- 公開日: 2026.09.05
- 住宅購入の基礎知識
土地を住宅ローンで購入できる?つなぎ融資と注意点を解説

注文住宅を建てる場合は、まず土地を探し、そのうえで住宅メーカーや工務店に建築を依頼することになります。土地は場所によりますが大きな出費になりますので、手持ちの資金だけでまかなえない場合はローンを利用することになります。そこで気になるのが、「土地を買うときにも住宅ローンは使えるのか?」という点です。
結論から言うと、「住宅を建てることが決まっているかどうか」で答えが変わります。ここを取り違えると、資金計画が最初からつまずいてしまいます。
今回は、土地を住宅ローンで購入できるのか、そしてその際の注意点を、はじめて住宅ローンを検討する方にもわかるように解説します。
土地も建物と合わせて住宅ローンを利用して購入することはできる
建売住宅やマンションであれば、土地の代金も販売価格に含まれていることが多いのですが、注文住宅を建てる場合は、受け継いだ土地に建てるケースを除いて、まず土地を探すところから始まります。
土地の価格は立地や周辺環境によってさまざまですが、大きな金額になりますので、手持ちの資金が足りなければ金融機関から借り入れて購入することになります。
ここで押さえておきたいのが次の点です。住宅ローンは「自分(またはその親族)が住む住宅を取得するためのローン」なので、土地だけを買って住宅を建てる予定がない場合には利用できません。一方で、購入した土地に住宅を建てることが決まっているのであれば、土地と建物を合わせた金額を住宅ローンで借りることができます。
たとえば全期間固定金利の【フラット35】でも、借入額について「建設費(土地取得費に対する借入れを希望する場合は、その費用を含みます)または購入価額以内」と、住宅金融支援機構の公式サイトに明記されています。あわせて、資金使途は申込ご本人またはご親族が住む住宅の建設・購入資金とされ、第三者に賃貸する投資用物件には利用できないことも示されています。
つまり「土地だけ」では借りられず、「住宅とセット」なら借りられる——これが基本の考え方です。土地探しの段階で不動産会社に「住宅ローンを使う予定です」と伝えておくと、話がスムーズになります。
金融機関によっては、土地の購入時と建物の完成時に分けて住宅ローンを実行する「分割実行(土地先行融資)」に対応している場合もあります。取扱いの有無や条件は金融機関ごとに異なりますので、検討している金融機関に直接ご確認ください。
お金が出ていく順番と、住宅ローンが実行される順番はズレる
土地から探して注文住宅を建てる場合に、多くの方がつまずくのがこの「時間のズレ」です。整理してみましょう。
| 時期 | 支払うお金 | 住宅ローンは? |
|---|---|---|
| 土地の契約・決済 | 土地代金、仲介手数料、登記費用など | まだ実行されない |
| 建築工事の着工時 | 着工金 | |
| 工事の途中 | 中間金 | |
| 建物の完成・引渡し | 残金 | ここで実行される |
住宅ローンは原則として建物が完成し、引渡しを受けるタイミングで実行されます。【フラット35】でも、適用される金利は「申込時ではなく、資金受取時の金利」とされているとおり、お金が動くのは建物ができてからです。
ところが、土地代・着工金・中間金はそれより前に支払わなければなりません。この間をどう埋めるかが、次の「つなぎ融資」の話です。
土地代はつなぎ融資を利用して支払うことが一般的

通常の住宅ローンでは建物が完成する前の費用を借りられないため、金融機関によっては、土地代や建築中に発生する費用を先に融資し、住宅ローンが実行されたときにその借入分を精算する「つなぎ融資」を用意しています。
建物が完成するまでの資金を金融機関が立て替えるイメージで、つなぎ融資の期間中、契約者は利息のみを支払うのが一般的です。建物完成後に住宅ローンが実行されたら、その資金でつなぎ融資の元金を返済します。
実際の商品を見てみましょう。SBI新生銀行の「元金一括返済型住宅ローン(つなぎ融資)」の場合、公式のよくあるご質問によれば次のような内容です(2026年9月5日現在)。
| 項目 | 内容(SBI新生銀行の例) | ここを見る |
|---|---|---|
| 使いみち | 戸建住宅建築にかかる土地購入資金 | 建物の着工金・中間金には使えない(同行はグループ会社の(株)アプラスで「住宅つなぎローン」を取り扱い) |
