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住宅ローンの審査項目とは?金融機関が重視するポイントを最新調査で解説

金融機関で住宅ローンを契約するとき、「貸したお金をきちんと返してもらえるか」という視点で必ず「審査」が行われます。よく「年収や雇用形態など、安定した収入があるかで判断される」と言われますが、実際にどんな項目がどれくらい重視されているのかは、初めての方にはなかなか見えにくいところですよね。

そこで今回は、国土交通省が毎年実施している「民間住宅ローンの実態に関する調査」の最新結果(令和7年度調査・2026年公表)をもとに、住宅ローンの審査で実際に考慮されている項目を、やさしく解説していきます。

契約者の完済時の年齡

住宅ローンの審査で、もっとも多くの金融機関が考慮している項目が「完済時の年齡」です。令和7年度の調査では、実に98.4%の金融機関が審査で考慮していると回答しており、長年にわたり考慮率の1位が続いています。

住宅ローンを契約すると、35年など長期間にわたって返済を続けることになります。ところが、完済するのが定年退職のあとになると、収入の低下で返済に支障をきたすおそれがあります。だからこそ金融機関は「何歳で返し終わるのか」を重視するのです。なお、多くの金融機関では完済時年齢の上限を80歳前後(80歳未満など)に設定しています。

そのため、住宅ローンを組むときは、できるだけ定年退職前に完済できる返済計画にしておくのが理想です。事情があって借入時の年齡が遅くなる場合は、頭金を多めに用意して借入額を抑える、繰上返済を計画に組み込むといった工夫が大切になります。

契約者の健康状態

健康状態」も、ほぼすべての金融機関が考慮する重要項目です。令和7年度調査では96.1%の金融機関が審査で考慮していると回答しています。

なぜ健康状態が重要かというと、団体信用生命保険(団信)に加入できるかどうかに直結するからです。団体信用生命保険についてはこちらの記事で詳しく紹介していますが、契約者が病気などで死亡または高度障害となり収入が途絶えた場合に、保険金で住宅ローンの残債を清算する仕組みです。

金融機関にとっては「貸したお金が返ってこないリスク」を避けるための保険なので、多くの金融機関が団信への加入を融資の条件(必須)としています。健康状態に不安がある方は、引受基準を緩和した「ワイド団信」を用意している金融機関や、団信への加入が任意である【フラット35】も選択肢になります(詳しくは後半のFAQをご覧ください)。

契約者の借入時の年齡

借入時の年齡」も96.2%の金融機関が考慮しており、健康状態とほぼ横並びの重要項目です。完済時の年齡と表裏一体の関係で、借入時の年齡を踏まえて「現役の間に無理なく返済できるか」をチェックしています。

もちろん、借入時の年齡が若いほど返済期間に余裕を持たせられるので、審査では有利に働きやすくなります。ただし、年齡だけで合否が決まるわけではなく、収入・頭金・物件など他の項目もあわせて総合的に判断されます。年齡が高めでも、頭金を多めに用意して借入額を抑えれば、返済期間を短くするなど柔軟な返済プランを立てられます

購入を予定している住宅の担保評価

購入予定の住宅に対する「担保評価」も、約9割の金融機関が考慮する項目です。金融機関はお金を貸すとき、購入する物件に抵当権を設定し、住宅や土地を担保として融資します。そのため、その物件がどれだけの価値と評価されるかをしっかりチェックするのです。

万が一、住宅ローンの返済ができなくなった場合、金融機関は抵当権を実行して住宅を競売にかけ、債権を回収します。つまり金融機関の立場では、「競売にかけたときに買い手が付きやすい物件」であるほど安心して貸せる、ということになります。物件の資産価値は、借りる側にとっても将来の売却や住み替えを考えるうえで大切な視点です。

契約者の勤務年数と年収

年収」は94.2%、「勤続年数」は93.9%の金融機関が考慮しています。勤続年数が長いほど「安定して働き続けており、収入も安定して得られている」という判断につながります

かつては「勤続3年以上が目安」と言われることも多かったのですが、転職が一般的になった近年では、勤続年数の基準は金融機関によって大きく異なり、転職直後でも申し込める金融機関もあります(キャリアアップの転職であれば職務経歴などをふまえて判断されるケースもあります)。短期間で転職を繰り返しているとマイナスに働きやすい点は今も変わらないので、心当たりのある方は、申込前に各金融機関の申込条件を確認しておきましょう。

年収については、高ければ高いに越したことはありませんが、金融機関が見ているのは金額そのものよりも、購入予定の物件価格に対して無理なく返済できるか(返済能力)です。この「年収に占める年間返済額の割合」を「返済負担率」といい、令和7年度調査では90.9%の金融機関が審査で考慮しています。ご自身の年収を把握したうえで、返済能力に見合った物件を選ぶことが何より重要です。

主な審査項目の一覧表

令和7年度調査で考慮率の高かった主な審査項目を、見られるポイントとあわせて整理しました。

審査項目(考慮率) 見られるポイント 初心者へのアドバイス
完済時年齢(98.4%) 何歳で返し終わるか。多くは80歳前後が上限 定年前の完済を意識した返済計画を
借入時年齢(96.2%) 現役の間に無理なく返せるか 年齡が高めなら頭金・期間短縮でカバー
健康状態(96.1%) 団信に加入できるか 不安があればワイド団信やフラット35も検討
年収(94.2%) 物件価格に対する返済能力 年収に見合った物件選びが基本
勤続年数(93.9%) 収入の安定性・継続性 基準は各行で異なる。転職直後は事前に確認
返済負担率(90.9%) 年収に占める年間返済額の割合 余裕を持った借入額に抑えるのが安心

出典:国土交通省「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」

審査についてよくある質問(FAQ)

Q. 審査は1回だけですか?「仮審査」と「本審査」の違いは?

A. 多くの金融機関では、申込前の簡易チェックである「仮審査(事前審査)」と、正式な「本審査」の2段階で行われます。仮審査は年収や年齡などの申告情報をもとにした短期間の審査、本審査は書類にもとづく正式な審査です。なお、SBI新生銀行のように原則として仮審査がなく、本審査のみで完結する金融機関もあります。二度手間がない分、必要書類は最初にそろえる必要があるので、他行と併願する場合は段取りを工夫しましょう。

Q. 健康状態に不安があり、団信に入れるか心配です。

A. 持病があっても、告知内容によっては通常の団信に加入できる場合があります。難しい場合も、引受基準を緩和した「ワイド団信」(金利上乗せあり)を扱う金融機関や、団信への加入が任意の【フラット35】という選択肢があります。あきらめる前に複数の金融機関へ相談してみましょう。

Q. 審査に落ちてしまったら、もう住宅ローンは組めませんか?

A. そんなことはありません。審査基準は金融機関ごとに異なるため、ある銀行で見送られても、別の銀行では承認されるケースは珍しくありません。ただし、クレジットカードやスマホ端末代の分割払いの延滞など信用情報に原因がある場合は、まずそちらの解消が先決です。

まとめ:審査項目を知れば、準備すべきことが見えてくる

住宅ローンの審査でとくに考慮されているのは、「完済時・借入時の年齡」「健康状態」「年収・勤続年数・返済負担率」といった項目です。裏を返せば、「定年までの完済を意識した資金計画」「健康なうちの検討」「年収に見合った物件選び」ができていれば、審査は過度に恐れるものではありません。

審査の基準や必要書類は金融機関ごとに異なるので、気になる金融機関の公式サイトで最新の申込条件を確認しながら、余裕を持って準備を進めていきましょう。

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