- 公開日: 2026.08.17
- 住宅ローンの注意点
住宅ローン控除は何年間受けられる?期間と控除率をやさしく解説

自宅を新築された方や、これから住宅の購入を考えている方が必ず気にするのが「住宅ローン控除」です。ただ、いざ調べてみると「結局、何年間トクができるの?」「いつから数えるの?」というところでつまずいてしまう方がとても多いのです。
この記事では、住宅ローン控除を受けられる期間を中心に、そもそもどういうしくみなのかを、はじめて住宅ローンを借りる方にもわかるようにかみ砕いて説明します。
※本記事は2026年8月時点の制度にもとづいて書いています。住宅の税制は毎年見直されますので、実際に申告される際は国税庁・国土交通省の公式ページで最新の内容をご確認ください。

住宅の省エネ性能が高いほど借入限度額が大きくなります(通常世帯の場合)。
( )内は、子育て世帯(19歳未満の扶養親族がいる方)・若者夫婦世帯(40歳未満の配偶者がいる方など)の上乗せ額です。
中古住宅(既存住宅)を買う場合は、次のようになります。
もともと中古住宅の控除期間は10年間でしたが、2026年(令和8年)入居分から、省エネ性能を満たす中古住宅は13年間に延びました。中古を検討している方には見逃せない改正です。
なお、この制度が使えるのは2030年(令和12年)12月31日までに入居した場合までとされています(2026年8月時点)。
住宅ローン控除とは?「税金そのもの」から差し引かれるしくみ
住宅ローン控除(正式な名前は住宅借入金等特別控除といいます)とは、住宅を買うためにローンを借りている人が受けられる減税のことです。 ここで最初に押さえておきたい大事なポイントがあります。住宅ローン控除は「収入から差し引く」しくみではなく、計算し終わった所得税そのものから直接差し引く「税額控除」です。生命保険料控除などの「所得控除」とは性格がまったく違い、そのぶん減税の効き方が大きくなります。 具体的には、その年の年末時点のローン残高の0.7%が所得税から差し引かれます。所得税から引ききれなかった分は、翌年の住民税からも一部が差し引かれます(住民税から差し引ける額には上限があります)。 たとえば年末のローン残高が3,000万円なら、その年の控除額は3,000万円×0.7%=21万円が上限になる、というイメージです。残高は返済とともに減っていきますので、控除額も年々少しずつ小さくなっていきます。 ※控除率は以前は1%でしたが、2022年(令和4年)に入居した方から0.7%に変わりました。ネット上に残っている古い解説の「1%」という数字は、今は当てはまりません。控除を受けられる期間は?新築は原則13年間です
さて本題です。控除を受けられる期間は、ローンを完済するまでずっとではありません。住宅の種類と省エネ性能に応じて、13年間または10年間とあらかじめ決められています。 かつては「10年間」が基本でしたが、現在は新築住宅なら原則13年間です。ここも古い情報が残りやすいところなので、気をつけてください。 2026年(令和8年)1月1日以降に入居する場合の内容は、次のとおりです(新築・買ってすぐの未入居住宅の場合)。
| 住宅の区分(新築) | 借入限度額 | 控除期間 |
|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 (5,000万円) | 13年間 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 (4,500万円) | 13年間 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 (3,000万円) | 13年間 |
| 住宅の区分(中古) | 借入限度額 | 控除期間 |
|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 (4,500万円) | 13年間 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 (3,000万円) | 13年間 |
| 上記に当てはまらない住宅(その他住宅) | 2,000万円 | 10年間 |
いつから数えるの?「契約した年」ではなく「住み始めた年」から
ここも間違えやすいところです。控除期間はローン契約を結んだ年からではなく、実際にその家に住み始めた(入居した)年から数えます。 たとえば2026年12月にローンを契約して、引き渡しと入居が2027年1月になった場合、1年目は2027年分です。年末をまたぐタイミングで契約する方は、「どちらの年の分になるのか」を必ず確認しておきましょう。 また、引き渡しまたは工事完了から6か月以内に入居し、その年の12月31日まで住み続けていることも条件です。「買ったけれど当分は住まない」という場合は対象になりません。そもそも自分は対象?主な条件をやさしくチェック
元の記事では「金融機関からの借り入れであれば、ほぼ間違いなく対象」と書いていましたが、実際にはいくつか条件があります。主なものを挙げておきます。 ・自分が主に住むための家であること ・登記簿上の床面積が40㎡以上であること(合計所得金額が1,000万円を超える方や、子育て世帯等の上乗せを使う方は50㎡以上) ・その年の合計所得金額が2,000万円以下であること ・ローンの返済期間が10年以上であること ・お店などとの併用住宅なら、床面積の2分の1以上が住まいであること ・生計を一にする親族など、特別な関係のある人からの購入ではないこと(中古住宅の場合) 「返済期間10年以上」という条件があるため、短い期間で組んだローンや、繰上返済で残りの返済期間が10年未満になったローンは対象から外れます。ここは繰上返済を考えるときに意外と効いてくるポイントです。1年目は確定申告、2年目からは年末調整でOK
