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住宅ローン減税の適用条件から外れるケースとは?申告の流れと必要書類

サラリーマンは年末調整を毎年企業側でしているため確定申告は特段必要がないのですが、住宅ローン減税を受ける為には、会社員でも家を買った翌年だけは確定申告をしなければいけません。

そして意外と多いのが、「手続きはしたのに、そもそも適用条件から外れていた」というケースです。住宅ローン減税には、所得・床面積・返済期間・住み始める時期など、いくつかの決まりごとがあります。ここを知らずに家探しを進めてしまうと、あとから「うちは対象外だった」と分かることも。
このページでは、これから住宅ローンを借りる方に向けて、どんなときに適用条件から外れてしまうのか、そして初年度の確定申告で何が必要なのかを、順番にやさしく整理します。

重要書類はしっかりと保管

住宅ローン減税は住宅ローン控除ともいい建物を購入するときに住宅ローンを利用しているときに、ある程度の期間の間、所得税が還付されるという制度です。正式には「住宅借入金等特別控除」といい、年末時点のローン残高に控除率をかけた金額が、その年の所得税(引ききれない分は翌年の住民税の一部)から差し引かれます

確定申告をする必要があるのは建物を購入した年だけで、建物を購入して二年目以降については会社で行われる年末調整で対応することが可能です。
確定申告をすると、税務署から建物を購入して二年目以降に年末調整で住宅ローン控除を受けることができる書類が発送されてきます。

この書類は残りの控除期間分(9年分または12年分)が一つの郵便物にまとめて発送されるため紛失してしまわないように、しっかり保管する必要があります。控除期間が10年なら9年分、13年なら12年分が一度に届き、毎年1通ずつ使っていくイメージです。

なお、この証明書は電子交付を選ぶこともできます。確定申告の際に電子交付を希望しておけば、書面ではなくe-Tax・マイナポータル上でデータとして受け取れるので、紛失の心配がありません。
また、金融機関から届く「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」についても、金融機関が「調書方式」に対応していれば、金融機関が税務署へ直接データを提出するため、自分で残高証明書を提出する必要がなくなります(対応状況は金融機関によって異なり、対応していない場合は従来どおり書面が必要です)。

住宅ローン減税の対象は

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確定申告は、一月一日から十二月三十一日までの一年間に所得を得た方が所得税を申告して納税したり、納め過ぎていた所得税を戻してもらう手続きの事で、税務署で次の年の二月十六日から三月十五日まで受け付けています。
ただし、年末調整を受けた会社員が住宅ローン控除のために行う申告は「還付申告」にあたり、その年の翌年1月1日から提出できます(提出期間は5年間)。2月16日を待つ必要はないので、書類がそろったら早めに手続きしてしまうのがおすすめです。

では本題です。住宅ローン減税の適用条件から外れてしまう主なケースを見ていきましょう。

■ 住み始める時期の条件を満たしていない
住宅の新築・取得の日から6か月以内に住み始めていない場合は対象外です。さらに、控除を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいることも条件になります。「引き渡しは受けたが、しばらく前の家に住んでいた」というケースは要注意です。
また、その住宅が主として居住する家屋であることも必要なので、別荘やセカンドハウス、投資用として貸す物件は原則として適用されません。

■ 所得が基準を超えている
かつては「合計所得金額3,000万円以下」でしたが、令和4年(2022年)以降に入居した場合は、控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であることが要件です。床面積40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅で特例を使う場合は、さらに厳しく1,000万円以下となります。
ここでいうのは「年収」ではなく「合計所得金額」です。会社員なら、年収から給与所得控除を差し引いたあとの金額をベースに判定しますので、年収そのものと混同しないようにしましょう。

■ 返済期間が10年未満
借り入れたお金を返済する期間が十年未満の場合も適用されません。ここでいう10年は「最初の返済の時から返済が終わる時まで」の期間です。短期で組んだローンや、社内融資などで期間が短いものは対象外になります。

