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転勤になったら住宅ローン控除はどうなる?再適用の条件と手続きを解説

住宅を購入して住宅ローンを借りると、適用条件を満たしていれば「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」という税優遇を受けられます。ところが、転勤などの事情で住宅ローンの返済中に引っ越すことになると、「これまで受けていた住宅ローン控除はどうなるの?」と不安になりますよね。

この記事では、住宅ローン返済中に転居が必要になった場合に、住宅ローン控除がどう扱われるのかを、初めての方にもわかりやすく解説します。

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)とは?

はじめに、住宅ローン控除について簡単におさらいします。

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、年末のローン残高に応じて、納めるべき所得税(控除しきれない分は一部住民税)から一定額が差し引かれる税優遇制度です。現在の制度では、控除率は年末残高に対して一律0.7%、控除を受けられる期間は新築・買取再販住宅で最長13年、中古(既存)住宅で10年が基本です。

主な適用条件は次のとおりです(2026年6月時点)。

  • 自分や家族が住むための住宅であること(取得後6か月以内に入居し、その年の年末まで住み続けること)
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上あること
  • 住宅の床面積が原則50平方メートル以上(新築で合計所得金額1,000万円以下の場合は40平方メートル以上に緩和)
  • 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 中古住宅の場合は、一定の耐震性などの条件を満たすこと

住宅ローン控除の基本については、住宅ローン控除を詳しく解説した記事でもまとめていますので、あわせてご覧ください。なお、制度の内容は税制改正で変わることがあるため、最新の要件は国税庁のホームページで確認しておくと安心です。

住宅ローン控除を継続して受けたい場合は単身赴任がベスト

住宅ローン控除は「自分や家族が住むための住宅であること」が条件です。そのため、転勤で家族全員が引っ越してしまうと、その時点で住宅ローン控除は受けられなくなります。

一方、比較的短い期間の転勤であれば、本人だけが単身赴任し、残りの家族がそのまま購入した住宅に住み続けることで、住宅ローン控除を継続して受けられます。この場合は特別な手続きも不要です。

そのため、引き続き住宅ローン控除を受けたい場合は、まず単身赴任という選択肢を検討してみるとよいでしょう。

再入居の予定があれば残りの期間に対して住宅ローン控除が適用できる

遠方への転勤で単身赴任の費用負担が大きいなど、家族全員で引っ越さざるを得ないケースもあるでしょう。その場合でも、住宅ローン控除の控除期間内に購入した住宅へ再び戻ってくる予定があれば、残りの期間について再度、住宅ローン控除の適用を受けられます。ただし、転勤で住んでいない期間は控除の対象になりません。

たとえば、控除期間が13年の新築住宅で、購入した住宅に3年間住んだあと、2年間の転勤で別の場所に住み、再び戻ってきた場合を考えてみましょう。住んでいなかった2年間(控除期間の4・5年目)は控除を受けられませんが、再入居した6年目から13年目までの残りの期間について、再び控除を受けられます。結果として、住んでいた1〜3年目と6〜13年目を合わせた最大11年分の控除を受けられる計算です。中古住宅で控除期間が10年の場合も、同じ考え方で残りの期間ぶんを受けられます。

ただし、転勤が長引いて控除期間(新築等は最長13年、中古住宅は10年)が終わってから戻ってきた場合は、再適用を受けられなくなるので注意が必要です。

自己都合による転居は適用外になるので注意

控除期間内に再入居すれば残りの期間について控除を受けられるのは、あくまで勤務先からの転任命令など、やむを得ない事情で転居した場合です。会社都合の転勤ではなく自己都合で転居して再び戻ってきた場合は、残りの期間があっても住宅ローン控除の再適用を受けられないことがあるので注意しましょう。

また、転居している間にその住宅を賃貸として人に貸していた場合、再び戻って住むときは、再入居したその年は控除の対象とならず、翌年からの適用になります。さらに、入居者がいた場合は退去スケジュールの調整も必要です。再入居の予定がある場合は、あらかじめ期間を決めておくか、入居者へ余裕をもって通知しておくことが大切です。

住宅ローン控除を再適用する場合は事前に届け出が必要

住宅ローン控除を受けている途中で転勤により一旦転居し、控除期間内に再入居して再び控除を受けたい場合は、転居する前に転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を、その住宅の所在地を所轄する税務署に提出しておく必要があります。

この手続きをしておかないと、再入居しても住宅ローン控除を再適用できなくなることがあるため注意してください。また、再入居して再び控除を受ける最初の年は、確定申告の手続きが必要です(2年目以降は会社員なら年末調整で対応できます)。

手続きの詳しい内容は、国税庁のホームページ(No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等)に記載されていますので、あわせてご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 単身赴任なら手続きは必要ですか?
A. 必要ありません。家族が引き続きその住宅に住んでいれば、住宅ローン控除はそのまま継続されます。届出が必要になるのは、家族そろって転居し、控除期間内に再入居する予定がある場合です。

Q. 海外への転勤でも再適用は受けられますか?
A. 勤務先の転任命令などやむを得ない事情であれば、国内転勤と同じ考え方で、控除期間内に再入居すれば残りの期間について再適用を受けられます。転居前の届出と、再入居した年の確定申告を忘れないようにしましょう。

Q. 転居前に「届出書」を出し忘れた場合はどうなりますか?
A. 再入居しても控除を再適用できなくなるおそれがあります。取り扱いは状況によって異なるため、早めに所轄の税務署や税理士に相談することをおすすめします。

Q. 転勤の間、住宅を賃貸に出しても再適用できますか?
A. 一定の要件を満たせば再適用は可能ですが、賃貸に出していた場合は再入居した年は対象外で、翌年からの適用になります。

転勤による転居は突然決まることも多く、住宅ローン控除の手続きを見落としがちです。「単身赴任なら継続」「家族で転居しても控除期間内に再入居すれば残りの期間は再適用できる」「そのためには転居前の届出が必要」という3点を押さえておけば、いざというときも慌てずに対応できます。判断に迷うときは、税務署や税理士など専門家に確認しながら進めましょう。

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