。
住宅ローンを申し込むまでの流れ
最後に、実際の進め方を整理しておきます。- いまの借入をすべて洗い出す……カードローン・自動車ローン・奨学金・分割払い・リボ払いまで、残高と毎月の返済額を書き出します
- 返せる金額から予算を決める……毎月の返済可能額をもとに、借入額の上限を先に決めます
- 事前審査(仮審査)を受ける……物件を決める前でも申し込めることが多く、資金計画の見通しが立ちます
- 金利タイプと総費用で借入先を比べる……金利だけでなく、事務手数料・保証料・団体信用生命保険(団信)の保障内容まで含めて比較します
- 本審査・契約・融資実行

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