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マイホームのランニングコストを下げる|通信・光熱費・保険

マイホームを購入すると、住宅ローンの返済以外に固定資産税や修繕費用が掛かり、マンションの場合は、管理費や駐車料金も必要となってきます。

前回、これらのランニングコストを抑えることが重要ですとお話しました。

ただ、それでも家計が好転しないと言う方もいるかも知れません。
今回は、当たり前だけど忘れてしまいがちなムダなコストについてお話します。住居費そのものではなく、「住居費以外の毎月出ていくお金」をどう削るかがテーマです。

「新4大資金」とは?

スマホ・ケータイは、大人はもちろん中学生以上の子供でも1人1台は持っている時代です。家族4人ならそれだけで4回線分。さらに自宅にパソコンがあればインターネットの通信費が、動画配信や音楽、クラウドの保存容量といったサブスクリプションを使っていれば、その費用も毎月積み上がっていきます。

せっかくマイホームのランニングコストを一生懸命抑えているのに、一方の通信コストを湯水のように垂れ流しているのでは、家計の赤字は解消されません。

従来、人生の3大資金は「住宅」「教育」「老後」と言われてきましたが、いまはここに「通信」を加えて考える必要が出てきた、という指摘もあります。マイホーム購入の機会に、家族の通信費を見直したり、携帯各社を徹底的にリサーチしてみることをお勧めします。

見直しのときは、金額をながめるだけでなく、次の順番でチェックしてみてください。

  • 実際に使っているデータ量を、各社のアプリやマイページで直近3か月分だけ確認する(プランが実態に合っていないことが本当に多いです)
  • 加入した覚えのない有料オプションが残っていないか
  • 家族の回線がバラバラの会社になっていないか(まとめると割引がある場合があります)
  • 自宅のインターネット回線と携帯のセット割が使えないか
  • 使っていないサブスクが引き落とされ続けていないか

ポイントは、引っ越しの前後は回線を契約し直すタイミングでもあるということ。新居のネット回線を決めるときに家族全員分をまとめて見直すと、二度手間になりません。

値上がりが続く光熱費・食費も「毎月のコスト」です

通信費と並んで、いま無視できないのが光熱費です。

大手電力10社の2026年9月使用分(10月請求分)の家庭向け電気料金は、各社の平均的な使用量で前月より252円〜509円の値上がりとなりました。全社そろっての値上げです。理由のひとつが、政府による負担軽減策の縮小で、9月使用分の補助は1キロワット時あたり3.5円と、8月の同4.5円から減っています(日本経済新聞・2026年8月28日/経済産業省の特例認可)。

食費も同じ方向です。帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2026年9月に値上げが予定されている飲食料品は4,531品目で、単月では2023年10月以来の規模になる見通しです。

賃貸のうちは「なんとなく高いな」で済ませていた光熱費も、持ち家では住宅ローンと一緒に何十年もついてきます。マイホーム購入は、電気・ガスの契約プランや会社そのものを見直す絶好のタイミングです。電気もガスも小売が自由化されているため、契約先を選べます。ただし乗り換え前に、解約時の違約金・セット割の条件・支払方法は必ず各社の公式サイトで確認してください(料金や補助の内容は今後も変わり得ます)。

いま加入している生命保険も見直してコストダウンする

結婚や出産を機に生命保険に加入される方も多いと思います。前述の3大資金における「老後」の中でも生命保険は大きなウェイトを占めます。

マイホームを購入するとさまざまなランニングコストが発生し、加入していた生命保険料の支払いが重荷になってくることも考えられます。

購入を機に生命保険も見直してみてはいかがでしょう。
住宅ローンを利用してマイホームを購入すると、民間の金融機関では原則として「団体信用生命保険(団信)」に加入することになります。

これは、住宅ローンの契約者に万一の事があった時、残っているローン債務をその生命保険によって肩代わりしてくれる保険で、一般の生命保険と比べ保険料が割安になっています。

仮にご主人に万一の事があり、その時点でローンが2000万円残っていたとしても、その債務は団体信用生命保険でまかなわれ、以後のローン返済は発生しません。

ですので、現在加入している生命保険を解約または保障額の見直しなどによって、「老後」ランニングコストを減らすことができるのです。

ただし、ここは慎重に進めてください。団信が肩代わりしてくれるのは「住宅ローンの残債」だけです。遺されたご家族の生活費、お子さんの教育費、ご自身の入院・手術にかかる費用は、団信ではまかなえません。「団信に入るから生命保険は全部解約」ではなく、「住宅ローン相当分の保障は団信に置き換えて、そのぶん民間保険の死亡保障額を下げる」という考え方が安全です。

