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中古住宅のリノベーション契約|工事請負契約書と資金の借り方の注意点

中古一戸建てやマンションを購入した後で、リノベーションを希望される方もいらっしゃるでしょう。

不動産の売買である購入契約と異なり、リノベーションの契約は工事を注文する契約となるため、戸惑う事があるかも知れません。

今回は、リノベーションの契約でチェックすべきことについてお話して行きます。あわせて、中古住宅の購入とリフォームを住宅ローンでどう組み合わせるかという、お金の面での段取りも整理します。

工事請負契約書の内容をチェックする

リフォーム・リノベーションの「工事請負契約書」のうち基本的なこと、重要な点について述べていきます。

まず、「契約金額」ですが、明記された金額が合意した金額になっているか確認します。最新の見積金額と一致していることをチェックしましょう。

次に「工事期間・完了時期、引渡し時期」です。もちろん工事開始時期・完了時期はそうですが、引渡し時期も明記されているか確認します。

併せて「工事・引渡し遅延時の取り決め」も明記されているか確認しましょう。業者側の都合やミスによって引渡しが遅延した場合の対応は重要で、遅延損害金まで取り決めておくと安心です。

また「保証範囲と保証期間」も重要です。期間は「引渡し日から○年」と明記した方が誤解を生じません。さらに保証範囲は、工事規模や内容によって異なりますが、できれば工事項目ごとに明記した保証書やアフターメンテナンス基準書などの書面で発行してもらう方が良いでしょう。

最後に「支払方法」をチェックします。工事金額にもよりますが、支払回数については、契約時の手付金、完了時に支払う残金の2回か、工事途中で中間金が発生する場合もあります。こういった支払条件を契約前に取り決めしておき、契約書に明記してもらいます。

また、請負契約書に約款が添付されていることを確認します。約款には小さくて見づらい文字で多くのことが記載されていますが、できる限り読むようにしましょう。

用語ミニ解説:いまは「瑕疵担保責任」ではなく「契約不適合責任」

保証について調べていると、古い資料では「瑕疵(かし)担保責任」という言葉が出てきます。ただ、2020年4月1日に施行された改正民法(債権法改正)で、この考え方は「契約不適合責任」として整理されました。

法務省の説明によると、売主(工事の場合は施工者)は契約の内容に適合したものを引き渡す義務を負い、内容に適合していなければ、買主(発注者)は修補などの完全な履行の請求・代金の減額請求・損害賠償請求・契約の解除を求めることができます。ただし、契約に適合していないことを知ってから1年以内に相手方へ通知する必要がある点には注意が必要です。

つまり、あとから「これは契約と違う」と言えるかどうかは、契約書・仕様書・図面にどう書かれているかで決まるということです。だからこそ、次に説明する添付書面のチェックが決定的に重要になります。

添付書面をチェックする

添付書類のチェックも重要です。書類に不備・不足があると、後になってトラブルを招くことになります。具体的に以下の4点が最も重要でしょう。

wa-ore工事の見積書
wa-ore仕様書・仕上げ表
wa-ore設計図書(図面)
wa-ore打合せ議事録(必要あれば)

事前の打合せで合意した内容が、これらの書類に明記されているかをしっかり確認しなければなりません。
プランや見積りを何度もやり直して行くと似た書類が増えていきますので、整理を心掛けて見落としのないように確認しましょう。

また、打合せにおいて合意した内容などをまとめた「打合せ議事録」を請負契約書に添付することもあります。これは図面や仕様書等を補助するものとして有効な場合があり、必要に応じて添付してもらうのが望ましいでしょう。

なお、打合せ議事録の作成をお願いしづらいと遠慮してしまう話を耳にします。でも、トラブルを未然に回避するためにも遠慮は禁物です。場合によっては、親戚など第三者に同席してもらうと心強いでしょう。

見積書は「一式」のままにしない

見積書でとくに気をつけたいのが、「〇〇工事 一式」とだけ書かれた項目です。何をどこまでやるのかが読み取れないため、あとで「その工事は含まれていません」という食い違いが起こりやすくなります。

・数量・単価・仕様(品番やグレード)が書かれているか
解体や下地の補修、廃材処分費、養生費、諸経費など、見落としやすい費用が含まれているか
・追加工事が発生したときの単価や決め方が決まっているか

中古住宅のリノベーションでは、壁や床を解体してから傷みが見つかり、追加工事になることが珍しくありません。「追加が出たときのルール」を契約前に決めておくと、予算オーバーの不安がぐっと小さくなります。

工事の「保険」と「第三者の目」を使う

契約書を丁寧に作っても、工事の品質そのものは書面だけでは守れません。そこで役に立つのが、次の2つの仕組みです。

リフォーム瑕疵保険

リフォーム瑕疵保険は、引渡しを受けた住宅の保険対象部分に不具合(瑕疵)が見つかった場合に、その補修費用をまかなえる保険です。中古住宅の売買については既存住宅売買瑕疵保険があります。制度の詳細は、住宅金融支援機構の案内でも紹介されている一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会のサイトで確認できます。

インスペクション(専門家による現況検査)

インスペクションは、住宅の劣化状況や性能について専門家が現況を検査することです。住宅金融支援機構は「中古住宅の売買に際して建物の状態を把握することで、売買におけるトラブル発生のリスク軽減につながる」と説明しています。

リノベーション前に建物の状態が分かっていれば、工事範囲と見積りの精度が上がり、追加工事のリスクも読みやすくなります。契約書のチェックと同じくらい、先に手を打つ価値のある部分です。

中古住宅+リノベーションのお金はどう借りる?

