団信の「高度障害状態」とは?定義とフラット35の身体障害保障との違い

住宅ローンを利用する場合、ローン返済中に万が一死亡や高度障害状態になった場合に備えて、多くの方が団体信用生命保険(団信)に加入しています。団信が適用されるのは「死亡または所定の高度障害状態になった場合」とされていますが、具体的に「高度障害状態」とはどのような状態を指すのか、わかりづらい部分があります。
今回は、団体信用生命保険における「高度障害状態」とは具体的にどういう状態のことを指すのかを解説します。
団体信用生命保険における高度障害状態の定義
団体信用生命保険において「高度障害状態」とは、一般に以下の1から8のいずれかに該当した状態を指します(約款により文言は多少異なります)。
1.両眼の視力を永久に失った場合
2.言語または咀嚼の機能を永久に失った場合
3.中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要する場合
4.胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要する場合
5.両上肢とも、手関節以上で失った場合またはその機能を永久に失った場合
6.両下肢とも、足関節以上で失った場合またはその機能を永久に失った場合
7.1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその機能を永久に失った場合
8.1上肢の機能を永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失った場合
これらをまとめると、体のいずれかの機能を完全に失って日常生活が困難になる状態であることに加え、永久的に介護が必要となり、日常生活の行動に人手を借りなければ生活できない状態であることがわかります。「障害が残った」だけでは該当せず、かなり重い状態が想定されている点がポイントです。
体の機能のいずれかを失うもしくは機能しなくなり回復見込みが無い場合

全体をまとめると、体の機能の一部を失った、またはまったく回復することが困難である状態であれば、団体信用生命保険の保険金の支払い対象となります。
そのため、手術や治療を行うことで回復する見込みがある場合は「高度障害状態」とはならず、団信の保険金は支払われません。治療や手術で回復できる場合は、医療保険や健康保険などを活用することになります。
団信が適用される高度障害状態の例としては、交通事故で両足に大きな怪我を負い、永久に歩くことが困難となった場合は支払いの対象となります。一方で、治療を行うことで長期的に回復が見込めるのであれば、保険の支払い対象にはならないということになります。
終身常時介護状態となった場合

終身にわたり常時介護が必要な状態となった場合も、団体信用生命保険の保険金の支払い対象となります。ただし、一部のことがご自身でできる場合などは適用にならず、保険金が支払われないことがあります。
日常生活において人間が行う基本的な動作には「食事」「衣服の着脱」「起居」「歩行」「入浴」「排便・排尿」などがあります。団信における高度障害状態(終身常時介護)は、中枢神経系などに著しい障害が生じ、これらの動作を自分で行うことができず、生涯にわたって人手を借りなければ生活が困難な状態を指しています。
そのため、例えば1人で食事をすることは可能だが、足の神経系の麻痺で歩行だけができなくなった場合は、この事由には該当しません。また、リハビリなどの治療で長期的に回復の見込みがある場合も高度障害状態には該当せず、保険金の支払い対象とはなりませんので注意が必要です。
高度障害状態の判定は、団信の死亡時手続きを解説した記事で記載しているとおり、提出された書類や医師の診断をもとに保険会社が行います。高度障害と認定されないケースに備えて、医療保険や就業不能保険などの併用もあわせて検討することをおすすめします。
フラット35(新機構団信)は「身体障害保障」に変わっている点に注意
ここまで解説した「高度障害保障」は、主に民間金融機関の団信で採用されている保障です。一方、フラット35の団信(2017年10月以降申込分の「新機構団信」)では、高度障害保障に代わって「身体障害保障」が採用されています。
身体障害保障は、身体障害者福祉法に定める障害の級別が1級または2級に該当し、身体障害者手帳の交付を受けたときに保険金が支払われる仕組みです。例えば、ペースメーカーを植え込み日常生活活動が極度に制限されている場合(1級認定)や、人工透析を受けており日常生活活動が極度に制限されている場合(1級認定)などが該当例として挙げられています。
「約款上の高度障害状態に該当するか」という保険会社の判定ではなく、公的な身体障害者手帳の交付という客観的な基準で判断されるのが特徴です。ご自身が加入している(またはこれから加入する)団信が「高度障害保障」と「身体障害保障」のどちらのタイプかによって、保障される範囲が異なりますので、約款や商品説明書で必ず確認しておきましょう。
団信の保障内容は金融機関・商品によって違いがあり、近年はがん保障や全疾病保障を上乗せできる団信も増えています。住宅ローン選びの際は、金利だけでなく万が一のときの保障内容もあわせて比較することが大切です。
- 2026.06.13
- 住宅ローンQ&A

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