- 公開日: 2026.10.26
- 新築一戸建て・マンションの購入
マンションと一戸建てどっちを選ぶ?価格と毎月の費用で比べる

マンションと一戸建てのどちらがよいかは、建物の優劣よりも、通勤や車の有無といった暮らし方で決まります。
いまの新築はマンションのほうが建売住宅より高く、マンションには管理費・修繕積立金が毎月かかります。この2つを知らずに比べると、住み始めてから住居費が予算を超えることがあります。
マンションは駅に近い立地と管理のしやすさ、一戸建ては土地が自分のものになることと使い方の自由が強みです。価格と毎月のお金を数字で比べてから、自分の暮らしに合うほうを選ぶと、住み始めてからの家計のずれを防げます。
新築はマンションのほうが建売住宅より1,600万円以上高い
住宅金融支援機構が2026年7月24日に公表した「2025年度フラット35利用者調査」によると、家を買うのにかかった費用(平均所要資金)は下のグラフのとおりです。

新築マンションの平均は5,882万円で、建売住宅の4,215万円より1,600万円以上高くなっています。一戸建てのほうが高いというひと昔前のイメージとは、逆の結果です。
マンションは駅の近くに建つことが多く、土地の価格と建築費の両方が上がっているためです。国土交通省の令和8年地価公示(2026年1月1日時点)でも、全国の住宅地は5年連続で上昇しました。
中古に目を向けると、中古戸建は2,783万円、中古マンションは3,602万円です。同じ調査では、中古住宅の利用割合が35.9%となり、2004年度の調査開始以来はじめて最も多くなりました。
マンションか一戸建てかと同時に、新築か中古かも決める必要があります。中古はリフォーム費用が別にかかることが多く、購入費と合わせた総額で比べることになります。
※【フラット35】を利用した人のデータを集計したもの(借換えを除く35,553件)で、すべての住宅取引の平均ではありません。地域による差も大きく、あくまで目安です。
マンションは立地と管理、弱みは敷地の制約と毎月の費用
駅やスーパーなどが歩いて行ける範囲にそろっていることが、マンションのいちばんの強みです。逆に、どんなに環境がよくても周りに施設が少ない物件は、マンションのよさを生かしにくく、売るときの査定でも不利になりやすくなります。
1棟の建物を住む人全員で管理するので、大規模修繕を計画的に進められます。オートロックやカードキー、防犯カメラといった防犯の設備がそろっている物件が多いのも特徴です。
弱みは、敷地の使い方が決められていることです。庭や駐車場の広さ、ペットの飼育などに制約が出ます。遮音性は昔より上がっていますが、上下階や隣の住戸への気づかいは毎日のこととして続きます。
そして、住宅ローンの返済とは別に、管理費と修繕積立金が毎月かかり続けます。金額の目安は、次の節で紹介する国のガイドラインが参考になります。
一戸建ては土地の自由、弱みは修繕を自分で担うこと
一戸建ては専用の土地を持てるので、使い方に融通がききます。物置を置く、駐車場を増やす、建物を増改築する、庭で家庭菜園やバーベキューを楽しむ、といったことが自分の判断でできます。
家族それぞれの部屋や収納も取りやすい傾向があります。例えるなら、マンションは管理を任せられる大きな船に乗る暮らし、一戸建ては自分の小舟を自分で手入れする暮らしです。
そのぶん、マンションの強みだった立地・管理・防犯は、一戸建てでは自分で何とかする部分になります。
通勤や買い物の便利さは立地しだいです。外壁や屋根の修繕は、時期も業者選びも費用の準備も、すべて自分で決めることになります。
修繕積立金は70㎡で月1万7,000円台が国の目安
マンションの修繕積立金がどのくらいかかるかは、国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)に目安があります。長期修繕計画の366事例をもとにした、専有面積1㎡あたり・月額の平均値です。
| 建物の規模 | 修繕積立金の平均値(月額) | 事例の3分の2が収まる幅 |
|---|---|---|
| 20階未満/延床5,000㎡未満 | 335円/㎡ | 235〜430円/㎡ |
| 20階未満/延床5,000〜10,000㎡未満 | 252円/㎡ | 170〜320円/㎡ |
| 20階未満/延床10,000〜20,000㎡未満 | 271円/㎡ | 200〜330円/㎡ |
| 20階未満/延床20,000㎡以上 | 255円/㎡ | 190〜325円/㎡ |
| 20階以上(タワーマンション等) | 338円/㎡ | 240〜410円/㎡ |
例えば延床7,000㎡のマンションで70㎡の住戸なら、252円×70㎡で月1万7,640円が目安です(ガイドラインの平均値を単純に掛けた金額です)。