■ 床面積の条件を満たしていない
従来は登記簿上の床面積が50平方メートル以上であることが原則でした。令和8年度税制改正により、令和8年(2026年)1月1日以降に入居する場合は、新築住宅・既存住宅ともに40平方メートル以上に緩和されています。ただし、合計所得金額が1,000万円を超える方や、子育て世帯等への借入限度額の上乗せ措置を利用する方は、引き続き50平方メートル以上が必要です(国土交通省)。
床面積は登記事項証明書の表示で判断し、マンションは専有部分の床面積、店舗併用住宅は店舗部分も含めた建物全体で見ます。夫婦で共有する住宅でも、持分ではなく建物全体の床面積で判断します。なお、店舗等併用住宅では床面積の2分の1以上が居住用である必要があります。

■ 譲渡所得の課税の特例を使っている
購入した建物に入居した年と、その前2年・その後3年の計6年間に、居住用財産を売ったときの3,000万円特別控除や買換えの特例など、譲渡所得の課税の特例を受けている場合も適用されません(令和2年3月31日以前の譲渡については、居住年の前後2年の計5年間で判定します)。
買い替えで前の家を売る予定がある方は、売却のタイミングと特例の使い方によって減税が受けられなくなることがあるため、順番を決める前に確認しておきましょう。

■ その他(見落としやすいもの)
生計を一にする親族や特別な関係にある人からの購入、贈与で取得した住宅は対象外です。また、勤務先からの借入金でも無利子または年0.20%に満たない利率のものは控除の対象になりません。親族や知人からの借入金も対象外です。

チェック項目 満たすべき条件 外れやすいケース
入居時期 取得の日から6か月以内に入居し、その年の12月31日まで居住 引き渡し後も前の家に住み続けた/年内に転居した
合計所得金額 2,000万円以下(40〜50㎡未満の特例は1,000万円以下) その年だけ所得が跳ね上がった(不動産売却・退職など)
返済期間 10年以上(最初の返済から完済まで) 短期のローン/繰り上げ返済で10年未満になった
床面積 40㎡以上(合計所得1,000万円超・上乗せ措置利用者は50㎡以上) コンパクトマンションで所得要件を満たさない
使い方 主として自分が住む家屋であること 別荘・セカンドハウス・賃貸に出した
他の特例 居住年とその前2年・後3年に譲渡所得の特例を受けていない 買い替えで3,000万円特別控除を使った

※住宅ローン減税は令和8年度税制改正で適用期限が延長され、入居日が令和12年(2030年)12月31日までが対象となりました。借入限度額や控除期間は住宅の省エネ性能・入居年・世帯によって異なります。ご自身のケースの最新の取り扱いは、国土交通省・国税庁の公式サイトで必ずご確認ください。

あとから条件を外れてしまうケースにも注意

住宅ローン減税は、入居したときに条件を満たしていれば安心、というわけではありません。控除期間の途中で条件から外れると、その年以降は控除が受けられなくなります。初めての方がつまずきやすいのは、次の3つです。

1. 転勤で住まなくなった
その年の12月31日に家族とともにその家に住んでいない期間は、控除の適用がありません。ただし単身赴任で家族が引き続き住んでいる場合は、控除を受けられます
家族全員で転居する場合でも、勤務先からの転任の命令などやむを得ない事由があり、住まなくなる日までに「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を税務署に提出しておけば、再び住み始めたときに残っている控除期間について再適用を受けられます(控除期間そのものは延長されません)。届出を出し忘れると再適用が受けられないので、転勤が決まったら早めに手続きしましょう。

2. その年だけ所得が大きく増えた
合計所得金額が2,000万円を超えた年は、その年の控除は受けられません。不動産の売却益や退職金、副業の伸びなどで一時的に超えることがあります。翌年に基準内へ戻れば、その年はまた控除を受けられます。

