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物件情報はネットだけでは足りない?レインズと探し方のコツ

中古マンションや一戸建てを探すとき、インターネットの不動産検索サイト(ポータルサイト)を利用される方がほとんどだと思います。

折込チラシや情報誌とは違い、新しい物件が毎日のように公開されるため、スピーディーな情報入手には最適と言えるでしょう。

しかし、そう都合よく好みの物件に当たるとも限りません。この記事では、なぜネット検索だけでは物件を取りこぼすのか、その仕組みを整理したうえで、初めて家を探す方が今日からできる動き方をご紹介します。

物件検索を毎日すれば好みの物件が見つかる~果たしてそうだろうか?

Aさんは、購入物件の条件が決まっていたので、その条件で毎日ネット検索していました。が、そうそう好みの物件が出てくるものではありません。

毎日のように検索していくうちに、だんだん面倒に感じてきました。

そんなとき、ポスティングチラシに条件ピッタリの物件が載っており、問い合わせてみたら、すでに申込みが入っていたのでした。

そのチラシは1週間前のもので、Aさんは古新聞と一緒に置きっぱなしにしていたため、見る機会を逃してしまったのです。でも、なぜネット検索でその物件を見つけられなかったのでしょう。

ネット検索にも限界がある

不動産会社が売り物件の依頼(媒介契約)を受けると、「指定流通機構(レインズ)」という不動産会社間の情報共有システムに登録します。ここまでは多くの方がご存じかもしれません。

ただ、この登録義務は「どの媒介契約を結んだか」で変わります。ここが、初めての方にはあまり知られていないところです。

媒介契約の種類 レインズへの登録 売主への報告
専属専任媒介契約 義務あり(契約締結の翌日から5日以内・休業日を除く) 1週間に1回以上
専任媒介契約 義務あり(契約締結の翌日から7日以内・休業日を除く) 2週間に1回以上
一般媒介契約 法律上の義務はない(任意で登録は可能) 法律上の定めはない

つまり、一般媒介で売りに出された物件は、レインズに載っていないことがあります。さらに、レインズに登録されたあとポータルサイトに情報が転載されるかどうかは、その物件を扱う不動産会社の判断によります。すべての検索サイトに自動で載るわけではないのです。

Aさんが取りこぼしたのは、まさにこの隙間です。ネット検索は「速い」けれど「全部が載っている」わけではない——これが、まず押さえておきたい前提になります。

2025年から、レインズには「取引状況」が登録されるようになりました

もうひとつ、比較的新しい動きをお伝えしておきます。国土交通省は令和6年6月に宅地建物取引業法施行規則を改正し、令和7年(2025年)1月1日から、宅建業者にレインズへの物件の「取引状況」の登録を義務づけました。

取引状況として登録されるのは「公開中」「書面による購入申し込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」といった区分です。あわせて、売主に交付される登録証明書には2次元コードが記載され、売主が自分の物件の登録内容や取引状況を確認しやすくなっています。

これは売主向けの仕組みですが、買主にとっても意味があります。ポータルサイトにまだ掲載されている物件でも、実際には申込みが入っていることがある——という現実が、業界の側でもきちんと見える形に整理されてきた、ということだからです。気になる物件を見つけたら、「今どういう状況ですか」と遠慮なく聞いてよいと考えてください。

不動産会社は「買主」よりも「売主」を重要視する?

こう感じたことのある方もいるかもしれません。理由を考えてみましょう。

買主(購入検討客)は、さまざまな条件の物件を検討することになるため、やむを得ず他の会社や物件に「浮気」してしまいます。業者側が情報を提供しても買主側がタイムリーに反応するとは限らず、前向きに検討していたとしても、諸条件が整わずに見合わせることになったりするからです。

仮に、不動産会社に条件を提示しておいて連絡を待つという方法を取ったとしても、必ず連絡が来るとは限りません。

一方の売主側は、物件がひとつですから「浮気」することは少なく、営業活動を行っている実績があれば、売主との一定の信頼関係は保てます。そしてその「実績」として売主に見えやすいのが、チラシという紙媒体なのです。ポスティングは、買主に届けるためだけでなく、売主に「動いています」と示すためでもある、というわけです。

