任売なら掘り出し物件の可能性大!でも、契約とか面倒じゃないの?
任意売却物件(以下、任売物件という)の購入を検討するにあたっては、一般的な売却物件の購入手続きに加えていくつかの注意点があります。
それは任売物件の売主が、資金的な理由で売却しなければならないからで、買主となる皆さんとしては慎重かつ迅速な対応が求められます。
また、任売ならではの“イレギュラーなルール”もありますので、覚えておく必要があります。
任売取引では買主側からの条件交渉ができない場合が多い
任売物件の売主は、住宅ローンや税金の滞納など資金的な理由から、金融機関等の債権者との協議により売却を選択しています。
そのため、相場を踏まえた価格であると同時に債権者側が納得する価格で売却しなければなりません。
皆さんが任売物件を検討する場合、価格交渉を申し出ること自体は自由ですが、債権者側が納得するかどうかは何とも言えないところです。
仮に表示価格から100万円の値引きを申し出るとして、売主と債権者(弁護士なども関わる場合がある)で協議し、値引きなしの買主が現れるまで一定期間保留するなどということも考えられます。
また、一般的に任売物件は瑕疵担保責任(*1)を免責とすることが多く、引渡しを受けた後で物件に問題が生じた場合は、買主側の負担で補修等を行わなければなりません。
*1.瑕疵(かし)担保責任参照:http://www.homes.co.jp/words/k1/525000424/
契約や権利関係で買主側が損害を被ることはないのか?
前回の説明で、任売や競売物件を専門に扱う不動産会社のお話をしました。
一般の不動産会社でも任売物件を扱う事はありますが、専門に扱う会社では取扱件数が格段に多く、さまざまな事情に精通したプロフェッショナルが担当してくれます。
前述で、買主側からの条件交渉が難しいとお話しましたが、それは決して買主が不利になるということではなく、任売という特殊な事情を抱えた物件であり、その事情を考慮して相場よりも価格を抑えているために条件交渉が難しいという意味なのです。
任売という事情を踏まえつつ債権者にも配慮した価格設定を行い、複雑な権利関係を調整したのち、すべての問題が解消したまっさらな状態で新しい買主に引渡すべく、“任売のプロ”が動いてくれます。
もちろん、買主側の住宅ローンや登記手続きの手配などもしかり担ってくれますので、契約や引渡し、権利関係で買主に損害が及ぶといった心配をする必要はないでしょう。
まとめ
従来は、滞納等に対する債権者側の回収手段は競売が主流と言われてきましたが、債務超過者に対する国の制度の拡充によって、今後、任意売却物件が市場に流通するケースは増えてくると思われます。
任売物件を検討する皆さんにとっては選択肢の幅が広くなりますので、歓迎すべき事と言えます。
ただ、良質な物件か、誠実な不動産会社であるかなどを見極める観察眼が必要になってきます。掘り出し物件を手に入れるには、自らもスキルを磨く必要があるということになります。
- 2016.01.15
- 任意売却物件の購入
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