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欠陥住宅を見抜く方法|建売住宅のセルフチェックと10年間の保証

住宅購入をする際に気をつけてほしいのが欠陥住宅です。テレビなどで欠陥住宅のニュースを見ると、つい他人事として「お気の毒に…」と思ってしまいますが、いつ自分に降りかかってくるかわからない問題でもあります。

ただ、悲観する必要はありません。いまは新築住宅の買主を守る法律の仕組みが整っていますし、見学のときに自分でできるチェックもあります。この記事では、「自分で見抜く方法」と「制度に守ってもらう方法」の両面から、やさしく整理していきます。

欠陥住宅とはどんな状態の住宅を言うのか

そもそも、欠陥住宅とはどんな家のことを言うのでしょうか?

家とは、居住する人を暑さ・寒さ・風雨などのさまざまな外的環境から守ることを目的とした建物です。その目的が達成できない建物、つまり住宅として重要な機能や性能が保たれていない住宅のことを欠陥住宅と言います。

目に見える欠陥としては、雨漏り・外壁や内壁のひび割れ・亀裂・床の傾き・窓やドアの開閉不良などがあります。また、壁内部の筋交いの不足・屋根裏の断熱材不足・構造材の接合不良など、見えないところに欠陥が隠れていることもあります。

ここで覚えておきたいのが、法律がとくに重く扱っているのは「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」だということです。前者は柱・梁・基礎・耐力壁など建物を支える部分、後者は屋根・外壁やその開口部(サッシなど)、雨水を流す排水管などを指します。この2つは、あとで説明する10年間の責任の対象になります。

欠陥住宅ができる原因

建築中の住宅の現場をチェックするイメージ
欠陥住宅ができる原因は、手抜き工事だけではありません。短期間での工事日程によるモルタルやコンクリートの養生不足、経験不足な職人による施工不良、設計のバランスの悪さ、木の伸縮によるズレなど、さまざまな原因があります。

たとえば、マンションは大規模な工事になります。すると何十社という企業が関わり、実際に施工作業をするのは下請け会社や孫請け会社の職人さんだったりします。

工期に対するプレッシャーをかけられ、指示された期限までに仕事を終わらせることを優先してしまう結果、雑な仕事やミスが起こることもあります。丁寧な仕事を心がけたとしても、技術が未熟なために欠陥の原因をつくってしまうこともあります。

さらに、1つの物件にピラミッドのような構造で業者が数多く関係しているため、監理業務も大変です。たとえ途中でミスに気づいたとしても、巨大なプロジェクトを自分の声で止めることは難しく、現場の人は黙っているしかない——そういう構造的な問題もあります。

家を購入する側からするととんでもない話ですが、実際に過去には、構造計算書の偽装問題のような大きな事件も起きています。そして、その反省から生まれたのが、いまの買主を守る制度です(後述します)。

欠陥を見抜くためにするべきことは?

では、欠陥を見抜くにはどうすればよいのでしょうか。物件見学の際にできる、お金のかからないセルフチェックから紹介します。

チェック方法 やり方 わかること
屋根裏をのぞく 点検口から顔を入れてみる(上がり込まなくてOK) カビ臭さ・湿気があれば換気の不備が疑われます
スリッパを脱いで歩く 素足・靴下で床を歩いてみる 床の傾きや、腐りによるやわらかさに気づけます
水の入ったペットボトル 床に置いて水面を見る 微妙な振動や揺れがわかります
ビー玉・ピンポン玉 床にそっと置いて転がるか見る 床の傾きを目で確認できます
窓・ドアを全部開閉 建具を一つずつ動かしてみる 建て付けの狂い=建物のゆがみのサインになります
床下収納をのぞく ふたを外して基礎まわりを見る 湿気・水たまり・ひび割れの有無がわかります

とくに床の傾きは、素人でも気づきやすく、かつ重大なサインになりえます。ビー玉が一方向に転がる、ドアが勝手に閉まる、といった現象があれば、その場で担当者に理由を質問しましょう。納得のいく説明がない、話をそらされる——という反応そのものが、判断材料になります。

とはいえ、欠陥住宅には素人でも見抜けるものと、プロにしか見抜けないものがあります。壁の内部や基礎の配筋、断熱材の施工状態などは、開けてみないとわかりません。

そこで検討したいのが、第三者の専門家による住宅診断(ホームインスペクション)です。建築士などが依頼者の立場で建物の状態を調べるサービスで、費用はかかりますが、数千万円の買い物の前の保険と考えれば決して高くはありません。売主や施工会社と利害関係のない第三者に依頼するのがポイントです。

新築住宅は10年間の責任で守られている

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。実は新築住宅の買主は、法律によってかなり手厚く守られています。

1. 品確法による10年間の責任
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)により、新築住宅の売買契約・請負契約では、売主または請負人が引き渡しから10年間、住宅の構造耐力上主要な部分雨水の浸入を防止する部分の瑕疵(欠陥)について責任を負います。しかも、この10年間を短くするような、買主に不利な特約は無効です。契約書に「保証は2年まで」などと書かれていても、この2つの部分については通用しません。

