- 公開日: 2026.08.18
- 売買契約のポイント
マイホーム購入手続きの流れと所要時間|休みはどれだけ要る?

購入するマイホームが決まれば、その後には契約や住宅ローンの手続き、引渡しなどさまざまなイベントが待っています。
そしてそれらのイベントでは、多くの書面の説明を受け、署名・押印、打合せなど思っていた以上の時間を要する事になりますので、当日の予定をしっかり立てておく必要があります。
「半日あれば終わるだろう」と軽く考えて予定を詰め込み、途中で焦ってしまう——これは初めての方が本当によくやってしまう失敗です。今回は、住宅購入イベントにおける「時間」と「休日」についてお話していきます。
まずは全体の流れと所要時間を頭に入れておきましょう
細かい話に入る前に、購入を決めてから鍵を受け取るまでの主なイベントを一覧にしておきます。これが分かっているだけで、休みの取り方の計画が立てやすくなります。
| イベント | おおよその所要時間 | 場所・注意点 |
|---|---|---|
| 購入申込み | 30分〜1時間程度 | 不動産会社。申込書の記入と条件の確認 |
| 重要事項説明・売買契約 | 1〜3時間、長ければそれ以上 | 不動産会社。担当者によって差が大きい |
| 住宅ローンの本申込み | 1〜2時間程度 | 金融機関。ネット完結の商品もある |
| 金銭消費貸借契約(金消契約) | 1時間程度 | 金融機関。電子契約に対応する銀行も増えている |
| 決済・引渡し | 1時間強 | 金融機関。原則として平日 |
※所要時間は目安です。物件の種類、金融機関、担当者によって変わります。
購入契約は営業マンによってかなりの所要時間が異なります
購入契約は、通常、不動産会社の事務所で行います。契約に先立って行われる重要事項説明は、宅地建物取引業法により、宅地建物取引士が書面を交付して説明することが義務づけられています。ここは省略できない、とても大切な手続きです。
そして、説明する人によって所要時間にかなりの開きが出ることがあります。
ある程度慣れた人であれば、1時間程度で説明を終えますが、慣れない人や説明好きな人にあたると3時間以上、さらに過去の事例を交えながら5時間以上も掛けて説明するスゴい人もいます。
どんな説明でどのくらいの時間が掛かるかは、事前に想定しにくいですので、念のため、仕事が休みの日にしっかりと時間を取っておく必要があります。
時間を短くするのではなく、理解を深めるための工夫を
長い説明を短くしてもらうことが目的ではありません。その場で初めて聞くから時間がかかり、しかも頭に入らないのです。おすすめは次の2つです。
- 重要事項説明書の案を、数日前にもらって目を通しておく……疑問点に付箋を貼っておけば、当日は確認作業で済みます。事前に渡すことを渋る会社であれば、その姿勢自体が判断材料になります。
- 聞きたいことをメモにして持参する……境界、管理費・修繕積立金、近隣の計画、設備の不具合など。その場で思い出すのは難しいものです。
住宅ローンの手続きは1回だけではありません
ひと言で住宅ローンの手続きと言っても、いくつかの段階があり、それぞれに一定の時間を要することになります。
最近は手続きの電子化が進み、金融機関に出向く回数はさらに少なくなりました。ネット銀行を中心に、申込みから契約まですべてオンラインで完結できる商品もあります。一方で、対面での相談を軸にする金融機関では、それでも最低2回は足を運ぶことになるでしょう。
①住宅ローンの本申込み(本審査)
すでに営業マンが仮申込み(事前審査)を済ませていますので、本人が金融機関に足を運ぶのはこれが初めてになります。ここでは、ローン内容の説明や指定の書類提出、本人確認などが行われ、1〜2時間程度を要すると思って下さい。
本申込みの結果が出るまでの期間は金融機関や申込内容によって幅があります。1週間程度で承認が下りることもあれば、書類の追加提出などでもう少しかかることもあります。引渡し日から逆算して、余裕を持った日程を組んでおきましょう。
②金銭消費貸借契約(金消契約)
本申込みが承認されると、次は金消契約(ローンを借りる契約)になります。ローン契約書の説明と記名・押印で1時間程度の時間を要します。
なお、金融機関によっては、この金消契約を引渡当日にローン実行(ローン資金を本人の口座に入金する事)の1時間位前に行うことも可能なところもあります。1日にまとめられれば、休みを取る回数を減らせます。
また近年は、金消契約を電子契約で締結できる金融機関が増えています。来店が不要になるだけでなく、紙の契約書と違って印紙税がかからないのも見逃せない利点です(国税庁の質疑応答事例では、契約書を電磁的記録に変換して電子メールで送信し、現物の交付がなされない場合には課税文書を作成したことにならない、とされています)。
引渡しでは、いろんな方が登場します
引渡しの手続きは、通常金融機関で行なわれます。
ここでは、まず司法書士による登記手続きに始まり、購入残代金や仲介手数料、登記費用などの支払い(振込みなどによる)、売主からの鍵・資料の引渡し、火災保険の契約などが行われます。
金融機関の担当者も含めいろんな方が登場するので、少々戸惑うかも知れませんが、営業マンや司法書士の先生がリードしてくれますので大丈夫でしょう。引渡しの所要時間は、約1時間強になります。
引渡し当日に忘れがちなこと
- 本人確認書類と実印・印鑑証明書……司法書士が登記に使います。事前に指示された書類をもう一度確認しておきましょう。
- 火災保険の手配……引渡し日から補償が始まるように、前もって契約しておく必要があります。当日になって慌てないよう、遅くとも数週間前には内容を決めておきたいところです。
