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夏の室温は何℃が快適?湿度45〜60%を保つ冷房の使い方

夏になると気温が高くなり、誰もが「暑い」と感じます。そこで多くのご家庭が冷房を使いますが、やみくもにスイッチを入れるのではなく、いまの「室温」と「湿度」を把握したうえで使うことが、快適さと電気代の両立につながります。

これから住まいを買う方にとっても、夏の室内環境をどう整えるかは、住み心地と毎月の光熱費の両方にかかわる身近なテーマです。今回は、夏場に快適に過ごすための室温・湿度の目安と、冷房機器を適切に使うポイントをやさしく解説します。

夏場に暑いと感じるのは温度だけではなく湿度も関係する

季節が夏になると気温が上がりますので、当然ながら多くの方は暑いと感じます。暑いと感じるのは気温が上がっているという理由もありますが、実は気温だけではなく湿度も大きく関係してきます。

日本の夏は、北海道北部などを除くと湿度が高いという特徴があり、西日本に行けば行くほど湿度が高い傾向があります。その理由としては、南東より季節風が日本に向けて吹きますが、気温の上昇で海水や川などの水が水蒸気となり上昇することで運ばれることにあります。それが日本列島の山にぶつかることで、最終的に雨を降らせることになります。

気温が高く、湿度も高い状態となると、不快指数と呼ばれる数値が高くなり、暑いだけではなく体がじめじめとしてきて不快に感じるようになります。

また、気温が高いと人間は汗をかくことで体温調節を行おうとしますが、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温調節が適切にできないことも暑いと感じる要因のひとつです。熱中症の危険度をはかる指標として環境省が公表している「暑さ指数(WBGT)」でも、気温より湿度のほうが大きな重みで計算されており、湿度が体感や健康に与える影響の大きさがうかがえます。

なお環境省と気象庁は、暑さ指数が33以上と予測された地域に「熱中症警戒アラート」を発表しています。2026年度(令和8年度)の情報提供は4月22日から10月21日まで行われる予定です(環境省熱中症予防情報サイト・2026年7月時点)。アラートが出た日は、がまんせずエアコンを使って涼しい環境で過ごすことが呼びかけられています。

湿度が高いとカビやダニの繁殖で健康にも悪影響を及ぼす

湿度が高くなることで、梅雨の時期も同様ですがカビが発生しやすくなります。さらに、多くの方が悩まれているアレルギーの原因となるダニも繁殖しやすくなります。

そのため、住宅の壁などがカビだらけになり、住宅が早期に傷むといったことにもつながります。さらに、アレルギー疾患をお持ちの方であれば、喘息や鼻炎、皮膚に炎症が起きるなどアレルギー症状を発症することにもつながりますので、室温だけではなく湿度も把握できる温湿度計などを設置し、温度と湿度の両方を適切に調整することを心がけることが重要となります。

とくに夏場は、西日本や太平洋側を中心に雨が降ることも多く、洗濯物を室内に干しているご家庭も見受けられますが、室内干しは室内の湿度をさらに高めることになり、あまりおすすめすることはできません。雨天の場合における洗濯物の取り扱いについては、乾燥機や除湿機の活用や、雨対策をしたうえでできるだけ外に干せる環境を整えることが重要です。

また、湿気やにおいをためこまないためにも、雨が室内に入り込まない程度であれば、1時間に1回程度の間隔で窓を開けて換気することもおすすめです。押し入れやクローゼット、洗面所など、空気が動きにくい場所は扉を開けて風を通すだけでも湿気のこもり方が変わります。

夏場に快適に過ごせる適切な湿度は45%~60%が目安

日本の夏は、前述しているとおり気温だけではなく湿度も高くなる特徴がある反面、夏場に海外へ行かれたことがある方はおわかりかと思いますが、気温が高くてもなんとなくカラッと感じた経験がある方も多いかと思います。それは気温が高くても、湿度が日本に比べて低めであるという理由が考えられます。一方で、海外でも中国南部や台湾、東南アジアなどは日本以上に湿度が高く雨も多いため、体感的には日本と変わりません。

