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フラット35と民間住宅ローンの違い|金利・条件・団信を比較

住宅ローンとは、建物を購入したり、新築・改築したりする目的に限り、その土地や建物を担保にして金融機関からお金を借り入れるローンのことです。

その住宅ローンの代表的な商品のひとつがフラット35。住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して提供している、全期間固定金利の住宅ローンです。「名前は聞いたことがあるけれど、普通の銀行の住宅ローンと何が違うの?」という方に向けて、仕組みと条件をひとつずつ整理していきます。

長期でローンを考えているなら

フラット35は、資金を受け取るときから完済するまで金利と毎月の返済額が変わらない住宅ローンです。変動金利のように途中で金利が見直されることがないため、一般的な民間ローンと比べて長期の人生設計を立てやすいのが最大の特徴といえます。

住宅を購入した方は、銀行などの金融機関と契約を結ぶことになりますが、借入期間の最後まで金利が固定されるという決まりが途中で変わることはありません。教育費が増えていく時期に返済額が上がってしまう心配がない、という安心感は、家計の見通しを立てるうえで大きな意味を持ちます。

なお「フラット35」という名前から35年専用の商品と思われがちですが、返済期間は15年以上35年以内で選べます(申込みご本人または連帯債務者が満60歳以上の場合は10年以上)。上限は「80歳-申込時の年齢」と35年のうち短いほうです。20年以下を選ぶと金利が下がる「フラット20」という区分もあります。

2026年8月のフラット35の金利

気になる金利水準を見ておきましょう。2026年8月の借入金利(新機構団信付き・返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下)は、最も多い金利で年3.290%です。返済期間20年以下(フラット20)なら年2.970%、フラット50は年3.500%となっています(いずれも融資率9割以下)。

固定金利の目安になる長期金利は、2026年に入ってから上昇傾向が続いています。フラット35の金利は毎月見直され、翌月分は月初ごろに発表されます。また、適用されるのは申し込み時ではなく、資金を受け取る月の金利です。ここは民間ローンと感覚が違うところなので、必ず覚えておいてください。

民間の住宅ローンとの違いを比べてみる

フラット35と、銀行が独自に提供している住宅ローンでは、得意なところが違います。おおまかな違いを表にまとめました。

比較の観点 フラット35 民間の住宅ローン(例)
金利タイプ 全期間固定金利 変動・当初固定・全期間固定から選べる
金利の水準 年3.290%(2026年8月・21〜35年・融資率9割以下) 変動 年1.060%/当初固定10年 年3.030%(2026年8月)
金利が変わるか 完済まで変わらない 変動は年2回など定期的に見直される
借入額 100万円以上1億2,000万円以下(建設費・購入価額以内) 金融機関ごとに設定
借入期間 15年以上35年以内(80歳までが上限) 最長35年が中心(50年の商品も)
保証料 不要 不要の商品が多い(事務手数料が定率型)
繰上返済手数料 不要 ネット手続きは無料の商品が多い
団体信用生命保険 任意(加入しない選択も可) 加入が必須の商品が多い
住宅の要件 機構の技術基準に適合し、適合証明書が必要 金融機関ごとの担保評価
審査の特徴 勤続年数の条件がなく、自営業の方も申し込みやすい 勤続年数や雇用形態を重視する傾向

※民間の住宅ローンの金利はSBI新生銀行(新規借入・自己資金10%以上の優遇適用時)の2026年8月の値、フラット35の金利は住宅金融支援機構の2026年8月の最頻金利です。金利も条件も金融機関ごとに異なりますので、最新の内容は各社の公式サイトでご確認ください。

表を見て分かるとおり、今この瞬間の金利の低さでは変動金利に分があり、将来の見通しの立てやすさではフラット35に分があります。どちらが正解ということはなく、返済期間の長さ・家計の余裕・繰上返済の予定によって向き不向きが変わります。

フラット35の種類(買取型と保証型)

フラット35と民間の住宅ローンの違いを比較するイメージ

フラット35には、買取型保証型の2つの仕組みがあります。少し専門的な話になりますが、初めての方向けに噛み砕いて説明します。

買取型は、金融機関が実行した住宅ローンを住宅金融支援機構が買い取り、その住宅ローンを担保にした債券(MBS)を発行して、投資家から資金を調達する仕組みです。一般に「フラット35」と呼ばれているのはこちらで、取扱金融機関も多数あります。

保証型は、機構が住宅ローンを買い取るのではなく、金融機関が証券化した証券の元金と利息の支払いを機構が保証する仕組みです。万一返済ができなくなったときは、機構が金融機関へ残債を支払い、そのあと機構が債権を引き受けます。金融機関にとっては証券化がしやすくなる形で、機構は保証をするだけなので金融機関が独自性を出しやすく、民間の住宅ローンに近い商品設計になります

ただし保証型を取り扱う金融機関は買取型より限られ、取扱状況も変わります。たとえばSBIアルヒの「スーパーフラット」は保証型の代表例ですが、ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)は保証型の新規申込受付を停止しています。検討する際は、その金融機関が現在も取り扱っているかを公式サイトで確かめてください。

利用するための主な条件

フラット35を利用するための主な条件は、次のとおりです(2026年4月1日現在)。

  • 申込時の年齢が満70歳未満であること(親子リレー返済を使う場合は70歳以上でも申込可)
  • 日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方
  • すべての借入れについて、年収に占める年間合計返済額の割合(総返済負担率)が、年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下であること
  • 借入額は100万円以上1億2,000万円以下で、建設費または購入価額以内
  • 住宅の床面積が、一戸建てなどは50㎡以上、マンションなどの共同建ては30㎡以上
  • 住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合していること(適合証明書が必要)
  • 返済終了までの間、火災保険に加入すること

