HOME > すべての記事 > 新築一戸建て・マンションの購入 > 家賃から住宅ローンの予算を決める方法|身の丈家賃で逆算

家賃から住宅ローンの予算を決める方法|身の丈家賃で逆算

マンションや一戸建てを検索するときに、インターネットや広告などの相場に合わせる「受動検索」ではなく、自分のキャパシティを基準にした「能動検索」を、前回は推奨しました。

今回は「相場」の続編で、「返済額は何を基準にするべきか」ということについてお話して行きます。

物件情報を見る前にここを決めておくと、「気に入った家が予算オーバーだった」という遠回りをしなくて済みます。前回の記事を読んでいない方でも分かるように、計算のしかたも順を追ってご説明しますのでご安心ください。

現在の家賃は、自分の身の丈に合っているか?

数ヶ月に1回は家賃を滞納したり、家計が赤字になってしまったりする方は、その物件の家賃が身の丈を超えています。

「近隣の家賃は大体同じような金額だ」や「家賃が低いと、古かったり狭かったりする」などを理由に挙げる方もいるでしょう。

でも、無理な家賃で生活が困窮したり、滞納で信用を損ねるくらいなら、多少のことは妥協が必要です。
滞納や赤字が習慣化すれば、マイホームを購入しても住宅ローンを滞納する可能性は高く、健全な生活を送ることはできません。

毎月の家賃や生活費、返済や貯蓄を引いて、手元に家賃と同程度の金額が残れば、身の丈以内の家賃と言えるでしょう。

なお、滞納の有無は自分の記憶だけで判断せず、直近1年分の通帳やアプリの入出金を実際に見返すことをおすすめします。「なんとなく足りている」と「実際に残っている」は、意外とずれているものです。

「身の丈家賃」を基準にして「能動検索」

前回では、現在の家賃を目安とした「能動検索」のお話をしましたが、今回はさらに進めて「身の丈家賃で能動検索」を実行してみましょう。

やることは3ステップです。電卓とメモがあればできます。

①「身の丈家賃」を出す
月収 −(家賃 + 生活費 + ほかのローン返済 + 貯蓄)= 手残り
この手残りが、いまの家賃と同じくらい残っていれば、その家賃は身の丈の範囲内です。残らないなら、いまの家賃がすでに重いということになります。

②「毎月、返済に回せる額」に置き換える
ここが多くの方がつまずくところです。持ち家になると、返済のほかに固定資産税・都市計画税と、マンションなら管理費・修繕積立金がかかります。一戸建てでも、将来の外壁や屋根の修繕に備えた積立が必要です。
そのため、身の丈家賃をまるごと返済に充ててはいけません。身の丈家賃から、これらの月割り分を差し引いた額が「毎月、返済に回せる額」です。

③「借りられる額」と「物件価格」に換算する
②で出した毎月の返済額から借入額の目安を出します。ここは自分で計算しなくても、金融機関や住宅金融支援機構のローンシミュレーションに「毎月の返済額」を入れれば逆算してくれます。
そして、その借入額に頭金を足し、諸費用(物件価格の5〜10%程度が目安。中古住宅は仲介手数料がかかるぶん高くなりやすい)を差し引くと、狙うべき物件価格の目安=「自分の相場の価格」が見えてきます。

ここまでできれば、その価格帯を中心に検索を行い、気に入った物件をピックアップして、見学へと進めて行くことになります。

「身の丈家賃」→「自分の相場の価格」によって、最適なマイホームが選択できる

先に記載した身の丈家賃の条件として、「手元に家賃と同程度の金額が残る」と述べましたが、これは、将来の出費や収入減に備えるための、いわば「リスクマネジメント」に該当します。

子供の学費や進学、出産やそれに伴う妻の休職など、出費だけでなく一定の収入減も考慮しておかなければなりません。

そのため、実際に生活するうえでは、家賃(月々の返済)と同程度の金額が残るくらいで丁度良いのです。

理想的な資金計画としては、物件価格の20%の頭金を用意すべきとされていますが、現実にはなかなか貯まりません。
だからこそ、身の丈家賃と自分の相場価格が重要になってくる訳です。

頭金が少ない分、月々の返済を圧縮し、且つリスクにもしっかり対応できる購入計画を実行して行って下さい。

金融機関が見ている「上限」も知っておく

「身の丈家賃」は自分の実感から出す上限ですが、金融機関には金融機関の上限があります。両方を知っておくと、審査で慌てずに済みます。

代表的なのが「総返済負担率」という考え方です。年収に占める、年間の返済額の割合のことをいいます。全期間固定金利の【フラット35】では、この基準が次のように公表されています。

年収 総返済負担率の基準 注意したいこと
400万円未満 30%以下 住宅ローンだけでなく、自動車ローン・教育ローン・カードローン・クレジットカードの分割払いやリボ払いも合算して判定される
400万円以上 35%以下

つまり、車のローンやカードのリボ払いが残っていると、そのぶん住宅ローンで借りられる枠は小さくなります。マイホームを考え始めたら、まず他の借入れを整理しておくのが近道です。

