- 公開日: 2026.07.15
- 住宅ローンガイド
リフォームで住宅ローン控除は使える?条件と工事別の減税をやさしく解説

長く住んできた家をリフォームするとき、「工事費を借りるなら、住宅ローン控除は使えるの?」と気になる方は多いはずです。
結論からお伝えすると、リフォーム(増改築等)でも、条件を満たせば住宅ローン控除は使えます。ただし、新築で家を買うときとは条件も控除額も違います。さらに、ローンを組まなくても使える工事の種類ごとの減税もあり、どちらか有利なほうを選ぶ形になります。
この記事では、リフォームで住宅ローン控除を使うための条件と、工事別の減税との使い分けを、初めての方にもわかるように整理します。
リフォームでも住宅ローン控除は使える(控除率0.7%・10年)
これまで住んできた住宅をリフォームする場合でも、金融機関から工事費用を借り入れ、一定の条件を満たせば住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を利用できます。
国税庁のタックスアンサー(No.1211-4)にも、住宅ローン等を利用して「マイホームの新築、取得または増改築等」をした場合が対象と明記されています。
住宅ローン控除とは、こちらの記事でも解説しているとおり、年末のローン残高に応じた金額が、その年の所得税(引ききれない分は住民税の一部)から差し引かれる制度です。
ここで大切な訂正があります。かつては「控除率1%・年間最大40万円・10年間で最大400万円」でしたが、制度は改正され、現在の控除率は0.7%です。リフォーム(増改築等)の場合、国税庁が示している内容は次のとおりです。
- 控除期間は10年間
- 各年の控除額は「年末ローン残高等×0.7%」(各年の控除限度額は14万円)
- 年末残高等は、増改築等の工事費用の額とローン残高のうち少ないほうの金額が基準になります
つまり、リフォームでの住宅ローン控除は1年あたり最大14万円、10年間で最大140万円という規模感になります(実際の控除額はローン残高や納めた所得税額によって変わります)。
なお住宅ローン減税は、令和8年度税制改正により適用期限が5年延長され、2026年(令和8年)1月1日から2030年(令和12年)12月31日までに入居した場合も対象となりました。入居する年によって借入限度額などの詳細が変わるため、最新の数値は必ず国税庁・国土交通省の公式サイトでご確認ください。
住宅ローン控除の対象になるリフォーム工事の条件

対象となる工事(次のいずれかに当てはまること)
- 増築・改築、建築基準法に規定する大規模の修繕・大規模の模様替えの工事
- マンションなど区分所有建物で、区分所有する部分の床・階段・壁の過半について行う一定の修繕・模様替え
- 居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関、廊下のいずれか一室の床または壁の全部について行う修繕・模様替え
- 建築基準法施行令の構造強度等の規定、または地震に対する安全性の基準に適合させるための一定の修繕・模様替え
- 一定のバリアフリー改修工事
- 一定の省エネ改修工事
満たす必要のある要件
- 自分が所有し、自分が住んでいる家のリフォームであること
- リフォームの日から6か月以内に入居し、その年の12月31日まで引き続き住んでいること
- 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること(かつての3,000万円以下から引き下げられています)
- 増改築等をした後の住宅の床面積が50㎡以上で、その2分の1以上が自分の居住用であること
- 返済期間が10年以上のローンであること
- 工事費用が100万円を超え、その2分の1以上が自分の居住用部分の工事であること(補助金等を受けた場合はその額を差し引いて判定)
工事の種類だけを見ると、多くのリフォームが対象に入りそうに見えます。しかし「返済期間10年以上のローンを組むこと」「工事費が100万円超」という条件があるため、小規模な工事や短期の返済では使えない点に注意してください。
借入期間10年以上=大規模なリフォーム向き

