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住宅ローンはいくら借りられる?家賃から逆算する速算表と使い方

マイホームを買おうと思ったとき、多くの方はまずインターネットで価格相場を調べます。

希望するエリアはいくらぐらいなのか、一戸建てにできるのか、それともマンションか——掲載されている相場を見ながら、買えそうな物件を探していく。ごく自然な流れですよね。

でも、ちょっと目線を変えて探してみませんか。今回は、マイホーム探しにおける「相場」の捉え方と、その場で使える返済額からの逆算のしかたをご紹介します。

「相場」は固定観念と考え、自分の相場で物件を探す

不動産のポータルサイトはいくつもありますが、どれも探し方の手順は似ています。エリアを選び、相場を見て、そこから予算を考える——という順番です。

この手順を、ちょっと変えてみませんか。

やり方は簡単です。相場を見てそこに自分を合わせる「受動検索」ではなく、自分が支払える返済額 → 借りられそうな金額 → 買える価格帯 → 物件検索という順番、つまり自分のキャパシティを起点にした「能動検索」に変えるのです。

順番を入れ替えるだけですが、これだけで「背伸びした物件に心が動いてしまう」ことを防げます。

返済額から借りられる金額を計算する(速算表)

ここで使うのが、住宅ローンの速算表です。とても便利なので、ぜひ手元に置いておいてください。

下の表は、借入額100万円あたりの毎月返済額(元利均等返済・ボーナス返済なし)です。

金利(年) 返済20年 返済25年 返済30年 返済35年
0.500% 4,379円 3,547円 2,992円 2,596円
1.000% 4,599円 3,769円 3,216円 2,823円
1.500% 4,826円 3,999円 3,451円 3,062円
2.000% 5,059円 4,239円 3,696円 3,313円
2.500% 5,299円 4,486円 3,951円 3,575円
3.000% 5,546円 4,742円 4,216円 3,849円
3.500% 5,800円 5,006円 4,490円 4,133円

使い方はかんたんです。

毎月払える金額 ÷ 表の金額 = 借りられる金額(100万円単位)

たとえば、駐車場代を含めた現在の家賃が9万円で、30年返済で考えるとしましょう。

  • 年1.500%で借りる場合…90,000円 ÷ 3,451円 = 約26.1 → 約2,600万円
  • 年3.000%で借りる場合…90,000円 ÷ 4,216円 = 約21.3 → 約2,100万円

同じ「毎月9万円」でも、金利が1.5%違うだけで借りられる金額が500万円も変わります。だからこそ、いま自分が選ぼうとしている金利タイプの水準で計算することが大切なのです。変動金利と全期間固定金利では水準がかなり違いますし、金利は日々見直されますから、実際の金利は各金融機関の公式サイトで確認してから当てはめてみてください。

不動産会社の担当者は専用のローン電卓で計算しますが、この表があればスマホの電卓で十分です。もちろん実際にいくら借りられるかは金融機関の審査で決まりますので、あくまで当たりをつけるための目安として使いましょう。

家賃をそのまま返済額にしてはいけません

ここでひとつ、大事な注意があります。

「いまの家賃と同じ返済額なら大丈夫」とは限りません。持ち家になると、家賃には含まれていなかった費用が新しく発生するからです。

  • 固定資産税・都市計画税…毎年かかります。
  • 管理費・修繕積立金(マンションの場合)…毎月かかり、築年数とともに上がることもあります。
  • 修繕費・リフォーム費(一戸建ての場合)…外壁や屋根、給湯器などの交換にまとまった費用がかかります。
  • 火災保険料・地震保険料…住宅ローンを借りる際は火災保険への加入が必要です。
  • 駐車場代…敷地内に停められない場合は引き続きかかります。

ですから、返済額の目安を出すときは「いまの家賃 -(持ち家で新たにかかる毎月ぶんの費用)」で考えるほうが安全です。管理費と修繕積立金で月2万円かかるなら、家賃9万円の方の返済額の目安は7万円ということになります。

