- 公開日: 2026.08.18
- 不動産会社について
良い不動産会社の見分け方|免許・手数料・媒介契約で見る

一戸建てやマンションの購入を検討する際、不動産会社(以下、業者と表記します)に足を運んだり、モデルハウスなどの見学で業者の説明を受けることもあるかと思います。
購入する物件が最も重要なのは言うまでもありませんが、応対する業者の質によっては、不安や不満の残る取引になる可能性もあります。住まい探しは、担当者と数か月にわたって付き合う仕事でもあるからです。
今回は「不動産会社の選び方」について、誰でも確かめられる客観的な事実と、やりとりの中で見えてくる質の違いの両面から説明していきます。
まず知っておきたい、不動産会社の「立場」の違い
同じ「不動産会社」でも、取引での立ち位置は大きく2つに分かれます。ここを知らないまま話を聞くと、話がかみ合わないことがあります。
- 売主……その物件を自社で所有し、直接売る立場。新築の分譲住宅やマンションに多い形です。この場合、買主に仲介手数料はかかりません。
- 仲介(媒介)……売主と買主の間に立って取引をまとめる立場。中古物件の多くがこの形で、成約すると仲介手数料が発生します。
広告に小さく書かれている「取引態様」の欄(売主/媒介/代理)で確認できます。まずはここを見る癖をつけておくと、費用の見通しが立てやすくなります。
誰でも確かめられる客観的な情報から見る
担当者の印象は人によって受け取り方が違いますが、次の2つは誰が調べても同じ答えが出る事実です。最初に押さえておきましょう。
免許番号を見る
宅地建物取引業を営むには免許が必要で、店頭やチラシ、ホームページに免許番号が表示されています。表示は「国土交通大臣(○)第△△△△号」または「○○県知事(○)第△△△△号」という形です。
- 大臣免許か知事免許か……2つ以上の都道府県に事務所があると大臣免許、1つの都道府県内だけなら知事免許です。会社の優劣を表すものではありません(地域密着の実力ある会社は知事免許です)。
- カッコ内の数字……免許の更新回数です。免許の有効期間は5年間なので、数字が大きいほど営業年数が長いと分かります。ただし新しい会社が悪いという意味ではありません。あくまで参考情報です。
行政処分を受けていないか調べる
宅地建物取引業者が法令に違反した場合、免許を出した国土交通大臣または都道府県知事から監督処分(指示処分・業務停止処分・免許取消処分)を受けます。処分の内容は公表され、国土交通省や各都道府県のホームページで確認できます。国土交通省は消費者向けに、免許や処分の情報を調べられる案内も用意しています。
契約前の数分でできる確認ですので、大きな買い物の前にひと手間かけておくと安心です。
このひと言でわかる、お客様目線ではない業者
ここからは、実際のやりとりで見えてくる質の違いです。
まず、業者の担当者と希望条件について話している時、予算・年収・自己資金・借金など、やたらと「金銭面」に関する事ばかりを聞きたがる業者や担当者は、要注意です。そのような業者は、金額ありきで物件を紹介する傾向があります。
確かに、予算や自己資金などは購入条件とリンクするため重要な情報です。資金計画の確認そのものは、むしろ必要な仕事です。見るべきは順番と目的で、「どんな暮らしがしたいか」を聞かないまま金額だけを先に固めようとするのか、それとも希望を聞いたうえでアドバイスとして予算の話に触れるのか。ここに担当者の姿勢が表れます。
次に、現地の内覧などでやたらと効率を重視する業者は、お勧めできません。複数の中古物件などを比較検討するには内覧が欠かせませんが、1〜2件しか内覧できなかったり、近隣物件だけしか内覧させてくれないような「効率主義」で動く業者の典型です。
お客様の希望をしっかりと聞き、希望の物件を紹介していく中で予算などの話題に触れ、比較検討できるだけの物件を最低でも3〜4件程度は内覧させてくれる業者が「質の良い業者」と言えるのです。
メリットだけではなくデメリットも話してくれる業者
物件のプラス面とマイナス面をしっかり説明する業者は信用できると言えます。売りたいがために、良いことしか言わない業者は注意が必要です。
また、「リスク」をしっかりと説明してくれる業者は、客の立場に立った営業スタイルであり、信用度が高いと言えます。
試しに聞いてみるとよい3つの質問
とはいえ、初心者の方には「しっかり説明しているかどうか」の判断が難しいものです。そこで、反応を見るための質問をいくつか用意しておきましょう。
- 「この物件のデメリットや、気になる点を教えてください」……即答で「特にありません」と返ってくる場合は要注意。どんな物件にも一長一短があります。
- 「建物状況調査(インスペクション)をお願いできますか」……中古住宅の場合の定番です。2018年(平成30年)4月1日施行の改正宅地建物取引業法により、不動産会社には調査を実施する者のあっせんに関する事項を媒介契約書に記載することなどが義務づけられています。嫌がる素振りを見せる会社は、その時点で相性が良くありません。
- 「重要事項説明はどなたが、いつ行いますか」……重要事項説明は宅地建物取引士が、契約が成立するまでの間に、書面を交付して説明すると法律で定められています。契約直前に慌てて渡されるのではなく、事前に説明資料をもらえるかどうかで、会社の姿勢が見えます。
お金の話——仲介手数料の上限を知っておく
仲介手数料には、宅地建物取引業法に基づく上限額が定められています。上限であって定価ではありませんが、これを超える請求はできません。知っておくだけで、余計な不安を減らせます。
| 売買価格(税抜) | 仲介手数料の上限(速算式) | 備考 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 売買価格×5%+消費税 | 片方の依頼者から受け取れる上限 |
| 200万円超400万円以下 | 売買価格×4%+2万円+消費税 | 同上 |
| 400万円超 | 売買価格×3%+6万円+消費税 | もっとも一般的なケース |