そしてもうひとつ大事なのは、この基準はあくまで「ここまでなら貸せる」という上限であって、「ここまで返しても大丈夫」という意味ではないということ。年収400万円で35%なら年間140万円=月約11万6千円の返済まで通り得ますが、それが暮らしやすい金額かどうかは別の話です。だからこそ、身の丈家賃から入るのです。

なお【フラット35】の借入期間は、15年以上で「80歳-申込時の年齢」または35年のいずれか短い方が上限、申込時の年齢は満70歳未満とされています(2026年4月1日現在)。返済期間を延ばして月々を下げる作戦にも、年齢の天井があるということです。

同じ借入額でも、金利タイプで月々は大きく変わる

もうひとつ、予算を決める前に知っておいてほしいことがあります。借入額が同じでも、選ぶ金利タイプによって毎月の返済額はかなり変わるという事実です。

当編集部が2026年8月適用の各行公式金利を実測し、借入3,000万円・35年・元利均等・ボーナス返済なしの条件で試算すると、次のようになりました。

金利タイプ(2026年8月の実測金利) 毎月の返済額(当社試算) 備考
変動 年0.945%(三菱UFJ銀行) 83,918円 今回の実測でもっとも低い水準
変動 年0.990%(SBI新生銀行・SBIハイパー預金の優遇適用時) 84,545円 変動のなかでも低めの水準
全期間固定 年3.290%(フラット35 買取型・融資率9割以下) 120,364円 完済まで金利が変わらない

同じ3,000万円でも、毎月の負担は3万6千円ほど違います。「毎月8万5千円までなら返せる」という身の丈家賃だった場合、変動なら3,000万円が視野に入りますが、全期間固定では届きません。予算は「いくらの家か」だけでなく「どの金利タイプで組むか」とセットで決まるのです。

※この試算は当編集部が各行公式サイトで実測した2026年8月適用金利に基づくもので、銀行の公式シミュレーターの結果ではありません。金利のみの試算で、事務手数料・保証料・団信の上乗せ金利・登記等の諸費用は含みません。変動金利は原則として半年ごとに見直されるため、将来の返済額は変わり得ます。最新の金利・条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 車のローンが残っていても住宅ローンは組めますか?
組めますが、上で見たとおり総返済負担率には車のローンも含めて計算されます。そのぶん住宅ローンで借りられる額は小さくなります。完済のめどが立つなら、申込前に整理しておくと選択肢が広がります。

Q. 共働きです。世帯年収で考えてよいですか?
収入合算やペアローンを使えば、2人の収入をもとに借りることができます。ただしどちらかが働けなくなったときも返済は続きます。「2人が働き続けられる前提」でぎりぎりまで借りると、身の丈家賃の考え方から外れてしまいます。片働きになっても回るか、を必ず確認してください。なお【フラット35】で申し込めるのは、連帯債務者を含めて2名までとされています。

Q. ボーナス返済を使えば毎月の負担を下げられますか?
下げられます。【フラット35】では借入額の40%以内(1万円単位)でボーナス併用が可能です。ただしボーナスは会社の業績や転職で変わります。毎月分だけで回る計画を先に作り、ボーナス返済は「使うとしても控えめに」が安全です。

Q. 返済期間を長くすれば、たくさん借りられますか?
毎月の返済額は下がるため、借入額は増やせます。ただし利息を払う期間も延び、総額は増えます。また【フラット35】のように「80歳-申込時の年齢」で上限が決まるものもあり、完済時の年齢が退職後に食い込まないかも確認が必要です。

Q. 家賃と同じ返済額なら、生活は変わらないですよね?
残念ながら変わります。持ち家には固定資産税や修繕の備えが加わるためです。「家賃と同額の返済」ではなく「家賃と同額の住居費」で考えるのが、この記事でお伝えしたかったいちばんの要点です。

まとめ

物件探しは、つい「いくらの家が買えるか」から始めてしまいます。でも順番は逆です。①身の丈家賃を出す → ②持ち家のコストを引いて返済に回せる額にする → ③その額から物件価格を逆算する。この順番で進めれば、無理のない範囲で、いちばん納得できる1軒にたどり着けます。

そのうえで金融機関を選ぶときは、金利の低さだけでなく、事務手数料や保証料、団信の保障内容まで含めて総額で比べてみてください。金利・手数料・条件は改定されることがありますので、最新の内容は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

借入れ・借換えした後もお得♪

SBIマネープラザは、ドコモSMTBネット銀行とSBI新生銀行の住宅ローンを取り扱う銀行代理業者です。
ネット銀行の住宅ローンを、店頭やオンラインで専門スタッフに相談しながら申し込めます。

SBIマネープラザの住宅ローン相談はここが安心!

  • ネット銀行2行の住宅ローンをまとめて比較・相談できる
  • 審査や金利タイプの不安も専門スタッフが対面でサポート
  • 借り換えやペアローンもシミュレーションで具体的に提案

詳細&相談予約はこちら

新築一戸建て・マンションの購入関連記事