元の記事では年末調整の話から入っていましたが、正確には手続きが2段階に分かれます。 1年目は、会社員の方でもご自身で確定申告をする必要があります。登記事項証明書や売買契約書の写し、住宅ローンの年末残高証明書などをそろえて、住んだ年の翌年に税務署へ申告します。省エネ性能で区分が決まる住宅では、住宅省エネルギー性能証明書や建設住宅性能評価書など、性能を証明する書類も必要になります。これらは建てた会社や売主に依頼して用意してもらうものなので、契約のときに「住宅ローン控除に使う書類をお願いします」と伝えておくと慌てずに済みます。 2年目以降は、会社員の方なら年末調整で手続きできます。秋ごろに金融機関から届く残高証明書を勤め先に提出すれば大丈夫です。この書類は再発行に時間がかかることもありますので、届いたらなくさないよう保管しておきましょう。リフォーム(増改築)のローンも対象になります
住宅ローン控除の対象は、新築や中古の購入だけではありません。自宅の増改築やリフォームのために借りたローンも対象になります。 ただし、こちらにも要件があります。自分が所有して住んでいる家の工事であること、返済期間10年以上のローンであること、そして工事費用が100万円を超えること(補助金などを受けた場合は、その分を差し引いた金額で判断します)などです。工事の種類にも決まりがありますので、詳しくは国税庁のページで確認するか、施工会社に相談してみてください。控除が終わったあとの家計も、早めに考えておく
住宅ローン控除は永久に続くものではありません。だからこそ、控除が終わったあとの家計を早めにイメージしておくことが大切です。 新築住宅には、住宅ローン控除とは別に固定資産税の減額措置もあります。一戸建てなら新築から3年間、マンションなどなら5年間、建物部分の固定資産税が2分の1に減額されます(長期優良住宅なら一戸建て5年間・マンション等7年間)。この措置は2031年(令和13年)3月31日までに新築された住宅が対象とされています。 つまり多くのご家庭では、入居から3〜5年後に固定資産税が上がり、13年後には住宅ローン控除がなくなるという2段階の変化が待っています。教育費が増える時期と重なることも多いので、「毎月の返済額が払えるか」だけでなく、「控除がなくなっても続けられるか」という目線で借入額を決めておくと安心です。金利が上がってきた今は、「控除があるから」で借りすぎない
以前は「住宅ローンの金利より控除率のほうが高いので、繰上返済せずに借りておいたほうが得」といわれた時期がありました。控除率が1%で、金利が0.5%前後だった頃の話です。 しかし状況は変わっています。たとえば全期間固定の【フラット35】は、2026年8月の適用金利(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)で最も多い金利が年3.290%で、現行制度になった2017年10月以降でもっとも高い水準です(住宅金融支援機構の公表による。2026年8月時点)。控除率0.7%とは、もう単純に比べられる関係ではありません。 「控除があるから多めに借りても大丈夫」という発想は、いまの金利水準では通用しにくくなっています。控除はあくまで返済を助けてくれるおまけと考えて、借入額そのものを無理のない範囲に収めることを優先しましょう。金利は日々動きますので、最新の水準は各金融機関や住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。よくある質問
Q. 夫婦でペアローンを組んだ場合、控除はどうなりますか? それぞれが自分の借入分について住宅ローン控除を受けられます。ただし、床面積や所得の条件は一人ひとりで判定されますし、確定申告も各自で行う必要があります。 Q. 途中で転勤になって住まなくなったら、控除はどうなりますか? 原則としてその年から控除は受けられなくなります。ただし、単身赴任で家族が住み続けている場合や、所定の手続きをして戻ってきた場合には再び受けられる取扱いがあります。転勤が決まった時点で税務署に確認しておくと安心です。 Q. 控除の期間中に借り換えをしたら、控除は続きますか? 借り換え後のローンが「もとの住宅ローンを返すためのもの」であることなど、所定の要件を満たせば引き続き対象になります。ただし、控除期間そのものが延びるわけではありません(もとの入居年から数えた年数のままです)。また、借り換え後の返済期間が10年以上であることも必要です。 Q. 年の途中で入居した場合、1年目の控除額は月割りになりますか? 月割りにはなりません。判定するのはその年の年末時点のローン残高ですので、12月に入居した場合でも、その年から1年目としてカウントされます。 Q. 親から資金援助を受けた場合はどうなりますか? 住宅取得等資金の贈与税の非課税措置と住宅ローン控除は併用できますが、贈与を受けた分は住宅の取得対価から差し引いて計算します。申告の際に贈与税の申告書の写しなども必要になりますので、援助を受けることが決まった時点で流れを確認しておきましょう。まとめ:まずは「13年」と「入居した年から」を覚えておく
住宅ローン控除でつまずきやすいところを整理しておきます。 ・控除率は0.7%(1%ではありません) ・期間は新築なら原則13年間、中古は住宅の性能によって13年間または10年間 ・数え始めるのは入居した年から(契約した年ではありません) ・1年目は確定申告、2年目からは年末調整 ・返済期間10年以上、合計所得2,000万円以下などの条件がある 制度があること自体を知らずに申告し忘れてしまうのが、いちばんもったいないパターンです。手続きそのものに費用はかかりませんので、対象になりそうな方はぜひ活用してください。 そして、控除の有無以上に効いてくるのが、そもそもの金利と諸費用です。借入先を選ぶときは、金利だけでなく事務手数料や保証料、団体信用生命保険(団信)の内容までまとめて見比べてみてください。たとえばSBI新生銀行は、保証料が0円、一部繰上返済手数料も0円、一般団信の上乗せ金利も0円と、費用まわりがわかりやすく整理されています。店頭で相談することもオンラインで手続きすることもできるので、はじめての方にも検討しやすい選択肢のひとつです。条件や最新の金利は公式サイトで確認しておきましょう。
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