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土地から家を建てる|土地選びの見方と住宅ローン・つなぎ融資の基本

住宅を一から建てるとなると、どうしても気になってくるのが土地情報です。どんな土地かによって建てられる住宅の形が決まりますし、必要になる住宅ローンの選び方にも影響してきます。

こうしたことから、土地から住宅を建てる場合は、ただ安い土地を購入するのではなく、しっかり多方面から土地情報を確認しながら検討することが重要だといわれています。

そしてもうひとつ、はじめての方がとくにつまずきやすいのが「土地の代金を、住宅ローンでいつ払えるのか」という問題です。この記事では、土地情報の見方に加えて、この資金のタイミングについてもやさしく整理していきます。

同時進行で計画性を持とう

ではどのように進めていけばいいのかというところですが、まず基本として土地を購入するのと住宅ローンを組むのはほぼ同時進行で進めなくてはいけないポイントとなっています。
というのも、土地の購入費用も住宅ローンでまかなうようにしているという方が多く、そのことから土地情報を収集するのと住宅ローンの検討は同時に行っていかなければ、どちらかが間に合わずに計画がずれてしまう恐れがあるからです。

そのため、建築計画を具体的にしたうえで土地を購入するようにしなくてはならず、そのためにも土地情報を事前に確認しておくということが必須となっているというケースが多くなっているのです。

「土地を先に決めて、家のことは後でゆっくり」——気持ちはよくわかるのですが、この順番だと後で困ることがあります。理由は4章で詳しくご説明しますが、住宅ローンの多くは建物が完成してからでないと実行(お金が振り込まれること)されないためです。土地・建物・お金の3つを並走させる、と覚えておいてください。

土地のあれこれを決める

土地情報を確認しながら住宅の建築計画を立てるイメージ

実際にはどのように土地情報を調べるのかというところですが、当然まずは建築したいエリアや広さ、そして予算などの条件をある程度決めてから検討するという方が多いのですが、これはあくまでもざっくりとした方向性となっており、実際にはこれだけでは住宅を建てられないということが多いです。

というのも、建築に際しては、建蔽率と容積率、あるいは道路斜線や北側斜線といった、建物の規模や高さに関係する制限があり、敷地の形状によってこうした規制の影響の仕方が変わってくるということも多いのです。

用語をやさしく整理すると

はじめて聞く言葉が並ぶと身構えてしまいますが、意味はとてもシンプルです。

  • 建蔽率(けんぺいりつ)……敷地の広さに対して、真上から見たときに建物が占めてよい割合。「敷地をどこまで覆っていいか」の上限です。
  • 容積率(ようせきりつ)……敷地の広さに対して、延べ床面積(各階の床面積の合計)が占めてよい割合。「延べどれだけの広さを建てていいか」の上限です。
  • 道路斜線・北側斜線……道路側や北側の日当たり・風通しを確保するため、建物の高さに斜めの制限をかけるルールです。
  • 接道義務……建築基準法により、敷地は原則として一定の幅の道路に一定以上接している必要があります。ここを満たさない土地には、そのままでは家を建てられないことがあります。

これらの数値は土地ごとに違い、都市計画で定められた用途地域によっても変わります。土地の広告に「建ぺい率60%・容積率200%」などと書かれているのはこのためです。正確な内容は、その土地がある市区町村の建築指導課などの窓口で必ずご確認ください。

土地を見るときのチェックポイント

価格と広さだけで比べると見落としが出ます。次の観点も並べて確認しておきましょう。

見る観点 確認したいこと 資金への影響
法的な制限 用途地域・建蔽率・容積率・斜線制限・接道の状況 建てられる家の大きさが決まる=建築費が変わる
土地の形と高低差 整形地か変形地か、道路との高低差、隣地との境界 擁壁・造成が必要だと費用が上乗せになる
地盤とインフラ 地盤の強さ、上下水道・都市ガスの引き込み状況 地盤改良や引き込み工事の費用が発生することがある
災害リスク 自治体のハザードマップ(浸水・土砂災害など) 火災保険・水災補償の保険料や、対策工事の要否に影響
暮らしやすさ 通勤・通学、買い物、周辺の音や日当たり、将来の街の計画 住み替えを考えるときの売りやすさにも関わる
建築条件の有無 「建築条件付き」なら施工会社が指定される 建築費の比較ができない場合がある。条件と期限を要確認

