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中古マンションを自分好みにリフォーム|業者選びと資金の借り方

ここ数年、中古マンションを買って自分好みにつくり替える「リノベーション」が、すっかり住まい選びの定番になりました。立地の良い築20年以上の物件が新築同様に生まれ変わり、新築よりも手の届く価格で購入できることから、はじめてマイホームを持つ方の選択肢としても人気があります。

なかには、完成済みのリノベーション物件を買うのではなく、中古マンションを購入したうえで自らリフォーム業者を手配し、間取りや設備を一から自分好みに仕上げる方もいらっしゃいます。ここでは、その「オーダーメイド型」の進め方と、意外と見落とされがちなお金(住宅ローン)の組み立て方を、はじめての方にもわかるように整理していきます。

自分でリフォーム業者を手配するのって、面倒なのでは?

素人の方では、設備機器や部材などの商品知識や単価知識が乏しく、リフォーム業者をどうやって選別すれば良いか分からない方も多いでしょう。不動産会社に依頼するとマージンが発生してしまい、案外安くありません。

そこで、皆さんに業者発見の裏技を紹介します。
新築工事中の一戸建て現場で作業している職人に、リフォームの話をするのです。

リフォーム箇所が内装であれば、壁クロス職人や建具職人に、水回りであれば設備機器の設置業者に、「うちもこんな感じに仕上げたいけど、お宅に頼めないか?」と話すのです。

腕のよい職人さんに直接お願いできれば、中間マージンが乗らない分だけ費用を抑えられる可能性があります。ただし、はじめての方がこの方法を取るときは、次の点だけは必ず押さえておきましょう。

工事は必ず書面(請負契約書・見積書)で契約する。金額・工事範囲・工期・支払い時期を口約束で済ませない
・工事後の不具合対応(保証・アフターサービス)をどうするかを事前に確認しておく
・500万円以上の工事を請け負う業者には建設業許可が必要です。規模の大きな工事を頼むときは許可の有無も確認しておくと安心です
・現場の職人さんは元請け会社と契約して働いています。作業中の現場で長々と交渉するのは避け、連絡先を聞いて後日あらためて相談する形が無難です

「安く頼めるかどうか」だけでなく、困ったときに責任を持って対応してくれるかという視点で選ぶのが、結果的にいちばんの節約になります。

金額交渉は、複数の業者から相見積りを取って競争させる

設備機器や価格の知識が乏しいため、自分の希望を話してそれに合う商品を提案してもらうようにします。

さらに、それを複数の業者に依頼し、最も自分の希望に合った商品で各業者に見積りを依頼し、一番安く提示された見積額に対して再度他の業者に競争させるのです。

このとき、はじめての方が見落としやすいのが「見積書の中身がそろっているか」という点です。総額だけを見比べても、工事範囲が違えば安く見えて当たり前だからです。次の3つをそろえて比べると、公平な比較ができます。

工事範囲(どこまでやってくれるのか。既存設備の撤去・処分費、養生費、諸経費が含まれているか)
商品の型番・グレード(同じ「システムキッチン」でもメーカーとグレードで価格は大きく変わります)
「一式」表記の中身(数量と単価が書かれていない「◯◯工事 一式」が多い見積書は、内訳を出してもらいましょう)

また、値引き交渉は大切ですが、安さだけを追いかけて工事の質を落とさないことも同じくらい大切です。追加費用が発生する条件(解体してみて下地が傷んでいた場合など)も、あらかじめ確認しておくと後のトラブルを防げます。

リフォームする箇所は

マンションは外装や共用部分には手を付けられませんが、内部については、管理上の規約内であれば原則として自由にリフォームができます。

内部の工事を大きく分けると、内装や造作などの大工工事と、水回りの設備工事になります。

内装は、壁クロスやフローリングなどが一般的ですが、物件によっては部屋の広さや部屋数を変更することも可能です。
なかでもお勧めなのが、収納スペースの変更です。
押入れをクローゼットに変更したり、和室の一部と押入れを合体させ、納戸やウォークインクローゼットにしたりするのも良いでしょう。

