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マイホーム購入と賃貸はどっちが得?コストと年齢から考える判断の目安

「先日、散歩がてらにマンションのモデルルームを見学しました。
最近のマンションはゆったりとした間取りで設備も最新のものが使われており、マイホーム購入は考えていなかった私でも、思わず住みたくなってしまいました。
現在は賃貸住まいなのですが、このまま賃貸でいるのと購入するのではどちらが得なのでしょうか。教えてください。」

確かに、新築マンションは設備やセキュリティが充実していて、思わず自宅と比べてしまいますよね。
ただ、数年経てばさらに新しい設備が出てきますので、華美な見た目だけに惑わされてはいけません。

とはいえ、このまま賃貸か、それとも購入か——という判断は悩ましいところです。
今回は、判断の目安を「コスト」と「年齢」に着目してお話ししていきます。あわせて、2026年8月時点の金利や税制もふまえて、いま考えておきたいポイントを整理します。

単純計算では、購入が得?

多くの方が、現状の家賃を毎月のローン返済額のものさしにすることでしょう。
つまり、賃貸と購入とで毎月負担する「住居費」が大きく変動することは考えにくいと言えます。

そうすると、大事なのは「いつまで負担し続けるのか」ということになります。購入の場合、住宅ローンの返済がいつか終わり、その後は固定資産税や管理費といった維持コストの負担だけになります。

いっぽう賃貸の場合は、住み続けるかぎり家賃(=住居費)の負担が続きます。
途中で子どもが増えれば広い間取りの部屋への引っ越しが必要になりますし、家賃も上がることでしょう。

また、購入すれば自宅が資産として残るため、老後に売却して部屋数の少ないマンションに住み替える、という選択肢も持てます。

ただし「だから購入のほうが必ず得」とは言い切れません。ここが古い記事といちばん考え方が変わったところです。次の章で見るように、持ち家には家賃とは別のかたちでお金がかかりますし、購入時にも諸費用が必要だからです。

見落としがちな「持ち家のランニングコスト」

賃貸と購入を比べるときは、毎月の返済額だけでなく、購入時の諸費用と、住み続けるあいだの維持費まで数えるのがコツです。おもなものを挙げてみましょう。

  • 購入するときにかかるお金…融資事務手数料、保証料、登記費用(登録免許税・司法書士報酬)、印紙税、不動産取得税、仲介手数料(中古の場合)など
  • 持ち続けるあいだにかかるお金…固定資産税・都市計画税、火災保険料・地震保険料、マンションなら管理費と修繕積立金、戸建てなら将来の修繕費用

とくに修繕費は「いつか必ず来るのに、来る時期が読めない」費用です。マンションでは修繕積立金が値上がりしていくケースもありますし、戸建てでは外壁や屋根、給湯器の交換などをご自身で計画しておく必要があります。

反対に賃貸は、設備が壊れたときの修繕は原則として貸主の負担で、収入や家族構成が変わったときに身軽に住み替えられるのが強みです。「毎月の家賃は掛け捨て」という言い方をされることもありますが、そのぶん維持や資産価値の下落といったリスクを負わないという見方もできます。

では、少しでも早く購入すべきか?

早くに購入すれば、それだけ早くローンも終わりますから、20代の若いうちに購入したほうが良いのでは、と考える方もいるでしょう。

しかし、これから家族(=子ども)が増えることを考えなければなりませんし、将来の収入(=給料)の見通しが立たない段階で購入するのは、若いうちほど不確実性が大きいとも言えます。

そのような視点で購入時期を考えると、すでに幼稚園くらいまでのお子さんが1人か2人いる30代の方などは、おおよその収入や家族構成も固まりつつあり「購入適齢期」であると言えます。しかも、住宅ローンを65歳くらいまでに完済できるように組めば、老後の返済に対する不安も軽くなりますね。

なお、住宅ローンは借入時と完済時の年齢に上限があり、完済時の年齢を80歳前後までとしている金融機関が多く見られます。上限や条件は金融機関によって異なりますので、実際の借入可能な期間は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

また、以前は「住宅ローンは長くても35年」というのが常識でしたが、いまはそうとも限りません。返済期間が36年以上50年以下の【フラット50】のように、35年を超える商品も選べるようになっています。住宅ローン比較サービス「モゲチェック」の集計では、35年を超えるローンを選ぶ割合は2026年5月時点で全国32.5%と、上昇が続いているとのことです(同社の診断ユーザーの集計であり、借入全体の平均ではありません)。

ただし返済期間を延ばすと毎月の返済額は下がりますが、支払う利息の総額は増え、完済時の年齢も上がります。「返済期間を延ばせば買える」と考える前に、完済時に何歳になるのかを必ず確認しておきましょう。