ここでお伝えできることとしては、気温が高くても湿度が適切であれば快適に過ごすことができるということです。夏場に快適に過ごすことができる適切な湿度の目安としては、45%から60%であると言われており、室内においては、湿度をその範囲内に保てるように調整することで快適に過ごすことができると言えます。

参考までに、不特定多数の人が利用する一定規模以上の建物に適用される建築物衛生法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)では、居室の相対湿度を40%以上70%以下に保つことが管理基準として定められています。オフィスに適用される事務所衛生基準規則も同じ範囲です。上で挙げた45~60%は、その法令の範囲のなかでも「体感的に快適」とされる、より狭い目安だとイメージするとわかりやすいでしょう。

湿度の調整は、冷房の除湿機能を活用する、西日本地域や山間部など湿度が高い地域であればそれと併用して除湿機を活用することで、湿度を適切に保つことができ快適に過ごすことができそうです。

また、日によって湿度が低い日であれば、窓を開けて風を室内に入れるだけでも快適に過ごすことができます。気温が高くても湿度が低めの日であれば、窓を開けて風の通り道をつくることで、冷房を使わなくても快適に過ごすことができますし、扇風機だけでも快適に過ごせることもできますので、エアコンを利用する場合における光熱費の節約にもなります。

室温の目安は何℃?「室温28℃」はエアコンの設定温度ではありません

「夏は28℃」という数字を耳にしたことがある方は多いと思います。これは環境省が「クールビズ」で呼びかけている室温の目安です。ここで大切なのは、28℃はあくまで「部屋の温度」の目安であって、エアコンのリモコンに表示される設定温度のことではないという点です。環境省の熱中症予防マニュアルでも、この点はわざわざコラムとして注意喚起されています。

建物の断熱性能や日当たり、外気温、その部屋にいる人数によって、設定温度28℃では室温が28℃まで下がらないことは珍しくありません。設定温度を26~27℃にしてはじめて室温が28℃前後に落ち着く、というケースもあります。数字を守ることより、実際の室温を温湿度計で確かめることが先だと考えてください。

法令上の目安も押さえておくと安心です。建築物衛生法および事務所衛生基準規則では、空調設備のある居室の温度は18℃以上28℃以下とされています(下限は2022年4月1日施行の改正で17℃から18℃に引き上げられました)。夏の室内は、この上限28℃を超えないように保つのがひとつの分岐点になります。

そして、高齢の方や乳幼児がいるご家庭では、28℃にこだわりすぎないことが大切です。体温調節の機能が弱い方にとっては、28℃でも熱中症のリスクが残ります。「28℃」は我慢の基準ではなく、あくまで快適さと省エネを両立させるための目安と受け止め、体調に合わせて柔軟に下げてください。

冷房・除湿・扇風機は役割が違う~上手な使い分け

エアコンの「冷房」と「除湿(ドライ)」は、似ているようで狙いが違います。ざっくり言えば、冷房は室温を下げることが主目的、除湿は空気中の水分を減らすことが主目的です。同じ室温でも湿度が下がるだけで体感はかなり涼しくなりますので、「気温はそこまで高くないのに、じめじめして不快」という日は除湿のほうが向いています。

なお、エアコンの除湿には「弱冷房除湿」と「再熱除湿」という方式があり、方式によって消費電力の傾向が変わります。どちらの方式かは機種によって異なりますので、お使いのエアコンの取扱説明書やメーカー公式サイトでご確認ください。

扇風機やサーキュレーターの併用も効果的です。エアコンの冷たい空気は下にたまりやすいため、風を循環させると部屋の上下の温度差が小さくなり、設定温度を上げても体感の涼しさを保ちやすくなります。窓を開けて換気する日も、風の入口と出口の2か所を開けると空気が流れやすくなります。

このほか、住まい側でできる工夫もあります。窓から入る日射は夏の暑さの大きな原因ですので、すだれ・シェード・遮熱カーテンなどで窓の外側または内側の日射をさえぎると、冷房の効きが変わってきます。これから家を建てる・買う予定の方は、窓の性能(複層ガラスや樹脂サッシなど)や断熱等級にも目を向けておくと、入居後の光熱費に効いてきます。

