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住宅ローン比較のチェックポイント5つ|金利だけで選ばない

住宅ローンを選ぶとき、つい金利の数字だけを見比べてしまいがちです。でも、実際に払う金額を決めるのは金利だけではありません。保証料、事務手数料、繰上返済の手数料、団信(団体信用生命保険)の上乗せ——これらを合わせた「総額」で比べてはじめて、どこが自分に合っているかが見えてきます

ここでは、はじめて住宅ローンを比べる方に向けて、チェックすべき5つのポイントと、比較を進める手順を整理します。

まず全体像:チェックすべき5つのポイント

最初に、比較の地図を持っておきましょう。金融機関のパンフレットやサイトを見るときは、次の5つを順に確認していきます。

比較の観点 見るポイント 備考
①金利 変動か固定か/表示は「最優遇」か「店頭」か/団信の上乗せは含むか 「最大割引後」の表示は、条件を満たした場合の金利です
②保証料・事務手数料 保証料の有無と支払い方/手数料は定額型か定率型か 片方が安いともう片方が高い、という組み合わせが多い
③繰上返済・条件変更 手数料の有無/ネットと窓口で最低金額が違うか 繰上返済を多用する予定なら重要度が上がります
④団信・疾病保障 標準で付く保障の範囲/上乗せ金利/支払い条件 「8大疾病」などの名称だけで判断しない
⑤諸費用・税金 印紙税・登記費用・火災保険/住宅ローン減税の要件 電子契約なら印紙税がかからない場合があります

①金利 ― タイプと「上乗せ」で決まります


金利には大きく分けて変動金利タイプと固定金利タイプがあり、固定のほうが高めに設定されるのが一般的です。同じ借入額でも、金利が0.数%違えば総返済額は数十万〜数百万円変わります。

ここ数年で大きく変わったのは、金利が「動く」ことが前提の世界になったことです。参考までに、全期間固定の代表格である【フラット35】の2026年7月の最頻金利は、返済期間15〜20年で年2.820%、21〜35年で年3.140%でした(融資率9割以下・新機構団信付)。数年前の水準とはずいぶん違います。

そのうえで、初心者がつまずきやすいのが「表示されている金利がどの金利か」です。

  • 店頭金利(基準金利)…割引前の基準になる金利
  • 最優遇金利・最大割引後金利…条件をすべて満たした人に適用される、いちばん良いケースの金利
  • 上乗せ後の金利…がん団信などを付けた場合に、実際に適用される金利

広告に出ている数字はほとんどが2つめです。自分がいくらになるかは、事前審査(仮審査)を受けてはじめてはっきりします。比較の段階では「同じ条件で並べたときの差」を見る、というくらいの使い方がちょうどよいでしょう。

②保証料と事務手数料は「セット」で見る

保証料とは、万が一返済ができなくなったときに、自分の代わりに金融機関へ返済してくれる保証会社に支払う費用です。借入時に一括で払うか、金利に上乗せして払うかを選ぶのが一般的です。

「保証料0円」をうたう金融機関もありますが、保証料が無料の代わりに事務手数料が高い、という組み合わせがほとんどです。事務手数料には大きく2つの型があります。

  • 定額型…借入額にかかわらず一定(例:33,000円(税込))。そのかわり金利がやや高め。
  • 定率型…借入額の一定割合(例:2.20%(税込))。金額は大きくなりますが、金利は低めに設定されます。

借入額が増えるほど、この差は大きくなります。

たとえば、保証料がかからないかわりに事務手数料が借入金額の2.20%(税込)の定率型というのは、SBI新生銀行をはじめネット系の銀行で広く採られている形です。一方、地域の信用金庫などでは「保証料は別途、事務手数料は定額」という組み合わせも残っています。どちらが得かは借入額と借入期間で入れ替わりますので、必ず「金利+保証料+事務手数料」を自分の借入額に当てはめて比べてください。

なお、保証料も団信の保険料も消費税は非課税です。「(税込)」が付くのは事務手数料など課税される手数料だけ、と覚えておくと表示を読み違えません。

③繰上返済・条件変更の手数料

繰上返済とは、毎月の返済とは別にまとまった金額を返して、利息を減らす方法です。繰上返済をよく使う予定があるなら、その手数料は必ず確認しましょう。

たとえば【フラット35】は、繰上返済の手続きに手数料がかかりません。金融機関の窓口では100万円以上から、インターネットサービス「住・My Note」を使えば10万円以上から一部繰上返済ができる、と住宅金融支援機構が案内しています。民間の住宅ローンでも、インターネットからの一部繰上返済は無料という金融機関が増えています。

一方で、固定金利期間の途中で条件を変更する場合や、窓口で手続きする場合に手数料がかかるケースはまだあります。「繰上返済 無料」の一言だけで判断せず、①ネットか窓口か ②一部か全額か ③固定期間中かどうか——の3点で条件を確認してください。

ひとつ注意点として、一部繰上返済で返済期間が10年未満になると、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の対象外になります。減税を受けている間に大きく期間を縮める場合は、この点も計算に入れましょう。