購入と賃貸、それぞれの向き・不向きを表で整理

どちらが「得」かは、住む年数・家族構成・働き方によって変わります。損得だけでなく、暮らし方の相性で見てみましょう。

比較の観点 購入(持ち家) 賃貸
毎月の住居費 ローン返済+管理費・修繕積立金・固定資産税など 家賃+共益費(更新料がかかる契約も)
完済・退去したあと 返済は終わるが維持費は続く。資産として残る 住み続けるかぎり家賃が続く
住み替えのしやすさ 売却・賃貸に出すなど手間と時間がかかる 比較的かんたんに住み替えられる
設備の修繕 自分(管理組合)の負担 原則として貸主の負担
リフォーム・間取り変更 自由度が高い 原則できない
おもなリスク 資産価値の下落、金利上昇(変動金利の場合)、修繕費の増加 家賃の上昇、更新や高齢期の入居審査

転勤の可能性がある、働き方が変わりそう、住みたいエリアがまだ定まらない——という段階なら、賃貸の身軽さが活きます。逆に、住む場所と家族構成がおおむね固まっているなら、購入を具体的に検討する価値があります。

2026年8月時点の金利・税制もふまえて考える

購入を検討するなら、いまの金利環境も知っておきたいところです。全期間固定型の【フラット35】は、2026年8月資金受取分で、借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下の場合が年3.290%(新機構団信付き・取扱金融機関で最も多い金利)でした。長期金利の上昇を受けて、固定型の金利は数年前より高い水準にあります。

金利が上がると、同じ借入額でも毎月の返済額と総返済額は増えます。「家賃と同じくらいの返済額だから大丈夫」と考える前に、各金融機関のシミュレーションで、いまの金利での返済額を必ず確認してください。変動金利を選ぶ場合は、金利が上がったときにどうなるかも試算しておくと安心です。金利は毎月見直されますので、最新の水準は公式サイトでご確認ください。

税制面では、住宅ローン減税(住宅ローン控除)の適用期限が5年延長され、令和8年(2026年)1月1日から令和12年(2030年)12月31日までに入居した場合が対象となっています(国土交通省)。年末のローン残高に応じて所得税などが軽減される制度で、控除率は0.7%です。住宅の省エネ性能や家族構成、新築か中古かによって借入限度額や控除期間が変わり、所得などの要件もありますので、ご自身が対象になるかは国土交通省・国税庁の公式情報でご確認ください。

購入と賃貸で迷ったときのQ&A

Q. 「家賃がもったいない」という言葉は、正しいのでしょうか?

A. 一面では正しく、一面ではそうとも言えません。家賃は資産として残らない一方で、購入にかかる諸費用・固定資産税・修繕費といった「持ち家だけにかかる費用」も残らないお金です。比べるなら「家賃 対 ローン返済額」ではなく、「家賃 対 ローン返済額+維持費」で見てみてください。

Q. 何年住むなら購入を考えてよいですか?

A. 一律の年数はありません。ただし購入には諸費用がかかり、売却時に希望どおりの価格で売れるとも限らないため、短期間で住み替える可能性が高いほど賃貸のほうが身軽です。まずは「10年後・20年後にどこで暮らしていたいか」から逆算してみましょう。

Q. 頭金がないと購入できませんか?

A. 頭金が少なくても借りられる商品はあります。ただし借入額が増えれば利息も増え、【フラット35】のように融資率(物件価格に対する借入額の割合)が9割を超えると金利が高くなる商品もあります。頭金と諸費用の準備状況もあわせて検討しましょう。

Q. 賃貸のままで老後は大丈夫でしょうか?

A. 心配なのは「家賃を払い続けられるか」と「高齢期の住まい探し」の2点です。賃貸を選ぶなら、住居費を含めた老後の生活費を早めに試算し、その分の資産形成をあわせて考えておくことが大切です。持ち家か賃貸かではなく、「老後の住居費をどう用意するか」で考えると判断しやすくなります。

まとめ

昔から「家は若いうちに建てろ」と言われてきましたが、収入が減っていく老後のことを考えると、なるほどと納得できる言葉だと思います。

ただし現在は、金利が上昇している一方で住宅ローン減税は2030年12月31日入居分まで続いており、返済期間の選択肢も広がっています。条件が変われば「どちらが得か」の答えも変わりますから、世間の常識ではなく、ご自身の数字で確かめることがいちばん確実です。

最初の一歩としておすすめなのは、①いまの家賃と、購入した場合の「返済額+維持費」を並べて書き出す ②各金融機関のシミュレーションで、いまの金利での返済額を確認する——この2つです。そのうえで金利や諸費用を比べるときは、保証料や一部繰上返済手数料が0円で諸費用の見通しを立てやすいSBI新生銀行のような商品も、選択肢のひとつとして眺めてみてください。

今回は「コスト」と「年齢」に焦点を絞りましたが、別の視点で見ればまったく異なる選択肢があることも事実です。機会がありましたら、その別の視点についても触れていきたいと思います。

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