2. 住宅瑕疵担保履行法による資力の確保
「責任を負う」と言われても、その会社が倒産してしまえば直してもらえません。そこで「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(住宅瑕疵担保履行法)により、平成21年(2009年)10月1日以降に新築住宅を引き渡す建設業者・宅地建物取引業者には、保険への加入か保証金の供託のいずれかが義務づけられています。事業者が倒産して修理できない場合でも、買主は保険金の支払い請求や保証金の還付請求ができるしくみです。事業者にはこの措置の内容を説明する義務もあります。

つまり、「万一のとき、誰がどうやって直してくれるのか」がすでに制度として用意されているということです。契約の場では、この説明を受けたかどうかを必ず確認してください。詳しい内容は国土交通省 住まいの安心総合支援サイトで確認できます。

契約前に確認したいこと

契約することになったら、次の点を確認しましょう。ここで言葉が変わっている点に注意が必要です。

かつては、見えない欠陥があった場合に売主が責任を負うことを「瑕疵担保責任」(かしたんぽせきにん)と呼んでいました。しかし、民法(債権関係)の改正が令和2年(2020年)4月1日に施行され、民法上はこれが「契約不適合責任」という考え方に整理されました(法務省公式サイト)。引き渡されたものが契約の内容に適合していない場合、買主は修補(直してもらう)・代金の減額・損害賠償・契約の解除を求めることができる、という枠組みです。

一方で、上で説明した品確法では、いまも「瑕疵担保責任」という言葉が使われています。用語は違っても、対象となる不具合の考え方は共通です。言葉の違いに惑わされず、「どの部分が、何年間、どういう形で守られるのか」を確認するのが実務的なコツです。

契約前のチェックリストとして、次の4つを押さえておきましょう。

  1. 構造・雨漏りの10年責任……品確法の対象であることを確認(不利な特約は無効です)。
  2. 資力確保措置……保険なのか供託なのか、書面での説明を受ける。
  3. その他の部分の保証……設備・内装・建具など10年責任の対象外の部分は、事業者独自の保証(1〜2年など)で扱われるのが一般的です。対象範囲と期間、免責事項を必ず確認しましょう。
  4. アフターサービスの体制……点検の時期、連絡先、費用負担の考え方。欠陥とまでは言えない不具合が出たときにどうなるかも聞いておきます。

よくある質問

Q. 建売住宅は注文住宅より欠陥が多いのですか?
A. 一概には言えません。建売住宅は完成した現物を見て買えるという大きな利点があり、注文住宅は建築中の様子を確認できるという利点があります。どちらも「誰がどう施工し、誰がチェックしたか」が品質を決めます。建売なら現物のセルフチェックを、注文住宅なら工程ごとの確認を——というように、形式に応じた見方をするのが現実的です。

Q. 引き渡し後に不具合が見つかったら、まずどうすればいいですか?
A. まずは写真と日付を記録し、売主・施工会社に書面(メールでも可)で連絡してください。口頭のやりとりだけにしないことが大切です。対応してもらえない場合は、住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)などの公的な相談窓口があります。

Q. 10年経ったあとの不具合は自己負担ですか?
A. 品確法の10年責任の対象外になりますが、事業者独自の長期保証(定期点検を受けることが条件、など)を用意しているケースもあります。条件付きであることが多いので、契約時に条件を確認し、点検のタイミングを忘れないようにしましょう。

Q. 住宅診断(インスペクション)は必ず受けたほうがいいですか?
A. 必須ではありませんが、不安が残るなら受ける価値は十分にあります。とくに完成済みの建売住宅は、壁のなかを自分では確認できません。費用と安心のバランスで判断してください。依頼するときは、売主・施工会社と利害関係のない第三者を選ぶことが重要です。


欠陥住宅は「運が悪ければ当たるもの」ではなく、セルフチェックと制度の理解で、リスクをかなり下げられるものです。見学のときはスリッパを脱ぎ、屋根裏をのぞき、窓を全部開け閉めしてみる。契約前には、10年責任と資力確保措置の説明を受ける。この2つを押さえるだけでも、心持ちがまったく変わります。

なお、物件のチェックと並行して進めたいのが住宅ローンの段取りです。多くの金融機関では、事前審査(仮審査)を経てから本審査に進みますが、たとえばSBI新生銀行は原則として仮審査がなく本審査のみで完結するという特徴があります。そのぶん申込時に必要書類を一式そろえる必要がありますが、手続きの回数を減らせるという見方もできます。保証料0円・一部繰上返済手数料0円で、一般団信の保険料も上乗せ0円です。物件選びと資金計画は同時進行——これが、後悔しない家探しのコツです。

制度の詳しい内容や最新の取扱いは、国土交通省など公式サイトで必ずご確認ください。

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