住宅購入で作成する資金計画表を、さらに一歩踏み込んだ賢いものにするには?
マイホームの購入は人生における3大支出(教育、住宅、老後)のひとつですが、教育費は子供が成人すれば終了し、老後費は定年後から発生しますので、通常この2つは重複しないでしょう。
しかし、住宅費についてはこれら両方と重複してきます。また、子供の成長や家族の増減、国の制度や経済状況などによって、当初の計画を見直さなければならない場合もあります。
従って、住宅の購入を単体でとらえるのではなく、人生コスト全体で考えて行くことが重要と言えます。
住宅購入によって生じるコストも盛り込んだ資金計画を作成する
住宅購入によって発生するコストには、大きく2つの種類があります。
1つ目はイニシャルコストと言われるもので、1回だけ掛かってくるコストです。不動産取得税や印紙税、登録免許税、消費税、各種公的書類取得費などが挙げられます。
2つ目は毎月、毎年継続的に掛かるランニングコストで、代表的なものとして固定資産税があり、ご存じの方も多いかと思います。
他にも、短期掛けの火災保険料や毎年払いの団体信用生命保険料(*1)などが挙げられます。
また、マンションの場合は、管理費や修繕積立金、駐車料金なども該当します。
そう考えると、資金計画において住宅ローンの返済額のみの計算にしてしまうと、実際の支出とは大きな差が生じ、本当の意味での「住宅費の資金計算」とは言えなくなります。
ですから、資金計画ではローンの返済額だけでなく、前述のランニングコストも盛り込んだものにした方が、より正確な「住宅P/L表(*2)」となるのです。
*1.団体信用生命保険料参照:http://www.flat35.com/loan/atoz/10_1.html
*2. P/L(損益系計算書)参照:http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120704/314866/?ST=mon
資金計画と人生全体のコストを想定したライフイベント表(*3)を「同期」させる
先の3大支出でお話しした、住宅購入から人生コスト全体を考えて行くための実践として、住宅P/L表とライフイベント表を同期させてみることをお勧めします。
毎月・毎年のランニングコストに加え、将来発生するであろうイベントに伴うコストをあらかじめ予測し、年表化するのです。
おもなライフイベントとしては、出産、教育、保険、車などの耐久消費財購入、住宅購入などが挙げられるでしょうから、それらを中長期のライフイベント予定に加え、日常の住宅P/L表の中からライフイベント資金を貯蓄に回す計画を立てていくのです。
*3.ライフイベント表見本:http://coopkyosai.coop/about/lpa/file/LPA_life.pdf
確かに、人生が計画通りに進む保証はありませんが、子供の教育費や車、保険などは、通常であれば予測できるコストでしょうから、すべてでなくても最低限必要と思われるものを予測し、表に加えていくのです。
少しずつ準備していく姿勢から始めて行って、習慣化していけば良いのではないかと思います。
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