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リノベーションで失敗する原因は?業者選び・築年数・資金計画

リノベーションの失敗は、工事が始まるよりずっと前の段階でほぼ決まります。つまずく人の多くは、物件の築年数の確認・業者選び・資金計画のどれかを後回しにしています。

逆にいえば、この3つを物件を決める前に押さえておけば、「思っていた仕上がりと違う」「途中でお金が足りなくなった」といった深刻なトラブルはかなり減らせます。はじめての方がつまずきやすい順に、ひとつずつやさしく見ていきましょう。

そもそも工事の範囲がどこまで違うのかは、リフォームとリノベーションの違いと使えるローンの記事でも整理しています。

まず建築された年を確認する|1981年・1999年・2003年が目安

中古住宅のリフォームは、その建築された年によって、施すべき工事の内容が変わります。住宅の性能に関する基準が、時代とともに何度か引き上げられてきたためです。

代表的な区切りが、1981年の耐震基準(新耐震基準)、1999年の省エネ基準(平成11年基準・いわゆる次世代省エネ基準)、2003年の換気に関する基準(シックハウス対策)の3つです。これらより前に建てられた住宅は、それぞれの性能を上げる工事を前提に考えておくと安心です。

たとえば1981年以前なら柱や筋交いを増やす耐震補強、1999年以前なら断熱材の追加や複層ガラスの導入、2003年以前なら24時間換気システムの設置などが候補になります。築年数の目安を表に整理しておきましょう。

建築された年の目安 関係する基準 検討したいリフォームの例
1981年(昭和56年)以前 耐震基準(旧耐震) 柱・筋交いの補強など耐震リフォーム
1999年(平成11年)以前 省エネ基準(次世代省エネ基準) 断熱材の追加、複層ガラスの導入など
2003年(平成15年)以前 換気性能(シックハウス対策) 24時間換気システムの設置など

※どの工事が必要かは、建物の状態や図面によって異なります。購入前にホームインスペクション(住宅診断)を受けると、必要な工事の見当をつけやすくなります。

2025年4月から、大規模なリフォームにも建築確認が必要になりました

見落とされがちなのが、手続きのルールが変わった点です。2025年4月に施行された改正建築基準法で、いわゆる「4号特例」が縮小されました。

それまで木造2階建ての住宅は「4号建築物」として、大規模な修繕・模様替えでも建築確認の申請は不要でした。改正後はこれが「新2号建築物」に分類され、主要構造部(壁・柱・床・はり・屋根・階段)の一種以上を過半にわたって直す工事では、建築確認が必要になります。

引き続き審査が省略されるのは、延べ面積200平方メートル以下の平屋(新3号建築物)です。スケルトンリフォームのような大がかりな工事を考えているなら、確認申請が要るのか、その手続きを業者が担当できるのかを最初に聞いておきましょう。

申請が必要な工事では建築士が設計と工事監理を行うため、工期にも費用にも影響します。「うちは申請なしでできますよ」と軽く流されたら、その根拠を確かめたいところです。対象になる工事の範囲は国土交通省「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」で公開されています。

残念なリノベーションの大半は業者側に問題がある!

リフォームの失敗事例を見ていくと、「希望どおりの仕上がりでない」「建て付けが悪い」「違うものを設置された」「工事完了前に支払いを請求された」「打ち合わせに毎回遅れる」といった、業者側の姿勢を問題視する声が多く見られます。

依頼する側からすれば、「プロなのにその程度のこともできないのか」と感じるのは当然でしょう。では、なぜそうした残念な業者が一定数いるのでしょうか。

背景のひとつが、リフォーム・リノベーション工事は参入のハードルが低いことです。建設業法では「軽微な建設工事」だけを請け負うのであれば、建設業の許可がなくても営業できます。

その範囲は1件の請負代金が500万円未満(建築一式工事なら1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅)で、内装や水回りの工事はここに収まることが少なくありません。この金額の区分は国土交通省「建設業の許可とは」で確認できます。

つまり許可のない新規業者でも次々と参入でき、なかには十分な知識がないまま施工する業者もいる、というのが実態です。また、大手メーカーの下請けしか経験がなく、個人のお客さまへの進め方に不慣れな業者もいます。悪意がなくても、すれ違いからトラブルになることがあります。

実績のある業者に依頼する。難しいときは記録を残す

大手業者なら必ず安心とまでは言えませんが、少なくとも個人のお客さまとの進め方には慣れているはずです。地場の工務店などと比べて金額は高くなりがちですが、その分だけ保証やメンテナンスが充実していることもあります。

業者選びでは、国の仕組みを判断材料にするのもおすすめです。国土交通省には、要件を満たすリフォーム事業者団体を国が登録・公表する「住宅リフォーム事業者団体登録制度」があり、登録団体の構成員は相談窓口の設置や研修などに取り組んでいます。

