- 公開日: 2026.08.31
- 借り換えの方へ
住宅ローンの借り換えにメリットがある人は?目安と諸費用をやさしく解説

住宅ローンは30年前後という長い時間をかけて返していく借り入れですが、返済の途中で「借り換え」をする方がいます。借り換えにはメリットがあるとよく聞きますが、それは誰にでも当てはまることなのでしょうか?
借り換えで得られるメリットと、どんな場合にメリットが出やすいのか。そして初めての方が見落としがちな「諸費用」まで、順番にかみくだいて整理しました。
では、借り換えをして本当に誰にでもメリットがあるのでしょうか?
実は、全ての人が得になるというわけではありません。
ある条件に合う人が得になります。

事務手数料は借入額×2.20%(税込)の定率型、登録免許税は債権額×0.4%、印紙税は契約金額1,000万円超5,000万円以下の場合で計算した目安です。このほかに司法書士報酬や、今のローンの抵当権抹消費用がかかります。金額は金融機関や契約方法によって変わります。
主な内訳は次のとおりです。
抵当権設定の登録免許税は債権額×0.4%です。家を新築・購入するときの借り入れには軽減措置がありますが、借り換えでの設定は原則として対象外とされています。実際の取り扱いは法務局や依頼する司法書士にご確認ください。
印紙税は国税庁の一覧表で決まっており、金銭消費貸借契約書の場合、契約金額1,000万円超5,000万円以下で2万円、5,000万円超1億円以下で6万円です(令和8年4月1日現在の法令)。紙の契約書ではなく電子契約であれば印紙税はかかりませんが、そのかわりに電子契約利用手数料を設けている銀行もあります。
つまり、「金利がいくら下がるか」ではなく「諸費用を払ってもなお総返済額が減るか」で判断するのが正解です。諸費用より利息の削減額が大きければ、その借り換えには意味がある、というシンプルな考え方で大丈夫です。
諸費用は銀行によってかなり違います。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは保証料・保証事務手数料と団体信用生命保険料が0円で、事務手数料は借入金額×2.20%(税込)という形です。電子契約を選べば印紙税は不要で、そのかわり電子契約利用手数料5,500円(税込)がかかります(同行公式サイト・2025年11月17日現在の記載)。金利だけでなく「諸費用の合計」も並べて比べると、見え方が変わってくることがあります。
借り換えをするほとんどの理由は金利
借り換えというのは、今まで借りていたローンを別の新しい住宅ローンを組んですべて返済してしまい、その新しいローンの方を返済していく事を言います。 新しく借り換える理由としては、現在のローンの金利が高いので金利が安いローンに借り換えるというのが圧倒的に多いでしょう。 デメリットがあれば、借り換えを行う人はいないですね。 メリットがあるからこそ借り換えるのです。 金利が今までより低くなれば、総返済額が減少したり、月々返済していく金額が少なくなったりします。 理由は金利だけとは限りません。たとえば団体信用生命保険(団信)の保障を手厚くしたい、毎月の返済額を下げたいので返済期間を見直したいといった動機で借り換えを検討する方もいます。まずは「自分は何を良くしたいのか」をはっきりさせておくと、比べるときの軸がぶれません。 なお、住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」(株式会社MFS)の集計によると、借り換えを検討している人が現在返済中の金利は2026年7月時点の平均で年1.550%で、7か月連続の上昇となり集計開始以来の最高水準を更新しました。同社の集計では変動金利で返済している人の47.3%が「固定金利への切り替え」を検討しているとされています。ただしこれは「借り換えを検討している人」という限られた集団の数字で、住宅ローンを借りている人全体の平均ではありません。あくまで「そういう動きがある」という参考として見て、まずはご自身が実際に払っている金利を返済予定表や銀行のマイページで確かめるところから始めましょう。借り換えは、本当に誰にでもメリットはあるのか?
では、借り換えをして本当に誰にでもメリットがあるのでしょうか?
