- 公開日: 2026.07.24
- 売買契約のポイント
住宅完成保証制度とは?建築会社が倒産したときの備えをやさしく解説

注文住宅を建てるとき、多くの方が「早く我が家が完成してほしい」と心待ちにされます。しかし、ごくまれにではありますが、工事の途中で建築会社が倒産してしまうというリスクもゼロではありません。前回のこちらの記事でも触れたように、契約前には「住宅完成保証制度」の有無を確認しておくことが大切です。
この記事では、住宅完成保証制度のしくみを、はじめての方にもわかるようにやさしく解説します。

資材価格の高騰や人手不足を背景に、建設業の倒産は4年連続で増加し、2025年は12年ぶりに2,000件を超えました。
だからこそ、契約の前に「住宅完成保証制度に加入しているか」を確認しておくことが、とても重要になります。
住宅完成保証制度は、建築会社が「自社の倒産などで工事が続けられなくなったとき」に備えて加入し、発注者(施主)の損害を最小限に抑えるための制度です。
この制度に加入していれば、後で詳しく説明するように、払いすぎていた工事費の一部の保証・引き継ぎで増える工事費の保証・引き継ぎ先の建築会社のあっせんなどを受けられます。
ただし注意したいのは、すべての建築会社が加入しているわけではないという点です。加入は義務ではなく、また保証機関の審査に通った会社でないと加入できません。そのため、体力に不安のある中小の会社ほど利用のハードルが高く、制度が十分に普及しきれていないのが現状です。「大手だから大丈夫」と思い込まず、必ず確認しましょう。
住宅完成保証制度では、建築会社が倒産したときに考えられる3つのリスクに備えて保証を提供します。
加入の有無を確かめるいちばん確実な方法は、建築会社に直接たずねることです。工事請負契約を結ぶと、見積書や設計図書などとあわせて「住宅完成保証証書」が発行されるので、保証内容もあわせて確認しておきましょう。保証料は原則として建築会社が負担しますが、契約内容によっては別途請求される場合もあります。
住宅完成保証制度は、次のような機関が提供しています。名称や保証内容は変わることがあるため、最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。
工事中に建築会社が倒産する可能性はゼロではない
待ち望んでいたマイホームの工事が進むなか、突然、建築会社が倒産して工事が止まってしまう——そんなケースは実際に起きています。 倒産すると工事が中断するだけでなく、最悪の場合は会社そのものが清算され、住宅が完成しないまま終わってしまうことも考えられます。民事再生法や会社更生法を通じて事業が続けば工事が再開することもありますが、経営の混乱のなかで大幅な遅れは避けにくいのが実情です。さらに、すでに支払った着手金や中間金が返ってこないこともあり、マイホームのために貯めてきたお金が失われてしまう可能性もあります。 決して他人事とはいえません。東京商工リサーチによると、2025年の建設業の倒産は2,014件で、4年連続の増加となり、12年ぶりに2,000件を超えました。資材価格の高騰や人手不足が背景にあり、件数はここ数年で増加傾向にあります。
住宅完成保証制度とは(建築会社が加入する制度)
住宅完成保証制度は、建築会社が「自社の倒産などで工事が続けられなくなったとき」に備えて加入し、発注者(施主)の損害を最小限に抑えるための制度です。
この制度に加入していれば、後で詳しく説明するように、払いすぎていた工事費の一部の保証・引き継ぎで増える工事費の保証・引き継ぎ先の建築会社のあっせんなどを受けられます。
ただし注意したいのは、すべての建築会社が加入しているわけではないという点です。加入は義務ではなく、また保証機関の審査に通った会社でないと加入できません。そのため、体力に不安のある中小の会社ほど利用のハードルが高く、制度が十分に普及しきれていないのが現状です。「大手だから大丈夫」と思い込まず、必ず確認しましょう。
保証される3つの内容
住宅完成保証制度では、建築会社が倒産したときに考えられる3つのリスクに備えて保証を提供します。
1. 払いすぎた工事費(前払金)の保証