ここまでは契約書の話でしたが、資金の借り方も先に決めておく必要があります。住宅の購入代金とリフォーム代金は、支払う時期がずれるのが普通だからです。

主な考え方は次の3つです。

借り方 特徴 気をつけたい点
住宅ローンにリフォーム費用を含める(一体で借りる) 金利が低い住宅ローンでまとめられ、返済も1本になる 工事の見積書など書類が必要。物件の購入と工事の段取りを同時に進める必要がある
住宅ローンとリフォームローンを分ける あとからリフォームを決めた場合でも対応しやすい リフォームローンは住宅ローンより金利が高く、期間も短い傾向
リフォーム費用は自己資金でまかなう 借入額を抑えられる 手元資金が減る。急な出費への備えを残しておく

一体で借りたい場合は、住宅ローンの申し込み時点でリフォームの見積書が必要になることが多いため、物件探しと並行してリフォーム会社を探し始めるのが実務的です。「物件の契約を済ませてから工事の相談」という順番だと、間に合わないことがあります。

【フラット35】リノベという選択肢

全期間固定金利の【フラット35】には、中古住宅の購入とあわせて一定の要件を満たすリフォームを行うことで、借入金利が一定期間引き下げられる「【フラット35】リノベ」というメニューがあります。中古住宅を購入して自分でリフォームを行う「リフォーム一体タイプ」と、事業者がリフォーム済みの中古住宅を購入する「買取再販タイプ」があります。

金利引下げには、リフォーム工事の内容に応じた金利Aプラン・金利Bプランの要件を満たすことに加えて、中古住宅の維持保全に係る措置として次のいずれかが必要とされています。

インスペクションの実施
既存住宅売買瑕疵保険またはリフォーム瑕疵保険の付保等
住宅履歴情報の保存(リフォーム工事の写真や図面を、保存形式・保存場所を明確にして買主が保存する)
維持保全計画の作成(計画期間が30年以上)

注目したいのは、前の章で紹介した「瑕疵保険」「インスペクション」「工事の記録を残すこと」が、そのまま金利引下げの要件にもなっているという点です。トラブルを防ぐための行動が、そのままお金の面のメリットにもつながります。

なお要件の詳細や引下げの幅・期間、適合証明機関による物件検査の手続きは制度改正で変わることがあります(機構は2025年4月以降の物件検査申請分からリフォーム工事金額の要件をなくすことを公表しています)。利用を考える場合は、必ず【フラット35】の公式サイトと取扱金融機関で最新の条件をご確認ください。

リノベーション契約のよくある質問

Q. 契約書も見積書もなく、口約束で進めようとする業者は避けるべきですか?

はい。あとで「言った、言わない」になったときに、こちらを守るものが何も残りません。金額の大小にかかわらず、契約書と見積書は必ず取り交わしてください。

Q. 追加工事が出たときは、どうすればよいですか?

着手前に、金額と内容を書面(追加工事の見積書や変更合意書)で確認してから進めてもらいましょう。口頭で「やっておきます」と進んでしまうと、完成後の請求で驚くことになります。

Q. 保証期間は何年にしておけばよいですか?

工事の内容や部位によって適切な期間は変わるため、一律には言えません。大切なのは「引渡し日から○年」と起算日を明記することと、工事項目ごとの保証範囲を書面でもらうことです。あわせてリフォーム瑕疵保険を使えるかも確認しておくと安心です。

Q. 住宅ローン控除はリノベーション費用にも使えますか?

増改築等についても住宅借入金等特別控除の対象となる場合がありますが、工事の内容・床面積・工事証明書などの要件があり、購入時の要件とは別に確認が必要です。金額に影響する部分なので、契約前に国税庁のウェブサイトや税務署、税理士に確認しておくことをおすすめします。

Q. 工事の内容や契約でトラブルになったら、どこに相談できますか?

まずは施工会社と書面で協議し、それでも解決しない場合は公的な相談窓口の利用も検討してください。住宅リフォームの相談窓口については国土交通省のサイトでも案内されています。契約書・見積書・図面・議事録などの記録がそろっているほど相談もしやすくなるため、この記事で挙げた書類は必ず手元に保管しておきましょう。

まとめ

業者の中には、工事の規模が小さいことなどを理由に口約束や簡単な書面だけで済ませてしまい、請負契約書も見積書も無いという会社もありますが、これはトラブルの原因になります。

どんなに信用できる業者だと思っても、「言った、言わない」のトラブルを防ぐためにも、必ず契約書と見積書を取り交わしましょう。

最後にポイントを整理します。

・契約書は金額・工期・引渡し時期・遅延時の取り決め・保証範囲と期間・支払方法・約款を確認する
・添付書面(見積書・仕様書・図面・議事録)に打合せで合意した内容が書かれているかを必ず突き合わせる。「一式」表記は具体化してもらう
・2020年4月からの契約不適合責任では、契約に適合していないと知ってから1年以内の通知が必要。書面の内容が自分を守る根拠になる
インスペクションとリフォーム瑕疵保険で、書面だけでは守れない品質面を補える
資金の借り方(一体で借りるか、分けるか)は物件探しと同時に検討する。【フラット35】リノベのように、中古購入+リフォームで金利が引き下げられるメニューもある

住宅ローンの借り方は、リノベーションの段取りにも影響します。中古住宅の購入とリフォームをセットで考えているなら、店舗でも相談できてオンライン手続きにも対応している金融機関を選んでおくと、工事の打合せと並行して進めやすくなります。SBI新生銀行のように、事務取扱手数料や繰上返済手数料などの費用の考え方が分かりやすく整理されている金融機関は、初めての方でも資金計画を立てやすい選択肢の一つといえるでしょう。

制度や保険の内容、金融機関の取扱いは変更されることがあります。実際の契約前には、各公式サイトや窓口で最新の内容をご確認ください。

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