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マイホーム購入に踏み切れない人へ|家族の将来像で動機を整理

「そろそろマイホームを」と思いながら、なかなか一歩を踏み出せない——。
これは、住宅ローンの相談でとても多いお悩みです。

今回は、以前ご相談を受けたYさんの事例をご紹介しながら、マイホームを購入する「動機」をどう固めていけばよいのかを一緒に考えていきます。

相談事例:客観的に見れば購入すべきだが、実感が沸いて来ない

「マイホームについては何となく考えていましたが、家を持つということが他人事のように感じられ、また自分が何千万円の借金をするということに対する漠然とした不安もあり、購入に向けて具体的な行動を起こしたことがありません。
でも、妻は購入に肯定的ですし、子供の事や自分の年令を考えると、そろそろ行動を起こさなければいけない時期かなとは思います。
購入へ向けて行動を起こせるよう踏ん切りを付けるにはどうすれば良いでしょうか。」

購入すべきかなと思っていながら、行動できないでいる事に悩んでいる様子でした。

Yさんの相談内容を整理すると、妻が購入に肯定(賛成)している、子供の事(生活環境)を整えたいと考えている、今の自分は購入適齢期と考えているなど、Yさん自身が客観的に見て購入すべきだろうと考えていることが伺えます。

それではなぜ二の足を踏んでいるのでしょうか?

相談内容の中で、マイホームなんて他人事、多額の借金を背負うのは不安、と話されており、買い物にしては大きすぎて実感が沸かないという本音が伺えます。

つまり、迷いの正体は「買うべきかどうか」ではなく、金額が大きすぎて自分ごとにならないことでした。ここを解きほぐすと、話が前に進みます。

住宅ローンも家賃も、同じ「住居費」と考えてみる

Yさんへの参考資料として、中古マンションを購入した場合の住宅ローンのシミュレーションをしてみたところ、1500万円の借入で、毎月の返済が約45000円となり、管理費・駐車場などのランニングコストが27000円ですから、毎月合計72000円の支出になります。

一方、当時アパート住まいだったYさんの家賃は74000円(家賃66000円+共益費2000円+駐車場6000円)で、居住開始から満4年でしたので、それまで払った家賃の合計額は約355万円になります。

Yさんは多額の借金を背負う不安を述べられていましたが、払い込んだ家賃の額も決して小さな金額ではありません。
しかも、その家賃はローンのような「いずれは終了する支払い」ではありません。

Yさんは、わかっていたとは言え、払った家賃の額に少々困惑されていました。

その時、奥様が「どうせ払うなら家賃じゃなくて、自分の家のために払った方がいいんじゃない?」とYさんに向かって言いました。

マイホームを購入することがすべて正しいわけではありませんが、大きな枠組みで捉えれば、住宅ローンも家賃も「住居費」です。
そして、同じ住居費として払うなら、自分の家のために払う方が「他人事」という感覚は払拭されるのではないかということを、Yさんの奥様の言葉から感じさせられました。

※上記のYさんの金額はご相談当時のもので、現在の金利水準・家賃相場とは異なります。考え方の例としてお読みください。

いまの金利水準だと、毎月いくら?

「では今ならどれくらいなの?」という点も見ておきましょう。

当編集部が2026年8月適用の各行公式金利を実測し、借入3,000万円・35年・元利均等(ボーナス返済なし・諸費用別)で試算したところ、変動金利の月々返済額は約83,900円〜約92,500円でした(金利が全期間変わらないと仮定した概算)。全期間固定の【フラット35】(融資率9割以下・21〜35年)なら、同じ条件で約120,400円です。

※当編集部調べ(2026年8月適用の各行公式表示金利に基づく当社試算。元利均等・ボーナス返済なし・諸費用別。変動金利は全期間一定と仮定した概算。事務手数料・保証料・団信上乗せは含みません)。