以上を踏まえると、リフォームで住宅ローン控除が向いているのは、10年以上かけて返済する規模の、まとまった工事を行うケースです。建物の増築、家全体の改修、耐震補強を含む大規模改修などが該当します。
逆に、「工事は一部だけ」「数年で返し終える」「そもそもローンを組まず自己資金で払う」という場合は、住宅ローン控除ではなく工事の種類ごとの減税を検討したほうが有利になることがあります。
ローンがなくても使える「工事別の減税」との選び方
バリアフリー・省エネ・耐震・多世帯同居・子育て対応といった特定の工事には、住宅ローンを組まなくても使える減税(住宅特定改修特別税額控除など。いわゆるリフォーム促進税制)があります。
ここで、以前このサイトでご案内していた「控除率2%・5年間・最大250万円」というローン型のリフォーム減税は、現在は利用できません(令和4年以降にローンを利用して特定の増改築等を行った場合、旧・特定増改築等住宅借入金等特別控除は適用できないとされています)。古い情報のまま検討しないようご注意ください。
現行の工事別減税は、たとえばバリアフリー改修工事の場合、次のような仕組みです(国税庁 No.1220)。
- 住宅ローンを利用していなくても適用できる
- 控除はその年の1年分(住宅ローン控除のように10年間続くものではありません)
- 控除額は「対象工事の標準的な費用の額×10%」+「併せて行った一定の工事などの費用×5%」
- バリアフリー改修の控除対象限度額は200万円(令和4年1月1日以後に居住した場合)
- 対象工事の標準的な費用の額が50万円超であること、合計所得金額2,000万円以下、床面積50㎡以上などの要件あり
2つの制度の違い(早見表)
| 比較の観点 | 住宅ローン控除(増改築等) | 工事別の減税(リフォーム促進税制) |
|---|---|---|
| ローンの要否 | 返済期間10年以上のローンが必要 | ローンがなくても使える(自己資金でも可) |
| 控除期間 | 10年間 | その年の1年分 |
| 控除の計算 | 年末ローン残高等×0.7%(各年の限度額14万円) | 対象工事の標準的な費用×10%+その他工事×5%(工事ごとに限度額あり) |
| 工事費の条件 | 100万円超 | 工事の種類ごとに設定(例:バリアフリーは50万円超) |
| 向いているケース | 大規模改修を長期ローンで行う | 特定の改修を自己資金や短期資金で行う |
この2つは、両方を同時に受けることはできず、いずれか1つを選ぶ「選択適用」です。しかも、いったん選んで確定申告をすると後から選び替えることはできません。工事費・借入額・返済期間・納めている所得税額によって有利・不利が変わりますので、着工前に、リフォーム会社や税務署・税理士に「どちらが有利か」を確認しておくことを強くおすすめします。
工事の種類ごとの減税については、こちらの記事でも取り上げていますが、制度は改正が重ねられているため、必ず国税庁・国土交通省の最新情報とあわせてご確認ください。
手続きの流れと必要書類
- 着工前…リフォーム会社に、対象工事に当たるか、「増改築等工事証明書」を発行してもらえるかを確認します(これがないと控除を受けられません)。
- 工事・引渡し…完了から6か月以内に入居(居住)します。
- 1年目:確定申告…「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」、金融機関の「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」、登記事項証明書(不動産番号の記載で添付省略可)、工事請負契約書の写し、増改築等工事証明書などを添えて提出します。
- 2年目以降…会社員の方は年末調整で手続きできます。
補助金を受け取った場合は、その額を工事費から差し引いて計算します。国や自治体の補助金・助成金を使う予定がある方は、控除額が変わる点も頭に入れておきましょう。
よくある質問
Q. リフォームローン(無担保)でも住宅ローン控除は使えますか?
金融機関等からの借入金で返済期間が10年以上であることなどの要件を満たせば対象になり得ます。ただし、リフォームローンは返済期間が10年未満の商品も多く、その場合は要件を満たしません。借りる前に「返済期間10年以上か」を必ず確認してください。なお、親族・知人からの借入金は対象外です。
Q. 中古住宅を買って、すぐにリフォームする場合はどうなりますか?
住宅の取得とリフォームを合わせて借り入れる形になることが多く、取扱いが個別に変わります。中古住宅の取得に係る控除の要件(築年数・耐震基準など)も関わってきますので、購入前に税務署または税理士に確認するのが安全です。
Q. 工事費が100万円ちょうどの場合は対象になりますか?
いいえ。要件は「100万円を超える」ことです(補助金等を受ける場合は、その額を差し引いた後の金額で判定します)。ぎりぎりのラインになりそうなときは、補助金の有無も含めて事前に確認しましょう。
Q. 二世帯住宅にする工事も対象になりますか?
多世帯同居のための改修工事は、工事別の減税(住宅特定改修特別税額控除)の対象になり得ます。住宅ローン控除の対象工事(増築・大規模の修繕等)に当たる場合は、どちらを選ぶかの検討が必要です。工事内容によって判断が分かれますので、増改築等工事証明書を発行する建築士等に確認してください。
まとめ
リフォームでも住宅ローン控除は使えますが、ポイントは3つです。
- 控除率は0.7%・控除期間10年・各年の控除限度額14万円(かつての1%・40万円ではありません)
- 返済期間10年以上のローン・工事費100万円超が必要=大規模リフォーム向き
- 小規模・自己資金なら工事別の減税という道があり、両者は選択適用(併用不可・選び替え不可)
リフォーム資金を借りるときは、金利だけでなく返済期間・事務手数料・団信の有無まで含めて比べてみてください。住宅ローンの借り換えとリフォーム資金をまとめて借りられる商品を扱う金融機関もあります。SBI新生銀行のように、保証料や一部繰上返済手数料が0円で、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応している銀行もありますので、費用と手続きのしやすさを含めて複数の金融機関を同じ条件で比較して選ぶとよいでしょう(取扱商品・条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください)。
※本記事の内容は2026年7月時点の公表情報にもとづく一般的な説明です。適用の可否・控除額は個別の事情によって変わります。詳しくは国税庁の公式サイトを確認のうえ、所轄の税務署または税理士にご相談ください。

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