機械式駐車場がある場合は、機種ごとに1台あたり月4,645〜7,210円の修繕費を台数分加えて考えます。
ここに管理費も加わります。住宅ローンの返済額だけで毎月いくら払えるかを考えると、住居費が足りなくなります。
積み立て方の違いでも、将来の負担は変わります。
ガイドラインは、計画期間を通して同じ額を積み立てる均等積立方式が望ましいとしています。最初を安くして段階的に上げる段階増額積立方式では、値上げの合意ができずに不足する例があるためです。
2024年6月の改定では、段階増額積立方式の目安も示されました。初めの金額は均等積立にした場合の0.6倍以上、最後の金額は1.1倍以内とする考え方です。
新築マンションのパンフレットで修繕積立金がとても安く見えるときは、その金額がずっと続くのか、上がる前提なのかを長期修繕計画で確認してください。均等積立方式でも、工事費の上昇や計画の見直しで増額になることがあります。
一戸建てにも、外壁や屋根、給湯器などの交換費用は同じようにかかります。
違うのは、管理組合が積み立てるか、自分で積み立てるかだけです。マンションの目安と同じくらいの金額を、毎月自分の口座に分けておくと計画が崩れにくくなります。
マンションと一戸建ての違いを表で比べる
どちらが優れているかではなく、自分の暮らし方に合うかという目で見てください。
| 比較の観点 | マンション | 一戸建て |
|---|---|---|
| 立地 | 駅近など利便性の高い場所が中心 | 郊外・住宅地が中心。土地探しの自由度は高い |
| 購入価格の傾向 | 新築は高め(2025年度の平均5,882万円) | 建売なら抑えやすい(同4,215万円) |
| 毎月の追加負担 | 管理費+修繕積立金が継続してかかる | 強制ではないが、自分で修繕費を積み立てる必要 |
| 維持管理 | 管理組合が計画的に実施 | 時期も業者選びもすべて自分で判断 |
| 土地の使い方 | 敷地の利用に制限がある | 駐車場の増設・増改築・庭の活用が自由 |
| セキュリティ | オートロック・防犯カメラなどが標準的 | 自分で対策する必要がある |
| 音の気づかい | 上下階・隣戸への配慮が日常的に必要 | 比較的気にしなくてよい |
資産価値が落ちにくいのはどちらかも、よく聞かれます。建物は年数とともに価値が下がりますが、土地は下がりにくいため、価格に占める土地の割合が大きい一戸建ては、土地の分の価値が残りやすくなります。
マンションは人気の立地に建つことが多く、住みたい人の多さが価格を支えます。
建て方の違いより、その場所に将来も住みたい人がいるかのほうが、価値への影響は大きくなります。維持費の内訳は、戸建てとマンションの維持費を費目別に比べた記事で紹介しています。
住宅ローンは住居費の総額から借入額を逆算します
住宅ローンの審査では、年収に対する年間返済額の割合(返済負担率)が見られます。このとき数えるのはローンの返済額で、管理費や修繕積立金は入りません。審査に通る金額と、無理なく払える金額は別のものです。
マンションを考えている場合は、次の順番で借入額を決めると無理が出にくくなります。
- 毎月出せる住居費の総額を先に決める
- そこから管理費・修繕積立金と駐車場代を引く
- 残った金額で返せる借入額を逆算する
例えば住居費に月15万円まで出せる家庭で、管理費と修繕積立金が合わせて月3万円かかるなら、ローンの返済に回せるのは月12万円です。一戸建ての場合も、この3万円にあたる分を将来の修繕のための貯蓄として取っておきます。
どちらを選んでも、住居費の総額で考える点は変わりません。金利の決まり方は、住宅ローン金利の仕組みの記事で紹介しています。
家族で意見が割れたときの決め方
住まう目的がはっきりしていて、その目的に合った物件を選べば、マンションでも一戸建てでも大きく後悔することはありません。
毎週友人とバーベキューがしたい、ペットを飼いたいという家庭なら一戸建て、帰宅が遅い、防犯を何より重く見たいという家庭ならマンションが合います。
マンションか一戸建てかから話し始めると、家族の意見は平行線になりがちです。通勤時間、子どもの学区、車の有無、休日の過ごし方のうち、譲れない条件を先に書き出してみてください。条件が決まれば、選ぶ建て方はかなり絞られます。
住み心地の違いは、戸建てとマンションの住み心地と費用を比べた記事でも紹介しています。
価格や修繕積立金の目安は年ごとに変わるので、物件を決める前に住宅金融支援機構や国土交通省の最新の資料と、物件の長期修繕計画を確かめてください。

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