金融機関は「返済負担率」も見ています

自分の感覚だけでなく、金融機関が審査で見ている基準も知っておくと役に立ちます。その代表が「返済負担率(総返済負担率)」——年収に占める年間の返済総額の割合です。

たとえば全期間固定金利の【フラット35】では、次の基準が公表されています(住宅金融支援機構・2026年4月1日現在)。

年収 総返済負担率の基準 注意点
400万円未満 30%以下 住宅ローン以外の借入れも合算して判定されます
400万円以上 35%以下

ここで見落としがちなのが、対象になるのは住宅ローンだけではないという点です。【フラット35】の場合、自動車ローン・教育ローン・カードローンのほか、クレジットカードのキャッシングや分割払い・リボ払いも合算して判定されます。

「カードのリボ払いが少し残っている」「車のローンがあと2年ある」——こうしたものが、借りられる金額を押し下げていることは珍しくありません。先に完済しておくと選択肢が広がるケースもありますので、資金計画を立てる段階で一度洗い出しておきましょう。審査の基準は金融機関によって異なりますので、詳しくは申し込む金融機関にご確認ください。

「借りられる金額」=「買える物件価格」ではありません

速算表で出た金額は、あくまで借りられそうな金額です。実際に買える物件の価格は、次のように考えます。

買える物件価格 = 借入見込み額 + 頭金 - 諸費用

住宅の購入には、物件価格のほかに事務手数料・保証料・登記費用・印紙税・火災保険料といった諸費用がかかります。これらを見落として物件価格ぎりぎりまで予算を組んでしまうと、契約の段階で資金が足りなくなってしまいます。

なお【フラット35】では保証料と繰上返済手数料は不要とされていますが、融資手数料は取扱金融機関によって異なります。同じ商品名でも、窓口となる金融機関で費用が変わるということです。

物件検索へ——ここまで来たら能動的に動けます

ここまで数字が出せれば、あとはその価格帯で検索し、気になる物件に問い合わせ、現地を見学して比べていくだけです。

速算表から返済額と借入見込み額を割り出しておくことで、相場に振り回される「受動検索」ではなく、自分の基準で選ぶ「能動検索」ができるようになります。

金利や諸費用の条件は金融機関ごとに違います。たとえばSBI新生銀行のパワースマート住宅ローンは、事務手数料が借入金額×2.20%(税込)の定率型である一方、原則として保証会社を使わないため保証料がかかりません。一般の団信は上乗せ金利0円、一部繰り上げ返済の手数料も0円です。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているので、「自分の場合はいくら借りられて、いくらかかるのか」を確かめながら進めやすいでしょう(2026年8月時点・公式サイトにて確認。最新の金利・手数料・団信の内容は公式サイトでご確認ください)。

借入額の逆算についてよくある質問

Q.速算表の数字は、どの金利を当てはめればいいですか?
A.検討している金利タイプの、いまの適用金利を当てはめてください。変動金利で考える場合は、金利が上がったケース(たとえば+1.000%)でも計算してみると安心です。両方の数字を見てから物件価格を決めると、あとで慌てずにすみます。

Q.ボーナス返済を使えば、もっと借りられますか?
A.計算上はそうなりますが、ボーナスは金額が変わることも支給されないこともあります。毎月の返済だけで成り立つ計画を基本にしておきましょう。

Q.返済期間を35年にすれば、たくさん借りられますか?
A.毎月の返済額は下がりますが、支払う利息の総額は増えます。また借入期間には上限があり、【フラット35】では「80歳-申込時の年齢」と「35年」のいずれか短いほうが上限です(15年以上。申込みご本人または連帯債務者が満60歳以上の場合は10年以上)。完済時に何歳になっているかも必ず確認しましょう。

Q.速算表で出た金額なら、必ず借りられますか?
A.いいえ。実際の借入可能額は、年収・勤続年数・他の借入れ・健康状態・物件の担保評価などをもとに、金融機関の審査で決まります。速算表は物件を探す前に当たりをつけるための道具と考えてください。

Q.まず何から始めればいいですか?
A.①いまの家賃から持ち家で増える費用を引いて、無理なく払える返済額を出す→②速算表で借入見込み額を出す→③頭金と諸費用を足し引きして買える価格帯を出す→④その価格帯で物件を探す、の順番です。数字を先に出しておくと、迷いがぐっと減ります。

次回も引き続き、「相場」のお話をしていきます。

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