- 公開日: 2026.10.18
- 住宅ローン商品について
フラット35と民間住宅ローンの違い|金利・条件・団信を比較

「フラット35と銀行の住宅ローンって、結局どこが違うの?」と迷っている方へ。いちばん大きな違いは、金利が完済まで固定されるかどうかです。
フラット35は、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して出している全期間固定金利の住宅ローンです。2026年10月の金利は年3.830%で、銀行の変動金利より高めですが、返済額は最後まで変わりません。
一方、銀行が独自に出す住宅ローンは変動金利や当初固定を選べ、いまの金利の低さが魅力です。勤続年数を問わない審査や、団信に入るかを選べる点など、金利以外にも違いがあります。
完済まで金利が変わらない住宅ローン
フラット35は、お金を受け取ったときから完済するまで、金利と毎月の返済額が変わらない住宅ローンです。変動金利のように半年ごとに金利を見直す仕組みがありません。
契約するのは銀行などの取扱金融機関ですが、金利が固定される約束は借入期間の最後まで続きます。教育費がかさむ時期に返済額が増える心配がないため、家計の計画を立てやすくなります。
名前から35年専用の商品と思われがちですが、返済期間は15年以上35年以内で選べます。申込みご本人か連帯債務者が満60歳以上なら10年以上です。上限は「80歳-申込時の年齢」と35年のうち短いほうです。
20年以下を選ぶと金利が下がる区分はフラット20と呼ばれます。長期優良住宅などを取得する場合は、最長50年のフラット50も使えます。
2026年10月のフラット35の金利
では、いまの金利はどのくらいでしょう。2026年10月に資金を受け取る場合、最も多くの金融機関が設定している金利(最頻金利)は次のとおりです。いずれも新機構団信付き・融資率9割以下の値です。
- フラット35(返済期間21年以上35年以下)……年3.830%
- フラット20(返済期間15年以上20年以下)……年3.510%
- フラット50(返済期間36年以上50年以下)……年4.100%
(2026年10月時点・住宅金融支援機構【フラット35】最新の金利情報より)
10月の金利は前月から引き上げられました。フラット35の金利は毎月見直され、その月の金利は月初ごろに公表されます。
ここで、民間ローンと感覚が違う点がひとつあります。適用されるのは申し込んだ月ではなく、資金を受け取る月の金利です。契約から引き渡しまで数か月あく新築では、その間に金利が動くことも頭に入れておいてください。
民間の住宅ローンとの違いを表で比べる
フラット35と、銀行が独自に出している住宅ローンでは得意なところが違います。主な違いを項目ごとに並べました。
| 比較の観点 | フラット35 | 民間の住宅ローン(例) |
|---|---|---|
| 金利タイプ | 全期間固定金利 | 変動・当初固定・全期間固定から選べる |
| 金利の水準 | 年3.830%(21〜35年・融資率9割以下) | 変動 年1.600%/当初固定10年 年3.379% |
| 金利が変わるか | 完済まで変わらない | 変動は半年ごとなど定期的に見直される |
| 借入額 | 100万円以上1億2,000万円以下(建設費・購入価額以内) | 金融機関ごとに設定 |
| 借入期間 | 15年以上35年以内(80歳までが上限) | 最長35年が中心(50年の商品も) |
| 保証料 | 不要 | 不要の商品が多い(事務手数料が定率型) |
| 繰上返済手数料 | 不要 | ネット手続きは無料の商品が多い |
| 団体信用生命保険 | 任意(加入しない選択も可) | 加入が必須の商品が多い |
| 住宅の要件 | 機構の技術基準に適合していること(物件検査が必要) | 金融機関ごとの担保評価 |
| 審査の特徴 | 勤続年数の条件がなく、自営業の方も申し込みやすい | 勤続年数や雇用形態を重視する傾向 |
※金利は2026年10月時点。フラット35は住宅金融支援機構の最頻金利です。民間の例はドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)の対面相談コースで、変動は通期引下げプラン・物件価格80%以下、10年固定は当初引下げプランの新規借入の金利です。
民間ローンの表示金利は、審査の結果で上乗せされることがあります。たとえばドコモSMTBネット銀行の対面相談コースでは、上乗せは最大で年0.55%です。表の数字は「いちばん良い条件のとき」の値だと考えてください。
表のとおり、いまの金利の低さでは変動金利に分があり、将来の見通しの立てやすさではフラット35に分があります。どちらが正解かは、返済期間の長さや家計の余裕、繰上返済の予定で変わります。
3,000万円を35年で借りたら月々いくら違う?