ここで、古い情報にご注意ください。「フラット35は住宅価格の9割までしか借りられない」という説明を目にすることがありますが、これは現在の制度とは異なります。借入額は建設費・購入価額の範囲内であれば9割を超えて借りることもできます。ただし融資率が9割を超える場合は借入金利が高くなり、返済の確実性などをより慎重に審査される点は押さえておきましょう。頭金を1割以上用意できるかどうかで金利が変わる、という理解が正確です。

うれしいのは保証料と繰上返済手数料がかからないこと、そして保証人が必要ないことです。一方で、融資手数料は取扱金融機関ごと、物件検査手数料は検査機関ごとに異なります。フラット35は商品の中身がどの金融機関でも同じだからこそ、金利と手数料の差がそのまま総支払額の差になります。必ず複数の金融機関を比べてください。

団信のしくみは変わりました

以前のフラット35は、団体信用生命保険(団信)に加入する場合、毎年の特約料を別に支払う仕組みでした。しかし2017年10月1日以後の申込みからは「新機構団信」に切り替わり、団信の費用は毎月の返済額(金利)に含まれる方式になっています。年に一度まとまった特約料を払う必要はありません。

団信への加入は今も任意で、健康上の理由などで加入しない場合もフラット35は利用できます。その場合の借入金利は、新機構団信付きの金利より年0.200%低くなります。加入要件は、申込書兼告知書の記入日現在で満15歳以上満70歳未満の方です。

夫婦で連帯債務にする場合は、どちらか一方が加入するほか、2人で加入する「デュエット(ペア連生団信)」を選ぶこともできます。デュエットは掲載金利に年0.180%、新3大疾病付機構団信は年0.240%が上乗せされます(2026年8月時点)。「団信の特約料が別途かかる」という説明が残っている情報は古いものですので、注意してください。

金利を引き下げるメニューがあります

フラット35には、一定の条件を満たすと借入金利を一定期間引き下げるメニューが用意されています。2026年8月時点で案内されているのは次のとおりです。

  • 【フラット35】子育てプラス……子育て世帯・若年夫婦世帯向け
  • 【フラット35】中古プラス……一定の中古住宅の取得向け
  • 【フラット35】S……省エネルギー性やバリアフリー性などに優れた住宅向け
  • 【フラット35】リノベ……性能向上リフォームを行った中古住宅向け
  • 【フラット35】維持保全型……長期優良住宅や既存住宅売買瑕疵保険付き住宅など
  • 【フラット35】地域連携型・地方移住支援型……自治体と連携した支援を受ける場合

これらは条件を満たせば併用できる場合があり、引下げ幅がまとまった金額の差になることもあります。ただし対象となる住宅の要件や必要な手続きは細かく決められており、また制度の内容は見直されることがあります。該当しそうな方は、必ずフラット35の公式サイトと取扱金融機関で最新の適用条件をご確認ください。

よくある質問

Q. 自営業でも申し込めますか?
A. フラット35には勤続年数や雇用形態の条件がなく、自営業の方や勤続年数が短い方でも申し込めます。判断されるのは総返済負担率などの基準です。民間の住宅ローンで勤続年数がネックになった方にとって、有力な選択肢になり得ます。

Q. 中古住宅でも使えますか?
A. 使えます。ただし住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることが必要で、適合証明書の取得が求められます。物件によっては基準を満たすための検査や改修が必要になることもあるため、購入前に売主や仲介会社へ「フラット35に対応できるか」を確認しておくと安心です。

Q. 手数料は民間の住宅ローンと比べてどうですか?
A. フラット35は保証料と繰上返済手数料がかかりません。ただし一部繰上返済には最低金額があり、インターネットサービス「住・MyNote」からの申込みで10万円以上、取扱金融機関の窓口では100万円以上とされています。なお融資手数料は取扱金融機関ごと、物件検査手数料は検査機関ごとに異なりますので、金利とセットで比べてください。

Q. どの金融機関で申し込んでも同じですか?
A. 商品としての条件は同じですが、借入金利と融資手数料は取扱金融機関によって異なります。数千万円を数十年借りるローンでは、わずかな差でも総支払額に響きます。フラット35の公式サイトには取扱金融機関ごとの金利・手数料の一覧がありますので、必ず見比べてから決めましょう。

まとめ

フラット35は、完済まで金利が変わらない安心感と、勤続年数を問われない申し込みやすさが持ち味の住宅ローンです。一方で、住宅の技術基準に適合している必要があり、今この瞬間の金利水準では変動金利に見劣りする場面もあります。

大切なのは、「金利が上がったら家計が耐えられるか」を先に考えること。返済期間が長く、教育費のピークが返済期間に重なる方ほど、全期間固定の安心感は価値を持ちます。逆に、繰上返済で早めに返し終える見通しが立つ方は、変動金利の低さを活かす考え方もあります。

なお、民間の住宅ローンも選択肢に入れて比べたい方は、諸費用の分かりやすさもあわせて見てみてください。たとえばSBI新生銀行は、保証料と一部繰上返済手数料が0円で、一般団信や全疾病保障付団信も金利の上乗せなしという構成になっており、オンラインでの手続きと店舗での相談の両方に対応しています。フラット35と並べて検討してみる価値のある一行でしょう。

金利や制度の内容は毎月・毎年見直されます。実際に申し込む際は、フラット35の公式サイトと各金融機関の最新情報を必ずご確認ください。

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