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現金一括と住宅ローン、住宅購入の総費用はいくら違う?最新金利で比較

マイホームを購入する方法には、現金一括で購入する方法と、住宅ローンで資金を借り入れて購入する方法の2つがあります。この2つの支払い方法では、取得する物件や契約内容にもよりますが、住宅購入に関わる総費用が大きく異なります。今回は、現金一括で購入する場合と住宅ローンを利用して購入する場合の総費用を、最新の金利水準で比較していきます。

現金一括と住宅ローンを利用する場合に係る費用

現金で一括で支払う場合と、住宅ローンを利用して金融機関から住宅購入資金を借り入れて購入する場合とでは、それぞれ負担する費用が異なります。
現金一括で住宅を購入する場合
現金一括で住宅を購入する場合は、基本的に住宅取得費用を用意するだけで住宅の購入は可能となります。 ただし、中古住宅などの場合は、物件購入を行うことを保証するために売り主に支払う「手付金」(最終的には代金に充当されます)や、売買契約が締結したときに不動産会社へ成功報酬として支払う「仲介手数料」、売買契約時に必要となる「印紙税」といった諸費用が発生します。 また、マンションなどの集合住宅であれば、共用部などの修繕を目的に積み立てる「修繕積立金」や、共用部の管理に必要となる「管理費」、「駐車場代」が必要になります。 その他、現金一括の場合は、こちらの記事でも解説したとおり、住宅ローン利用者向けの団体信用生命保険(団信)に加入できませんので、万一に備える保険を別途検討する場合はその保険料、そして火災保険料が必要になります。 さらに、国や自治体に支払う税金も必要です。不動産取得時に支払う「不動産取得税」のほか、不動産登記を行う際に必要となる「登録免許税」、そして「固定資産税」と「都市計画税」を毎年支払う必要があります。 固定資産税と都市計画税の詳細はこちらの記事、印紙税と不動産取得税、登録免許税についてはこちらの記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
住宅ローンを利用して購入する場合
住宅ローンを利用して住宅を購入する場合は、現金一括のように購入費の全額を用意する必要はありませんが、多くの場合「頭金」として一部を最初に支払います(頭金なし=フルローンで購入できるケースもあります)。そして、借入額を毎月返済していくとともに、返済時には金融機関へ「利息」の支払いが必要です。 そのほか、住宅ローンの契約時に必要となる「事務手数料」、金融機関によっては「保証料」や「団体信用生命保険料」、そして「火災保険料」が必要です(ネット銀行を中心に、保証料や団信保険料が0円の金融機関も増えています)。 中古住宅やマンションを購入する場合は、前述した現金一括購入時と同様の諸費用が発生します。また、各種税金についても同様に支払いが必要になります。

住宅購入時に購入に関わる総費用を比較

住宅を購入する際に必要となる、住宅購入関連の総費用を比較してみましょう。今回は、仲介手数料や保険料、税金など個々の事情によって異なる項目は除いた状態で解説しますので、あくまでも「支払い方法によって負担額がどれだけ変わるか」の目安にしてください。 例として、住宅購入費用3,000万円・頭金なし(全額借入)・返済期間35年のケースで考えていきます。住宅ローンは金融機関によって費用が異なりますが、ここではネット銀行で人気が高いドコモの銀行(WEB申込コース)を例にします。
現金一括で住宅を購入する場合
現金一括で購入する場合は、住宅購入時に支払う3,000万円が住宅購入に関わる費用のほぼすべてとなります(銀行振込を利用する場合の振込手数料などは別途かかります)。
住宅ローンを利用して購入する場合
3,000万円を借り入れる場合、まず借入額に対する利息の支払いが必要です。当編集部が2026年7月適用の各行公式金利を実測して試算したところ、ドコモの銀行(WEB申込コース)の変動金利は年0.950%で、元利均等・35年・ボーナス返済なしの場合、月々の返済額は83,988円、支払う利息の総額は約527万円となりました(※当編集部調べ。全期間金利が変わらないと仮定した概算で、実際の変動金利は半年ごとに見直されます。諸費用は含みません)。 加えて、住宅ローンの契約時には事務取扱手数料として借入金額の2.20%(税込)がかかります。借入額3,000万円なら66万円です。一方で、ドコモの銀行の場合は保証料が0円、団信(スゴ団信・基本プラン)の保険料上乗せも0円のため、これらの負担はありません(2026年7月時点。なお同行は2026年8月に「ドコモSMTBネット銀行」へ商号変更を実施しました)。 これらを合計すると、住宅ローンを利用して購入した場合の総費用は約3,593万円となり、現金一括との差は約590万円という計算になります。
現金一括3,000万円と住宅ローン利用約3,593万円の総費用比較グラフ
住宅ローン利用時は利息約527万円+事務手数料66万円を含む(保証料・団信上乗せ0円の住信SBIネット銀行の例)
ちなみに、諸費用の内訳は金融機関ごとに大きく異なります。たとえばSBI新生銀行も保証料0円・一部繰上返済手数料0円・一般団信の上乗せ0円で、諸費用の構成がシンプルなことで知られています。金利だけでなく、手数料・保証料・団信まで含めた「総費用」で比較することが大切です(各行の最新条件は公式サイトでご確認ください)。