土地を選ぶには専門家の加入も

このようなことから、土地情報に関してはざっくりとした方向性でいくつかの候補を決めた後、実際にその土地の状態を確認してどの程度の予算で建築することができるのか、利便性や危険性はないのかなどを検討する必要があり、そこから算出された予算で住宅ローンの準備を進めるということが必要になってきます。

場合によっては建築した場合にデメリットが出てくるということもあるので、専門家などと一緒に視察することによってプランなども立てやすくなりますし、安全に計画を進めやすくなっています。

とくに初めての土地で住宅を建てようと考えている場合は、専門家を立てながら選んでいくことが賢明だと言われているようです。相談先としては、建築を依頼する予定の設計事務所・工務店・ハウスメーカーの担当者が現実的です。気になる土地が見つかった段階で図面や現地を見てもらい、「この土地でこの家は建てられるか」「総額はいくらになりそうか」を早めに確認しておくと、資金計画のずれを防げます。

土地代はいつ払う?「つなぎ融資」というしくみ

ここが、土地から家を建てる方がいちばんつまずきやすいポイントです。

土地の代金は、売買契約から決済までの比較的早い時期に支払う必要があります。一方で、住宅ローンの多くは建物が完成して引き渡しを受けたタイミングで一括して実行されます。つまり、お金が必要になる時期と、住宅ローンが下りる時期にズレが生まれるのです。

たとえば全期間固定金利の【フラット35】の場合、住宅金融支援機構の公式Q&Aでは次のように案内されています。

  • 住宅の建設と併せて購入した土地であれば、土地の購入資金も借入れの対象になる(土地の購入日=所有権移転登記日が、申込日の前々年度の4月1日以降であることが必要)
  • ただし土地の購入費のみを借りることはできず、土地の購入費だけ先に借りることもできない(建設費の借入れと同時に行う)
  • 注文住宅で住宅の竣工前に土地購入資金の支払いが必要なときは、いったん自己資金を用意するか、他のローンを利用する必要がある

この「他のローン」にあたるのが、いわゆるつなぎ融資です。土地の代金や着工金・上棟金といった完成前の支払いを一時的に立て替え、住宅ローンが実行された時点でまとめて精算するしくみで、住宅ローンを扱う金融機関やその提携先が用意しています。金融機関によっては、土地の分と建物の分を分けて実行する分割融資(土地先行融資)という形で対応しているところもあります。

つなぎ融資で気をつけたいこと

  • 取扱いの有無・条件は金融機関によって異なります。「自分が借りたい住宅ローンの金融機関で使えるか」を、土地の契約前に必ず確認してください。
  • つなぎ融資の期間中も利息が発生します。加えて事務手数料や印紙代がかかるのが一般的です。総額の見積もりに必ず入れておきましょう。
  • 利用できる回数や、着工金・上棟金など資金の交付タイミングにも決まりがあります。支払いスケジュールを建築会社と共有し、金融機関の条件と合っているかをすり合わせておくと安心です。

金額・金利・手数料・利用条件は金融機関ごとに大きく異なりますので、詳細は必ず各金融機関の公式サイトや窓口でご確認ください。

2025年4月から、新築住宅のルールが変わりました

これから家を建てる方に関係する、比較的新しい制度の話もお伝えしておきます。

国土交通省によると、脱炭素社会の実現に向けた法改正により、2025年(令和7年)4月1日施行で、原則としてすべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務づけられました。あわせて構造規制の合理化と、建築基準法に基づく建築確認のチェック対象の見直し(いわゆる「4号特例」の見直し)も行われています。

家づくりを進める側から見ると、断熱性能などが一定の水準を満たしていることが前提になり、建築確認の手続きで確認される内容も変わったということです。設計や申請にかかる手間・費用に影響する場合がありますので、建築費の見積もりを取るときは「省エネ基準への適合を含んだ金額か」を確認しておくと、後からの想定外を防げます。

なお、省エネ性能の高い住宅は、【フラット35】S など住宅ローンの金利引き下げメニューや各種の支援制度の対象になることがあります。適用の可否・内容は年度によって変わりますので、最新の要件は住宅金融支援機構や国土交通省の公式サイトでご確認ください。