住宅の工事費は、着工前の「着手金」・中間期の「中間金」・引き渡し時の「竣工金」と、3回に分けて支払うのが一般的です。工事が中断した時点によっては、実際に進んだ工事の分よりも多くの費用を先に払っている(=払いすぎている)ことがあります。この払いすぎた前払金の損害を保証します。2. 引き継ぎで増える工事費(増嵩工事費)の保証
別の会社が工事を引き継ぐと、追加の工事費(増嵩工事費)が発生するのが一般的です。工事の状況を一から調べたり、足場を組み直したりと、初期段階と同じような作業が必要になるためです。 たとえば住宅あんしん保証の制度では、増嵩工事費は「請負金額の10%または200万円のいずれか高い金額」を限度に保証されます。保証される割合や上限は保証機関によって異なるため、契約前に保証書の内容を確認しておきましょう(保証限度額は請負金額の20〜30%程度が目安とされます)。3. 引き継ぎ先の建築会社のあっせん
倒産で工事が止まると、次に工事を引き継いでくれる会社を探さなければなりません。住宅完成保証制度では、工事を引き継ぐ建築会社のあっせん(紹介)も行ってくれます。工事中の建物は権利関係が複雑で、施主が自力で引き継ぎ先を探すのは大変ですが、制度に加入していれば保証機関がサポートしてくれます。保証機関と、加入の有無を確認する方法
加入の有無を確かめるいちばん確実な方法は、建築会社に直接たずねることです。工事請負契約を結ぶと、見積書や設計図書などとあわせて「住宅完成保証証書」が発行されるので、保証内容もあわせて確認しておきましょう。保証料は原則として建築会社が負担しますが、契約内容によっては別途請求される場合もあります。
住宅完成保証制度は、次のような機関が提供しています。名称や保証内容は変わることがあるため、最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。
| 提供機関 | 特徴 | 公式サイト |
|---|---|---|
| 住宅保証機構株式会社 | 増嵩工事費用や前払金の損失の一定割合を保証。引き継ぎ事業者のあっせんも | mamoris.jp |
| 株式会社住宅あんしん保証 | 前払金・増嵩工事費用を保証書記載の金額を限度に保証 | j-anshin.co.jp |
| スーモカウンター(リクルート) | スーモカウンター経由で成約すると「完成あんしん保証」を無料で提供 | suumocounter.jp |
建築会社がどの制度に加入しているかは、各機関のホームページや相談窓口でも確認できる場合があります。あわせてチェックしてみましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 住宅完成保証制度は、施主(自分)が申し込むのですか?
A. いいえ。この制度は建築会社が加入するもので、施主が直接申し込む制度ではありません。だからこそ、契約前に「加入しているかどうか」を建築会社に確認しておくことが大切です。
Q. 大手のハウスメーカーなら加入していなくても安心では?
A. 会社の規模だけで安心とは言い切れません。加入は義務ではないため、大手・中小にかかわらず、加入の有無と保証内容を必ず確認しましょう。
Q. 倒産したら、支払ったお金は全額戻ってきますか?
A. 全額が戻るとは限りません。保証されるのは払いすぎた前払金や増嵩工事費の一定割合(保証限度額の範囲)です。保証機関や契約内容によって上限が異なるため、保証書で範囲を確認しておきましょう。
まとめ
住宅完成保証制度は、工事中に建築会社が倒産しても、施主の損害を一定範囲で抑えてくれる心強い備えです。建設業の倒産が増えている今だからこそ、契約前に「加入しているか」「保証の範囲はどこまでか」を必ず確認しておきましょう。 注文住宅は、着工から完成まで資金計画も大切です。つなぎ融資や住宅ローンも早めに検討し、店舗相談とネット手続きの両方に対応するSBI新生銀行など、相談しやすい金融機関も含めて、無理のない資金計画を立てていきましょう。
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