- 公開日: 2026.09.16
- 住宅購入の基礎知識
賃貸併用住宅の管理委託とサブリースの違い|任せ方と選び方

賃貸併用住宅の管理を外部に任せる方法は、大きく「管理委託」と「サブリース」の2つです。違いをひとことで言うと、家賃が入居者から直接あなたに入るのが管理委託、管理会社がまとめて借り上げて保証賃料を払ってくれるのがサブリース。手取りを優先するか、収入の安定を優先するかの選択になります。
賃貸併用住宅は、自分や家族が住みながら、空いた部屋を人に貸して家賃収入を得られるのが魅力です。ただし入居者に快適な住環境を提供し続けることは、そのまま「賃貸経営」という仕事になります。会社勤めのかたわらで建物の維持から入居者対応までこなすのは、時間的にかなりの負担です。しかも賃貸併用住宅は自分の家と同じ建物に入居者がいるため、苦情や相談が直接あなたに来やすいという事情もあります。ここでは、管理を外部に任せるしくみと選び方を、はじめての方にもわかるように整理していきます。
仲介会社と管理会社は役割がちがう
「部屋を借りたい」というお客さんが現れたとき、大家さんとの賃貸借契約を取りもつのが不動産仲介会社です。街中にある不動産屋さんのことで、ここが窓口となって希望に合う部屋を紹介し、契約を仲介します。
一方、入居してもらったあとに建物や設備の維持・管理を行うのは、仲介会社ではなく不動産管理会社、または大家さん自身です。もちろん、仲介会社が管理業務を兼ねていることもあります。
つまり、「入居者を見つけてくれる会社(仲介)」と「貸したあとを支えてくれる会社(管理)」は役割が別ということ。管理をお願いしたい場合は不動産管理会社に依頼することになります。ここが最初に混同しやすいところなので、まず押さえておきましょう。
不動産管理会社に任せられる仕事

賃貸併用住宅を建てたあと、入居者に快適な住環境を提供し続けるために、管理会社に委託すればプロのサービスを受けられます。主な仕事は次のとおりです。
- 入居者の募集依頼
- 入居者の審査
- 入居者からのクレーム対応
- 設備のメンテナンスの手配
- 共用部などの清掃
- 設備の修理手配
- 家賃の入金確認・督促
- 退去時の立ち会いチェック
賃貸経営というと「部屋を貸すだけ」というイメージを持たれがちですが、実際には建てたあとにこれだけの仕事が続きます。しかも設備トラブルや入居者からの連絡は、こちらの都合とは関係なく発生します。賃貸併用住宅では「顔が見える距離」にお互いが住んでいるぶん、家賃の督促や騒音の注意といった言いにくい話を自分でするのは、精神的にも骨が折れます。管理会社を間に挟むこと自体が、ご近所付き合いを守る役割を果たす——これは賃貸併用住宅ならではのメリットです。
管理委託とサブリースのちがい