室温と湿度の調整は毎月の光熱費にも直結する

室温の設定は、そのまま電気代に響きます。経済産業省 資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」によれば、外気温31℃のときにエアコン(2.2kW/おもに6畳用)の冷房設定温度を27℃から1℃上げた場合(使用時間9時間/日)、年間で約30.24kWhの省エネになるとされています。消費者庁の啓発資料では、この効果は金額にしておよそ940円と紹介されています(同資料の前提による試算値)。

金額そのものは大きくありませんが、冷房・暖房・給湯・照明といった項目を少しずつ見直していくと、家計全体では無視できない差になります。エアコンのフィルター掃除のように、費用をかけずにできる手入れも効果があります。

住宅ローンを検討している方に、ひとつ知っておいていただきたいことがあります。毎月の住居費は「住宅ローンの返済額」だけではありません。固定資産税、火災保険料、マンションなら管理費・修繕積立金、そして水道光熱費が上乗せされます。返済額だけを見て「これなら払える」と判断してしまうと、入居後に思ったより余裕がない、ということが起こりがちです。

借入額を考えるときは、住宅ローンの返済額+税金・保険・修繕・光熱費を合わせた「住居費の総額」で無理がないかを確認してください。断熱性能の高い住まいを選ぶ、冷暖房の使い方を工夫するといった取り組みは、この総額を長期にわたって抑えることにつながります。住まい選びとお金の計画は、こうしたところでつながっています。

夏の室温・湿度に関するよくある質問

Q. 温湿度計はどこに置くのがよいですか?
直射日光の当たる窓ぎわ、エアコンの吹き出し口の真下、キッチンのコンロ付近は正しい値が出にくい場所です。人が過ごす高さ(床から1メートル前後)で、部屋の中央に近い壁ぎわに置くと、体感に近い数値が読み取れます。

Q. 湿度が60%を超えてしまうときは、どうすればよいですか?
まずは除湿機能や除湿機を使い、室内干しをしている場合は乾燥機や浴室乾燥に切り替えられないか検討してみてください。あわせて、押し入れ・クローゼット・洗面所など空気がこもりやすい場所を開けて風を通すと、家全体の湿気のたまり方が変わります。

Q. 冷房はつけっぱなしと、こまめに消すのとどちらがよいですか?
外出時間の長さやお住まいの断熱性能によって変わるため、一律の正解はありません。エアコンは室温を目標まで下げるときに電力を多く使う特性がありますので、短時間の外出なら運転を続けたほうが有利になる場合があります。ご自宅の条件で判断が難しいときは、メーカーの公式情報や電力会社の案内をご確認ください。

Q. 「室温28℃」を守っていれば熱中症は防げますか?
いいえ、28℃なら安全と言い切ることはできません。熱中症のリスクは湿度や風の有無、体調、年齢によって変わります。とくに高齢の方や乳幼児のいるご家庭では、我慢せず室温を下げ、こまめな水分・塩分の補給を心がけてください。判断に迷うときは環境省の熱中症予防情報サイトで暑さ指数(WBGT)を確認するのも有効です。

Q. 家を買うとき、夏の快適さは何を見ればわかりますか?
断熱性能の指標である「断熱等性能等級」や、窓の仕様(複層ガラス・樹脂サッシなど)が手がかりになります。住宅性能表示制度の評価書がある物件であれば、その内容を確認するのが確実です。物件ごとに条件が異なりますので、詳細は販売事業者や施工会社にご確認ください。

まとめ

夏を快適に過ごすうえで大切なのは、気温だけを見ないことです。湿度は45~60%を目安に保ち、室温は28℃を超えないように調整する。この2つを意識するだけで、体感は大きく変わります。そして室温28℃はエアコンの設定温度ではなく、あくまで部屋の温度の目安である点も忘れないでください。

冷房・除湿・扇風機・遮光といった手段を組み合わせれば、無理な我慢をせずに電気代を抑えることもできます。これから住まいを購入される方は、住宅ローンの返済額だけでなく、光熱費を含めた住居費全体で資金計画を立てておくと、入居後の暮らしにゆとりが生まれます。

※本記事に記載の各種基準・制度の内容は2026年7月時点の情報です。最新の情報は環境省・厚生労働省・資源エネルギー庁など各公式サイトでご確認ください。

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