| 毎月の返済 | 利息のみ(毎月26日に返済口座から自動引落) | 元金は減らない点に注意 |
| 元金の返済 | 融資実行日から11か月後の応当月26日に全額一括 | 期限がある=工事の遅れに注意 |
| 適用金利 | 契約月のパワースマート住宅ローンの当初固定金利タイプ(1年)の金利 | 住宅ローン本体とは別の金利 |
つなぎ融資の内容は金融機関によって大きく異なります。「土地だけなのか、着工金・中間金まで対応するのか」「何回まで分割で借りられるのか」「期限は何か月か」——ここは必ず確認しましょう。建築を依頼する会社の支払いスケジュールと、金融機関のつなぎ融資の条件が合っているかが、資金計画の要になります。
つなぎ融資を使うときに確認したいこと
つなぎ融資は便利な仕組みですが、コストがかかります。検討する際は次の点を確認しておきましょう。
- つなぎ融資の利息は、住宅ローンとは別に発生する。借入額と借入期間が長いほど負担は増えます
- 事務手数料や印紙代などの諸費用がかかる場合がある。総額でいくらになるか見積もりを出してもらいましょう
- 返済期限がある。工事の遅れで完成が延びると期限に間に合わないおそれがあります。天候や資材の調達で工期は動くものなので、余裕のあるスケジュールを組みましょう
- 住宅ローンとつなぎ融資は別々に審査されることがあります。申し込みの手順を早めに確認しておくと安心です
- そもそもつなぎ融資を取り扱っていない金融機関もある。金利の低さだけで金融機関を選ぶと、土地から購入するケースでは使えないこともあります
土地から購入して注文住宅を建てる方は、「金利」だけでなく「つなぎ融資に対応しているか」も金融機関選びの条件になります。この点は、建売住宅やマンションを購入する場合とは違うところです。
購入した土地を長期間更地のままにするのはおすすめしない

多くの方は土地を購入してから間をあけずに住宅を建てますが、なかには「良い土地が見つかったので先に押さえておき、建物の計画はゆっくり考えたい」という方もいるでしょう。それも一つの方法ですが、いくつか注意点があります。
まず、土地を購入したあと長期間更地のまま放置する予定であれば、先ほどのつなぎ融資は利用できません。つなぎ融資はあくまで住宅の建築とセットの仕組みだからです。土地だけを先に買いたい場合は、現金で購入するか、住宅ローン以外のローンを利用することになります。
そして、住宅ローン以外のローンは一般に住宅ローンより金利が高く、借入期間も短いのが通常です。「とりあえず土地だけ買っておこう」という判断が、結果的に大きな負担になることもあります。
さらに、次に説明する固定資産税の問題もあります。
更地のままだと固定資産税はどうなる?
土地には毎年固定資産税がかかります。総務省の説明によると、固定資産税は原則として課税標準額に標準税率1.4%を掛けて計算されます(市町村は条例で異なる税率を定めることができます)。
ここで重要なのが「住宅用地の特例」です。住宅の敷地として使われている土地は、税負担を軽減するために課税標準額が次のように軽減されます。
| 区分 | 対象 | 固定資産税の課税標準額 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 価格の6分の1 |
| 一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 | 価格の3分の1 |
出典:総務省「固定資産税」(2026年9月5日確認)。実際の税額の計算や適用の可否は市町村が判断しますので、詳しくはお住まいの市町村へご確認ください。
この特例が適用されるのは「住宅の敷地として使われている土地」であり、住宅が建っていない更地は対象になりません。建物が完成するまでの間は、住宅が建っている場合に比べて固定資産税の負担が重くなる、という点は知っておきましょう。
なお、原文で「駐車場として活用するなど何かしら土地を活用する」ことにも触れましたが、こちらも慎重な検討が必要です。駐車場を整備するには初期費用がかかり、投資した費用を回収できるまでに時間がかかることも、期待した収益が得られないこともあります。住宅用地の特例は「住宅の敷地」であることが前提なので、駐車場として貸し出しても軽減の対象にはなりません。
そのため、不動産の運用に詳しいわけではなく、自分が住む住宅を建てることが目的であれば、土地を購入したらできるだけ早く住宅を建てるほうが、余計なリスクや負担を抱えずにすみます。
よくある質問(FAQ)
