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住宅の引渡し・決済当日の流れ|準備する書類と手順をやさしく解説

住宅の引渡し(決済)の日は、残りの代金を払い、家と土地の名義を自分に移し、鍵を受け取るまでを1日で済ませます。金融機関の店舗で1〜2時間ほどかけて行うのが一般的で、慌てないかどうかは事前の準備でほぼ決まります。

ここでは、決済までに済ませておく準備と、当日の流れ、持ち物を順番に説明します。

決済は残代金の支払い・登記・鍵の引渡しをまとめて行う日

決済とは、残代金の支払い、登記の手続き、鍵の引渡しをまとめて行う日のことです。多くは住宅ローンを借りる金融機関の店舗に、買主と売主、不動産会社の担当者、司法書士が集まります。

お金は、まず金融機関が住宅ローンを実行して買主の口座へ入金し、そこから売主へ残代金を払う順番で動きます。

並行して司法書士が書類を確かめ、法務局へ所有権移転登記(家と土地の名義を自分に変える手続き)と、抵当権設定登記(金融機関が家を担保にする手続き)を申請します。

お金を払ってから登記が終わるまでが不安、という方もいます。実際は、司法書士が必要書類がそろったことを確認してから支払いに進むのが一般的です。分からない言葉はその場で聞いてかまいません。

決済までに済ませておきたい6つの準備

売買契約が終わったら、次の6つを不動産会社と相談しながら進めます。

  1. 現地の立会い確認……土地の境界標の位置や、建物内部の傷・不具合を実際に見て確認します。
  2. 住民票の異動……登記する住所を新しい住所にするため、決済前の異動を案内されることがあります。
  3. 必要書類の取得……住民票の写しや印鑑証明書など。必要な通数は不動産会社に確認します。
  4. 住宅ローンの契約……金銭消費貸借契約(いわゆるローン契約)を済ませます。金融機関によっては決済当日にまとめて行います。
  5. 火災保険の手続き……補償内容を決め、引渡し日に間に合うように申し込みます。
  6. 引越しの手配……引越業者の予約と、電気・ガス・水道の使用開始と停止の連絡をします。
準備すること いつまでに つまずきやすいところ
現地の立会い確認 決済の1〜2週間前まで 直したい箇所は、いつまでに直すのかを書面で残しておく
住民票・印鑑証明書の取得 決済の2週間前〜直前 通数と誰の分が必要かを確認せずに1通だけ取ってしまう
住宅ローンの契約 金融機関の指定日まで 契約に使う印鑑・本人確認書類が当日そろわない
火災保険の申込み 引渡し日に補償が始まるように 補償の始まる日を引渡し日より後にしてしまう
引越し・ライフラインの連絡 決済の3〜4週間前が目安 繁忙期(3月前後)は引越業者が押さえられない

売買契約のあとに不動産会社と一度打ち合わせて、この表のようにスケジュールを共有しておくと、直前になって慌てずに済みます。契約当日の準備は不動産売買契約の準備と当日の流れの記事で紹介しています。

印鑑証明書は3か月以内のものを、住民票は司法書士の指示で

登記に使う印鑑証明書は、作成後3か月以内のものが必要です。早く取りすぎると使えなくなるので、取る時期は司法書士や不動産会社の案内に合わせます。

住民票は少し分かりにくいところがあります。引越しにともなう転入届は、実際に引っ越した日から14日以内に出すのが住民基本台帳法のルールです。

そのうえで登記の実務では、新しい住所で登記しておくと後から住所変更登記をせずに済むため、決済前の異動を案内されることがあります。この扱いは状況で変わるので、自分で判断せず不動産会社と司法書士の指示に従ってください。

マイナンバーカードがあれば、マイナポータルの引越しワンストップサービスで、転出届の提出と転入の来庁予約をオンラインで行えます。

ただ、転入の手続きそのものは新しい住所の役所の窓口で行います。窓口に行く時間も予定に組み込んでおきます。

登記のときに検索用情報の申出が必要になった

2025年4月21日から、所有権の移転などの登記を申請するときは、生年月日などの検索用情報を法務局へ申し出ることが必要になりました。司法書士に頼む場合も、この情報を伝えることになります。

理由は、2026年4月1日から住所や氏名が変わったときの変更登記が義務になったためです。不動産の所有者は、変更の日から2年以内に変更登記をしなければなりません(法務省 住所等変更登記の義務化)。

検索用情報を出しておけば、登記官が住基ネットの情報をもとに職権で住所を変えるスマート変更登記の対象になります。転勤などで将来引っ越しても、自分で手続きをする手間が減ります。

