HOME > すべての記事 > 新規借入の方へ > 財形住宅融資とは?条件・限度額・5年固定金利をやさしく解説

財形住宅融資とは?条件・限度額・5年固定金利をやさしく解説

財形住宅融資は、会社の財形貯蓄を1年以上続け、残高が50万円以上ある人が、残高の10倍(最高4,000万円)まで借りられる公的な住宅ローンです。住宅金融支援機構が扱い、融資手数料と連帯保証人が要らない一方で、金利は5年ごとに見直される「5年固定金利制」なので、将来の金利上昇の影響を受ける点に注意が必要です。

住宅の購入は金額が大きいため、多くの方が住宅ローンを利用します。銀行など民間の金融機関の住宅ローンのほかに、こうした公的機関から借りられるローンもあることを、はじめての方にもわかるように順番に見ていきましょう。

財形住宅融資とは?

財形住宅融資とは、財形貯蓄を行っている方を対象に、住宅の建設・購入・リフォームの資金を融資する公的な制度です。独立行政法人住宅金融支援機構などが提供しています。

住宅金融支援機構は、旧住宅金融公庫の業務を引き継いで2007年に設立された独立行政法人で、住宅の取得資金やリフォーム資金の融資などを行っています。【フラット35】を民間金融機関と提携して提供しているのも、この機構です。

財形住宅融資は、新築住宅の建設・購入のほか、中古住宅の購入、リフォーム資金の借り入れにも使えます。融資手数料がかからず、連帯保証人も不要なため、契約時の諸費用を抑えやすいのが特長です。

財形貯蓄を1年以上・残高50万円以上が対象

給与から天引きで積み立てる財形貯蓄のイメージ

財形住宅融資は、借入申込日現在の年齢が満70歳未満(リフォーム目的の場合は満79歳未満)で、財形貯蓄を1年以上続け、申込日前2年以内に預入れを行い、申込日の残高が50万円以上あることなどを条件に、住宅の取得資金やリフォーム資金を融資します。あわせて、勤務先から住宅手当などの負担軽減措置を受けられることも要件になります。

財形貯蓄は、会社員や公務員を対象に福利厚生として提供される貯蓄制度で、主に3種類あります。住宅資金づくりを目的とする「財形住宅貯蓄」、用途を問わない「一般財形貯蓄」、老後資金づくりを目的とする「財形年金貯蓄」です。財形貯蓄制度のある企業では、給与からあらかじめ決めた額を毎月差し引くことで、自動的に貯蓄ができます。

財形住宅融資を利用する場合、上記3種類のいずれかの財形貯蓄を行っていれば対象になります(複数の場合は残高の合計で判断します)。財形住宅貯蓄の非課税枠など、貯める側のしくみは財形住宅貯蓄とは?要件・非課税枠をやさしく解説でまとめています。

貯蓄残高の10倍(最高4,000万円)まで融資可能

財形住宅融資で借り入れできる金額は、財形貯蓄の残高(合計)の10倍(最高4,000万円)と、住宅の建設費・購入価額やリフォーム費用など所要額の90%のうち、いずれか低い額までです。

2つの基準のうち低いほうが適用され、自分で選ぶことはできない点に注意しましょう。たとえば財形貯蓄の残高が200万円なら、借りられるのは最大2,000万円が目安です。融資額は50万円以上・10万円単位で設定されます。ただし、返済能力を総合的に判断した結果、これより低い金額になる場合もあります。

なお、賃貸併用住宅や店舗・事務所を兼ねる住宅の場合は、居住部分のみが融資の対象になります。残高から計算した上限では足りない場合は、フラット35や民間の住宅ローンと組み合わせるのが一般的です。

新築の購入なら返済期間は最長35年

住宅の返済期間をイメージした写真

財形住宅融資の返済期間は、取得する住宅の条件によって異なりますが、新築住宅の建設・購入は最長35年に設定されています。

中古住宅の場合は、耐久性基準を満たした住宅(リ・ユース〈中古〉住宅プラス)なら最長35年、それ以外の中古住宅は最長25年です。リフォーム資金の返済期間は最長20年に設定されています。

返済期間は、新築・中古の購入なら10年以上1年単位、リフォームなら1年以上1年単位で設定できます。

金利は5年ごとに見直される(5年固定金利制)

財形住宅融資の金利は、当初5年間は申込時の金利で固定され、6年目以降は5年ごとに適用金利が見直される「5年固定金利制」です。返済の開始から終了までの全期間がこのルールなので、総返済額は将来の金利動向によって変わります。

日本銀行は2026年9月に政策金利を1.25%程度へ引き上げ、長期金利も上昇しています。5年ごとの見直しのたびに金利が上がる可能性を、借りる前に数字で確かめておくことが大切です。

たとえば借入額3,000万円・返済期間25年・元利均等返済で、仮の金利を年2.0%として試算すると、次のようになります(金利はいずれも説明用の仮の値です)。

仮定したケース 毎月の返済額(目安) 総返済額(目安)
25年間ずっと年2.0%のまま 約127,200円 約3,815万円
5年ごとに1%ずつ上昇(2.0%→6.0%) 約127,200円から始まり、21年目以降は約160,200円 約4,395万円