土地探しから入居までの流れ

全体像がつかめると、いま何をすべきかが見えてきます。おおまかには次の順番で進みます。

  1. 予算の枠を決める……土地代+建築費+諸費用の総額で考えます。土地だけで予算を使い切らないことが大切です。
  2. 建築を依頼する会社を探し始める……土地探しと並行して動きます。土地の良し悪しを判断してもらう相手にもなります。
  3. 住宅ローンの事前審査(仮審査)を受ける……いくら借りられそうかの目安がつかめます。つなぎ融資の取扱いがあるかも、この段階で確認しておきましょう。
  4. 土地の売買契約……法的な制限や地盤・インフラの状況を確認したうえで契約します。
  5. 建築請負契約・建築確認申請……プランと金額を確定させます。
  6. 土地代金の決済……自己資金またはつなぎ融資で支払います。
  7. 着工・上棟・完成……着工金・上棟金など、途中での支払いが発生します。
  8. 住宅ローンの実行・引き渡し……つなぎ融資を利用していた場合は、ここで精算します。

各手続きにかかる期間は、土地の状況や金融機関によって変わります。とくに住宅ローンの本審査には書類の準備と日数が必要ですので、余裕をもったスケジュールを組んでください。

土地から建てるときによくある疑問

Q. 土地だけを住宅ローンで買うことはできますか?

A. 一般的な住宅ローンは「住まいを取得するための資金」ですので、土地だけの購入には使えないのが原則です。たとえば【フラット35】は、住宅金融支援機構の公式Q&Aで土地の購入費のみの借入れはできず、建設費の借入れと同時に行うと明記されています。土地の取得だけを先行させたい場合は、金融機関の土地先行融資やつなぎ融資、あるいは自己資金での対応を検討することになります。取扱いは金融機関ごとに異なりますので、事前にご相談ください。

Q. 先に土地を買ってしまいました。もう住宅ローンには含められませんか?

A. 制度によっては、購入済みの土地でも建設費とあわせて借入れの対象にできる場合があります。【フラット35】では、土地の購入日(所有権移転登記日)が申込日の前々年度の4月1日以降であることが条件とされており、購入済みでも借入額は土地の購入費と建設費の合計金額以内とされています。ご自身のケースが該当するかは、期日が関わる話ですので、早めに金融機関や住宅金融支援機構の公式情報でご確認ください。

Q. 建築条件付きの土地は避けたほうがいいですか?

A. 一概には言えません。施工会社が決まっている分、土地と建物を一体で進めやすく、打ち合わせがスムーズという利点があります。一方で建築費を他社と比べにくく、一定期間内に建築請負契約を結ぶ条件が付いていることが多いのも事実です。「その会社の標準仕様で、自分の希望する家が予算内に収まるか」を契約前に確認できるかどうかが判断の分かれ目になります。

Q. 諸費用はどのくらい見ておけばよいですか?

A. 金額は物件と契約内容によって大きく変わるため一律には言えませんが、住宅ローンの事務手数料、登記費用、印紙代、火災保険料、不動産取得税、つなぎ融資を使う場合はその利息と手数料などがかかります。土地から建てる場合は、これに地盤改良やインフラ引き込みの費用が加わることもあります。「土地代+建築費」だけで予算を組むと必ず足りなくなるので、見積もりの段階で諸費用の一覧を出してもらいましょう。

土地・建物・お金は同時に走らせる

土地から家を建てるときは、土地情報・建築計画・資金計画の3つを同時に走らせるのがコツです。土地は価格と広さだけでなく、法的な制限・地盤・災害リスクまで含めて見る。そして住宅ローンが下りるのは建物の完成後であることが多いという前提を早い段階で押さえ、つなぎ融資や分割融資の取扱いを金融機関に確認しておく——ここまでできていれば、大きなつまずきは避けられます。

借入先を選ぶときは、金利だけでなく事務手数料・保証料・団信の内容・つなぎ融資の取扱いまで並べて比べてみてください。たとえばSBI新生銀行は、事務取扱手数料が借入金額の2.20%(税込)の定率型で費用の見通しを立てやすく、上乗せ0円で加入できる団信を用意しているほか、店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しています。はじめての家づくりで「相談しながら進めたい」という方は、こうした点も選ぶ基準にしてよいでしょう。

※本記事に記載の制度・条件は2026年8月時点で確認した内容です。最新の取り扱い状況や条件は、必ず各金融機関・住宅金融支援機構・お住まいの自治体の公式サイトでご確認ください。

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