- 公開日: 2026.10.04
- 借り換えの方へ
住宅ローン借り換えの諸費用は?手数料・印紙税・登記費用の目安

住宅ローンの借り換えでかかる諸費用は、新しく借りる銀行に払う「事務手数料・保証料・印紙税」、いまの銀行に払う「全額繰上返済手数料」、登記にかかる「登録免許税・司法書士報酬」の3つに分けると整理できます。合計は数十万円になることが多く、たとえば3,000万円を事務手数料が定率型の銀行へ借り換えると、手数料と税金だけで80万円前後になります。借り換えは、いまのローンをいったん全額返して別の金融機関で組み直す手続きなので、「下がる利息」が「かかる諸費用」を上回るかで判断するのが基本です。
住宅ローンを借り換える場合、数十万円の費用が発生する

金利が安い金融機関に住宅ローンを借り換えたいと考えた場合、毎月支払う金利が安くなっても、借り換え時の手続きに数十万円の諸費用が発生します。借入金額や残りの返済期間によっても変わりますが、おおむね数十万円単位の出費は見込んでおきましょう。
借り換えでは、新しい金融機関と住宅ローンの契約を結ぶ必要があります。その際にかかる費用には、おもに次のものがあります。
- 事務手数料
- 印紙税
- ローン保証料
これらは、住宅ローン契約時の諸費用を解説した記事で紹介している内容とほぼ同じです。あわせて、団体信用生命保険(団信)や火災保険の補償内容を見直す場合は、別途費用が発生することがあります。
さらに、借り換えではいまの住宅ローンを完済する必要があるため、取引中の金融機関によっては「全額繰上返済手数料」や「保証会社事務手数料」がかかる場合があります。加えて、金融機関が変わることで不動産登記の内容も変更が必要となり、抵当権の設定費用と抹消費用もかかります。
このように、借り換えの費用は「①新しく借りる側」「②いまのローンを完済する側」「③登記の手続き」の3つに分けて考えると整理しやすくなります。以下で順番に見ていきましょう。
借り換え先の金融機関で住宅ローンを新規に契約するときに必要な費用

住宅ローンの借り換えでは、借り換え先となる金融機関と新たに住宅ローンの契約を結びます。その際は、はじめて住宅ローンを契約したときと同じような諸費用が発生します。
1.事務手数料
事務手数料は、住宅ローンの契約手続きにかかる人件費や諸経費を補う目的で金融機関に支払う手数料です。金融機関によって呼び方は多少異なりますが、ローンを組むときに必ず確認しておきたい費用です。
事務手数料には大きく2つのタイプがあります。数万円程度の「定額型」(例:3万〜5万円程度)と、借入金額に一定の料率をかける「定率型」(例:借入金額の2.20%・税込)です。たとえば借入金額3,000万円で定率型2.20%(税込)なら、事務手数料はおよそ66万円になります。
定率型は初期費用が高くなりやすい反面、その分だけ適用金利が低く設定されているケースが多く、「事務手数料の安さ」と「金利の低さ」はトレードオフになりがちです。借り換え前に、手数料のタイプと金額をしっかり比較しておきましょう。
2.印紙税
印紙税は、新規で住宅ローンを契約したときと同じく、金銭消費貸借契約書に対して課される税金です。契約時に、切手のような収入印紙を契約書に貼り付けて納めます。
印紙税は契約金額によって変わり、住宅ローンでよくある借入額1,000万円超〜5,000万円以下なら2万円です(国税庁「印紙税額の一覧表」)。なお、電子契約(ペーパーレス契約)に対応した金融機関なら印紙税はかかりません。その場合、別途「電子契約利用手数料」がかかることがあります。
3.ローン保証料
ローン保証料は、返済が途中で滞ったときに備えて、保証会社が未払い分を立て替えるために設定される費用です。融資額と期間によって変わり、一括前払いの場合は数十万円かかることもあります。
一方で、ネット銀行などには保証料が0円の金融機関もあります。保証料0円の銀行は、そのぶん事務手数料を借入金額の2.20%(税込)の定率型にしていることが多いので、「保証料+事務手数料」の合計で比べるのがコツです。
たとえばドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)やSBI新生銀行は、保証料0円・事務手数料は借入金額の2.20%(税込)の定率型です(2026年10月時点)。
なお、ドコモSMTBネット銀行の住宅ローンは、ネットで申し込む「WEB申込コース」の仮審査申込の受付を2026年10月30日(金)17時で終了する予定です。それ以降に借り換えを申し込む場合は、SBIマネープラザなど銀行代理業者の窓口で手続きする「対面相談コース」が申込先になります。対面相談コースも保証料は0円ですが、審査結果によって金利が最大年0.55%上乗せされる場合があるため、上乗せ後の金利で借り換えの効果を試算し直すことが大切です。
借り換え元の金融機関に支払う諸費用

借り換えでは、いまの住宅ローンを組んでいる金融機関に「借り換える」旨を伝え、ローン残高を全額繰上返済します。この繰上返済は、借り換え先でのローンの実行と同時に行われるため、自分でまとまった残金を用意する必要はありません。
1.全額繰上返済手数料
いまの住宅ローンを全額繰上返済する際に、借り換え元の金融機関へ支払う手数料です。金融機関や金利タイプによって異なり、無料の場合もあれば、数万円程度かかる場合もあります。固定金利の期間中に完済すると手数料が高くなる銀行もあるので、いまの契約内容を確認しておきましょう。
また、未払いの利息が残っている場合は、その分もあわせて支払う必要があるので注意しましょう。
2.保証会社事務手数料
いまのローンで保証料を一括前払いしている場合、借り換えで完済すると、まだ経過していない期間に対応する保証料の一部が返金されることがあります。その返金手続きの事務手数料として、1万円程度が差し引かれるケースもあります。返ってくる保証料は諸費用の穴埋めになるので、見積もりに入れておきましょう。
不動産登記手続きに必要な諸費用

