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独身者が住宅を購入する・しないの基準とは?ケースごとに徹底解説

独身者がマイホームを購入するメリット・デメリットを解説した記事では、独身の方が住宅を買うことの良い面・注意すべき面を整理しました。総務省の国勢調査(令和2年)では、一人暮らし(単独世帯)は一般世帯の約38%と最も多い世帯類型になっており、価値観の多様化が進むなか、「独身でも住宅を購入したい」というニーズはますます自然なものになっています。

独身者が住宅を購入するメリットは、ファミリー層と同様に、老後の家賃の心配をしなくてよいことに尽きます。一方でデメリットは、収入源が1つの場合にローンが重荷になりやすいことや、身動きが自由にとりにくくなることです。

今回は、独身者が住宅を購入する場合の「購入する・しない」の判断基準を、ケースごとに解説していきます。

20歳から30歳の若年層で金融資産が少ない場合は賃貸で良い

独身者が住宅を購入する基準として、20歳から30歳の若年層で金融資産が少ない場合は、住宅を購入せずに賃貸で住み続けることをおすすめします。若いうちはこれから生活上の変化が多いことが予想されるため、できるだけ身動きがとれる状態にしておくのがベストです。

また、収入も金融資産も限られたタイミングで頭金の少ない住宅ローンを組むと、購入直後はローン残高が住宅の資産価値を上回る「オーバーローン」の状態になりやすく、返済が家計の重荷になりがちです。いざ売りたくなっても、売却額でローンを返しきれず動けない、ということも起こり得ます。まずは賃貸で住宅関係の費用を抑え、消費支出もコントロールして手元資金を厚くしておくことが先手になります。

さらに、この時期に収支が厳しくなると、お金がないことや住宅ローンを抱えていることで人生の選択肢そのものが制限され、挑戦したいことができなくなってしまうリスクも潜んでいます。若いうちは、将来の人生の自由度を確保しておくことを優先しましょう。

転勤の可能性がある方や少しでも結婚の予定がある人は賃貸が良い

会社員の方で、転勤の可能性がある方や、少しでも結婚の予定があるなど、今後の生活上の変化が予想される場合は、賃貸に住み続けることをおすすめします。

住宅ローンを抱えていると、生活の変化が起きたときに身動きがとりにくくなります。転勤などで購入した住宅に住めなくなれば、最悪の場合「住んでいない家の住宅ローンだけを払い続ける」生活になってしまいます。

転勤と住宅ローンの関係は転勤時の住宅の扱いを解説した記事で詳しく記載していますが、住めなくなった家は「人に貸す」か「売る」かのどちらかになり、転勤前後の忙しい時期に賃貸募集や売却の手続きという大きな手間が発生します。

特に独身の場合は、家族がいる方に比べて身軽と見られ、人事異動の対象になりやすい傾向があります。今の会社に長く勤めるつもりで、雇用契約上も転勤の可能性があるなら、賃貸のままでいるのが無難です。

勤務先から家賃補助がある場合は賃貸で、最終段階で住宅を購入

賃貸に住んでいる会社員の方で、勤務先から福利厚生として家賃補助が支給されている場合は、住宅を購入せずに賃貸で住み続けるほうがお得といえます。

住宅を購入すると、当然ながら家賃補助は適用されなくなります。家賃補助があるうちは住宅関連の支出を最小限に抑えられるため、月々のキャッシュフローを多めに確保しやすいのです。

家賃補助に年齢の上限を設けている企業もありますが、補助が支給されている間に手元資金を貯め、あわせて資産運用で資金を育てておき、補助が終了した時点でも独身であれば、貯めてきた資金を頭金に充てて住宅を購入するという流れが合理的です。頭金を厚くできれば借入額を抑えられ、その後の返済もぐっと楽になります。

実家を相続できる可能性がある方は賃貸でリフォーム費用を貯める

実家を相続できる可能性がある方は、賃貸に住み続けることをおすすめします。

そもそも実家を相続できるのであれば、あらためて住宅を購入する必要性は低いといえます。賃貸に住んでいる間にキャッシュフローを確保し、老後資金だけでなく、相続した住宅のリフォーム費用を貯めておくことが重要です。築年数の経った実家に住むなら、水回りや断熱の改修などでまとまった費用がかかることも想定しておきましょう。

また、相続しても実家には住み続けないというケースもあるでしょう。その場合も、相続するまでは賃貸で暮らし、相続後に実家を売却した資金とこれまでの手元資金を合わせて、最終的な住まいを購入するという進め方がおすすめです。

よくある質問(FAQ)

Q. 独身だと住宅ローンの審査で不利になりますか?

A. 独身であること自体が審査で不利になるわけではありません。審査で重視されるのは、収入の安定性・返済負担率・完済時年齢・信用情報などです。むしろ単身なら生活費を調整しやすい面もあります。ただし収入源が1つなので、病気や転職で収入が途切れたときの備え(生活防衛資金や就業不能への保障)はファミリー世帯以上に意識しておきたいところです。

Q. 独身向けにコンパクトなマンションを買うときの注意点は?

A. 単身向けの物件は、将来のライフスタイルの変化(結婚・同居など)で手狭になる可能性と、売却・賃貸のしやすさをセットで考えておくことが大切です。駅からの距離や管理状態など「他の人も欲しがる条件」を満たした物件なら、住まなくなったときにも貸す・売るの選択肢を取りやすくなります。なお、住宅ローン控除には床面積の要件(原則50㎡以上。年により40㎡以上とする特例が設けられることもあります)がある点も、コンパクト物件では適用可否を国税庁サイトなどで事前に確認しておきましょう。

Q. 家を買ったあとに結婚したら、その家はどうすればいいですか?

A. 2人で住み続ける、貸して住み替える、売却するの3つが基本の選択肢です。ただし、住宅ローンは「本人が住むこと」が融資の条件のため、貸しに出す場合は金融機関への相談が必要になります。売却する場合も、ローン残高より高く売れるかがポイントです。こうした「動きにくさ」があるからこそ、結婚の予定が少しでもあるなら購入を急がないほうがよい、というのが本記事の結論です。

ちなみに、筆者も長年独身をやっていますが、事業用の不動産を保有してはいるものの、実家の相続の可能性があることから居住用の住宅は所有していません。ご自身のケースに当てはめて、「いま買うべきか、まだ買わないべきか」を落ち着いて判断してみてくださいね。

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