- 引渡し前の現地確認……付帯設備の状態や、残置物がないかを引渡し前に見ておくと、後々のトラブルを防げます。
2022年5月から、書面の電子化とオンライン手続きが広がりました
この記事を最初に書いた頃と比べていちばん変わったのが、手続きのデジタル化です。
デジタル社会形成整備法にともなう改正が2022年(令和4年)5月18日から施行され、宅地建物取引業の分野では次のことが可能になりました(国土交通省)。
- 宅地建物取引士の押印が廃止されました(重要事項説明書・契約締結時書面)。
- 重要事項説明書、契約締結時(37条)書面、媒介契約締結時書面などを、電磁的方法で提供できるようになりました。
- IT重説(パソコンやタブレットの画面越しに重要事項説明を受けること)も広く行われています。
ただし、電子で受け取るには、あらかじめ相手方(買主)の承諾が必要とされています。つまり「紙で受け取りたい」という選択もできるということです。画面より紙のほうが読みやすい方は、遠慮なくその旨を伝えて構いません。
「平日に何度も休めない」という方は、契約前の段階で『IT重説と電子契約に対応していますか』と確認しておくと、その後の日程がぐっと組みやすくなります。
平日の休みをどう確保するか——段取りのコツ
金融機関に出向く(住宅ローンの手続き、引渡し)のは基本的に平日です。そうなると仕事を休む必要が出てくる事も考えられますので、事前に調整しておきましょう。
- 購入契約の前に、全イベントの想定日を営業マンと洗い出す(契約・本申込み・金消契約・引渡し)
- まとめられる手続きがないか聞く(金消契約と引渡しを同日にできるか、など)
- 引渡し日は月末や五十日(ごとおび)を避けられないか相談する……金融機関や司法書士が混み合い、待ち時間が延びやすい日があります
- 半休ではなく1日休むつもりで押さえる……とくに契約日は、延びても慌てずに済みます
- 共働きの場合は、二人そろって出席が必要な場面を先に確認する(ペアローンや連帯債務では、二人の日程調整が要ります)
よくある質問
Q. 売買契約から引渡しまで、全体でどのくらいかかりますか?
物件の種類や住宅ローンの審査状況によって幅があるため、一律には言えません。中古住宅で1か月前後、新築の分譲住宅では完成時期に合わせてもっと先になることもあります。大切なのは日数の平均を知ることではなく、自分のケースの日程を営業マンと具体的に確認しておくことです。
Q. 平日に休めないのですが、来店せずに進められますか?
商品によっては可能です。ネット銀行を中心に、申込みから契約までオンラインで完結できる住宅ローンがあります。不動産の手続きも、IT重説と書面の電子化に対応していれば来店を減らせます。ただし引渡し(決済)は金融機関の営業日に行われるのが基本ですので、ここだけは平日の時間確保が必要になることが多いと考えておきましょう。
Q. 事前審査(仮審査)と本審査は何が違うのですか?
事前審査は、年収や借入状況などの申告内容をもとに「およそ借りられそうか」を確認する段階です。本審査は、収入証明書や物件の資料を提出し、団体信用生命保険の加入審査も含めて正式に判断する段階です。事前審査が通っても本審査で条件が変わることはあり得ますので、事前審査の承認をもって「決定」とは考えないでおきましょう。なお、金融機関によっては事前審査を行わず本審査のみで完結するところもあります。
Q. 売買契約の日には何を持っていけばよいですか?
一般的には、本人確認書類、印鑑、手付金(振込か持参かは事前に確認)、印紙代、通帳などです。必要なものは会社や取引によって違いますので、必ず事前に一覧をもらってください。当日に不足があると、その場で手続きが止まってしまいます。
Q. 引渡し日が延びることはありますか?
あります。住宅ローンの審査に時間がかかった、必要書類がそろわなかった、といった理由で日程が動くことは珍しくありません。賃貸からの引越しを予定している方は、退去日を引渡し日ぎりぎりに設定しないほうが安全です。少し重なる期間を作っておくと、万一のときに慌てずに済みます。
まとめ
このように、それぞれのイベントで時間と休日に注意を払う必要がありますので、購入契約前に営業マンとしっかりスケジュール確認をしておく事をお勧めします。
- 売買契約は1日休むつもりで。重要事項説明書は事前にもらって読んでおく
- 住宅ローンは本申込み・金消契約・実行と段階がある。まとめられないか相談する
- 引渡しは原則平日。火災保険と必要書類は前もって準備しておく
- IT重説・書面の電子化・電子契約に対応しているかを早めに確認すると、休みの回数を減らせる
なお、手続きの負担は選ぶ住宅ローンによっても変わります。SBI新生銀行の住宅ローンは、店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているため、「わからないところは対面で聞き、手続きはネットで進める」という組み合わせがしやすいのが特徴です。保証料が0円、一般団信の保険料も上乗せ0円で、事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型と費用の内訳も分かりやすくなっています。最新の金利・手数料・手続きの流れは、必ず公式サイトでご確認ください。
段取りさえ分かってしまえば、あとは順番にこなしていくだけです。落ち着いて進めていきましょう。

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