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売り建てと建て売りの違い|契約2本と資金の流れをやさしく解説

「建て売り」と「売り建て」は、文字の順番が入れ替わっただけのようでいて、契約の本数がまったく違います。建て売りは土地と建物を一体で買う売買契約1本、売り建ては土地の売買契約+建物の工事請負契約の2本。この違いから、支払いの回数もつなぎローンの要否も変わってきます。

「新築建売住宅 販売中」という看板はよく見かけますが、「建築条件付き宅地分譲」と書かれた広告が売り建てにあたります。

これから初めて住宅ローンを組む方にもわかるように、契約の形とお金の流れを順に整理していきます。

建て売りは不動産の売買契約。では売り建ては?

建て売りは土地と建物がセットになっており、別々ではなく「一体の不動産」として販売されます。完成している(未完成でも一定の許認可を受けている)土地と建物の所有権を売却・譲渡するため、契約の形は「売買契約」になります。

なお、契約の総額には建物部分の消費税が含まれます。土地の譲渡には消費税がかからず(非課税)、課税されるのは建物部分のみという点も知っておくと、見積もりが読みやすくなります(国税庁 タックスアンサー No.6201 非課税となる取引)。

では、売り建てはどんな形でしょうか。簡単にいうと「土地を購入して、希望の建物を建てる」もので、「建築条件付き宅地分譲」という看板や広告を見かけるのがこの形態です。

この場合、土地は完成(または許認可済の未完成)物件なので「売買契約」になりますが、建物は買主(施主)の希望が反映されるため、完成済み不動産の売買ではなく、注文住宅と同じ「工事請負契約(建築請負契約)」という形になります。

【用語ミニ解説】建築条件付き宅地とは、「一定期間内に、指定の建築会社で家を建てること」を条件に売り出される土地のこと。土地と建物で契約が分かれるのが特徴です。

この「一定期間内に建物の請負契約がまとまらなかったとき」にどうなるか(土地の契約をどう扱うか、預けたお金は戻るのか)は、契約書ごとに定めが置かれます。申込みの前に、その条項を必ず自分の目で確認しておきましょう。

建て売りと売り建てでは、スケジュールや資金の流れが異なります

建て売りは「土地建物売買契約」という一体の契約のため、土地・建物代金(+建物分の消費税)の総額に対して手付金を支払い、通常は残りの代金を引渡しのときに一括で支払います。

一方、売り建ては「土地売買契約」と「工事請負契約」の2つを結びます。この2つは同時に行われることが多く、建物の希望や仕様、おおよその見積金額を契約日までに固めておくことになります。

資金面では、契約が2つあるため、(1)土地売買契約の手付金、(2)工事請負契約の着手金、の2種類を用意します。

さらに建物が着工して上棟(建て前)の時期になると「中間金」を支払い、最後に完成・引渡しのとき、土地の残代金と建物の最終金を支払う、という流れになります。

売り建てで支払う「中間金」と「最終金」は住宅ローンを利用できるが・・・

売り建てでは、建築代金を3回程度に分けて支払うのが一般的です。中間金や最終金にも住宅ローンを使えますが、建物が未完成の段階では、金融機関は建物に抵当権(担保)を設定できません。

そのため中間金などは、住宅会社に対して一時的に「つなぎローン」という形で支払われます。

【用語ミニ解説】つなぎローンとは、住宅ローンが正式に実行される(=建物の完成・引渡し)までの間に必要なお金を、一時的に立て替えて借りるローンのこと。つなぎとはいえローンなので利息が発生します。契約前の資金計画に、このつなぎローンの利息を必ず計上しておきましょう。

仕組みと費用の目安はつなぎ融資とは?土地から建てる人の資金の流れでくわしく解説しています。

契約時の手付金・着手金、その後の中間金の利息など、建て売りでは発生しないお金や費用が、売り建てでは発生することが最大のポイントです。

建て売り・売り建てのちがいを一覧で整理

比較の観点 建て売り 売り建て(建築条件付き)
契約の形 土地建物の売買契約(1本) 土地の売買契約+工事請負契約(2本)
支払いの回数 手付金→引渡し時に一括が中心 手付金・着手金・中間金・最終金と複数回
つなぎローン 原則不要 必要になることが多い(利息が発生)
間取りの自由度 完成済みのため低め 希望を反映しやすい
資金面の負担 引渡しまでの出費が少なめ 引渡し前の出費・諸費用が増えやすい

売り建てを選ぶときに確認したい3つのこと

売り建ては「土地は気に入ったけれど、建物はこれから」という状態で契約に進みます。だからこそ、契約前に確認しておきたい点があります。

  • 建物の見積りがどこまで含まれているか……外構・照明・カーテン・地盤改良などは別途になりがちです。
  • 請負契約がまとまらなかったときの扱い……土地の契約と、支払ったお金がどうなるかを契約書で確認します。
  • つなぎローンの条件……取り扱いの有無・金利・手数料は金融機関ごとに違います。土地の契約前に確認しておくと安心です。

建て売りのほうが気になってきた方は、価格と品質の考え方を整理した建売住宅は安かろう悪かろう?注文住宅との違いもあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 売り建てと注文住宅は同じですか?

A. 建物を「工事請負契約」で建てる点は似ていますが、売り建ては土地が「建築条件付き」で、建築会社が指定されている点が異なります。完全に自由な土地・会社で建てる注文住宅とは区別されます。

Q. つなぎローンの利息はどれくらいかかりますか?

A. 借入額・借入期間・金利によって変わり、金融機関ごとにも条件が異なります。土地の契約前に見積もりを取り、資金計画に必ず見込んでおきましょう。

Q. 資金面で不安がある場合、どちらが向いていますか?

A. 一般に、引渡しまでの出費が少なくて済む建て売りのほうが、資金に不安がある方には負担を抑えやすい傾向があります。間取りの自由度とのバランスで選びましょう。

Q. 売り建ての土地代金にも消費税はかかりますか?

A. かかりません。土地の譲渡は消費税の非課税取引です。消費税がかかるのは建物(工事請負)部分なので、見積書では土地と建物を分けて確認しましょう。

Q. 建築会社を自分で選びたい場合はどうすればいいですか?

A. 建築条件付きの土地は、原則として指定の会社で建てることが条件です。会社を自由に選びたいなら、条件の付いていない土地を探すか、条件を外せるか(外す場合の価格)を売主に確認することになります。

まとめ

売り建ては、間取りの希望を反映しやすい一方で、契約が2本になり、つなぎローンの利息など建て売りにはない出費が発生します。

なかには、着工前に自己資金やつなぎローンで土地代金を全額支払い、土地を買主名義にしてから建築を始める住宅会社もあります。

資金面に不安がある方には、引渡し前の出費が少ない建て売りが向いている場合が多いでしょう。仕組みの違いを理解して、無理のない資金計画を立ててください。なお、つなぎローンの金利・手数料や取り扱いの有無は、各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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