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マイホーム購入資金の作り方|預金・個人向け国債・新NISAの使い分け

マイホームの購入資金づくりでいちばん大事なのは、利回りの高さではなく「そのお金をいつ使うか」で置き場所を分けることです。3年後に頭金として払う予定のお金は預金や個人向け国債で確実に守り、10年以上先を見据えた資産形成は新NISAの積立で育てる——この線引きができていれば、相場が動いても購入計画そのものは揺らぎません。

頭金をある程度用意できると、毎月の返済額と総利息が下がるだけでなく、借入額が物件価格の9割以下におさまると金利が下がるフラット35のような商品も選べるようになります。ここでは銀行預金・個人向け国債・新NISAという3つの置き場所を、それぞれの向き不向きから見ていきます。

銀行預金|普通・定期・貯蓄預金の使い分け

国内の預金金利は、2016年2月に日銀が導入したマイナス金利政策のもとで長く超低水準が続いていました。日銀が2024年3月にこれを解除し、その後も段階的に利上げを進めてきたことで、各行の預金金利も見直されています。以前のように「預けても増えないから考えるだけムダ」という状況ではなくなりました。

ネット銀行・地方銀行・信用金庫は金利差が出やすい

大手都市銀行より、ネット銀行や地方銀行・信用金庫のほうが高めの金利を設定していることがあります。頭金のようにまとまった額を数年置くなら、複数の金融機関を並べて比べるだけで受け取る利息は変わります。住宅ローンを借りる予定の金融機関に先に預金口座を作っておくと、取引実績として金利優遇の条件になる場合もあります。

「貯蓄預金」という第3の選択肢

普通預金と定期預金の中間にあたるのが貯蓄預金です。いつでも出し入れできるのに、残高に応じて金利が階層的に上がるのが特徴で、「いい物件に出会ったらすぐ動きたいが、生活費と混ぜたくない」という頭金の置き場所には相性がよい商品です。

ただし弱点がはっきりしています。給与や年金の自動受取、公共料金やクレジットカードの口座振替、振込や支払いには使えません。あくまで「分けて置いておく箱」であって、生活口座の代わりにはならないと考えてください。また金利情勢によっては、普通預金との差や残高階層による差が付かない場合があることも各行が明記しています。

なお、みずほ銀行は2026年9月14日から12月13日まで、貯蓄預金の適用利率を通常の2倍にするキャンペーンを実施しています(全員対象・エントリー不要。みずほ銀行 貯蓄預金キャンペーン)。期間限定の取り扱いで、終了後は通常の利率に戻ります。こうしたキャンペーンは各行が個別に行うもので条件も期間も異なるため、「預金が有利になった」と一般化せず、自分が使う金融機関の条件を確認するのが確実です。

個人向け国債|元本割れなしで少し増やす

個人向け国債は、国が個人向けに発行する債券です。「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3タイプがあり、毎月発行されています。

比較の観点 内容 備考
3つのタイプ 変動10年/固定5年/固定3年 変動10年は半年ごとに適用利率を見直し
金利の下限 年0.05%を最低保証 実勢金利が下がっても割り込まない
購入単位 1万円から1万円単位 証券会社・銀行・郵便局などで購入
元本 額面100円につき100円で償還 中途換金時も同じ=元本割れなし
中途換金 発行後1年経過すればいつでも可能 直前2回分の利子相当額×0.79685が差し引かれる

頭金づくりの観点で効いてくるのは、「元本割れなし」と「1年経てば換金できる」の組み合わせです。物件探しが長引いても元本は減らず、話がまとまれば現金化できます。ペナルティは直前2回分(=1年分)の利子相当額にとどまり、元本そのものには及びません。

もうひとつの利点が年0.05%の最低金利保証です。金利がどこまで下がってもこれを割り込まないため、「増やす」より「減らさずに置いておく」ことを重視する住宅資金と目的が合っています。適用利率は毎月見直されて財務省の個人向け国債サイトで公表されるので、購入前にその月の利率を確認してください。

3タイプの選び方や向き不向きは、住宅資金の置き場所に「個人向け国債」という選択肢|金利と選び方を解説で詳しく整理しています。

新NISA|長期の積立で育てる

2024年1月から始まったNISA(少額投資非課税制度)の新制度は、投資で得た利益(売却益・配当・分配金)が非課税になる仕組みです。通常なら約20%かかる税金がかからないぶん、長期の資産形成では差が積み上がります。