| 低廉な空家等(800万円以下) | 33万円(税込)まで | 2024年7月1日施行の特例。媒介契約の締結に際し、あらかじめ報酬額の説明と合意が必要 |
たとえば3,000万円の物件なら、3,000万円×3%+6万円=96万円に消費税、が上限の目安です。「手数料は決まりですから」と説明を省く担当者より、内訳と根拠をきちんと示してくれる担当者を選びましょう。
なお、低廉な空家等の特例は2024年(令和6年)7月1日から始まった仕組みで、価格の低い物件でも現地調査などの手間に見合う報酬を受け取れるようにしたものです。この特例を使う場合は、媒介契約を結ぶ前に金額の説明と合意が必要とされていますので、後出しで請求されることはありません。
売却も同時に考えているなら——媒介契約の3種類
いま住んでいる家を売って買い替える場合は、売却を依頼する契約(媒介契約)の種類も選ぶことになります。3種類あり、不動産会社に課される義務の重さが違います。
| 媒介契約の種類 | レインズへの登録義務 | 売主への報告義務 |
|---|---|---|
| 一般媒介契約(複数社に依頼できる) | 義務なし | 法律上の定めなし |
| 専任媒介契約(1社のみ/自己発見取引は可) | 契約日の翌日から7日以内(休業日を除く) | 2週間に1回以上 |
| 専属専任媒介契約(1社のみ/自己発見取引も不可) | 契約日の翌日から5日以内(休業日を除く) | 1週間に1回以上 |
レインズ(指定流通機構)は、国土交通大臣の指定を受けた機関が運営する不動産会社どうしの物件情報ネットワークです。ここに登録されると、他社の担当者も買主に紹介できるようになります。
そして知っておきたいのが、2025年(令和7年)1月から始まった、いわゆる「囲い込み」への規制です。宅地建物取引業法施行規則と「解釈・運用の考え方」の改正により、レインズに登録した物件の取引状況(公開中/書面による購入申込みあり/売主都合で一時紹介停止中)の登録内容が事実と異なる場合、宅地建物取引業法第65条第1項の指示処分の対象となりました。
売主は、レインズの登録証明書に記載されたIDなどから自分の物件の取引状況を自分で確認できます。「問い合わせが来ていません」という説明を鵜呑みにせず、確かめられる仕組みがあることを覚えておいてください。
よくある質問
Q. 大手の不動産会社と地元の会社、どちらを選べばよいですか?
どちらが優れているとは一概に言えません。大手は物件数やサポート体制の広さ、地元の会社はその地域ならではの事情(学区、道路計画、過去の浸水など)に詳しいという強みがあります。免許番号の「大臣/知事」は会社の規模を示すもので、質の優劣ではありません。1社に絞らず、複数社の担当者と話してみるのが結局いちばん確実です。
Q. 内覧は何件くらい見ておくべきですか?
比較の基準を持つために、最低でも3〜4件程度は見ておきたいところです。1件目でとても気に入っても、他を見てから戻ってくれば納得感が違います。逆に「もう他に良い物件はありません」と内覧を渋られる場合は、その理由をはっきり尋ねてみましょう。
Q. 「今決めないと他の人に決まってしまいます」と急かされたら?
実際に他の申込みが入ることはありますので、その言葉自体が嘘とは限りません。ただし、その場で判断を迫られる状況に置かれたときこそ、いったん持ち帰るのが正解です。数十年の住まいとローンを、数十分で決める必要はありません。急かす一方で、重要事項説明の資料を事前に見せてくれない会社であれば、なおさら慎重に。
Q. 住宅ローンは不動産会社が勧める提携ローンで決めてよいですか?
提携ローンは手続きがスムーズで、審査の期間が読みやすいという利点があります。一方で、金利や事務手数料が必ずしも有利とは限りません。提携ローンの条件を教えてもらったうえで、自分でも2〜3行を比較してみることをおすすめします。「他行と比べたい」と伝えたときに嫌がらない担当者かどうかも、実は良い見極めのポイントです。
Q. 相性が合わない担当者に当たったら、どうすればよいですか?
我慢して付き合う必要はありません。会社の窓口に担当者の変更を申し出ることも、別の会社に切り替えることもできます。数十年のローンを背負う相手選びですから、遠慮は不要です。
まとめ
物件説明や法律、ローンなどの説明はそつなくこなす一方、客が抱える不安などの相談に、極力関与しないスタンスの営業マンは意外に多いようです。
客は多額のローンを組んで今後数十年間に渡って住む家を購入しようとするのですから、そんな時は、営業マン自身や親戚の購入経験、過去に契約した客の話などをしてもらうと安心するものです。知識や経験が多少不足していても、親身になって相談に応じてくれる営業マンが信頼できるのです。彼の不足は上司がカバーしてくれますから。
そのうえで、この記事でご紹介した免許番号・行政処分・仲介手数料の上限・媒介契約とレインズといった客観的な情報を押さえておけば、「なんとなく不安」が「ここを確認すればよい」に変わります。
なお、住宅ローンについては、不動産会社に相談するのと並行して自分でも比較しておくと選択の幅が広がります。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、保証料が0円、一般団信の保険料も上乗せ0円で、事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型と費用の内訳が分かりやすい構成です。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているので、「対面で相談したいけれど手続きはネットで済ませたい」という方にも向いています。最新の金利や手数料、団信の内容は必ず公式サイトでご確認ください。
信頼できる会社と担当者に出会えれば、家探しはぐっと心強いものになります。焦らず、比べながら進めていきましょう。

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