借り換えで金融機関が変わると、抵当権の設定先も変わるため、不動産登記の変更手続きが必要になります。その際に、登記関連の費用が発生します。抵当権については抵当権について詳しく解説した記事もあわせてご覧ください。
1.抵当権設定費用
借り換えで金融機関が変わると、不動産登記簿に新しい金融機関を抵当権者として記載し直す必要があります。その際、登録免許税として、借入金額(債権額)の0.4%がかかります(本則の税率)。
住宅を新築・購入したときの抵当権設定には0.1%の軽減税率がありますが、対象は住宅の新築・取得のための借入れです(国税庁「登録免許税の税額表」)。借り換えでは、0.4%で見積もっておくと安心です。
2.抵当権抹消費用
借り換えでは、借り換え元の金融機関の抵当権を抹消する手続きも必要です。抹消の手続きについては抵当権の抹消について解説した記事もご覧ください。抹消の際は、登録免許税として不動産1件につき1,000円がかかります(土地と建物なら2件で2,000円)。
これらの登記手続きを司法書士に依頼する場合は、別途その報酬が発生します。借り換えでは、抵当権の抹消と設定を同時に行う必要があるため、通常は借り換え先の金融機関が指定する司法書士に依頼します。
借り換えにかかる費用の一覧(早見表)と試算例
ここまでの諸費用を、支払う相手ごとに早見表にまとめました。金額は目安で、金融機関や借入金額・契約内容によって変わります。
| 費用の種類 | 支払い先 | 目安・ポイント |
|---|---|---|
| 事務手数料 | 借り換え先 | 定額型なら3万〜5万円程度/定率型なら借入金額の2.20%(税込)が目安。金利の低さとトレードオフになりやすい |
| 印紙税 | 国(契約書に貼付) | 借入額1,000万円超〜5,000万円以下で2万円。電子契約なら不要(別途電子契約利用手数料がかかる場合あり) |
| ローン保証料 | 借り換え先・保証会社 | 一括前払いで数十万円のことも。0円の金融機関もある |
| 全額繰上返済手数料 | 借り換え元 | 無料〜数万円。未払利息があれば別途精算 |
| 保証会社事務手数料 | 借り換え元・保証会社 | 保証料の返金手続き等で1万円程度差し引かれることがある |
| 抵当権設定費用(登録免許税) | 国(法務局) | 借入金額(債権額)の0.4% |
| 抵当権抹消費用(登録免許税) | 国(法務局) | 不動産1件につき1,000円 |
| 司法書士報酬 | 司法書士 | 抹消と設定の手続きを依頼する費用。事務所により異なる |
イメージをつかむために、3,000万円を「保証料0円・事務手数料が定率型」の銀行へ借り換えるケースで、主な諸費用を計算してみます(当サイトの仮定計算。紙の契約書で契約し、土地・建物の2件の抵当権を抹消する前提)。
| 費用 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 事務手数料 | 3,000万円×2.20%(税込) | 66万円 |
| 印紙税 | 1,000万円超〜5,000万円以下 | 2万円 |
| 抵当権設定の登録免許税 | 3,000万円×0.4% | 12万円 |
| 抵当権抹消の登録免許税 | 1,000円×2件 | 2,000円 |
| 合計(司法書士報酬・繰上返済手数料を除く) | — | 約80万円 |
この約80万円に、司法書士報酬や借り換え元の繰上返済手数料が加わります。逆に、前払いした保証料の返金があれば、そのぶん負担は軽くなります。
借り換えで得をするかどうかは、「借り換えで減る利息の総額」が「これらの諸費用の合計」を上回るかで判断します。一般的には、残りの借入額・返済期間がある程度残っていて、金利差が大きいほど借り換えのメリットが出やすくなります。諸費用を抑える工夫は、住宅ローン借り換えの諸費用を抑える方法でくわしく紹介しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 借り換えの諸費用は合計でどのくらいかかりますか?
A. 借入金額や金融機関によって幅がありますが、事務手数料・登記費用・保証料などを合わせて数十万円規模になることが多いです。上の試算のとおり、3,000万円を定率型の銀行へ借り換えると、事務手数料と税金だけで約80万円になります。
Q. 諸費用も借り入れに含められますか?
A. 金融機関によっては、事務手数料や登記費用などの諸費用も住宅ローンに組み込んで借り入れできる場合があります。手元資金を温存できる一方、借入額が増える分だけ利息も増えるため、総返済額への影響を確認したうえで利用しましょう。
Q. 諸費用を抑えるにはどこを見ればよいですか?
A. 特に差が出やすいのは事務手数料と保証料です。電子契約で印紙税を省く方法もあります。ただし保証料0円の銀行は事務手数料が定率型のことが多いため、「諸費用の合計」と「金利の低さによる利息の減少」を合わせて総返済額で比べましょう。
Q. 借り換えの登録免許税にも軽減税率は使えますか?
A. 0.1%の軽減税率は、住宅の新築・取得のための借入れに係る抵当権設定が対象です。借り換えの抵当権設定は、本則の0.4%で見積もっておくのが安全です。
借り換えを考え始める時期の目安は、住宅ローン借り換えのタイミングの目安で解説しています。借り換えは「金利が下がる」ことばかりに目が行きがちですが、諸費用まで含めた総額で判断することが失敗しないコツです。
※金利・手数料・諸費用は金融機関や契約内容で変わります。最新の情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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