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団信は途中で脱退できる?銀行とフラット35の扱いを解説

団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンの返済中に自分の都合でやめられる保険ではありません。民間の金融機関の住宅ローンでは任意の脱退はできず、フラット35も2017年10月以降に申し込んだ「新機構団信」は保障の費用が借入金利に組み込まれているため、途中でやめて金利が下がるという仕組みがありません。自分の意思で脱退できるのは、2017年9月までに申し込んだ旧制度(機構団信特約制度)を使っている場合などに限られます。

「保険料の負担が重い」「別の生命保険に入り直したい」と考えて調べている方もいると思います。制度ごとに何ができて何ができないのか、そして脱退の前に必ず知っておきたい落とし穴を順に見ていきましょう。

金融機関の住宅ローンは脱退理由に該当しない場合は加入必須

団体信用生命保険は、住宅ローン返済中に契約者が死亡や所定の障害状態になった場合に住宅ローンを完済するための保険として、銀行から住宅ローンを借りる場合、多くの金融機関で加入が必須となっています。

金融機関側としては、貸したお金を確実に回収したいため、団信に加入してもらうことで回収不能になるリスクに備えています。契約者側としても、残されたご家族に返済負担を残さず、購入した住宅に住み続けられる安心につながる保険です。団信の種類や費用をまとめた記事もあわせてご覧ください。

そのため団体信用生命保険は、金融機関を通じて住宅ローンを借りている場合、脱退理由に該当しない限り、任意での脱退はできません。

団信から外れることになる事由としては、住宅ローンの完済のほか、保険金支払いの事由に該当した場合、住宅ローン返済の滞り、告知義務違反が発覚したとき、所定の年齢に達したとき(保障終了)などがあります。つまり「やめたいからやめる」ではなく、契約や制度の側の事情で外れるという位置づけです。

なお、健康上の理由で団信に加入できない方の選択肢としては、加入条件がゆるやかなワイド団信や、団信の加入が任意のフラット35などがあります。この点は団信に入れないときの選択肢を解説した記事で整理しています。

フラット35は申込時期によって扱いが異なる(新機構団信は途中脱退不可)

住宅金融支援機構の「フラット35」は、民間の住宅ローンと異なり団信への加入自体が任意です。健康上の理由などで団信に加入しない場合も利用でき、その場合の借入金利は「新機構団信付きの借入金利−0.2%」となります。ただし、途中脱退の可否は申込時期によって大きく異なるため注意が必要です。

2017年9月までの申込(旧・機構団信特約制度):任意脱退が可能

2017年9月までにフラット35を申し込んだ方が利用している旧制度(機構団信特約制度)は、住宅ローンの残高に応じて特約料を毎年支払う方式です。この旧制度では、加入者からの申出による任意脱退ができます。脱退を希望する場合は、契約した金融機関や機構の窓口に連絡し、案内された手続きを行います。

このとき、特約料を期限までに支払わなかった場合も脱退の扱いになる点に注意してください。「うっかり払い忘れて保障が切れていた」という事態を避けるため、口座残高の管理は確実に。逆に繰上完済などで脱退する場合は、支払済みの特約料のうち未経過の保障月数に相当する金額が返戻されます(全額繰上償還請求を受けている場合など返戻されないケースもあります)。詳しくは機構の特約料についてのページで確認できます。

2017年10月以降の申込(新機構団信):途中でやめる仕組みがない

一方、2017年10月以降の申込分から導入された「新機構団信」は、特約料の年払いではなく保障の費用が借入金利に組み込まれる方式に変わりました。特約料の支払いをやめる=脱退という形が取れず、機構も「ご加入いただいた後に保障内容の変更はできません」と明記していますご加入の手続・ご注意点)。

さらに知っておきたいのが金利の扱いです。満80歳の誕生日の属する月の末日で保障が終了するなど、返済終了までの間に保障内容に変動が生じた場合でも、機構は契約時に決定した融資金利は変更されないとしています。保険料の変動リスクなども考慮して金利を決めているためです。「団信の保障が終わったら金利が下がる」わけではない点は、勘違いしやすいので押さえておきましょう。

旧制度で途中脱退した場合は再加入はできないので注意

旧・機構団信特約制度で任意脱退ができる場合でも、いったん脱退した後に、返済の途中から再度加入することはできません。特約料の未払いによる脱退でも同じ扱いです。

団体信用生命保険は原則として住宅ローンの契約(借入)と同時に加入するものだからです。しかも脱退後に健康状態が変われば、代わりの生命保険にも入りにくくなります。脱退を検討する場合は、本当に保障が不要なのかをよく考えたうえで判断してください。

