低金利時代でも銀行が住宅ローンを積極的に融資する理由
昨今の住宅ローンといえば、超低金利時代と呼ばれて久しいです。
しかし、なぜこのような低金利にもかかわらず、銀行は住宅ローンを積極的に融資するのでしょうか?
国債より住宅ローンの方が安定性がある
銀行としても、昨今の日本財政に一定の懸念をしていることが原因と考えられます。
これまでは銀行の預貯金を国債購入などを主として運用してその利幅を運用益としていたモデルがほとんどです。
しかし、昨今の日本財政は債務が1000兆円を超えるといった状況の中、破たんの危険性も叫ばれております。
ここでは破たんするか否かの議論は避けますが、銀行にとって、今現在では国債よりも住宅ローンの方が安定性もよく、利回りも高いように映っているようです。
貸出残高を増やして収益を伸ばす目的
また、貸出残高を増やしたいという目的もあります。
銀行は預貯金を運用して利幅を運用益にしているわけですが、商品の宣伝費や人件費など経費もかかります。
さらに、貸し倒れなどが出てしまえば、収益は伸ばせなくなりますね。
そのため、貸出残高を増やそうと積極的に融資しようとするのです。
そして、ローンと言えば教育ローンやマイカーローンなど様々なローン商品がありますが、住宅ローンは最も高い買い物であり、貸出残高が増える商品なのです。
他のローンと比較すると、誰もが家がなくなると困るため貸し倒れが少ないということもあるでしょう。
それに、日本の不動産価格は乱高下しづらく、住宅ローンをの支払い遅延や貸し倒れが発生したとしても、不動産を売却することによって多くの場合は融資資金を回収することができます。
そんな特徴があることによって、銀行も住宅ローンを積極的に融資し、業績を伸ばすことに尽力している姿が今の状況になっているというわけになります。
他のサービスも利用してもらう狙い
それ以外では、長期に渡って口座を利用することになる債務者に、銀行で取り扱っている他の商品やサービスも利用してもらいたいという考えもあります。
利用者側としては、1つの口座で家計管理ができればわかりやすいし便利ですね。
貯金や振込をしたりするのはもちろん、他のローンを組みたいこともあるでしょう。
そうなった際に、まずは自分の持っている口座から利用するか検討しますから、銀行としては顧客を一から探すよりメリットがあるのでしょう。
このように、国債より安定性があり、貸出残高を増やせるうえに貸し倒れが少ない住宅ローン。顧客のニーズに合った他の商品の販売も可能となれば、低金利でありながらも住宅ローンを積極的に販売しているわけです。
- 2017.03.18
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