「金利の差が2%くらいあるけれど、実際の返済額ではどのくらい?」という疑問に、数字で答えてみます。当編集部が2026年10月適用の公式金利をもとに試算した結果です。
| 借入3,000万円・35年 | 金利 | 毎月の返済額 |
|---|---|---|
| フラット35(21〜35年・融資率9割以下) | 年3.830% | 129,790円 |
| ドコモSMTBネット銀行 対面相談コース(変動・通期引下げ) | 年1.600% | 93,331円 |
※当編集部の試算(2026年10月1日確認の金利)。元利均等・ボーナス返済なしで、事務手数料・保証料・団信の上乗せ・登記費用などは含みません。変動金利は35年間金利が変わらないと仮定した概算です。
月々の差は約3.6万円で、いまは変動金利のほうが返済は軽くなります。ただ、変動金利が上がれば差は縮まります。フラット35の約13万円は、35年後まで変わらない金額です。
迷ったときは、変動金利が2%ほど上がっても払い続けられるかを考えてみてください。払えそうなら変動、厳しそうなら固定、というのが判断の第一歩になります。
フラット35の種類(買取型と保証型)

フラット35には、買取型と保証型の2つの仕組みがあります。少し専門的な話なので、身近な例えを交えて説明します。
買取型は、金融機関が貸した住宅ローンを住宅金融支援機構が買い取る仕組みです。機構はそのローンを担保に債券(MBS)を発行し、投資家からお金を集めます。一般にフラット35と呼ばれているのはこちらで、取扱金融機関も多数あります。
保証型は、機構がローンを買い取らず、金融機関が証券化した証券の元金と利息の支払いを機構が保証する仕組みです。お店(金融機関)が自分の商品を売り、機構が後ろで保証人になるイメージです。
そのため金融機関が独自色を出しやすく、民間の住宅ローンに近い商品になります。たとえばSBIアルヒの「スーパーフラット」は、保証型を使った同社独自の全期間固定ローンです。
とはいえ、保証型を扱う金融機関は買取型より限られ、取扱状況もよく変わります。ドコモSMTBネット銀行は、自社サイトからの保証型の新規申込受付を停止しました。銀行代理業者の窓口での扱いは異なる場合があるので、相談先で直接聞いてみてください。
利用するための主な条件と手数料
フラット35を利用するための主な条件は、次のとおりです(2026年4月1日現在・【フラット35】ご利用条件)。
- 申込時の年齢が満70歳未満であること(親子リレー返済なら70歳以上でも申込可)
- 日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方
- すべての借入れの年間返済額が、年収400万円未満なら年収の30%以下、400万円以上なら35%以下であること(総返済負担率)
- 借入額は100万円以上1億2,000万円以下で、建設費または購入価額以内
- 住宅の床面積が、一戸建てなどは50㎡以上、マンションなどの共同建ては30㎡以上
- 住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合していること(検査機関などによる物件検査が必要)
- 返済終了までの間、火災保険に加入すること
「フラット35は住宅価格の9割までしか借りられない」という説明を見かけますが、これは古い情報です。建設費や購入価額の範囲内なら、9割を超えて借りることもできます。
ただし融資率が9割を超えると借入金利が高くなり、返済できるかもより慎重に審査されます。頭金を1割以上用意できるかで金利が変わる、と覚えておくと正確です。
中古住宅でも使えますが、技術基準に合っているかの物件検査が必要です。基準を満たすために改修が要る物件もあるので、購入前に売主や仲介会社へ、フラット35に対応できるかを聞いておくと手戻りを防げます。
