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子育て世帯の一軒家購入ポイント|広さ・立地・ローンの決め方

「そろそろ家を買おうか」と考えはじめるのは、お子さんが生まれて家族の形が見えてきた頃、という方が多いようです。収入も20代の頃より落ち着き、35年ローンを組んでも定年までに返し終える見通しが立つ——そんなタイミングだからです。 とはいえ、一軒家選びは考えることが山ほどあります。ここでは広さ・場所・お金の3つに絞って、子育て世帯が購入前に押さえておきたいポイントを整理します。数字は住宅金融支援機構や国土交通省の公表データで確かめたものを使っています。

一軒家を買う人は、いま何歳くらい?

住宅金融支援機構が2026年7月24日に公表した「2025年度フラット35利用者調査」によると、利用者の平均年齢は43.3歳。ただしこれは中古マンションなども含めた全体の数字で、一軒家に絞ると若干若くなります。
  • 建売住宅 40.7歳(平均世帯年収680.0万円・家族数3.1人)
  • 土地付注文住宅 40.1歳(平均世帯年収742.2万円・家族数3.3人)
  • 中古戸建 44.3歳(平均世帯年収580.4万円・家族数3.1人)
「30歳代以下」の割合は全体で45.1%と、前年度より4.9ポイント増えました。30代後半から40代前半で、家族3人前後で一軒家を買う——これが今のいちばん多いパターンといえそうです。ご自身の年齢が平均より上でも下でも慌てる必要はありませんが、完済時の年齢から逆算して返済期間を決める視点は早めに持っておきたいところです。

広さは「大きければいい」わけではありません

昔の一戸建ては延べ床面積70〜80㎡程度が主流でしたが、現在はもう少し広いのが一般的です。同じ調査による平均住宅面積は次のとおりです。
融資区分別の平均住宅面積を比較した棒グラフ
一戸建て系は100㎡を超える一方、マンションは70㎡前後。全国平均は100.3㎡。
  • 注文住宅 118.4㎡
  • 中古戸建 114.8㎡
  • 土地付注文住宅 110.3㎡
  • 建売住宅 100.4㎡
4〜5人家族なら100㎡前後で十分に暮らせます。それ以上広くなると、購入費用だけでなく冷暖房費・掃除の手間・将来の修繕費まで増えていきます。「子どもが独立したあと、この広さを持て余さないか」まで考えておくと、判断がぶれません。 なお、【フラット35】を使う場合は床面積が一戸建て50㎡以上(マンションなどは30㎡以上)という要件があります(2026年4月1日現在)。狭小住宅を検討している方は、この線を下回らないか事前に確認しておきましょう。

場所選びは「10年後」と「水」の2つで考える

購入時にお子さんが0〜10歳なら、10年後には中学生・高校生です。徒歩通学だった生活が、電車通学や塾通いに変わります。今の便利さより、10年後の家族の動線で場所を選ぶ——これは今も昔も変わらない鉄則です。 そしてもうひとつ、近年とくに重みを増しているのが水害リスクの確認です。 2026年8月に千葉県で発生した豪雨(気象庁が「令和8年8月千葉豪雨」と命名)では、千葉市が2022年に作成していた内水氾濫のハザードマップの想定区域の外でも浸水被害が相次ぎました。市の想定が1時間降水量50ミリだったのに対し、実際には13日午後7時半までの1時間に97ミリが観測されています。千葉市長は8月20日、ハザードマップのあり方を見直す考えを示しました。 ここで大切なのは、ハザードマップが間違っていたのではなく、想定を超える雨が降ったということです。物件を見るときは、色が塗られているかどうかだけでなく、「そのマップが何ミリの雨を前提にしているか」まで確認する——これが今の見方です。ハザードマップは国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」や各自治体の窓口で確認できます。 住宅ローンの制度面でも、立地は無関係ではありません。【フラット35】子育てプラス(後述)は、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)内などで新築住宅を建設・購入する場合は利用できません。さらに新築住宅の固定資産税の減額措置についても、令和11年4月1日以降に新築した住宅のうち特定区域内のものは適用対象外となります(国土交通省)。安全な土地を選ぶことが、そのまま資金面の有利さにもつながる時代になっています。