住宅ローン控除を適用すると現金一括との差は小さくなる

住宅購入に係る総費用だけを見ると、確かにローンを利用したほうが利息や手数料の分だけ負担は大きくなります。しかし、住宅ローンを利用した場合は「住宅ローン控除(住宅ローン減税)」が使えるため、実際の差はこれより小さくなるのが一般的です。 住宅ローン控除は、年末時点の住宅ローン残高の0.7%を、所得税(引き切れない分は一部住民税)から控除できる制度です。控除期間は新築住宅・買取再販住宅で原則13年(中古住宅は原則10年ですが、2026年以降の入居では省エネ性能の高い住宅なら13年に拡充されました)。令和8年度税制改正で適用期限が5年延長され、2030年12月31日までに入居した場合まで利用できることが決まっています。 ただし注意点もあります。控除対象となる借入限度額は住宅の省エネ性能や世帯の状況(子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せ)によって異なり、省エネ基準を満たさない新築住宅は2026年入居分から控除の対象外です。仮に年末のローン残高が3,000万円・住宅が控除対象であれば、その年の控除額は最大で21万円(3,000万円×0.7%)となり、これが最長13年間続くと考えると負担軽減の効果はかなり大きいことがわかります。実際の控除額は残高の減少やご自身の納税額によって変わるため、詳しい条件は国土交通省・国税庁の最新情報でご確認ください。 なお、以前この記事でご紹介していた「すまい給付金」(消費税率引き上げ時の負担軽減策・最大50万円)は、すでに制度が終了し、申請受付も締め切られています。現在は利用できませんのでご注意ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 現金一括で買えるだけの資金があっても、あえて住宅ローンを使う意味はありますか? 利息や手数料はかかりますが、住宅ローン控除で税負担を軽減できるうえ、手元に現金を残せるため、教育費や病気などの急な出費に備えられるというメリットがあります。また、団体信用生命保険に加入すれば、万一のときにローン残高が保険で完済されるという保障面の効果もあります。どちらが得かは金利水準・控除の適用条件・ご家庭の資金状況で変わるため、総費用と安心感の両面から比べてみましょう。 Q2. 現金一括で購入した場合、住宅ローン控除は受けられませんか? 住宅ローン控除は借入残高に対する控除のため、現金一括購入では利用できません。ただし、認定住宅など一定の性能を満たす住宅を現金で取得した場合に使える「認定住宅新築等特別税額控除」など、別の税制優遇が使えるケースがあります。適用条件が細かいため、国税庁の情報や税務署・税理士への確認をおすすめします。 Q3. 頭金はどのくらい用意すればよいですか? かつては「物件価格の2割」とよく言われましたが、現在は頭金なしで借りられる金融機関も多くあります。ただし、頭金が少ないほど借入額が増えて利息負担も大きくなるほか、フラット35のように融資率(物件価格に対する借入額の割合)が9割を超えると金利が高くなる商品もあります。手元資金を残す安心感と利息負担のバランスで決めるのがよいでしょう。 住宅の買い方は「現金一括か、ローンか」の二択ではなく、頭金の額によってその中間の選択肢もたくさんあります。総費用・税制優遇・手元資金の3つの観点から、ご自身に合ったバランスを見つけてください。

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