実は、全ての人が得になるというわけではありません。
ある条件に合う人が得になります。
- 返済期間があと10年以上残っている事
- ローンがあと1,000万円以上残っている事
- 金利が現在のローンより1%以上低い事
見落としがちな「借り換えの諸費用」を先に知っておく
借り換えでいちばん見落とされやすいのが、借り換えそのものにお金がかかるという点です。新しいローンを組み直す手続きなので、家を買ったときと同じような費用がもう一度発生します。
| かかる費用 | 目安(借入残高3,000万円の場合) | ここを見ておきたい |
|---|---|---|
| 事務手数料 | 定率型なら約66万円(借入額×2.20%〈税込〉)/定額型は数万円〜数十万円 | 金融機関ごとに「定率型」「定額型」があり、差が大きい項目です |
| 保証料 | 0円の場合もあれば、別途かかる場合も | 保証会社を使わない銀行では不要です |
| 抵当権設定の登録免許税 | 12万円(債権額×0.4%) | 新しい銀行の抵当権を設定するための税金です |
| 司法書士報酬 | 数万円程度 | 抵当権の設定・抹消の手続きを依頼する費用です |
| 印紙税 | 2万円(契約金額1,000万円超5,000万円以下) | 電子契約なら不要ですが、別途利用手数料がかかる銀行もあります |
| 今のローンの抵当権抹消 | 登録免許税と司法書士報酬で数万円程度 | 元の銀行の抵当権を消す手続きにも費用がかかります |
借換えの審査は新規借り入れとは少し違う
借り換えをした方がお得だとわかり、いざ新しい金融機関で申し込もうとしたら審査に落ちるということはあります。今の住宅ローンの審査に通ったのだから大丈夫だろうと思っても、そうはいきません。 基本的に審査の項目は特に変わりはありません。ただ、新規で借りたときとは前提が変わっている点に注意が必要です。 最初の借り入れの時より年齢は高くなっていますし、これまでの住宅ローンの返済実績や、信用情報に記録された他の借り入れの状況も見られます。返済の遅延があった、カードローンや自動車ローンが増えた、転職して勤続年数が短くなった——こうした変化があると、以前より慎重に見られることがあります。 また、借り換えでは物件の担保としての価値も改めて確認されます。審査の具体的な基準は金融機関ごとに異なり、公表されていません。気になる場合は、申し込み前に借り換え先の金融機関へ直接たずねてみるのがいちばん確実です。 将来借り換えをしたいと考えている方は、返済の遅延や滞納などをしないようにしましょう。また、他のローンや借り入れが増えると返済負担率も高くなって審査に落ちやすくなるため、注意が必要です。借り換えを考えたときの進め方(4ステップ)
「なんとなく気になっている」段階から先に進むための手順を、4つに分けて整理します。 ステップ1:いま借りているローンの中身を確認する 返済予定表(償還予定表)や銀行のマイページを開き、適用金利・残高・残りの返済期間・金利タイプの4つを書き出します。ここが分からないままでは比較のしようがありません。当初固定期間が終わって変動金利に移っている、というケースも意外と多いので確認しましょう。 ステップ2:借り換え先の候補を2〜3行えらぶ 金利だけで並べず、事務手数料の方式(定率か定額か)・保証料の有無・団信の内容もセットで見ます。金利は毎月見直されるため、最新の適用金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください。 ステップ3:シミュレーションで「諸費用込み」の差を出す 多くの金融機関が借り換えシミュレーションを用意しています。総返済額の差額だけを見て喜ばず、そこから諸費用を引いた金額がプラスかどうかを必ず確かめてください。 ステップ4:審査を申し込み、必要書類をそろえる 本人確認書類、収入を証明する書類、今のローンの返済予定表、物件の資料などが必要になります。必要書類は金融機関ごとに違うので、申込先の案内に従って準備しましょう。はじめての方が迷いやすいポイント(Q&A)
Q. 借り換えると住宅ローン控除は使えなくなりますか? 一定の要件を満たせば、借り換え後のローンでも引き続き住宅ローン控除を受けられます。国税庁は、①新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかであること、②新しいローンが償還期間10年以上であることなど控除の対象となる要件に当てはまること、という2つを挙げています。ただし控除を受けられる年数が借り換えによって延びることはありません。また、借り換え後の借入額が元の残高より大きい場合は、控除の対象となる年末残高が按分して計算されます。 Q. 諸費用のぶんも一緒に借りられますか? 諸費用を借り換え金額に含められる金融機関もあります。ただし借入額が増えるぶん、その後の返済負担も増える点は理解しておきましょう。 Q. 返済期間は延ばせますか? 借り換えでは元のローンの返済期間が基準となり、期間は延ばせないのが一般的です。ただし、SBI新生銀行のように借り換え時に元のローンより長い返済期間を選べる金融機関もあります。毎月の負担を軽くしたい方は選択肢になりますが、期間が延びれば利息を払う期間も延びるため、総返済額は増える可能性があります。 Q. 今の銀行のまま金利を下げてもらうことはできませんか? 金融機関によっては金利の見直し(条件変更)に応じる場合があります。手数料が借り換えより安く済むこともあるため、まずは今の銀行に相談してみるのも一つの手です。なお、同じ銀行の住宅ローンを利用中の方は、その銀行で借り換えることはできないのが通常です。 Q. 変動金利と固定金利、借り換えるならどちらですか? どちらが正解と言い切れるものではありません。返済額が変わらない安心を取るか、今の返済額の軽さを取るかという考え方の違いです。金利情勢は変わりますので、判断する時点の最新の金利を各金融機関の公式サイトで確かめたうえで、ご自身の家計が耐えられる範囲かどうかで選んでください。 上記のように、メリットがある状態の方は借り換えを検討する価値があります。大切なのは、金利差だけでなく諸費用まで含めて計算することと、いま自分がどんな条件で借りているのかを正確に把握すること。この2つがそろえば、借り換えの判断はぐっとしやすくなります。
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