途中脱退するなら、脱退日までに代わりとなる生命保険の契約を済ませてから手続きすることが大切です。代わりの保険の保障開始前に脱退すると空白期間ができ、その間は無保障状態になってしまいます。

なお、新機構団信について「途中から加入する」ことは、次の3つの場合に限って認められています(いずれも年齢条件と幹事生命保険会社の承諾が必要です)。

途中加入できる場合 加入できる人 期限
契約者本人が亡くなり、団信の免責事由に該当するなどで債務を相続する場合 債務を相続する方 相続関係書類の提出日から30日以内
契約者から債務を引き受ける場合 債務を引き受ける方 債務引受契約の締結日まで
契約者が満80歳を迎えて保障が終了する場合 連帯債務者

年齢条件は、新機構団信が満15歳以上満70歳未満、新3大疾病付機構団信が満15歳以上満51歳未満です(新機構団信または新3大疾病付機構団信へ途中加入いただける方)。裏を返せば、これ以外の「気が変わったので入り直したい」という理由では加入できません。

借り換え時の団信の扱い

借り換え時の団信について解説した記事でも触れていますが、住宅ローンを他の金融機関に借り換える場合は、完済により既存の団体信用生命保険の保障は終了し、新たに契約する金融機関の団体信用生命保険に加入し直すことになります。

借り換えでは、原則として新たな金融機関からの融資実行後に、以前の金融機関へ住宅ローンを一括返済する流れになります。新たな金融機関と住宅ローン契約をするタイミングで団信に加入し、以前の金融機関へ全額繰上返済を行った時点で、以前の団信は終了します。新しい団信には改めて健康状態の告知・審査が必要になるため、健康状態によっては借り換え自体が難しくなる場合がある点にも注意が必要です。

裏を返せば、借り換えは団信の保障内容を見直せる数少ないタイミングでもあります。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、一般団信の上乗せ金利が0円であることに加え、2026年3月2日からは全疾病保障付団信も金利の上乗せなしで付帯できるようになりました。がん診断時に住宅ローン残高が0円になるガン団信は年0.1%の上乗せで選べます(全疾病保障付団信とガン団信の併用はできず、借入時点で満50歳未満の方が対象などの条件があります)。

保障の手厚さは金利や諸費用とセットで決まります。数字だけ、保障だけで決めず、両方を並べて比べてみてください。

団信の脱退でよくある質問(FAQ)

Q. 団信をやめれば住宅ローンの金利は下がりますか?

A. 下がりません。フラット35の新機構団信では、保障が終了するなど保障内容に変更が生じた場合でも、契約時に決定した融資金利は変更されないと機構が明記しています。民間の住宅ローンでも、一般団信の保険料は金融機関が負担する形が一般的で、脱退によって金利が下がる仕組みにはなっていません。

Q. 団信の代わりに自分で生命保険に入り直したほうが安くなりますか?

A. 一概には言えません。団信は年齢にかかわらず一律の負担で、残高が減れば保障額も減っていく仕組みです。一方、収入保障保険などは健康状態や年齢によって保険料が変わります。比較するなら、いま加入している生命保険との重複も含めて、総額と保障の中身の両面で見比べてください。

Q. 特約料を払い忘れたらどうなりますか?

A. 旧・機構団信特約制度では、機構の定める期限までに特約料を支払わなかった場合は脱退の扱いになり、そのあと再加入はできません。引き落とし口座の残高不足には十分注意してください。

Q. 夫婦で加入していて、離婚したら団信はどうなりますか?

A. 団信は住宅ローンの契約に紐づくため、離婚しても債務者が変わらない限り保障はそのまま続きます。名義や債務者を変える場合は債務引受などの手続きが必要で、団信の加入し直しを伴うことがあります。取り扱いは契約内容によって大きく異なるので、必ず借入先に相談してください。

Q. 保険料控除(生命保険料控除)の対象になりますか?

A. 対象になりません。団信は保険金の受取人が金融機関や機構であり、契約者本人が保険金を受け取るものではないため、一般の生命保険料控除は使えません。

団信の取り扱いは加入している制度や金融機関によって異なります。ご自身の契約がどの制度なのか分からない場合は、契約書類を確認するか、借入先の金融機関・機構の団信専用ダイヤルに問い合わせて、最新の取り扱いをご確認ください。

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