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同じ物件ばかり紹介されるのはなぜ?提案力で不動産会社を選ぶ基準

一戸建てやマンションを探す手段は、折込チラシやポスティング、インターネット検索などさまざまです。ただ、物件を実際に見学したり資金計画を作ってもらったりする商談は、やはり不動産会社に出向くことになります。 そして、いざ相談してみると――「A社でもB社でも、ほとんど同じ物件を紹介された」。こんな経験をされる方はとても多いのです。じつはこれ、その会社の力不足というより、業界の仕組みそのものが「そうなるようにできている」からです。まずはその理由から見ていきましょう。

不動産会社は「レインズ」で情報を共有している

不動産会社(宅地建物取引業者)は、国土交通省の調査によると令和6年度末(2025年3月末)現在で132,291業者あります。かつては減少していた時期もありましたが、直近は11年連続で増加しており、まさに競争の激しい業界です。
宅地建物取引業者数が令和元年度末125,638から令和6年度末132,291へ増加していることを示す棒グラフ
令和6年度末(2025年3月末)時点で132,291業者。11年連続の増加となっています。
これだけの会社があるので、ひとつの物件を複数の会社が扱っているというケースも珍しくありません。 そしてもうひとつの理由が「レインズ(REINS)」の存在です。レインズは、宅地建物取引業法にもとづいて国土交通大臣から指定を受けた指定流通機構が運営する、不動産会社どうしの物件情報交換システムです。希望のエリア・価格帯などを入力すれば、該当する物件を検索できます。 売主から媒介(仲介)の依頼を受けた不動産会社は、専任媒介契約・専属専任媒介契約を結んだ場合、その物件をレインズに登録することが法律で義務づけられています。つまり、市場に出ている物件の多くは、どの不動産会社からでも見られる状態にあるのです。 だから、希望条件が同じなら、どこの不動産会社で探してもらっても似たような物件が出てくる――これが「同じ物件ばかり紹介される」正体です。

知っておきたい「囲い込み」と、2025年からのルール変更

一方で、以前から問題視されていたのが「囲い込み」です。これは、売主・買主の双方から仲介手数料を得ることを狙って、他社から問い合わせがあっても「商談中です」などと断り、物件を紹介しない行為を指します。買主にとっては、本来出会えたはずの物件に出会えなくなるという不利益があります。 これに対して国土交通省は、宅地建物取引業法施行規則などを改正し、2025年1月1日から、不動産会社にレインズへの「取引状況」の登録を義務づけました。あわせて、売主に交付される登録証明書に2次元コードを載せ、売主が自分の物件の取引状況をいつでも確認できる仕組みに改められています。登録内容が実際と異なる場合は、宅地建物取引業法にもとづく監督処分(指示処分)の対象になり得ます。 将来あなたが売る側に回ったときにも効いてくるルールですので、「レインズの登録証明書を受け取ったら、取引状況を自分で確認する」ことは覚えておいてください。

紹介される物件が同じなら、何を基準に不動産会社を選べばいい?

訪ねた不動産会社が誠実で相性のよい会社であれば、商談もスムーズに進むでしょう。でもそうでない場合は、また別の会社に出向くことになり、発見も収穫もない時間を過ごすことになります。 物件そのもので差がつきにくいのなら、差がつくのは「提案の幅」と「担当者の力量」です。 たとえば新築一戸建てを探している方がいるとします。条件どおりに検索するだけなら、どの会社でも代わり映えしません。そこに中古物件+リノベーション築浅の一戸建て、あるいは少し隣の駅まで範囲を広げるといった選択肢を示してくれる会社であれば、”当たり”と言えるでしょう。 顧客の要望だけを聞いて、会話力だけで何とかしようとする営業はもう古いのです。顧客の希望に既存の物件をどうマッチングさせるか、その「コンサルティング力」が、いま求められています。

見極めのチェックポイント

初めての方は「良い担当者かどうか」の判断がつきにくいものです。次の観点で見ると、比べやすくなります。
見るポイント頼れる担当者のサイン注意したいサイン
ヒアリング予算や条件の前に「なぜその条件なのか」を掘り下げてくれる希望を聞いてすぐ物件資料を出してくる
提案の幅新築・中古・リノベ・エリア変更など複数の道筋を示す自社が扱う物件しか出てこない
デメリットの説明物件の弱点や将来の修繕費まで先に話す良い点だけを並べ、急かす
資金の話諸費用込みの資金計画書を出し、複数の金融機関を比較させてくれる提携ローン1本に誘導して比較を嫌がる
レインズ・取引状況質問すれば取引状況や他社の扱いについて説明できる「うちだけの物件です」を強調して確認させない
資格・体制宅地建物取引士の資格や、引き渡し後の相談体制が明確担当者が誰なのかはっきりしない

顧客の”あいまいな”希望を明確にしてくれる営業マンは頼れます

マイホーム購入が初めてという方にありがちなのが、「価格も場所も理想が大きい」「希望が具体的でない」という状態です。 コンサルティング力のある営業担当者であれば、しっかりヒアリングしたうえで真の希望(目的)を聞き出し、その希望を叶えてくれる物件(手段)を探すという手順を踏んでいきます。 そして、顧客側もその過程を見ていますから、マイホームに対する自分の希望をより強く意識するようになり、「新築でなければ」「このエリアでなければ」といった固定観念から解放されることにもつながります。 不動産会社や営業担当者を選ぶ基準とは、世にあふれる物件のなかから、お客さまの希望するライフスタイルに近づける「提案」ができるかどうかに掛かっていると言えるのではないでしょうか。

よくある質問

Q. 何社くらい回ればいいですか?

決まりはありませんが、2〜3社は比べてみると、担当者による提案の差がはっきり見えてきます。物件はどこでも似ていても、提案の内容は驚くほど違います。

Q. 「うちにしかない物件です」と言われました。本当ですか?

売主から直接依頼を受けた直後などは、実際にその会社だけが扱っている期間もあります。ただし専任媒介・専属専任媒介ならレインズへの登録義務があるため、ずっと1社だけということは基本的にありません。気になったら、その場で「レインズには登録済みですか」と尋ねてみましょう。

Q. 住宅ローンは、不動産会社に紹介された銀行で借りるべきですか?

提携ローンは手続きがスムーズという利点がありますが、条件が最も良いとは限りません。金利だけでなく保証料・事務手数料・団信まで含めて比べてください。たとえばSBI新生銀行のように保証料や一部繰上返済手数料が0円で費用の内訳が分かりやすい商品を1つ持っておくと、提携ローンの条件が妥当かどうかを判断しやすくなります。

Q. 担当者と合わないと感じたら、変えてもらえますか?

会社に伝えれば担当替えに応じてもらえることもあります。人生でいちばん大きな買い物ですから、遠慮する必要はありません。合わないまま進めるほうが、後悔につながります。

まとめ

  • 物件情報はレインズで共有されているため、どの会社でも似た物件が出てくるのが普通
  • 2025年1月から取引状況の登録が義務化され、「囲い込み」への規制が強まった
  • 差がつくのは物件ではなく提案の幅と担当者の力量
  • 資金面は不動産会社任せにせず、住宅ローンは自分でも複数比較する
同じ物件ばかり紹介されるのは、あなたの探し方が悪いからではありません。だからこそ「誰と一緒に探すか」で結果が変わります。気になる会社を何社か訪ねて、いちばん自分たちの希望を言語化してくれる担当者を見つけてください。

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