Q. 土地だけを住宅ローンで買うことは本当にできませんか?
A. 住宅ローンは自分や親族が住む住宅を取得するためのローンなので、住宅を建てる予定のない土地の購入には使えないのが原則です。ただし、住宅を建てることが決まっていれば、土地代を含めて借りられます。取扱いは金融機関によって異なりますので、具体的な条件は各金融機関でご確認ください。
Q. 土地を買ってから、いつまでに建てなければいけませんか?
A. 期限の考え方は金融機関や商品ごとに異なります。つなぎ融資には返済期限が設けられていますし(SBI新生銀行の例では融資実行日から11か月後の応当月26日)、建物の完成が前提の仕組みである以上、建築のスケジュールが決まっていないまま土地だけ先に契約するのは避けたいところです。土地探しと並行して、建築を依頼する会社の候補も進めておきましょう。
Q. つなぎ融資を使うと、支払う利息はどのくらい増えますか?
A. 借入額・期間・金利によって変わるため一概には言えません。金融機関に、土地代や着工金の借入額と想定される期間を伝えて、利息と諸費用の見積もりを出してもらうのが確実です。工期が延びた場合の想定も一緒に聞いておくと安心できます。
Q. つなぎ融資を使わずに済む方法はありますか?
A. 自己資金で土地代を支払えれば不要になります。また、金融機関によっては土地の決済時と建物完成時に分けて住宅ローンを実行する「分割実行」に対応している場合もあります。取扱いや条件は金融機関ごとに異なりますので、直接ご確認ください。
Q. 土地を買うときにも諸費用はかかりますか?
A. 仲介手数料、登記費用(登録免許税・司法書士報酬)、印紙税、不動産取得税、固定資産税の精算金などがかかります。これらは現金で用意する必要が出てくることもあるため、土地の価格だけで資金計画を立てないようにしましょう。
まとめ|土地から探す方が最初にすべきこと
土地から購入して注文住宅を建てる場合の要点を整理します。
- 土地だけでは住宅ローンを使えないが、住宅を建てるなら土地代を含めて借りられる
- お金が出ていく順番と住宅ローンが実行される順番はズレる(実行は建物の完成後)
- そのズレを埋めるのがつなぎ融資。内容・期限・対象範囲は金融機関でまったく異なる
- 更地のままだと住宅用地の特例が使えず、固定資産税の負担が重くなる
- だからこそ、土地探しと建物の計画・資金計画は同時に進める
金融機関を選ぶ際は、金利の低さだけでなく「つなぎ融資に対応しているか」「対象は土地代だけか、着工金・中間金も含むか」を必ず確認してください。たとえばSBI新生銀行は、土地購入資金に使えるつなぎ融資(元金一括返済型住宅ローン)を用意し、着工金・中間金についてもグループ会社での取扱いを案内しているほか、住宅ローン本体は保証料・一部繰上返済手数料がかからず諸費用の見通しを立てやすいという特徴があります。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているので、はじめて土地から購入する方でも相談しやすいでしょう。全期間固定で返済額を確定させたい場合は、土地取得費も借入対象に含められる【フラット35】も選択肢になります。
なお、各商品の条件・金利・手数料は改定されることがあります。実際に検討する際は、必ず各金融機関の公式サイトで最新の内容をご確認ください。また、税金の取扱いはお住まいの市町村や個別の事情によって異なりますので、詳しくは市町村の窓口や税理士などの専門家にご相談ください。

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