子育て世帯だけの金利引下げメニューがあります

意外と知られていないのが、【フラット35】の子育てプラスです。子どもの人数などに応じて、当初一定期間の借入金利が引き下げられます。
世帯の状況金利引下げ期間引下げ幅
若年夫婦世帯またはこども1人当初5年間年▲0.25%
こども2人当初5年間年▲0.5%
こども3人当初5年間年▲0.75%
対象になる「こども」は、借入申込年度の4月1日時点で18歳未満の実子・養子・継子・孫(胎児を含む)です。若年夫婦世帯は、夫婦のいずれかが同時点で40歳未満であることが条件になります。 機構の試算例(借入額3,000万円・35年・元利均等・ボーナス返済なし・金利年2.50%)では、こども2人の場合で総返済額が約83万円、こども3人なら約125万円少なくなります。住宅の性能(ZEHなど)による引下げメニューとの併用もでき、組み合わせによっては当初5年間で年1.0%の引下げになるケースもあります。 ただし、この制度には予算金額があり、達する見込みになると受付が終了します(終了する約3週間前までに公式サイトで告知されます)。利用を考えているなら、早めに取扱金融機関へ相談しておくと安心です。

「家賃と同じ額なら大丈夫」がいちばん危ない

ローンを組むときに多いのが、「今の家賃と同じくらいの返済額なら払えるはず」という考え方です。ここに落とし穴があります。賃貸のときには存在しなかった支出が、持ち家では毎年発生するからです。
持ち家で新たに発生する費用目安・ポイント
固定資産税・都市計画税毎年課税。新築住宅は一定期間の減額措置あり(下記参照)
修繕費・メンテナンス費外壁・屋根・給湯器など。10〜15年ごとにまとまった支出
火災保険料【フラット35】では返済終了まで火災保険への加入が必要
町内会費・浄化槽の維持費など地域により発生。物件見学時に確認を
こうした固定費を考えると、今の家賃より数万円低い返済額に設定しておくのが安全側です。2025年度のフラット35利用者の1か月あたり予定返済額は平均で約12.4万円、総返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)は平均22.8%でした。基準の上限は年収400万円以上で35%ですから、多くの方が上限よりかなり手前で設定していることになります。 ボーナス払いの使いすぎにも注意してください。年40万円といった大きな金額をボーナスに割り当てると、賞与が減ったときに一気に苦しくなります。【フラット35】ではボーナス払いを併用できますが、上限は借入額の40%以内と定められています。上限まで使う必要はまったくありません。「ボーナスがゼロでも回る返済計画」を先につくり、余裕があれば繰上返済に回す——この順番が結局いちばん強い組み立て方です。 繰上返済のしやすさも、借入先を選ぶときの立派な比較軸です。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、一部繰上返済手数料が0円で、少額から何度でも返済に回せます。教育費のかかる時期と重なる子育て世帯にとって、「余裕のある年にだけ多めに返す」という調整がしやすいのは実務的なメリットといえます。保証料も0円で、事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型です(2026年8月時点)。最新の条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

新築住宅の固定資産税は、最初の数年間だけ軽くなります

新築住宅には固定資産税の減額措置があり、戸建ては3年間(マンション等は5年間)、税額が2分の1に減額されます。適用期限は令和13年3月31日です。認定長期優良住宅ならさらに手厚く、戸建てで5年間(マンション等は7年間)が対象になります。 令和8年度の税制改正では、床面積要件の下限が50㎡から40㎡に引き下げられました。 注意したいのは4年目以降です。減額期間が終わると税額が元の水準に戻ります。これは増税ではなく軽減が終わるだけなのですが、「急に上がった」と驚く方が少なくありません。4年目から年間で数万円の負担増が来る前提で家計を組んでおくと、慌てずに済みます。詳しい適用要件は市町村にお問い合わせください。

購入前に、家族で決めておきたいこと

最後に、見学に行く前に夫婦で話し合っておくと迷いが減る項目をまとめます。
  1. 毎月の返済上限額——今の家賃から数万円引いた額を基準に。ボーナス払いは頼りすぎない
  2. 子どもの学区・通学手段——小学校だけでなく、中学・高校まで見る
  3. ハザードマップの確認——浸水・土砂の想定と、その想定の前提条件まで見る
  4. 広さの上限——将来の光熱費・修繕費まで含めて考える
  5. 使える制度——子育てプラスなどの金利引下げメニュー、固定資産税の減額措置
一軒家の購入は、家族の10年後・20年後を決める買い物です。「いくら借りられるか」ではなく「どんな暮らしを続けたいか」から逆算する——後悔しない家選びは、たいていそこから始まっています。制度や金利は変わりますので、実際に検討される際は各機関の公式サイトで最新の内容をご確認ください。

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