金額の幅があるのは、金融機関ごとに金利が違い、変動か固定かでも大きく変わるからです。まずは「自分の場合はいくらか」を、借入希望額と返済期間を決めて試算してみてください。数字が見えるだけで、「他人事」の感覚はかなり薄れます。

家賃と住宅ローン、それぞれの特徴を並べてみる

住居費として並べると、それぞれに違いがあることも見えてきます。どちらが正解ということではなく、自分の家族にとってどちらが合うかを考える材料にしてください。

比較の観点 賃貸(家賃) 持ち家(住宅ローン)
支払いの終わり 住み続ける限り続く 完済すれば終わる(維持費は続く)
住居費以外の負担 更新料など 固定資産税・修繕費・管理費や修繕積立金(マンション)
住み替えのしやすさ 比較的しやすい 売却や賃貸の手続きが必要
万一のときの備え 家賃の支払いは残る 団体信用生命保険に加入していれば、以後の返済が不要になる
間取り・設備の自由度 原則そのまま使う リフォームや間取り変更ができる

とくに見落としがちなのが団体信用生命保険(団信)です。契約者に万一のことがあった場合、保険金が住宅ローンの残債に充てられ、以後の返済が不要になる仕組みで、【フラット35】でも用意されています(健康上の理由などで加入しない場合も利用できます)。家族に住まいを残せるという意味では、住宅ローンは保障の側面も持っているわけです。

一方で、持ち家には固定資産税や修繕費といったローン以外の支出が続きます。「返済額=家賃」と単純に置き換えず、管理費・修繕積立金・駐車場代・税金まで含めた住居費で比べるのが公平な見方です。

家族の将来像を4つの質問で描いてみる

動機がぼんやりしているときは、金額の前に「どんな暮らしをしたいか」を言葉にしてみると整理が進みます。ご夫婦それぞれで書き出して、突き合わせてみてください。

1. 10年後、家族は何人で、子どもは何歳になっていますか?(部屋数・広さの目安が決まります)
2. どのエリアに住み続けたいですか?(通勤・通学・実家との距離・将来の親の介護)
3. いまの住まいで不便に感じていることは何ですか?(狭さ・音・収納・駐車場など、具体的に)
4. いつまでに返し終えたいですか?(完済したい年齢から逆算すると、借入期間が見えてきます)

とくに4つ目は重要です。住宅ローンは完済時の年齢に上限があり、多くの金融機関が完済時年齢を審査項目としています(国土交通省の令和7年度調査では、完済時年齢を審査項目とする機関が98.4%で最多)。「何歳までに返し終えたいか」から逆算すると、いつ動くべきかが自然に決まります。

まとめ:踏ん切りをつけるための「最初の一歩」

さて、現在のYさんはというと、ご相談の時点ではまだマイホームは購入していませんでした。でも、ようやく踏ん切りが付いたとのことで、本腰を入れて探し始めたところだそうです。

大きな決断ほど、いきなり結論を出そうとすると動けなくなります。次の順番で、小さく手を動かしてみてください。

1. いまの住居費を書き出す…家賃・共益費・駐車場代を合計し、これまでに払った総額も計算してみる
2. 家族の将来像を4つの質問で言葉にする…夫婦で見比べると、優先順位が見えてくる
3. 借入希望額と返済期間を決めて試算する…毎月の返済額が具体的な数字になる
4. 気になる金融機関の条件を確認する…変動と固定で毎月の負担がどれだけ違うかを比べる

なお、費用の見通しを立てやすい商品から検討するのもひとつの方法です。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、保証料と一部繰上返済手数料が0円で、融資事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型と分かりやすい仕組みになっています。【フラット35】も保証料・繰上返済手数料が不要で、返済額が最後まで変わらない安心感があります。

住宅ローンの金利や条件は改定されることがあります。最新の金利・手数料・商品内容は、必ず各金融機関や住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。まずは「自分の住居費を書き出す」ところから始めてみましょう。

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