管理をお願いするときの契約のしかたは、大きく2通りです。まず全体像を並べて見てみましょう。
| 比較の観点 | 管理委託契約 | サブリース契約 |
|---|---|---|
| 賃貸借契約の相手 | 入居者と大家さんが直接契約 | 管理会社が借り上げ、入居者へ転貸 |
| 家賃の入り方 | 入居者の家賃がそのまま大家さんへ | 会社から保証賃料が支払われる |
| 大家さんの負担 | 毎月の管理料(家賃の数%程度が目安) | 保証賃料が相場より低く設定される |
| 空室のとき | その分の家賃収入は入らない | 契約条件に沿って保証賃料が入る |
| 向いている人 | 手取りを優先したい・自分で判断したい | 収入を安定させたい・手間を最小にしたい |
管理委託契約
管理委託とは、賃貸物件の管理業務だけを不動産管理会社に委託する契約形態です。賃貸借契約は入居者と大家さんの間で結ぶので、入居者が支払う家賃はそのまま大家さんに入り、そこから毎月一定の管理料(一般的には家賃の数%程度が目安)を管理会社に支払います。
これにより、前の章で挙げた設備のメンテナンス・清掃・修理、入居者の募集・審査・対応・立ち会いといった業務をまとめて任せられます。
ただし、管理委託はあくまで「管理」を任せる契約です。入居者がいなくなれば空室リスクは大家さんが負い、その間の家賃収入は入りません。だからこそ、入居者の募集に強い会社かどうかと、きめ細かく管理してくれるかどうかの両方を見極めることが大切になります。
なお、日頃から毎月のキャッシュフローを確保し、自己資本にも一定の余裕を持たせておくと、空室や金利上昇の局面でも経営を続けやすくなります。考え方は賃貸経営で押さえたい財務のポイントで解説しています。
サブリース契約
サブリースとは、不動産管理会社が物件を一括で借り上げ、入居者へ転貸する契約形態です。空室が発生しても、契約条件に従って一定の家賃収入(家賃保証)が入るのが特徴です。
ただし、管理委託と比べると大家さんの手取りは少なくなります。会社によりますが、受け取る賃料が相場の8〜9割程度になるのが一般的とされています。そして注意したいのが、契約条件によっては保証される賃料が将来見直し(減額)されることがある点です。相手は法人で、借地借家法上は「借主(=サブリース会社)」の立場が保護されやすいため、内容を理解しないまま結ぶとトラブルのもとになります。
検討するときは、会社の経営状況や他の大家さんからの評判を調べたうえで、「賃料の見直し条件」「契約期間」「中途解約の可否」「修繕費はどちらが負担するか」を契約書で必ず確認してください。「○年家賃保証」という言葉だけで判断しないことが、いちばんの防御になります。
知っておきたい「賃貸住宅管理業法」と登録業者の調べ方
サブリースをめぐるトラブルが社会問題になったことを受け、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸住宅管理業法)」が整備されました。サブリースに関する規定が2020年(令和2年)12月15日に、賃貸住宅管理業に関する規定が2021年(令和3年)6月15日に施行されています。押さえておきたいのは次の3点です。
- 賃貸住宅管理業の登録制度…管理戸数200戸以上(自己所有物件の管理を除く)の管理業者は、国土交通大臣への登録が義務づけられました。登録の有効期間は5年で、更新しなければ登録は抹消されます。200戸未満の業者は任意登録です。
- 業務管理者の設置…登録業者は事務所ごとに業務管理者を1名以上置かなければなりません(賃貸不動産経営管理士など一定の要件を満たす人)。
- サブリースの適正化…サブリース業者による「誇大広告」や「不当な勧誘」が禁止され、契約前の重要事項説明が義務づけられました。「○年家賃保証!」のように、賃料の減額があり得ることを示さずに収入が確実に保証されるかのように見せる広告は規制対象です。
登録業者かどうかは自分で調べられます
オーナーとしてまずできるのは、候補の会社が登録業者かどうかを確認し、重要事項説明をきちんと受けることです。登録業者の情報は、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで会社名から検索できます(国土交通省「賃貸住宅管理業者情報」)。制度の詳しい内容は国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト」にまとまっています。会社選びの見るべきポイントは賃貸併用住宅の不動産管理会社を選ぶポイント|国の登録制度もチェックでも整理しています。
Q. 管理委託とサブリース、どちらを選べばよいですか?
A. 手取りを多くしたい・空室リスクを自分で管理できる方は管理委託、多少手取りが減っても収入を安定させたい・手間を最小限にしたい方はサブリースが向いています。賃貸併用住宅は貸し出す部屋数が限られることも多く、まずは管理委託から検討する方も少なくありません。
Q. 管理料の相場はどのくらいですか?
A. 管理委託の管理料は家賃収入の数%程度が一般的ですが、対応範囲によって変わります。サブリースは家賃保証の代わりに受け取る賃料が相場の8〜9割程度になるのが目安です。いずれも会社・物件によって差が大きいので、複数社の見積もりを同じ条件で比べてください。
Q. 自分で管理(自主管理)はできますか?
A. 戸数が少ない賃貸併用住宅なら自主管理も選択肢です。ただし入居者対応や設備トラブルは時間を選ばず発生します。本業がある方は、家賃の集金や入居者からの連絡窓口だけを任せるなど、無理のない範囲で外部委託を組み合わせると安心です。
Q. 管理会社はあとから変えられますか?
A. 契約で定めた解約の手続きに従えば変更できます。ただしサブリースは中途解約の条件が厳しく設定されていることがあるため、契約時に「中途解約の可否」と「解約の申し入れ期間」を必ず確認しておきましょう。あとから変えにくいのはサブリースのほうだ、と覚えておくと判断を誤りません。
まとめ
賃貸併用住宅を長く安定して経営するコツは、「建てて終わり」にせず建てたあとの維持・管理をどう支えるかを先に決めておくことです。管理委託とサブリースのちがいは、家賃が直接入るか・保証賃料になるかという一点に集約されます。そのうえで、登録業者かどうかを確認し、契約書で賃料の見直し条件と中途解約の可否を読む——ここまでやっておけば、大きな失敗はまず避けられます。
賃貸併用住宅そのものの仕組みから確認したい方は賃貸併用住宅とは?戸建てとの違い・メリット・注意点を解説もあわせてどうぞ。管理の方針は住宅ローンの返済計画とも直結するので、資金計画と同じタイミングで考えはじめるのがおすすめです。
※制度や運用は改正されることがあります。賃貸住宅管理業法の最新の内容や登録業者の情報は、国土交通省の公式サイトでご確認ください(2026年9月時点)。

SBIマネープラザは、ドコモSMTBネット銀行とSBI新生銀行の住宅ローンを取り扱う銀行代理業者です。
ネット銀行の住宅ローンを、店頭やオンラインで専門スタッフに相談しながら申し込めます。
SBIマネープラザの住宅ローン相談はここが安心!
- ネット銀行2行の住宅ローンをまとめて比較・相談できる
- 審査や金利タイプの不安も専門スタッフが対面でサポート
- 借り換えやペアローンもシミュレーションで具体的に提案
住宅購入の基礎知識関連記事
-
マンションの資金計画書は営業任せでいい?10年先まで見る家計の作り方
- 2026.09.24
- 3170view
-
売り建てと建て売りの違い|契約2本と資金の流れをやさしく解説
- 2026.09.24
- 3912view
-
道路付けとは?南・北・東・西道路の違いを価格と日当たりで解説
- 2026.09.24
- 3264view
-
マイホーム購入で得する3つのタイミング|値引き・引越し・金利
- 2026.09.24
- 3259view
-
- 2026.09.24
- 7132view
-
40代でマイホーム購入は遅い?晩婚世帯の賢い住宅ローンの組み方
- 2026.09.24
- 3201view










