財形住宅融資とは何?ローンを借りる前に知っておきたい融資制度を解説
住宅を購入する場合、支払金額が高額になることから多くの方は住宅ローンを契約します。住宅ローンは各種金融機関から提供されているローンサービスのほか、公的機関からの借り入れも可能となっています。
公的機関から借り入れができる住宅ローンサービスとして、「財形住宅融資」があります。今回は財形住宅融資について詳しく解説していきます。
財形住宅融資とは?
財形住宅融資とは、財形貯蓄を行っている方を対象に、住宅購入資金を融資する制度です。財形住宅融資は独立行政法人住宅金融支援機構が提供している公的の融資サービスとなります。
独立行政法人住宅金融支援機構は、旧住宅金融金庫の業務を継承して2007年に設立された独立行政法人で、国土交通省と財務省の元、住宅購入資金やリフォーム資金の融資を提供しています。
財形住宅融資では、新築住宅の購入のほか、中古住宅の購入、リフォームの資金の借り入れが可能で、財形貯蓄を1年以上継続して行っていることと、貯蓄残高が50万円以上ある方を対象に、必要資金を融資します。
財形貯蓄を1年以上実施し残高が50万円以上の方を対象に融資
財形住宅融資は、申し込み時点の年齡が70歳未満で財形貯蓄を1年以上継続して実施し、申込日より2年以内に財形貯蓄に残高を預け入れを行い、その残高が50万円以上あることを条件として住宅の購入資金もしくはリフォーム代金を融資します。
財形貯蓄は、2018年2月26日の記事で詳しく記載していますが、会社員や公務員を対象とした福利厚生で提供されている貯蓄制度です。財形貯蓄には、主に3種類あり、住宅資金を確保する目的で利用する「財形住宅貯蓄」、活用用途を問わない「一般財形貯蓄」、老後の資金を確保することを目的とした「財形年金貯蓄」があります。
財形貯蓄を提供している企業は、従業員に支払う給与から、あらかじめ指定した一定額の金額を毎月差し引くことで貯蓄が可能です。
今回の財形住宅融資を利用する場合、財形住宅融資以外の財形貯蓄でも対象で、上記3種類のいずれかの財形貯蓄を行っている必要があります。
財形貯蓄の残高の10倍の金額(最高4000万円)までの融資が可能
財形住宅融資を利用して住宅ローンの借り入れを行う場合、財形貯蓄にある残高の10倍の金額(最高4000万円)まで借り入れ、もしくは、住宅を建てるにあたり必要となる建設の費用の90%の額、または、土地の購入価格90%の額、住宅のリフォームに必要となる資金の90%の額まで借り入れることができます。
利用できる2つの融資は、いずれかの金額が低いほうが優先となり、ご自身で選択することはできない点に注意が必要です。そのため、財形住宅融資で借り入れができる金額は、貯蓄残高の10倍の額が目安として考えておいてもよいでしょう。
財形住宅融資の融資の金額は100万円以上10万円単位に設定されています。ただし、契約者の返済能力を総合的に判断した場合、上記2つの条件よりも低い金額での融資となる場合もあります。
財形住宅融資を利用して建てる住宅が、賃貸併用住宅や自営業の店舗や事務所などが併用する場合については、居住部分のみの融資となりますので、注意が必要です。
新築住宅の購入であれば返済期間は最長35年
財形住宅融資の返済期間は、取得した住宅の条件によっても異なりますが最長35年間に設定されています。
新築住宅の建設や、購入についての返済期間は最長35年に設定されています。一方で中古住宅の場合、中古一戸建て住宅もしくは中古マンションで耐久性基準を満たした、リ・ユース(中古)住宅プラスについては最長35年、耐久性基準を満たしておらず共通基準に適合した中古一戸建て住宅もしくは、中古マンションについての最長返済期間は25年に設定されています。
リフォーム費用の返済期間については、最長20年に設定されています。リフォームについては必要金額が比較的少額となるため、返済期間は短めに設定されています。
返済期間については、新築住宅の購入もしくは中古住宅の購入であれば返済期間は10年以上1年単位で設定可能です。リフォームについては1年以上1年単位で返済期間を設定することができます。
金利は5年ごとに見直される
財形住宅融資の金利は、5年間固定となっており、6年目からは適用される金利が見直されます。そのため、金利の支払いも含めたトータルの返済額については金利の動向に左右されることとなります。
例えば、借り入れ額が3000万円を申込時の適用金利0.83%を25年間にわたり返済していくと仮定して考えた場合、金利が25年間変動しなかった場合は0.83%の金利負担が毎年続きますので、総返済額は3323万233円となります。一方で、5年ごとに1%づつ金利が上昇した場合の総返済額は3848万6339円となります。
ただし、総返済負担率については年収によって上限が定められています。年収400万円未満の方については総返済負担率は30%以下、年収400万円以上の方の総返済負担率は35%以下に定められています。
- 2018.03.03
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