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カードローンと住宅ローンの違い|金利・使い道・審査をやさしく比較

家を買うということは、人生でいちばん大きな買い物をするということです。だからこそ、お金を借りる仕組みについても、最低限のところは知っておきたいところです。 「ローン」と聞いて思い浮かぶのは、住宅ローンとカードローン。名前は似ていますが、この2つはまったく性格の違う商品です。ここを混同すると、あとで思わぬ苦労をすることがあります。順番に見ていきましょう。

まずは、2つのローンの役割の違いから

細かい話に入る前に、大づかみに整理してしまいます。
比べる観点住宅ローンカードローン
お金の使い道住宅の購入・新築・増改築などに限定原則自由(事業資金を除く場合が多い)
担保購入する住宅と土地に抵当権を設定不要(無担保・保証人不要が一般的)
金利の水準低い(年1%前後〜3%台が中心)高い(年1%台〜14%台が中心)
借りられる金額数千万円規模数十万円〜数百万円の限度額
借り方契約時にまとめて1回限度額の範囲で何度でも
審査にかかる時間事前審査+本審査で数週間短時間で結果が出るものもある
返済期間最長35年(商品により50年も)短期の利用が前提
ひとことで言えば、住宅ローンは「家を買うためだけの、長く低金利で借りられるローン」カードローンは「使い道を問われない代わりに金利が高い、短期向けのローン」です。

住宅ローンの金利が低いのは、担保と使い道があるから

「なぜ住宅ローンだけこんなに金利が低いの?」と不思議に思ったことはありませんか。理由は、貸す側から見たときのリスクの小ささにあります。 住宅ローンでは、購入する住宅と土地に抵当権という権利が設定されます。もし返済が続けられなくなったとき、金融機関はその不動産を売却して貸したお金を回収できる、という仕組みです。回収の見込みが立つぶん、低い金利で貸すことができます。

【用語ミニ解説】抵当権
借りたお金の担保として、不動産に付ける権利のことです。抵当権が付いている間も、その家に住み続けることはできますし、名義もご自身のままです。ただし金融機関に無断で売ってしまうことはできません(売るときは、売却代金でローンを完済して抵当権を消すのが基本です)。

もうひとつの理由が、使い道が住宅の取得に限られていることです。借りたお金がどこに使われるかがはっきりしているため、貸す側は安心して長期の融資ができます。逆に言えば、住宅ローンのお金を車の購入や生活費に回すことはできません。契約違反として一括返済を求められることもある、ということは覚えておいてください。

カードローンの金利が高いのは、便利さの裏返し

一方のカードローンは、担保も保証人も要りません。審査で決まった限度額の範囲であれば、ATMやアプリからいつでも必要なぶんだけ借りられます。インターネットからなら申し込みは24時間受け付けており、その日のうちに借りられる商品もあります。 この手軽さは大きな魅力ですが、担保がない=貸す側のリスクが高いぶん、金利は住宅ローンよりずっと高く設定されています。銀行のカードローンで年1%台〜14%台、消費者金融のカードローンでは年18%前後が上限というのが一般的な水準です(上限は利息制限法で、元本10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%と定められています)。 たとえば同じ100万円を借りても、年1.0%と年14.0%では利息の重さがまるで違います。カードローンは「短期間で返しきる前提の商品」と考えて、日常のちょっとした資金繰りに限って使うのが本来の姿です。

頭金や諸費用をカードローンで用意するのは避けてください

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。 「頭金が少し足りないから、カードローンで補って住宅ローンを申し込もう」——一見うまい方法に見えますが、これはおすすめできません。理由は2つあります。

①住宅ローンの審査で不利になります。
金融機関は、住宅ローンの審査で「年収に対して、年間の返済額がどのくらいか」という返済負担率を見ます。このとき、カードローン・自動車ローン・奨学金・クレジットカードのリボ払いなど、ほかの借入もすべて合算されます。カードローンの残高があるだけで借入可能額が下がり、場合によっては審査に通らないこともあります。しかも、借入の状況は個人信用情報機関に登録されているため、申告しなくても金融機関には分かります。

②返済がいきなり二重になります。
住宅ローンの返済が始まった月から、金利の高いカードローンの返済も並行して続くことになります。家計にとっていちばんきつい立ち上がりの時期に、負担を自分から増やしてしまう形です。

頭金が足りないと感じたときは、借りて埋めるのではなく、「予算を見直す」「貯めてから買う」「親からの贈与を検討する」といった方向で考えてください。どうしても資金計画に不安があるときは、申し込む前に金融機関の窓口や、住宅金融支援機構などの公的な相談窓口に相談してみましょう。