あわせて、工事に欠陥(瑕疵)があったときに補修費用などをカバーする「リフォーム瑕疵(かし)保険」に加入している業者かどうかも、万一のときの備えになります。登録団体の一覧は国土交通省の制度ページで公開されています。

もし、そうした実績の確認が難しい業者に依頼するのであれば、「打ち合わせ記録」を残すことが重要です。仕様を選ぶときの品番やカラーなどは、後から「言った・言わない」にならないよう記録に残し、双方がサインしておきましょう。

契約書に書かれている工事金額・支払い時期・施工ミスがあった場合の措置といった重要項目も、あらかじめ読み合わせておきます。内容に疑問を感じたら、契約を延期してでも納得のいく説明を求め、その説明も記録に残しておくと安心です。

リノベーションの資金計画は物件探しと並行して動かす

リノベーションでは、「物件価格+リフォーム費用」をどう用意するかも大切なポイントです。物件の契約だけ先に進めて、工事費の借り方を後から考えた結果、予算が足りなくなる――これも典型的な失敗のかたちです。

選択肢としてまず挙がるのが、中古住宅の購入費とリフォーム費用をまとめて借りられる「リフォーム一体型」の住宅ローンです。契約の順番と資金の受け取り方は、中古住宅のリノベーション契約と資金の借り方でも詳しく扱っています。

全期間固定で組みたいなら、【フラット35】リノベという制度もあります。中古住宅の購入とあわせて一定の要件を満たすリフォームを行うと、借入金利が一定期間引き下げられるしくみです。

タイプは2つで、購入後に自分でリフォームする「リフォーム一体タイプ」と、住宅事業者が改修済みの中古住宅を買う「買取再販タイプ」があります(住宅金融支援機構【フラット35】)。

【フラット35】そのものも使いやすくなっています。2026年4月から融資限度額が8,000万円から1億2,000万円に引き上げられ、一戸建て住宅の床面積の下限も、2026年4月1日以降に物件検査の手続をした住宅は70平方メートル以上から50平方メートル以上へ緩和されました。中古+リノベとは相性のよい見直しです。

金融機関を選ぶときは、金利だけでなく諸費用の分かりやすさもチェックしましょう。たとえばSBI新生銀行は保証料が0円で、手動の一部繰上返済も1円から手数料0円と、費用のしくみがシンプルにまとまっています。わからないことを窓口で聞きながら進めたい人も、オンラインで完結させたい人も、どちらの進め方も選べます。

資金計画は物件探しと並行して早めに動き出すと、無理のない範囲でリノベーションを進めやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q. リノベーション業者を選ぶとき、最初に見るべき点はどこですか?

A. 実績(施工事例)・保証やアフターメンテナンスの内容・見積もりの明細の3点をまず確認しましょう。あわせて、リフォーム瑕疵保険への加入や、住宅リフォーム事業者団体への所属があるかも判断材料になります。

Q. 見積もりは1社だけで決めても大丈夫ですか?

A. できれば複数社から相見積もりを取りましょう。金額だけでなく、提案内容・工事範囲・説明の丁寧さを比べることで、適正な価格と信頼できる業者を見極めやすくなります。

Q. 自分が考えているリフォームに建築確認は必要ですか?

A. 木造2階建てなどの「新2号建築物」で、主要構造部の一種以上を過半にわたり修繕・模様替えする場合は必要です。延べ面積200平方メートル以下の平屋は、引き続き審査が省略されます。判断は建物ごとに異なるため、業者や所管の建築主事に確認してください。

Q. 工事の途中で追加費用を求められたら、どうすればよいですか?

A. その場で口頭承諾せず、追加工事の内容・金額・理由を書面でもらうことが先です。当初の見積もりとの差がどこにあるのかを照らし合わせ、納得できてから変更契約を結びましょう。

Q. 業者とトラブルになったときの相談先は?

A. 各自治体の消費生活センター(消費者ホットライン「188」)や、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの住まいるダイヤル(0570-016-100)といった公的な相談窓口を利用できます。一人で抱え込まず、早めに相談しましょう。

素人である依頼者は、職人をプロという目線で見るため、つい遠慮したり引け目を感じたりしがちです。しかし、「打ち合わせ記録」さえ残しておけば、業者側にミスや約束違反があったときにきちんと指摘できます。

築年数の確認、手続きの要否、業者の見極め、そして資金計画。この順番で「自分の土俵」に持ち込んで、残念なリノベーションを防いでいきましょう。

※制度の要件や取扱いは変わることがあります。最新の内容は国土交通省・住宅金融支援機構などの公式サイトでご確認ください。

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