3. 繰り上げ返済で返済期間が10年未満になった
見落としやすいのがこれです。繰り上げ返済後の償還期間は、繰り上げ返済後の期間で判定されます。国税庁の質疑応答事例では、最初に返済した月から短くなった最終返済月までが10年以上あれば控除を受けられるとされており、逆にこれが10年未満になると、その年以後は控除が受けられなくなります。
期間短縮型の繰り上げ返済を重ねるときは、この10年ラインに触れないかを必ず確認してください(毎月の返済額を減らす返済額軽減型なら完済時期が変わらないため、この心配は基本的にありません)。

確定申告の際に必要な書類について

確定申告の手続きに必要な書類は、確定申告書に必要事項を記入したものや、国税庁の様式である(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書に必要事項を記入したものに加えて、建物の売買契約書や建設工事の工事請負契約書の写し、家屋の登記事項証明書、資金を貸し出している金融機関から発行される住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書になります。土地の分についても控除を受ける場合は、土地の登記事項証明書と売買契約書の写しが必要です。

手続きが少し簡単になっている点もあります。
・住民票の写しは不要になりました(マイナンバー制度の導入により、原則として添付しません)。
・給与所得の源泉徴収票の添付・提示も不要です(平成31年4月1日以降)。ただし申告書を作成するときには必要な情報が載っているので、手元に用意しておきましょう。
・登記事項証明書は、計算明細書に不動産番号を記入すれば添付を省略できます
・金融機関が調書方式に対応していれば、年末残高等証明書の提出も不要になります。

このほか、認定長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅として控除を受ける場合は、認定通知書の写しや住宅省エネルギー性能証明書など、住宅の性能を証明する書類が別途必要です。補助金を受け取った場合や、住宅取得等資金の贈与の特例を使った場合も、それぞれ金額を証明する書類が要ります。

必要な書類を揃えて資金を借り入れた本人が手続きすることが控除を受けるためにも必要になります。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、画面の案内に沿って入力するだけで申告書と計算明細書が作成でき、e-Taxでそのまま提出することもできます。

住宅ローン減税のよくある質問

Q. 共働きの夫婦です。二人とも住宅ローン減税を受けられますか?
A. それぞれが住宅ローンを組み(ペアローンや連帯債務など)、それぞれが要件を満たしていれば、二人とも控除を受けられます。所得要件も床面積の判定も一人ずつ行います。床面積は持分で按分せず、建物全体(マンションは専有部分)の面積で判断します。

Q. 初年度の確定申告を忘れてしまいました。もう受けられませんか?
A. 住宅ローン控除のための申告は還付申告にあたるため、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。うっかり忘れていた場合でも、期間内であればさかのぼって申告できる可能性があります。詳しくは所轄の税務署にご相談ください。

Q. 年末調整用の証明書をなくしてしまいました。
A. 税務署に「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を提出することで再交付を受けられます。心配な方は、はじめから電子交付を選んでおくと安心です。

Q. 住宅ローンを借り換えました。控除は続けられますか?
A. 借り換えによる新しいローンは、原則として控除の対象ではありません。ただし、従来のローンを返済するためのものであることが明らかで、かつ新しいローンが返済期間10年以上などの要件を満たす場合には、引き続き控除の対象となります。なお、借り換えによって控除を受けられる年数が延びることはありません。

Q. どの銀行で借りると控除の手続きがラクですか?
A. 制度そのものは金融機関によって変わりませんが、調書方式への対応状況や、残高証明書・返済予定表の見やすさには差があります。申し込み前に、書類の交付方法やインターネットでの残高確認のしやすさを聞いておくと、毎年の手続きがぐっと楽になります。SBI新生銀行のようにウェブ中心で手続きを完結できる銀行は、こうした「借りたあとの管理のしやすさ」の面でも検討に値する選択肢のひとつです。

※本記事の制度内容は2026年8月時点で国税庁・国土交通省の公表資料をもとに確認したものです。税制は毎年見直されるため、ご自身の入居年に適用される要件・借入限度額・控除期間は、必ず公式サイトまたは所轄の税務署でご確認ください。

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