決済前に住民票を移さず旧住所で登記した場合も、この義務の対象です。正当な理由なく申請を怠ると5万円以下の過料が科されることがあるので、旧住所で登記するなら後の手続きも司法書士に聞いておくと確実です。

火災保険は補償の開始日を引渡し日に合わせる

引渡しを受けたときから、建物の万一のリスクは自分が負います。住宅ローンでも、火災保険への加入を条件にしている金融機関がほとんどです。補償が始まる日は引渡し日に合わせてください。

契約期間は、かつては10年などの長期も選べましたが、2022年10月以降に始まる契約は最長5年になりました。更新は数年ごとに来るので、そのたびに補償の内容を見直すことになります。

補償の範囲にも注意が必要です。水災の補償は契約によって付いていないことがあり、地震による損害は火災保険ではなく地震保険の対象です。ハザードマップで立地を見たうえで、必要な補償を保険会社や代理店と相談して決めます。

決済当日の流れと持っていくもの

当日は、金融機関の応接スペースなどで次のように進みます。

  1. 本人確認と書類への署名・押印……司法書士が本人確認をして、登記に必要な書類に署名と押印をします。
  2. 住宅ローンの実行……借入金が買主の口座に入金されます。
  3. 残代金の支払い……その資金から売主へ振り込みます。
  4. 固定資産税・管理費などの精算……日割りで計算した金額をやりとりします。
  5. 諸費用の支払い……仲介手数料の残金、登記費用、司法書士への報酬などを払います。
  6. 鍵の引渡し……鍵と、設備の保証書・取扱説明書などを受け取ります。

持ち物は、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)・実印・印鑑証明書・住民票の写し・通帳とお届け印・キャッシュカードが基本です。金融機関ごとに指定があるので、事前に渡される案内に沿ってそろえます。

残代金は口座からの振込で払うのが一般的です。ただ、司法書士への報酬など一部を現金で求められることもあるので、当日いくら要るかは前もって聞いておくと安心です。

4の精算について補足します。固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者が1年分を納める仕組みです。引渡し日を境に日割りで分けるのは法律の義務ではなく、売買契約で取り決める慣行です。

起算日を1月1日にするか4月1日にするかは地域によって違います。契約書の記載を見ておくと、当日の金額に納得して払えます。

決済は平日の午前に、名義人と借りる人がそろって行う

決済は、金融機関と法務局が開いている平日に行うのが一般的です。当日中に登記を申請するため、午前中に設定されることが多くなっています。仕事の都合がつきにくい方も、早めに不動産会社へ相談すれば日程を調整してもらえます。

夫婦の共有名義にする場合は、原則として名義人になる人と借入をする人が全員出席します。どうしても出られない事情があるときの扱いは、前もって司法書士に相談してください。

鍵を受け取れるのは決済がすべて終わってからです。同じ日に引越しを入れると時間が読みにくいので、できれば日を分けると落ち着いて動けます。

引渡し前の現地立会いで見ておきたいところ

決済が終わってしまうと、細かな手直しは頼みにくくなります。その前の現地立会いで、気になる点を出し切っておきます。

新築なら、建具や窓がスムーズに開くか、コンセントや給排水に不具合がないか、壁や床に傷がないかを見ます。設備の使い方の説明も、このときに受けられます。

中古住宅なら、売買契約のときに受け取った付帯設備表・物件状況報告書の内容と、実際の状態が合っているかを照らし合わせます。中古住宅で引渡し後に困りやすい例は、引渡し後にガスが使えない時の対処法の記事で紹介しています。

土地の境界標(隣地との境目を示す杭やプレート)が実際にあるかも、その場で見ておきます。気になる点は、いつまでに誰が対応するのかを書面やメールで残してください。口約束だけだと、引渡し後に言った言わないになりがちです。

まとめ

やることが多く感じるかもしれませんが、当日は不動産会社の担当者と司法書士がその都度案内してくれます。準備の段階で、この件は誰に聞けばよいかを決めておくと迷いません。

書類は不動産会社、登記は司法書士、ローンと振込は金融機関、と窓口を分けて考えると整理しやすくなります。ちょうど旅行の準備で、宿・交通・保険の問い合わせ先を分けておくのと同じです。

借りる金融機関の手続きがどう進むかも、早めに聞いておくと決済日から逆算した予定が組めます。購入全体の流れはマイホームを買うまでの流れ8ステップの記事で紹介しています。

登記や保険、ローン契約の手続きは制度改正や金融機関ごとに変わることがあるので、決済の前に司法書士や各金融機関の案内で最新の内容を確かめてください。

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