- 公開日: 2026.07.09
- 任意売却物件の購入
任意売却物件を購入するメリット・デメリット|契約不適合責任の注意点も解説

住宅ローンの返済がどうしても難しくなった場合、債務者は債権者(お金を貸している金融機関など)と話し合ったうえで、こちらの記事で解説している「任意売却」を選択することができます。
任意売却は、競売にかけられる前に売却手続きを行うため、市場に近い価格で売却できるメリットがあり、売る側(債務者)にとって負担の少ない方法です。一方で、これから住宅を購入する側から見ると、任意売却物件を探すことで相場より安く住宅を購入できたり、掘り出し物件に出会えたりする可能性があります。
今回は、住宅の購入を検討している方に向けて、任意売却物件を選ぶ際のポイントと、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
任意売却物件とは?
はじめに、任意売却物件について簡単におさらいしましょう。こちらの記事で詳しく説明していますが、住宅は購入金額が高額になるため、多くの方は住宅ローンを組んで毎月返済していきます。
しかし、収入の減少など不測の事態によって、住宅ローンの返済が困難になるリスクは誰にでもあります。その場合、まず金融機関と今後の返済について話し合うことになりますが、どうしても返済が困難と判断された場合に、債権者の同意を得て住宅を売却し、売却代金を住宅ローンの返済に充てる手続きが「任意売却」です。こうして市場に出てきた物件が「任意売却物件」と呼ばれます。
任意売却物件を選ぶメリット

任意売却物件というと「訳あり物件では?」と身構えてしまう方もいますが、競売にかけられる前の段階で売りに出されている物件なので、基本的には一般の中古物件と同じように取引できると考えてよいでしょう。ただし、後述するとおり契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)が免責される契約が一般的なため、一般的な中古物件に比べると価格が安くなる傾向にあります。
1.住宅が安く購入できる
任意売却の大きなメリットは、住宅を安く購入できる可能性があることです。物件にもよりますが、一般的に流通している住宅と比べて8割程度の価格で購入できるケースもあると言われます。
2.掘り出し物件が見つけられる
任意売却物件は「訳あり」のイメージから、新築志向が強い日本では敬遠される傾向にあります。しかし、物件によっては充実した設備や立地条件など、一般に流通している物件にはない魅力を持つ掘り出し物件が見つかる可能性も十分あります。競争相手が少ない分、価格以上の価値がある物件に出会えることもあります。
3.住宅ローンを利用しても購入できる
任意売却物件を購入する場合でも、一般的な不動産と同様に住宅ローンを利用して購入することができます。ただし、任意売却は債権者との調整など多くの手続きに時間を要するため、住宅ローンの契約は余裕を持って早めに金融機関へ相談することが重要です。
4.所有者と合意の上で内覧が可能
任意売却物件は所有者がまだ居住しているケースが多いですが、合意の上で内覧ができます。競売物件では原則として内部を見られないのに対し、任意売却なら住宅の設備や状態を事前にチェックでき、不明な点を所有者に直接確認できるのは大きなメリットです。
任意売却物件のデメリット

一方で、任意売却物件にはデメリットもあります。最も大きいのは「契約不適合責任」(2020年4月の民法改正前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていた売主の責任)が免責される契約が一般的なことです。デメリットを十分に理解したうえで購入を検討しましょう。
1.契約不適合責任が免責され、不具合は購入側の負担になりやすい
まず用語のミニ解説です。契約不適合責任とは、引き渡された物件が契約内容に合っていない(雨漏り・シロアリ被害などの不具合がある)場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。2020年4月1日に施行された改正民法で、従来の「瑕疵担保責任」から名称と内容が改められました。
この責任は当事者の合意で免除できる「任意規定」であり、任意売却では、経済的に余裕のない売主が後から補修費用などを負担できないため、契約不適合責任を免責とする特約を付けて売買されるのが一般的です。つまり、購入後に不具合が見つかっても、修繕費用は購入側が負担することになりやすいのです。
そのため、物件は必ず売主と調整して内覧を行い、設備や機能に不具合がないかを細かくチェックしましょう。不明点や疑問点は必ず売主に確認し、設備状況の確認書類(付帯設備表・物件状況等報告書など)を残しておくことが、後々の大きなトラブルを防ぐポイントです。
2.大幅な値引き交渉は難しい
任意売却物件の売出価格は、債権者が貸したお金を回収するために設定した金額であり、値下げには債権者の同意が必要です。そのため、一般的な中古物件のような感覚での大幅な値引き交渉は難しいと考えておきましょう。
3.債権者との合意が必要で、時間と手間がかかる
任意売却物件の購入は、所有者である債務者と購入側が合意しただけでは成立しません。お金を貸している債権者の合意が必要となるため、購入に至るまでの手続きに時間と手間がかかります。売主側の事情によっては取引が途中で流れる(競売へ移行する)可能性もある点は理解しておきましょう。
一般中古・任意売却・競売はどう違う?
「任意売却と競売は何が違うの?」という方のために、購入者から見た違いをざっくり整理しておきます。
| 比較の観点 | 一般的な中古物件 | 任意売却物件 | 競売物件 |
|---|---|---|---|
| 価格の傾向 | 市場相場どおり | 相場よりやや安めのことが多い | さらに安いが入札制で確実に買えるとは限らない |
| 内覧 | 可能 | 所有者の合意があれば可能 | 原則として内部の内覧は不可 |
| 売主の責任(契約不適合責任) | 契約内容による(一定期間付くことが多い) | 免責特約が付くのが一般的 | 制度上なし(すべて自己責任) |
| 住宅ローン | 利用しやすい | 利用できるが日程調整に注意 | 利用のハードルが高め |
こうして見ると、任意売却物件は「競売ほどのリスクは負わずに、相場より安く買えるチャンスがある」という中間的な位置づけであることがわかります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 任意売却物件はどこで探せばよいですか?
A. 不動産ポータルサイトでは「任意売却」と明示されないことも多いため、任意売却を扱う不動産会社や専門業者に相談するのが近道です。気になる中古物件があれば、担当者に売却の背景を確認してみるのもよいでしょう。
Q2. 契約不適合責任が免責でも、リスクを減らす方法はありますか?
A. あります。内覧時のチェックを入念に行うことに加え、専門家による建物状況調査(ホームインスペクション)の利用を検討しましょう。建物の劣化や不具合を第三者の目で確認してもらえるため、免責特約付きの物件でも安心材料になります。
Q3. 購入前の所有者がなかなか退去しない、ということはありませんか?
A. 任意売却では所有者が居住したまま売りに出されることが多いため、引き渡し時期と退去の条件を売買契約で明確にしておくことが大切です。不動産会社を通じて、引っ越しの見通しを事前に確認しておきましょう。
Q4. 住宅ローンの審査で気をつけることはありますか?
A. 任意売却は債権者との調整で日程が動きやすいため、早めに金融機関へ相談して資金計画を固めておくことが重要です。金融機関選びでは、金利だけでなく諸費用や相談のしやすさも比較しましょう。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、保証料や一部繰上返済手数料が0円で諸費用の仕組みがわかりやすく、店舗での対面相談とオンライン手続きの両方に対応しているため、はじめての方でも段取りを相談しながら進めやすい選択肢のひとつです。
※本記事の内容は2026年7月時点の情報です。契約条件や各金融機関の商品内容は個別の取引・時期によって異なるため、最新情報は不動産会社・各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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