一方、水回りでリフォームすべき箇所はやはりキッチンです。キッチンシンク・コンロ・換気扇フードの交換や、食洗器や浄水器などのビルトイン設備が代表的なものでしょう。

注意点としては、IHクッキングヒーターを設置する場合に電気の容量が足りない事が多く、容量アップさせるには、管理会社との協議が必要になります。どの道、リフォーム工事をする際には、事前に工事業者が管理人に工事内容を報告することになります。

なお、マンションで手を入れられない部分もあらかじめ知っておきましょう。玄関ドアの外側・サッシ(窓)・バルコニー・パイプスペース内の配管の一部などは共用部分にあたるため、原則として個人の判断では変更できません。また、フローリングの遮音等級(LL-45以上など)や工事の時間帯・曜日が管理規約で決められていることも多く、購入を決める前に管理規約とリフォーム細則を確認しておくのが、いちばんのつまずき防止になります。

中古マンション+リフォームの費用は、どうやって借りる?

オーダーメイドのリフォームでいちばん相談が多いのが、「物件のお金とリフォームのお金を、どう借りればいいのか」という点です。借り方は大きく3つあります。

借り方 特徴 気をつけたい点
住宅ローン(リフォーム一体型) 物件価格とリフォーム費用をまとめて1本の住宅ローンで借りる方法。返済期間を長くとれ、金利も住宅ローンの水準で借りられます。 取り扱っている金融機関が限られます。申込みの段階でリフォームの見積書や工事請負契約書が必要になるため、業者選びを前倒しで進める必要があります。
【フラット35】リノベ/中古プラス 中古住宅の購入とあわせて一定の要件を満たすリフォームを行う場合などに、全期間固定金利の【フラット35】の借入金利が一定期間引き下げられる制度です。 住宅金融支援機構の技術基準やリフォームの要件を満たす必要があります。引下げの幅や要件は見直されることがあるため、最新の内容は【フラット35】公式サイトでご確認ください
リフォームローン(無担保) 担保を付けずに工事費だけを借りる方法。手続きが比較的簡単で、実行までが早いのが利点です。 借入期間が短く、金利は住宅ローンより高めに設定されるのが一般的です。総返済額で比べてから選びましょう。

はじめての方には、まず「リフォーム費用も住宅ローンに含められないか」を最初に確認することをおすすめします。同じ金額を借りるのでも、返済期間と金利が違えば毎月の負担は大きく変わるからです。

ただし、一体型で借りる場合は段取りの順番が変わります。通常は「物件を決める→ローンを申し込む」ですが、一体型では「物件とリフォーム内容(見積り)を同時に固める→まとめて申し込む」流れになります。物件探しと並行してリフォーム業者を探し始めるくらいがちょうどよい、と覚えておいてください。

【フラット35】リノベには、自分でリフォームを行う「リフォーム一体タイプ」と、住宅事業者がリフォーム済みの中古住宅を買う「買取再販タイプ」があります。自分好みに仕上げたい方は前者ですが、取扱金融機関が限られる点には注意が必要です。

なお、金利のタイプや諸費用の考え方は金融機関ごとに差があります。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、保証料が0円、一部繰上返済手数料が0円(1円から何度でも可能)、一般団信の上乗せ0円で、融資事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型とシンプルに整理されています。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているので、はじめてで不安な方が費用の全体像を確かめながら比較する相手としても検討しやすい選択肢のひとつです。取扱いの詳細や最新の金利・条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

中古マンションでも住宅ローン控除は使えます

「中古だから住宅ローン控除(住宅ローン減税)は使えないのでは?」と心配される方がいますが、要件を満たせば中古マンションでも利用できます

かつては「耐火建築物は築25年以内」といった築年数の条件がありましたが、現在は「昭和57年(1982年)1月1日以後に建築された住宅」であれば新耐震基準に適合しているものとして扱われます(それ以前の建物でも、耐震基準適合証明書などで適合が証明できれば対象になります)。築年数だけであきらめる必要はありません。