なお、団信は必ず入らなければならないものではありません。全期間固定金利の【フラット35】は、健康上の理由などで団信に加入しない選択もでき、その場合は掲載金利から年0.20%引き下げた金利が適用されます(住宅金融支援機構)。裏を返せば、団信の保障には年0.20%相当のコストがかかっている、ということでもあります。

団信の内容は金融機関によって差があります。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンでは、一般団信のほかに「がん団信」「全疾病保障付団信」を選べます(全疾病保障付団信は借入時に50歳未満の方が対象など条件があり、2026年3月から取り扱い。一般団信・全疾病保障付団信は金利上乗せなしで利用できます)。手厚い団信を選べる住宅ローンなら、そのぶん民間の保険を薄くできる余地が生まれます。保障の重複を減らすという意味でも、団信の中身は借入先選びの段階でチェックしておく価値があります。条件は改定されることがありますので、最新の内容は必ず公式サイトでご確認ください。

見直しは「固定費から」が鉄則

家計の見直しというと、まず食費の節約を思い浮かべる方が多いのですが、効果が長く続くのは固定費のほうです。一度手を付ければ、翌月以降は何もしなくても効き続けるからです。

見直す順番 対象 ここを見る
1番目 通信費(携帯・ネット・サブスク) データ量とプランのズレ、不要オプション、家族まとめ・セット割
2番目 保険(生命保険・医療保険) 団信と重複している死亡保障。減額で足りないか
3番目 光熱費 契約プラン・契約アンペア・電力/ガス会社。違約金の有無も確認
4番目 車(維持費・任意保険) 台数、駐車場代、走行距離に合った補償か
5番目 食費・日用品などの変動費 ここは最後。削りすぎると続きません

1〜4はすべて「一度やれば終わる」作業です。マイホーム購入の前後は書類仕事が多くて気が重いかもしれませんが、この流れで一気に片づけてしまうのが結局いちばんラクです。

よくある質問(FAQ)

Q. 団信に入るなら、いま入っている生命保険は解約していいですか?
そのまま全部解約するのは危険です。団信は住宅ローンの残債にしか使えません。遺族の生活費や教育費、医療費は別に備えが必要です。「解約」ではなく「住宅ローン相当分を減額する」から検討しましょう。

Q. 電気やガスの会社は、家を買ったあとでも変えられますか?
変えられます。電力・都市ガスとも小売が自由化されているためです。ただし新居の設備や地域によって選べる会社が異なり、解約金やセット割の条件もさまざまです。申し込む前に各社の公式サイトで条件を確認してください。

Q. 見直しは購入前と購入後、どちらでやるべきですか?
資料請求や相談は購入前、切り替えの実行は引っ越しのタイミングがおすすめです。入居後はあわただしく、当初立てた家計計画がなし崩しになりがちだからです。

Q. マンションの管理費・修繕積立金も下げられますか?
これは個人では動かせません。むしろ将来値上げされる前提で見積もっておくのが現実的です。購入前に長期修繕計画と改定予定を確認しておきましょう。

Q. 浮いたお金は繰上返済に回すべきですか?
まずは生活費の半年分程度を手元に残すことが先です。繰上返済は手元資金を減らす行為でもあるため、非常時の備えを確保したうえで、余った分から回すのが安全です。

まとめ

マイホームを検討する段階で家計のやりくりを計画する方も多いと思いますが、いざ購入してからは引越しなどのあわただしさもあって、当初計画していた家計のやりくりがなし崩しになってしまいます。

計画を立てるだけでなく、マイホーム購入前に関係各社に対する資料請求や窓口への相談など、具体的なアクションを起こしておいて、入居後の然るべきタイミングで「新家計」をスタートできるよう準備しておくと良いでしょう。

住宅ローンの金利を0.1%下げる努力と、通信費や保険を毎月数千円下げる努力は、どちらも同じくらい家計に効きます。せっかく借入先を真剣に選ぶのですから、その勢いのまま、住居費以外のランニングコストにも一度だけ本気で向き合ってみてください。

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