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地価が上がっている!予算を上げる前に確認したい4つの地価と金利

公示地価・基準地価・路線価といった行政機関から発表される地価は、皆さんが購入される土地の価格に少なからず影響を及ぼします。 実際、国土交通省が2026年3月18日に公表した令和8年地価公示(2026年1月1日時点)では、全国平均で全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続の上昇となりました。こうした報道がなされると、土地の売主はこぞって売出し価格を上げ、少額の値引きにさえ応じないことがしばしばあります。 「せっかく予算を決めたのに、また上げないと買えないの?」——そう感じている方に、まずお伝えしたいことがあります。土地の価格は、単純な地価上昇だけで決まるものではありません。

地価が上昇している地域は、お金を生む土地

商業地では、商業ビルや店舗としてその土地が利用されることでお金を生み出します。だからこそ国内外の投資家による売買取引が盛んに行われ、地価が高くなります。 反対に、郊外の宅地などはお金を生み出す可能性が少ないため、地価はそこまで高くなりません。 皆さんが購入される土地の多くは、新しく開発された郊外の宅地です。ニュースで大きく報じられる上昇率は都心部の商業地であることが多く、そのまま自分の候補地に当てはまるわけではありません。実際、令和8年地価公示でも、全用途平均と商業地は上昇幅が拡大した一方、住宅地の上昇幅は前年と同じでした。まずは「どこの、どの用途の話なのか」を切り分けてみてください。

ひと口に「地価」と言っても、実は種類が違います

ニュースに出てくる地価は1種類ではありません。ここを知っているだけで、売主や不動産会社の説明を落ち着いて聞けるようになります。
名称公表元・時点おおよその水準と使いどころ
公示地価(地価公示)国土交通省 土地鑑定委員会/毎年1月1日時点を3月に公表一般の土地取引の指標となる「正常な価格」。相場感をつかむ基準
基準地価(都道府県地価調査)都道府県/毎年7月1日時点を9月ごろ公表公示地価の半年後の動きを補う。公示地価と合わせて年2回の定点観測に
路線価(相続税路線価)国税庁/毎年1月1日時点を7月に公表相続税・贈与税の計算用。公示価格の80%程度を目途に設定される
固定資産税評価額市町村(東京23区は都)/3年ごとに評価替え固定資産税などの計算用。宅地は地価公示価格等の7割程度を目途
つまり、同じ土地でも目的によって「4つの価格」が存在します。売主が「路線価がこれだけあるから」と言ってきても、それは税金の計算用の数字であって、実際の売買価格そのものではありません。逆に「固定資産税の評価額はこんなに安い」と言われても、それも売買価格とは水準が違います。冷静に受け止めましょう。

地価に対する売主の誤解とは?

例えば、郊外の新興住宅地では50〜60坪台の宅地が販売されており、上下水道・都市ガス・電気・道路などのインフラが整っています。「住宅用地」として売り出すのですから、この程度は当然と言えるでしょう。 一方、ネットなどの情報で売りに出されている土地の中には、敷地内に下水道が配管されていなかったり、前面道路の所有権を持っていなかったりなど「不足」のある土地にもかかわらず、地価を反映した価格になっている場合があります。 インフラが整っていることが住宅用地の絶対条件というわけではありません。ただ、少なくとも地価を反映させた価格で市場に売り出すのであれば、それらは整備されて然るべきと考えるようにします。売主の中には、こういった知識が及んでいない方もいらっしゃいますから。

インフラ未整備を価格交渉の材料にしよう!

前述のようにインフラが整っていない土地を購入する際は、それらの工事費を価格交渉の材料にしましょう。 上下水道の引込費用・都市ガスの埋設費用・電柱の建柱費用・道路の舗装費用などは、一部を行政側で負担してくれる場合があります。不動産会社や住宅メーカーを通じて調査し、自己負担となる部分までを価格交渉のボーダーラインにすると良いでしょう。 このとき、あわせて確認しておきたいのが次の点です。初めての方が見落としやすいところです。
  • 上下水道の引込み状況……前面道路の本管の有無・口径、敷地内への引込みがあるか。市町村の水道局・下水道課の窓口で調べられます。負担金や分担金の扱いは自治体ごとに違います。
  • 前面道路の種別と持分……公道か私道か、私道なら所有者は誰か、掘削の承諾がもらえるか。私道の場合、水道管を引くのに所有者の承諾が必要になることがあります。
  • 接道の状況……建築基準法では、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していることが求められます。ここが満たせない土地は、そもそも家が建てられない(あるいは特別な手続きが必要な)ことがあります。
  • 造成・地盤の状態……擁壁の有無や高低差、地盤改良が必要かどうか。改良工事は数十万円から百万円単位になることもあります。
土地が安く見えても、これらの費用を足すと結局同じだった、ということは珍しくありません。「土地代」ではなく「その土地に住めるようになるまでの総額」で比べるのが鉄則です。地価が上昇しても、それを逆手に取って価格交渉の材料にしていく。そんなしたたかさを持って、購入コストの削減を心掛けていきましょう。