だからこそ、好みの物件を探すときは“効率のネット検索”と“効果のチラシ収集”の両構えを心掛けると、見つかる確率が高くなってきます。

買主が「情報の流れ」に乗るための5つの動き

とはいえ、待っているだけでは変わりません。不動産会社の側から見て「この人には早く伝えたい」と思われる買主になるのが近道です。難しいことではありません。

  1. 条件に優先順位をつけて伝える……「駅徒歩10分以内・3LDK・予算◯◯万円まで、ただし駅距離は12分まで許容」のように、譲れる線まで具体的に伝えます。条件が曖昧だと紹介しようがありません。
  2. 資金の裏づけを先に用意する……住宅ローンの事前審査(仮審査)を通しておくと、「この人は買える」と分かるため、紹介の優先度が上がります。物件を決めてから動くのでは間に合わないことが多いところです。
  3. 連絡が取れる時間帯を伝えておく……人気の物件は数日で決まります。日中に電話に出られないなら、その旨とメールでの連絡希望を最初に伝えておきましょう。
  4. 反応を早く返す……紹介を受けたら、見送る場合も「今回は見送ります」と理由を添えて返す。これだけで次の紹介が来やすくなります。
  5. エリアの地元業者にも当たる……大手のポータル頼みだけでなく、希望エリアで長く営業している会社に足を運ぶ。一般媒介の物件や、まだ広告になっていない情報に出会える可能性があります。

2番目の事前審査について補足します。事前審査は本審査より簡易な書類で受けられるのが一般的で、結果が出るまでの日数も金融機関によって異なります。なお、SBI新生銀行のように事前審査を原則実施せず、本審査のみで完結する金融機関もあります。手続きが一度で済むという分かりやすさがある一方、他行と併願して物件の申込みを急ぎたい場合は、事前審査のある金融機関で先に通しておくといった使い分けが現実的です。取扱いや必要書類は変わることがあるため、最新の内容は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

相場を確かめるなら、公的なデータも無料で使えます

「この価格は高いのか安いのか」——これはネット検索だけでは分かりません。ポータルサイトに出ているのは売出価格(売主の希望価格)であって、実際に成約した価格ではないからです。

無料で使える公的な情報源としては、次の2つを覚えておくと便利です。

  • 不動産情報ライブラリ(国土交通省)……不動産の取引価格、地価公示などの価格情報に加え、防災情報・都市計画情報・周辺施設情報を地図上で確認できます。物件そのものだけでなく、その土地の条件を調べるのに向いています。
  • レインズ・マーケット・インフォメーション(RMI)……レインズが保有する成約価格の情報を、個別の取引を特定できない形に加工して一般公開しているサイトです。同じエリア・同じくらいの広さでいくらで売れているのかを確かめられます。

売出価格と成約価格の感覚をつかんでおくと、「値引き交渉できる余地があるか」「この価格ならすぐ決まってしまうか」の判断が自分でできるようになります。良い物件を逃さないためにも、この下準備は効きます。

よくある質問

Q. ポータルサイトに載っている物件を問い合わせたら「もう決まりました」と言われます。おとりですか?
一概には言えません。上でご説明したとおり、掲載の更新が追いついていないことは実際に起こります。ただし、何度も同じ会社で同じことが続く、いつまでも同じ物件が消えない、という場合は会社を変えることも検討してよいと思います。掲載日や情報公開日は多くのサイトで確認できるので、古い情報かどうかを見るクセをつけておきましょう。

Q. 「未公開物件」と言われましたが、そんなにいい物件なのでしょうか?
広告として公開される前の情報という意味で使われることが多い言葉です。「未公開=好条件」とは限りません。大切なのは、その物件が自分の条件と合っているかどうかです。焦らせるような案内を受けたら、いったん持ち帰って、上の公的データで相場を確かめてから判断してください。

Q. 複数の不動産会社に同時に相談してもいいのですか?
買う側は問題ありません。実際、扱っている情報や得意なエリアは会社ごとに違います。ただし、同じ物件を複数の会社経由で問い合わせるのは避けましょう。手続きが混乱し、どの会社が窓口なのか分からなくなります。会社ごとに担当エリアや物件種別を分けて相談するのがおすすめです。

Q. 探し始めから購入までは、どのくらいの期間を見ておけばいいですか?
物件やご事情によって幅がありますが、情報収集・内見・資金計画を並行して進めるのが前提です。とくに住宅ローンは、事前審査から本審査、契約、融資実行まで段階を踏むため、思っているより時間がかかります。気に入った物件が出てから資金の相談を始めると間に合わない——ここが最大の落とし穴です。物件探しと同じタイミングで、返済計画も動かし始めてください。

まとめ

ネット検索は速くて便利ですが、万能ではありません。

  • レインズへの登録義務は媒介契約の種類によって違い、一般媒介には義務がない
  • レインズに載っても、すべてのポータルサイトに転載されるわけではない
  • 価格の判断は、売出価格ではなく公的データの成約価格で確かめる
  • 紹介を受けやすい買主になるには、条件の優先順位と資金の裏づけ(事前審査)を先に整えておく

お目当ての物件を見つけるためには、不動産会社に頼るだけでなく、「根気」と「注意力」が必要だということです。そして、その根気を活かすためにも、資金計画という土台を先に固めておきましょう。良い物件は、準備ができている人のところで決まります。

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