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「売り建て」って何?「建て売り」と似ているようで、結構違うんです!

「新築建売住宅販売中」という広告や看板を見かけますが、この「建売(以下、便宜上建て売りと表記します)」というのは土地と建物がセットになっている「不動産」を販売していることです。

片や、あまり聞きなれないものに「売り建て」という販売方法があります。

一見、文字の順番を入れ替えただけで大して変わりがないような感じもしますが、契約形態や資金計画などの面で異なる部分が多々あります。

今回は、「売り建て」とはどういう事か、建て売りとはどのような点が異なるのかについて説明していきます。

建て売りは不動産の売買契約。では売り建ては?

前述のように、建て売りは土地と建物がセットになっており、別々ではなく「一体の不動産」として販売しています。

そして、完成している(未完成でも一定の許認可を受けている)土地と建物の所有権を売却譲渡するため、契約の形態は「売買契約」になります。

さて、一方の売り建てはどんな形態か。
簡単に言いますと、「土地を購入して、希望の建物を建てる」事で、よく「建築条件付き宅地分譲」という看板や広告を見掛けるのがこの形態の物件です。

この場合は、土地は完成(許認可済の未完成)物件ですので「売買契約」になりますが、建物については買主(施主)の希望が入ってきますので、完成等の不動産の売買契約ではなく「注文住宅」と同様の形態となり、「工事請負契約」または「建築請負契約」という形態になるのです。

建て売りと売り建てでは、スケジュールや資金の流れが異なります

まず、建て売りの契約形態は「土地建物売買契約」という一体の契約形態になりますので、土地・建物代金(+建物分の消費税)の総額に対する手付金を支払い、通常残りの代金は引渡しの際に一括で支払います。

次に、売り立ての契約形態ですが、「土地売買契約」と「工事請負契約」の2つを締結します。

通常、この2つの契約は同時に行われることが多く、建物に関する希望や仕様、おおよその見積金額などを、契約日までに確定させておくことになります。

資金面においては、まず契約が2つですから、①土地売買契約の手付金、②工事請負契約の着手金の2種類を用意する必要があります。

次に、建物が着工して上棟(=建て前)の時期になると、「中間金」というお金を支払います。

そして最後、建物が完成して引渡しを受ける時に、土地の残代金と建物の最終金を支払うという流れになります。

売り建てで支払う「中間金」と「最終金」は住宅ローンを利用できるが・・・

前述の通り、売り建てでは建築代金を3回に分けて支払うのが一般的です。

もちろん中間金と最終金については住宅ローンを利用できるのですが、建物が未完成ですと、住宅ローンを貸し出しても金融機関は建物に抵当権(=担保)を付けることができません。

従って、中間金については、住宅会社に対して一時的に「つなぎローン」という形態で支払われます。

つなぎとは言えローンですから、利息が発生しますので、契約前の資金計画の際にこのつなぎローン利息が計上されてきます。

契約時に手付金と着手金、その後の中間金の利息と、建て売りでは発生しない資金や費用が売り建てにおいて発生してくる事が最大のポイントです。

まとめ

売り建てでは前述のような費用が発生することはお分かり頂けたと思いますが、中には、建物の着工前に自己資金やつなぎローンなどで土地代金を全額支払い、土地の所有権を買主の名義にしてからでないと建築を開始しない住宅会社もあります。

手付金を支払ったら引渡し前に発生するのは一部の諸費用だけで、あとは全額引渡し時の支払いとなる建て売りの形態の方が、資金面に不安がある方にはお勧めでしょう。

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