予算を上げる前に、いま「金利」がどうなっているかも見てください

もうひとつ、いまの時期にお伝えしておきたいことがあります。予算を上げるということは、多くの場合借入額を増やすということです。そして、その借入額に掛かる金利は、この2年ほどで明確に動いています。
  • 変動金利の基準になる短期プライムレートは、主要行の最頻値が2026年8月3日に年2.375%となりました(それ以前は2026年2月9日から年2.125%。日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移」)。
  • 固定金利の基準になる長期金利(10年国債の利回り)は、財務省「国債金利情報」で2026年8月17日時点で年2.919%。2026年に入って上昇が続いています。
この2つは別々の指標で、動き方も違います。「金利が上がった」と一括りにせず、自分が使おうとしているのがどちらのタイプなのかで読み分けてください。 その違いは、当編集部の実測にもはっきり表れています。当編集部では毎月、各金融機関の公式サイトの住宅ローン金利ページを実際に開いて表示金利を集めています。2026年8月適用分(確認日2026年8月4日)として14の金融機関・機関の127件を集計し、前月と比較できた127件のうち102件が引き上げ、23件が据え置き、2件が引き下げでした。
金利タイプ別に見た2026年7月から8月の引き上げ件数の棒グラフ。変動は27件中4件、固定10年は24件中22件、固定20年前後は20件すべて、固定35年前後は16件すべて、フラット35・50は38件すべてが引き上げ
変動金利は据え置きが中心、固定金利は軒並み引き上げ。フラット35・50の38件は住宅金融支援機構が公表する同一の最頻金利を取扱各社の行に展開したものです。
金利タイプ別に見ると、変動金利は実測27件のうち23件が据え置きだったのに対し、固定10年は24件のうち22件、固定20年前後は20件すべて、固定35年前後も16件すべてが引き上げとなっています(フラット35・50の38件も引き上げ。ただしこの38件は住宅金融支援機構が公表する同一の最頻金利を取扱各社の行に展開したものです)。上で見た長期金利の動きと重なる結果です。 参考までに、この実測金利をもとに借入3,000万円・返済35年・元利均等・ボーナス返済なし・諸費用を含まない条件で当編集部が試算すると、月々の返済額は変動金利0.945%なら83,918円、全期間固定3.290%なら120,364円でした(当社試算・2026年8月適用金利ベース。変動の総返済額は全期間金利が変わらないと仮定した概算です)。同じ借入額でも、金利タイプの選び方で毎月の負担は大きく変わります。 土地代を数百万円上げれば、そのぶん借入額も、毎月の返済額も、支払う利息も増えます。予算を上げる前に、まず「その返済額を、これから何十年払い続けられるか」を確認する。順番はそちらが先です。実際の返済額は金融機関のシミュレーションで、ご自身の借入額・期間・金利で必ず確かめてください。 なお、返済額は金利だけで決まるものではありません。事務手数料・保証料・団体信用生命保険(団信)の条件まで含めた総額で見る必要があります。たとえばSBI新生銀行は、保証料が0円、一部繰上返済手数料が0円、上乗せ0円の一般団信のほか全疾病保障付団信も用意されているなど、費用の内訳が分かりやすいのが特徴です。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているので、初めての方が比較の候補に入れやすい一行だと思います。金利・条件は変わりますので、最新の内容は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 地価が上がっているなら、多少無理をしてでも早く買ったほうが得ですか? 「早く買えば得」とは言い切れません。地価も金利も、これからどう動くかを言い当てることは誰にもできないからです。判断の軸は相場の予想ではなく、ご自身の家計です。毎月の返済額が手取りに対して無理のない範囲か、教育費や車の買い替えと重なっても続けられるか。そこを満たしたうえで、納得のいく土地が見つかったときが買いどきです。 Q. 売主が「路線価より安い」と言っています。これは割安ということですか? 必ずしもそうではありません。上の表のとおり、路線価は相続税などの計算のために公示価格の80%程度を目途に設定されるものです。売買価格と直接比べる数字ではありません。割安かどうかを見るなら、同じエリア・同じくらいの広さ・同じ道路付けの成約事例と比べるのが確実です。不動産会社に事例を出してもらいましょう。 Q. 土地を先に買って、あとから家を建てる場合、住宅ローンはどうなりますか? 住宅ローンは原則として建物の完成・引渡しに合わせて実行されるため、土地の代金を支払うタイミングでは資金が足りなくなることがあります。この期間をつなぐために「つなぎ融資」や「土地先行融資(分割実行)」といった仕組みが用意されている金融機関もあります。取扱いの有無・手数料・金利は金融機関ごとに異なるので、土地の契約前に資金の流れを相談しておいてください。 Q. 予算オーバーになりそうです。どこを削るのが現実的ですか? 最初に見直したいのは土地の広さと立地の条件です。駅からの距離を少し譲る、区画をひとまわり小さくするだけで、金額は大きく動きます。一方で、耐震性や断熱性能といった、あとから直しにくい部分を削るのはおすすめしません。断熱性能は光熱費として毎月効いてきますし、住宅ローン減税の要件にも関わってきます(原則として2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準への適合が必須要件です)。

まとめ

地価上昇のニュースを見て、反射的に予算を上げてしまう前に、次の3つを思い出してください。
  • 報じられる上昇率は都心の商業地の話であることが多い。自分の候補地の用途・エリアで見る
  • 「地価」には公示地価・基準地価・路線価・固定資産税評価額があり、それぞれ目的も水準も違う
  • インフラの不足は価格交渉の材料になる。土地代ではなく「住めるようになるまでの総額」で比べる
そして、予算を上げるということは借入額を増やすということです。地価と金利の両方が動いている今だからこそ、決め手にすべきは「相場がどうなるか」ではなく「毎月いくらなら無理なく返せるか」——ここを起点に、落ち着いて土地探しを進めていきましょう。

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