費用の面では、保証料と繰上返済手数料がかからず、保証人も要りません。一部繰上返済の最低額は、ネットサービス「住・MyNote」なら10万円以上、取扱金融機関の窓口では100万円以上です。
見落としやすいのが融資手数料です。商品の条件はどこで借りても同じですが、借入金利と融資手数料は取扱金融機関ごとに違います。数千万円を長く借りるので、小さな差でも総支払額に響きます。
収入合算で夫婦や親子の収入を合わせて借りる場合も、フラット35と銀行では扱いが違います。詳しくは収入合算の人数や条件をフラット35と銀行で比べた記事にまとめています。
団信は任意で、費用は金利に含まれる
団信(団体信用生命保険)とは、借りた人が亡くなったときなどにローンの残りが保険で返済される仕組みです。以前のフラット35は、団信の特約料を年に一度、別に払う方式でした。
2017年10月1日以後の申込みからは新機構団信に切り替わり、団信の費用は金利に含まれています。いま年払いの特約料はかからないので、「特約料が別にかかる」という説明は古い情報です。
加入はいまも任意で、健康上の理由などで加入しなくてもフラット35は利用できます。その場合の金利は、新機構団信付きより年0.200%低くなります。加入できるのは満15歳以上満70歳未満の方です。
夫婦で連帯債務にする場合は、2人で加入するデュエット(ペア連生団信)も選べます。上乗せはデュエットが年0.180%、新3大疾病付機構団信が年0.240%です(2026年10月時点)。
団信に入らないとどうなるかはフラット35で団信に入らない場合のリスクと金利差、保障の中身はフラット35の新機構団信の保障内容で詳しく説明しています。
金利の引下げメニューと新しいポイント特典
フラット35には、条件を満たすと借入金利を一定期間下げるメニューがあります。家族構成や住宅の性能などで得たポイントの合計で、引下げの幅と期間が決まる仕組みです。
- 【フラット35】子育てプラス(子育て世帯・若年夫婦世帯)
- 【フラット35】中古プラス(一定の中古住宅の取得)
- 【フラット35】S・S(ZEH)(省エネ性などに優れた住宅)
- 【フラット35】リノベ(性能を高めるリフォームをした中古住宅)
- 【フラット35】維持保全型(長期優良住宅など)
- 【フラット35】地域連携型(自治体の支援とあわせて使う場合)
機構の案内では、4ポイント分の引下げに当てはまると、当初5年間の金利が年1.000%下がる例が示されています。対象となる住宅の要件や手続きは細かく決まっているので、取扱金融機関に早めに相談してください。
また、2026年10月からフラットすまい・るポイントが始まりました。2026年10月1日以降にフラット35などで借りた方に、借入額に応じて2,000〜150,000ポイントが付く特典です。
ポイントは自動では付かず、借入日から6か月以内に自分で申請する必要があります。予算に上限があり、途中で内容が変わることもあると案内されています。
まとめ
フラット35は、完済まで金利が変わらない安心感と、勤続年数を問われない申し込みやすさが持ち味です。その反面、住宅の技術基準を満たす必要があり、いまの金利水準では変動金利より返済額が高くなります。
選ぶときは、金利が上がっても家計が耐えられるかを先に考えてみてください。返済期間が長く、教育費のピークが返済中に重なる方ほど、全期間固定の安心感は価値を持ちます。
繰上返済で早めに返し終える見通しがある方なら、変動金利の低さを活かす考え方もあります。フラット35を選ぶ場合も、金利と融資手数料を何社か比べてから決めると総支払額を抑えやすくなります。
金利や条件は月ごとに変わるので、申し込む前に各金融機関のページで最新の内容を見ておいてください。

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