「年収の3倍まで」は昔の目安です

住宅ローンの借入額について、「年収の3倍まで」「5倍まで」といった話を聞いたことがあるかもしれません。実際のところ、いまの水準はどうなっているのでしょうか。 住宅金融支援機構が公表した2025年度【フラット35】利用者調査(2026年7月24日公表・借換えを除く35,553件を集計)によると、全国平均は次のとおりです。
  • 平均世帯年収……715.9万円
  • 年収倍率(住宅の所要資金 ÷ 世帯年収)……6.6倍
  • 手持金(いわゆる頭金)……平均551.2万円=所要資金の13.1%
  • 総返済負担率(毎月の返済額 ÷ 世帯月収)……22.8%
住宅の種類別に見た年収倍率の棒グラフ。土地付注文住宅が7.8倍で最も高い
全国平均は6.6倍。「年収の3倍まで」という昔の目安とは、水準がまったく違います。
つまり、いま実際に家を買っている人の平均は年収の6倍以上で、「年収の3倍」という昔の目安とは水準がまったく異なります。住宅価格そのものが上がっていることが背景にあります。 ただし、これは平均であって「これだけ借りて大丈夫」という基準ではありません。金融機関が審査で見るのは倍率ではなく、先ほど出てきた返済負担率です。同じ調査の平均が22.8%である点は、ひとつの目安になります。 そして忘れてはいけないのが、金利が上がると、同じ借入額でも毎月の返済額は増えるということです。日本銀行の政策金利は2026年8月時点で年1.0%程度まで引き上げられ、全期間固定の【フラット35】は2026年8月資金受取分で年3.290%(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)となっています。変動金利を選ぶ場合は、いまの金利ではなく、金利が上がったときの返済額でも耐えられるかで借入額を決めてください。

用語ミニ解説:総量規制ってなんですか?

カードローンを調べていると必ず出てくるのが「総量規制」という言葉です。これは貸金業法で定められたルールで、貸金業者からの借入総額を、原則として年収の3分の1までに制限するというものです。年収300万円の方なら、貸金業者からの借入は合計100万円までが上限になります(日本貸金業協会)。 ここで押さえておきたいのが、対象になるのは「貸金業者」からの借入だけという点です。消費者金融やクレジットカード会社のキャッシングは対象ですが、銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫は貸金業者にあたらないため、総量規制の対象外とされています。銀行のカードローンや住宅ローンが対象にならないのはこのためです。 ただし、「対象外=いくらでも借りられる」ではありません。銀行も業界の自主的な取り組みとして、年収に対する上限を設けるなど独自の基準で審査しています。そして繰り返しになりますが、カードローンの借入は住宅ローンの審査でしっかり見られます。

こんなときどうする?(読者の悩みから)

Q. すでにカードローンを使っています。住宅ローンは組めませんか?
A. 使っているだけで必ず組めなくなるわけではありませんが、不利にはたらくのは確かです。可能であれば住宅ローンを申し込む前に完済し、カード自体も解約して契約を終えておくのが安心です。限度額が残っているだけで、いつでも借りられる枠として審査に影響することがあります。

Q. 使っていないカードローンの契約が残っています。放っておいて大丈夫ですか?
A. 残高がゼロでも、利用限度額が「借りられる枠」として審査で考慮されることがあります。使う予定がないなら、申し込みの前に解約しておくとすっきりします。

Q. 引っ越し費用や家具の購入費も住宅ローンに含められますか?
A. 金融機関や商品によります。諸費用まで含めて借りられる商品もありますが、対象になる費用の範囲は決まっています。「足りないぶんをカードローンで」と考える前に、まず借入先に相談してください。

Q. 借入額はどうやって決めればいいですか?
A. 「いくらまで借りられるか」ではなく、「毎月いくらまでなら無理なく返せるか」から逆算するのが基本です。教育費や車の買い替え、修繕費といった将来の出費も、あらかじめ書き出しておきましょう。

住宅ローンを申し込むまでの流れ

最後に、実際の進め方を整理しておきます。
  1. いまの借入をすべて洗い出す……カードローン・自動車ローン・奨学金・分割払い・リボ払いまで、残高と毎月の返済額を書き出します
  2. 返せる金額から予算を決める……毎月の返済可能額をもとに、借入額の上限を先に決めます
  3. 事前審査(仮審査)を受ける……物件を決める前でも申し込めることが多く、資金計画の見通しが立ちます
  4. 金利タイプと総費用で借入先を比べる……金利だけでなく、事務手数料・保証料・団体信用生命保険(団信)の保障内容まで含めて比較します
  5. 本審査・契約・融資実行
借入先を比べるときは、金利の低さだけで決めないことが大切です。たとえばSBI新生銀行のように、保証料が0円で、一部繰上返済手数料もかからず、一般団信の保険料上乗せもない――費用の内訳が分かりやすい商品もあります。ネットでの手続きと店舗での相談を両方選べる点も、はじめての方には心強いところでしょう。 金利・手数料・団信の内容は見直されることがあります。実際に申し込むときは、必ず各金融機関の公式サイトで最新の条件をご確認ください。

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