さらに、令和8年度(2026年度)の税制改正により、住宅ローン控除の適用期限は入居日が2030年12月31日までに延長されました。省エネ性能を満たす中古住宅については控除期間や借入限度額の扱いも見直されています。控除額や要件は入居年・住宅の性能によって細かく分かれるため、最新の内容は国土交通省・国税庁の公式情報でご確認ください

リフォーム費用を住宅ローンに含めて借りた場合の取り扱いや、必要な証明書類も条件によって変わります。物件を決める前に、不動産会社や金融機関に「この物件・この借り方で控除は使えますか」と早めに確認しておくと安心です。

はじめての方がつまずきやすいポイント(Q&A)

Q. 中古マンションのリフォームで、工事費以外にかかるお金は?
A. 見落としやすいのは、既存設備の撤去・廃材の処分費、養生費、駐車場や搬入経路の使用料、住みながら工事できない場合の仮住まい費用と2回分の引越し代です。工事費だけで資金計画を立てると足が出やすいので、余裕を1〜2割みておくと安心です。

Q. 管理組合への手続きは自分でやるのですか?
A. 多くのマンションでは、工事前に管理組合や管理会社へ工事届(申請)を出し、承認を受ける必要があります。実務は工事業者が代行してくれることが多いのですが、提出先や必要書類、承認までにかかる日数は物件ごとに違います。工期に直結するので、契約前に「申請から着工まで何日かかるか」を確認しておきましょう。

Q. 職人さんに直接頼めば、いつでも安くなりますか?
A. 中間マージンが省ける分だけ安くなる可能性はありますが、複数の工種(大工・電気・設備・内装など)をまたぐ工事では、全体の段取りを誰が管理するのかが問題になります。工程管理まで自分で担うのは、はじめての方にはかなりの負担です。工事の規模が大きいときは、まとめて任せられる会社に依頼して相見積りで価格を比べるほうが、結果的に無難なことも多いです。

Q. リフォーム内容が決まっていないと、住宅ローンは申し込めませんか?
A. 物件だけを住宅ローンで購入し、リフォームは後から別のローンで、という進め方も可能です。ただし前述のとおり、一体型で借りたほうが金利・返済期間の面で有利になりやすいため、まずは一体型が使えるかを確認し、間に合わない場合に分ける、と考えるのがおすすめです。

Q. 買ったあとに「思っていた工事ができない」となることはありますか?
A. あります。よくあるのは、管理規約でフローリングへの変更が制限されている、水回りの位置を大きく動かせない(配管の勾配が取れない)、電気容量が足りない、といったケースです。購入申込みの前に、リフォーム業者に現地を見てもらうのが最も確実な予防策です。

まとめ:自分好みの住まいは、お金の段取りとセットで

確かに、リノベーション物件のような完成済みの物件を購入する方が、手間が掛からず楽に購入できるでしょう。
でも、大きな買物ですし、どうせなら自分の希望をできるだけ盛り込んだ方が、愛着が持てて、長く大事に住まうことができるはずです。

そのために大切なのは、「物件探し」「リフォームの中身」「お金の借り方」を別々に考えないことです。とくに費用をまとめて借りたい場合は、物件と工事の見積りをそろえるタイミングが鍵になります。

まずは、気になる物件の管理規約を確認しながら、リフォーム業者に相談し、同時に「リフォーム費用も含めて借りられる住宅ローンはどれか」を金融機関に聞いてみてください。この3つを並行して進められれば、はじめての方でも自分好みの住まいはぐっと現実的になります。

※税制・制度・各金融機関の商品内容は変更されることがあります。最新の取り扱い状況は必ず公式サイトでご確認ください。

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