④団信と疾病保障 ―「無料」の中身を確認する

住宅ローン返済中に、病気で働けなくなることもあります。そんなときに残高が減ったりゼロになったりするのが疾病保障です。

多くの金融機関が団体信用生命保険(団信)の加入を融資の条件にしていますが、その中身は金融機関ごとにかなり違います。典型的なのは次のような構成です。

  • 一般団信…死亡・高度障害。多くの金融機関で上乗せ0円。
  • がん保障付…金利に0.100〜0.200%程度の上乗せが一般的(無料の金融機関もあります)。
  • 3大疾病・8大疾病など…0.200〜0.300%程度の上乗せ。金融機関によっては上乗せ0円のところもあります。

ここで大事なのは、同じ「8大疾病保障」でも、支払われる条件がまったく違うことです。「その病気になったら残高ゼロ」なのか、「就業不能の状態が一定期間続いたら残高ゼロ」なのか、「毎月の返済額だけが保障される」のか——名前ではなく、支払い条件・免責期間・上限年齢を確認してください。

また、すでに入っている生命保険・医療保険と保障が重なることもあります。上乗せ金利を払って厚くするより、既存の保険を見直したほうが安く済む場合もあるので、両方を並べて考えるのがおすすめです。

⑤忘れがちな諸費用と、2026年からの住宅ローン減税

住宅ローンには、金利や手数料以外にもお金がかかります。代表的なのは次のとおりです。

  • 印紙税…金銭消費貸借契約書に貼る収入印紙。電子契約なら不要になる金融機関もあります(そのかわり電子契約手数料がかかる場合があります)。
  • 登記費用…抵当権設定の登録免許税と司法書士報酬。
  • 火災保険料…ほとんどの金融機関で加入が条件になります。
  • 物件検査手数料…フラット35など、住宅の技術基準の確認が必要な商品の場合。

一方で、負担を軽くしてくれる制度もあります。住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)は、令和8年度税制改正で5年間延長され、令和8年(2026年)1月1日から令和12年(2030年)12月31日までの入居が対象になりました(国土交通省)。あわせて次のような見直しが行われています。

  • 省エネ性能の高い既存(中古)住宅について、借入限度額の引き上げ・子育て世帯/若者夫婦世帯への上乗せ・控除期間13年への拡充
  • 床面積要件を新築・既存とも40㎡以上に緩和(合計所得金額1,000万円超の方、子育て世帯等の上乗せ措置を使う方は50㎡以上)
  • 建築確認が令和10年以降の省エネ基準不適合住宅は対象外(登記簿上の建築日が令和10年6月30日までは対象)

このほか、償還期間が10年以上であることなどの要件もあります。借入額や住宅の性能によって控除額が変わるため、詳しい適用条件は国土交通省・国税庁の公式ページで必ずご確認ください。

比較の進め方(3ステップ)

情報が多くて迷ったら、この順番で進めてみてください。

STEP1:条件をそろえて3〜4行に絞る
借入額・返済期間・金利タイプを同じにして、金利と手数料だけを並べます。この段階では細かい保障は気にしません。

STEP2:総額で計算し直す
「総返済額+保証料+事務手数料+登記など諸費用」で並べ替えます。ここで順位が入れ替わることがよくあります。

STEP3:事前審査を受けて、実際の金利を確認する
最優遇金利が適用されるとは限りません。複数行に事前審査を出して、実際に提示された条件で最終判断します。

よくある質問

Q. 結局、金利が低いところを選べばよいのではないですか?
A. 借入額が大きいほど金利の影響は大きくなりますが、定率型の事務手数料は借入額に比例して増えるため、金利差がわずかなら手数料で逆転することがあります。必ず総額で比べてください。

Q. 保証料は「一括払い」と「金利上乗せ」のどちらがよいですか?
A. 完済まで借り続ける前提なら一括払いが有利になりやすく、早期に完済・借換えする可能性があるなら金利上乗せが有利になることがあります(一括払いの保証料は繰上返済時に一部戻る扱いの金融機関もあります)。返済期間の見込みで決めましょう。

Q. 事前審査は何行くらい受けてよいですか?
A. 一般的には2〜3行程度が目安です。条件を比べる目的なら問題ありませんが、やみくもに何行も同時に申し込むのは避けたほうが無難です。本審査に進むのは1行に絞ります。

Q. ネット銀行と地元の金融機関、どちらがよいですか?
A. 金利や手数料の分かりやすさではネット系、対面で相談しながら進めたい・つなぎ融資など個別の事情に対応してほしい場合は地元の金融機関、という選び方が現実的です。どちらが正解ということはなく、手続きに不安が強い方は対面のメリットが大きくなります。

Q. 「団信が手厚い」金融機関を選んでおけば安心ですか?
A. 保障が厚いほど上乗せ金利も高くなります。既に加入している保険と重複していないか、支払い条件が自分の心配している状態に当てはまるかを確認してから決めてください。


住宅ローン選びは、「金利」→「保証料と手数料」→「繰上返済」→「団信」→「諸費用と減税」の順に見ていくと、迷子になりません。表示されている金利はあくまでスタート地点で、最後は事前審査で提示された条件が答えです。

金利・手数料・保障の内容、そして税制の要件は改定されることがあります。最新の情報は、必ず各金融機関および国土交通省・国税庁などの公式サイトでご確認ください。

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