同じ借入額でも、金利が上がり続けると総返済額は約580万円増える計算です。あくまで金利変動リスクを示すための試算例で、実際の適用金利は住宅金融支援機構の「財形住宅融資金利のお知らせ」で確かめられます。

なお、返済額の変動には歯止めもあり、元利均等返済の場合、見直し後の返済額は見直し前の返済額の1.5倍が上限とされています。ただし上限で抑えられた分の利息がなくなるわけではない点は、民間の変動金利の「125%ルール」と同じ考え方です。

団信(団体信用生命保険)への加入は任意で、健康上の理由などで団信に加入しない場合でも申し込めます。2020年(令和2年)10月1日以降の新規融資では、団信の特約料相当分が金利に組み込まれるしくみになり、団信の種類(新機構団信・デュエット・新3大疾病付機構団信)によって融資金利が異なります。団信に加入しないと、万一のときに債務がご家族に残る点は十分に検討してください。

なお、総返済負担率(年収に占める、すべての借入れの年間返済額の割合)には上限があり、年収400万円未満は30%以下、年収400万円以上は35%以下と定められています。固定・変動など金利タイプそのもののしくみは住宅ローンの金利とは?固定・変動・固定金利選択型をやさしく解説もあわせてどうぞ。

申込みの流れと、向いている人・注意したい人

財形住宅融資は、借入申込書を住宅金融支援機構の郵送申込係へ郵送して申し込みます。申込書や「財形住宅融資のご案内」一式は、機構の資料請求フォームなどから無料で取り寄せられます(届くまで1週間程度)。郵送で申し込んだ場合も、借入れの契約や返済の手続きは取扱金融機関で行います。

  1. 勤務先で財形貯蓄の残高と、負担軽減措置(住宅手当など)を確認する……「負担軽減措置等の証明書」は勤務先に記入してもらいます。
  2. 機構から申込書類一式を取り寄せる
  3. 物件の技術基準・物件検査の手続きを確認する……新築・中古ごとに基準があります。
  4. 機構へ郵送で申し込み、審査を受ける
  5. 取扱金融機関で契約・資金の受け取り
こんな人は検討の価値あり こんな点は慎重に
勤務先に財形貯蓄制度があり、残高がまとまっている 勤務先に制度がない、または残高が少なく借入上限が低い
融資手数料や連帯保証人の負担を抑えたい 5年ごとの金利見直しで返済額が増えることに不安がある
フラット35や民間ローンとの組み合わせで資金を整えたい 勤務先の負担軽減措置の証明が受けられるか未確認

勤務先に財形の制度があっても、勤労者退職金共済機構の「財形転貸融資」など勤務先経由の融資制度がある場合は、原則としてそちらが優先されます。まずは勤務先の担当部署に、どの制度が使えるかを聞いてみるのが最初の一歩です。

財形住宅融資のよくある質問

Q. 財形住宅融資はだれでも利用できますか?

A. 財形貯蓄を1年以上続けて残高が50万円以上あり、勤務先から住宅手当などの負担軽減措置を受けられる勤労者が対象です。年齢は申込日現在で満70歳未満(リフォームは満79歳未満)です。財形貯蓄制度のない会社にお勤めの場合は利用できません。

Q. 財形住宅融資とフラット35は併用できますか?

A. 併用できます。財形住宅融資の上限は残高の10倍(最高4,000万円)なので、足りない分をフラット35や民間ローンで組み合わせるのが一般的です。全期間固定のフラット35と組み合わせれば、5年ごとの金利見直しの影響を受ける部分を小さくできます。

Q. 財形住宅融資に手数料や保証人は必要ですか?

A. 融資手数料と連帯保証人は必要ありません。ただし物件検査の手数料や登記費用、火災保険料など、住宅購入に共通する諸費用は別にかかります。

Q. 財形住宅融資の金利はどこで確認できますか?

A. 住宅金融支援機構の「金利情報」ページに掲載される「財形住宅融資金利のお知らせ」で確認できます。団信の種類によって金利が異なるため、加入予定の団信の欄を見てください。

※参考:住宅金融支援機構「財形住宅融資」/住宅金融支援機構「金利情報」。記載の条件は2026年10月時点の機構の案内(2026年4月作成「財形住宅融資のご案内」)にもとづきます。制度や金利は変更されることがあるため、最新の内容は住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。

借入れ・借換えした後もお得♪

SBIマネープラザは、ドコモSMTBネット銀行とSBI新生銀行の住宅ローンを取り扱う銀行代理業者です。
ネット銀行の住宅ローンを、店頭やオンラインで専門スタッフに相談しながら申し込めます。

SBIマネープラザの住宅ローン相談はここが安心!

  • ネット銀行2行の住宅ローンをまとめて比較・相談できる
  • 審査や金利タイプの不安も専門スタッフが対面でサポート
  • 借り換えやペアローンもシミュレーションで具体的に提案

詳細&相談予約はこちら

新規借入の方へ関連記事