項目 新NISAの内容
つみたて投資枠 年間120万円まで(毎月積立など)
成長投資枠 年間240万円まで(個別株・投資信託など)
合計非課税投資枠 年間最大360万円
非課税保有限度額(総枠) 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)
非課税保有期間 無期限
口座開設期間 恒久化
対象年齢 利用する年の1月1日時点で18歳以上

出典:金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」。旧制度(つみたてNISA:年40万円・20年/一般NISA:年120万円・5年)と比べ、年間投資枠・生涯上限・保有期間のすべてが拡充されました。

住宅購入に効くのは「枠の再利用」

見落とされがちですが、新NISAでは非課税保有限度額(総枠)の再利用が可能です。保有していた商品を売却すると、その簿価分の枠が翌年以降に復活します。旧つみたてNISAでは一度使った枠は戻りませんでした。

つまり「頭金にあてるために売ったら、NISAの枠を使い切って終わり」にはならないということです。家を買ったあとに家計が落ち着いてから、同じ枠でまた積立を再開できます。住宅購入と資産形成を二者択一で考えなくてよくなったのは、新制度の大きな変化です。

積立シミュレーションで目標額から逆算する

毎月の積立額・想定利回り・積立期間を入れると将来の資産額が分かる金融庁のつみたてシミュレーターが無料で使えます。「毎月いくら積み立てる?」から逆算するモードもあるので、目標の頭金額と時期を入れて、毎月の必要額が現実的かを先に確かめる使い方がおすすめです。

注意点:投資にはリスクがある

投資信託や株式は元本保証ではありません。5年以内に使う予定の資金を、値動きのある商品に置くのは避けてください。購入直前に相場が下がれば、頭金が足りずに計画そのものを見直すことになります。長期積立に回すのは、当面使う予定のない余裕資金の範囲にとどめ、頭金として確定している分は預金や個人向け国債で守るのが基本です。

「いつ使うか」で置き場所を決める

3つの選択肢は優劣ではなく役割分担です。使う時期を軸に振り分けると迷いません。

使う時期 向いている置き場所 理由
1年以内(手付金・諸費用) 普通預金・貯蓄預金 いつ動くか読めない。すぐ引き出せることが最優先
1〜5年(頭金) 定期預金・個人向け国債 元本を確実に守りつつ、預けっぱなしより有利
10年以上先 新NISAでの積立 時間を味方にできる。値下がりしても回復を待てる

忘れやすいのが手付金と諸費用です。手付金は売買契約のときに現金で支払うのが一般的で、住宅ローンの実行より前に必要になります。頭金の話ばかりしていると、ここで資金が足りずに慌てることになります。

そもそも頭金をどこまで貯めてから動くべきか迷っている方は、頭金は貯めるべき?マイホーム購入で見落としがちな「待つコスト」もあわせて読んでみてください。貯めるあいだに物件価格や金利が動くという、もう一方のリスクも見えてきます。

よくある質問(FAQ)

Q. 頭金は物件価格の何割くらい用意すればよいですか?

A. 一律の正解はありませんが、ひとつの目安が借入額を物件価格の9割以下におさえることです。フラット35では融資率が9割を超えると適用金利が上がるため、1割の自己資金で金利条件が変わります。

Q. 貯蓄預金を給与の振込先にできますか?

A. できません。貯蓄預金は給与・年金の自動受取、公共料金やクレジットカードの口座振替、振込や支払いに利用できない商品です。生活口座は普通預金のまま、目的別の資金だけを貯蓄預金に分けて置く使い方になります。

Q. 個人向け国債を1年以内に解約したくなったらどうなりますか?

A. 原則として発行後1年間は中途換金できません。1年経過後は1万円単位で換金でき、直前2回分の利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれますが、元本は減りません。なお災害救助法の適用対象となる大規模な自然災害で被害を受けた場合などは、この期間内でも換金できる特例があります。

Q. NISAで運用中の資金を頭金にあてても大丈夫ですか?

A. 売却時の相場に左右されるため、「これがないと買えない」お金をNISAに置くのは避けてください。ただし新NISAは売却した分の枠が翌年以降に復活するので、購入後に積立を再開できます。頭金の中核は預金・国債、上積み部分をNISA、という配分が現実的です。

Q. 資金づくりと住宅ローン選び、どちらを先に始めるべきですか?

A. 並行して進めてください。借入可能額と毎月の返済可能額が分かって初めて「頭金がいくら必要か」が決まります。先に目標額を決めてしまうと、積立期間の設定を間違えます。

金利・制度の内容は改定されることがあります。最新の適用利率や制度の要件は、各金融機関および財務省・金融庁の公式サイトでご確認ください。

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